特区警察警備部特別対応部隊 SRU 作:Jdeath0930
飛鳥特別行政区警察は八雲会の事務所への強制捜査に踏み切る。しかしそこで銃撃戦となり、警察は多数の負傷者を出してしまう。
制圧のためSRUも投入され、事務所の制圧は成功し武器の押収もできたが、肝心の幹部の拘束はできないでいた。
しかし現場から少し離れた場所で動きがあり、警察はそこに警官を送り込むが突如銃撃戦が始まってしまった。
用語解説:公安警察
2013年の省庁再編及び警察改革により、公安部門を統合し内務省の外局として発足した組織。主に政治や海外勢力が絡んだ事件捜査を担当する。
しかし最近になり捜査が行き過ぎているとの世論の厳しい風当たりを受けている。
高級住宅街を黒のメルセデスベンツEクラスが走る、中には10代の少女と運転手が乗っている。
「お嬢様、どうやら奴ら警察とやりあっているようですよ」
運転手の男が後部座席に座っている少女に話しかける。
「全く、あれだけ慎重に行動しろと言っておいたのに」
少女はあきれた返答をする。
「仕方ありませんよ、この特区を任されている奴は血の気多い奴ですからね」
「それでも理性的な行動くらいできるでしょうに」
「どうします、八雲会の上に言って取引を止めますか?」
「いえ、まだいいわでも注意だけはするように伝えておきなさい」
「かしこまりました、もうすぐ着きますよ準備してください」
少女は運転席と助手席の間にあるボックスに付いているキーパッドを操作して番号を入力するとボックスの蓋が開く、中にはSIG P210と9mm弾入りのマガジンが入っていた。少女は銃とマガジンをカバンに入れる、車が目的地に着きドアが開く。
「ウルフ、もし奴が警察に捕まるようなら始末しなさい」
少女はそういうと車から降りて去って行った。
「かしこまりました、お嬢様」
運転手の男はSTI2011を取り出してスライドを引いた。
2025年4月29日飛鳥特別行政区北区扇町
俺たちは建物から飛び出すと外では慌ただしく捜査員達が動いている。さらに街中には銃声が響き渡っている。
「おいお前ら!何ボッとしてるんださっさと応援に行くぞ」
「急げ!急げ!」
「車を出せ!早く!」
キュルルルと音を立てて、何人かの捜査員が車に乗り込んで去って行った。
「こちら厚木集十!、本部で待機してるデルタチームとエコーチームを急いで応援に回せ、あと北署に応援を要請し道路の封鎖を急げ!」
集十さんがパトカーの無線で本部と連絡を取り合っている、俺は集十さんに声をかける。
「集十さん!」
「白瀬か、急いで向こうの応援に行けチャーリーも急いで向かわせる、これは装甲車のカギだ使え」
集十さんは俺に装甲車のカギを投げ渡した、俺はそのカギを受け取る。
「了解!お前ら行くぞ!」
俺は部下に命ずる。
「「「「「「「了解!」」」」」」」
彼らは大きな声で返事をした。
俺たちは装甲車に乗り込み、銃撃戦の現場に到着した。そこでは犯人達と警官が激しい銃撃戦を繰り広げていた。
装甲車から降りて、警官たちのもとに駆け付ける。
「状況を教えてくれ」
俺は応戦している警察官に状況の説明を求めた。
「容疑者は10人、自動小銃と機関銃で武装している、警官5人が撃たれて負傷!」
説明を求めている間にもパトカーに銃弾が着弾して、金属音が響き渡る。
「よし俺達で抑えるぞ、葵、秋人、白峯は俺に付いてこい、残りは後ろから援護しろ」
「「「「「「「了解!」」」」」」」
「よし行くぞ!」
俺と葵、秋人、白峯が物陰から飛び出ると同時に、後方から援護射撃が入り、一時的に敵の攻撃がやんだ。その隙に俺たちは敵との間を詰めた。
俺は持っていたSW1911の引き金を引く、弾丸は敵の胸に命中して血飛沫を挙げながら敵は倒れた。しかし直ぐに敵の銃撃が始まり俺は車に身を隠す。俺はその間にSW1911からマガジンを出し、腰のマグポーチから別のマガジンを取り出して銃に装填する。
俺は周りを見渡すと、奴らの近くに骨組みを積んだクレーンがあるのが見えた。
「おい、あのクレーンを狙え!」
俺がそう言うと、皆が一斉にクレーンのフックを狙って一斉射撃を開始した。するとフックが破壊され、そこに吊るさていた大量の骨組みが次々と落下して敵に襲い掛かる。1人は骨組みの下敷きになり、もう1人は骨組みが体に突き刺さった、さらに落ちた骨組みで相手のSUV1台を破壊してくれた。
銃撃戦を続けていると、突然向こうからの銃撃の勢いが弱まった。よく見ると残った1台のSUVとセダンに残った敵が乗り込んでいる、その中の一人は目標だった幹部も混ざっている。
「おい、奴ら逃げるぞ!」
警官の一人が叫ぶと、SUVが先頭にこちらに突っ込んできた。
「皆避けろ!」
俺が叫ぶと同時に、SUVがパトカーとパトカーの間に突っ込み道を切り開くとセダンが後ろに続いて、逃走していった。
「犯人が逃走した!追え!追え!」
警官が叫ぶと、パトカーが次々と走り去っていく。
「俺達も行くぞ、葵、秋人付いてこい」
「「了解!」」
「残った奴は装甲車で追いかけてこい」
「「「「「了解!」」」」」
俺と葵、秋人は近くにあった4ドアスポーツのパトカーのトランクからあるものを取り出して、車に乗り込む。俺が運転席で葵が助手席、秋人が後部座席に乗り込む。乗ったのを確認した俺はパトカーを発進させる。
<本部へこちら18号車、容疑者が現場から逃走、現在扇町通を西に逃走中>
<車種は白のX6と黒のSクラス>
無線で追跡中のパトカーからの報告が入る。奴らはどうやら西のほうへ向かっているらしい。
<容疑者がこちら向けて発砲してきた、銃撃で12号車がやられた!>
<クソ、こっちにも…ガッシャーン>
<18号車が、車に激突!>
無線からはひっ迫したやり取りが流れる。
「まずいな、急いで合流しないと被害が拡大する一方だ」
俺は車のアクセルを踏み込むと車は一気に加速しスピードメーターは100キロを超える。俺は一般車にぶつからないようハンドルを操作して走行中の車の間をスラロームして進む。すると無線が入った
<こちらエアー9、容疑者は扇町5の交差点を右に曲がり、区道1号に入り北上中>
「北に向かってるな、近道するぞ」
俺はハンドルを右に切り、区道1号と並走する道を走る。
「秋人、奴らの車が見えたら、どっちかにこれを撃ち込め」
俺は秋人に先ほどトランクから出したものを渡す、それはグレネードランチャーのような形をしていた。
「これって、V.E.C.D.Dですよね」
「使い方は分かるな?」
「大丈夫です、訓練で習いましたから」
彼は装置の安全装置を解除して、ガス圧調整バルブを捻りコッキングハンドルを引く。
<容疑者は尚区道1号を北上中、間もなく岸峰町に差し掛かる>
「近いぞ、準備しろ」
「「了解!」」
俺はハンドルを左に切り左折する、少し進むと大きな通りが見えてきて2台の車と3台のパトカーが凄い勢いで走り去っていった。俺はその通りに入りハンドルを右に切り、走り去っていった車達の後を追う。
追いつくと敵のSUVからの銃撃を受けた、俺はハンドルを左に切り回避行動をとる。しかし1台のパトカーは銃弾を浴び、運転手が被弾したのか車が右にそれて分離帯に激突して大破してしまった。
犯人達は尚もこちらに向けて銃を撃ち続けてくる。
「2人共、うるさい奴らを黙らせろ」
「「了解」」
葵は窓から少し身を乗り出すとP90をSUVに向けて撃ちめ、秋人もHK45を撃つ、俺もハンドルを持つ手を左手だけにして右手にSW1911を持ち引き金を引き、奴らの車に弾を撃ち込む。
ガチャと音を立ててSW1911のスライドが後退してロックされる、俺はマガジンキャッチボタンを押してマガジンを銃から取り出す、そしてハンドルからいったん手を放し素早くマガジンを銃に装填しスライドストップレバーを下げるとジャキンという金属音を立ててスライドが前進した。
「リロードします、援護を!」
葵が車内に戻ってきた。
「了解」
俺と秋人は再び銃をSUVに撃ち続ける、葵はその間にP90のマガジンを変えてチャージングハンドルを引くと、再び窓から身を乗り出して銃撃を続ける、すると相手の攻撃が弱まった。
「秋人、V.E.C.D.Dを準備しろ」
俺は秋人にそういうと、アクセルを踏み込みSUVとの間を詰める、秋人はV.E.C.D.Dの装置を構えてサイトをを覗き照準を合わせる。照準を合わせ終わり秋人は引き金を引く、すると銃口から二本の針が付いた円状の筒が射出された。
射出された筒は敵のSUVの後部ドア付近に命中、秋人は命中を確認すると装置についていた赤いボタンを押す。すると車に刺さった針から大きな電流が流れる。その直後SUVはコントロールを失ったのか、突然スピンして横転してしまった。
「これで残るは一台」
俺は無線を取り、追跡に参加しているパトカーに指示を出す。
「あのセダンはこっちで追う、そっちはあのSUVを頼む」
<8号車了解>
<2号車了解>
2台のパトカーは180度反転すると、横転したSUVのところに戻って行った。
俺たちは引き続き残ったセダンを追跡するが、先程V.E.C.D.Dを使ってしまったため車を止める方法を俺は考えていた。何度かPITマニューバを試したが、奴らは車を改造してるのか何度やっても車体はびくともしなかった。
「どうします、あの車には目標が乗ってるから下手に撃てませんよ」
葵が話しかける。
「考えてるよ今、あの車やたら頑丈でな」
俺は葵に返答すると、無線が入った。
<こちらエアー4、現在SRUチャーリーチームを乗せて移動中>
俺はその無線を聞きあることを閃く。
「チャーリーリーダー、こちらブラボーリーダー、そこにチャーリー4いますか?」
俺は無線でチャーリーチームの隊長の伊沢に連絡を取る。
<ああ居るぞ、何だ?>
「彼女に代わってください、頼みたいことがあります」
<分かった>
<チャーリー4宮野です、御用ですか?>
「お前の腕を見込んでやって欲しい事がある、できるか?」
<…内容によりますが、ぶっ飛んだことでない限りできます>
「よし、じゃあ今から説明するぞ」
俺は瑠璃にして欲しいことを説明する。
<それ位なら、問題ないです>
「よし頼んだぞ、車はそのまま1号線を北上してるから、先回りしてくれ」
俺が瑠璃に頼んだのは、敵が乗っている車の運転手と前輪のタイヤを撃ち抜いて車を止める手伝いをして欲しいことだ。手荒い方法だが、これなら確実に車を止めらると俺は思った。
「だが車は改造されてるから、おそらく全体が防弾仕様になってるぞ」
<大丈夫です、特殊なAP弾を持って来てます、これなら防弾でも大丈夫です>
「なら、安心だ頼むぞ」
俺は打ち合わせを終えて、再び追跡に集中する。しばらく走ると敵の車のサンルーフが開き、そこから敵が出てきた、嫌な予感がした俺は急ブレーキを掛ける、すると。
ドカーンと爆発が俺たちの目の前で起きて、黒煙が立ち上る。煙を抜けると敵の車が見える、するとサンルーフからGL-06を持った敵の姿が見えた。
「おいおい!グレネードランチャーかよ!」
俺はあきれた声を出す。
「クソ避けて!」
葵が叫び、俺はハンドルを右に切り車線を変更する。するとまた爆発が発生し、道に穴ぼこが出来上がる。
「クソったれが!ファッ〇ュー」
俺は思わず汚い言葉が出てしまった。また敵がこちらに向けて撃とうとしたので、俺は今度は左にハンドルを切り元の車線に戻る、するとまた爆発が起き道路に穴を開ける。
「あんなの喰らった、俺達ローストチキンになっちまいますよ!」
秋人がそう言う。
「それはいただけないな」
「隊長!運転に集中してください」
秋人に俺はそう返すと、葵はハンドガンを撃ちながら運転に集中するように言う。敵がリロードを終え、また撃ったが。
ドカーン
放たれたグレネードは俺たちの車の後ろで爆発した、敵の車を見るとサンルーフの敵が頭の半分が吹き飛んだ状態で寝そべっていた。
「瑠璃か!」
バタバタバタというヘリの音が聞こえる、ヘリは着陸しているがいつでも飛べるようにエンジンを回している。私はヘリの中で寝そべり銃を構える。
「高脅威目標排除、次に移れ」
ボルトを後ろに引くと、薬莢が排出され地面に落ちカラーンという音を響かせる。
「目標ドライバー、左から風速5m、距離1108m」
観測手の伊沢さんが私に情報を伝える。私はスコープに映る目標を見つめる。
「修正完了」
「よし撃て」
私はDSR-1の引き金を引く、バーンという音と同時にマズルブレーキから火が吹き、338ラプアマグナム弾が発射され弾丸は回転しながら目標へ突き進む。
弾丸は目標車両のフロントガラスを突き抜けその後ろにいた運転手の眉間に命中、血と脳みそがフロントガラスにこびりつく。
私はすぐにボルトを引き次弾を装填する。
「目標排除確認、次は右タイヤ、風速変化なし、距離920m」
「修正完了」
「撃て」
私はまた銃の引き金を引く、ほんの数秒で弾丸はタイヤに命中してタイヤをパンクさせる。
「破壊確認、いいぞ全弾命中だ」
「…これくらい余裕です」
「そうだったな、よし車が止まったら俺達も行くぞ」
私はボルトを引き弾丸を排莢する、また弾丸が地面に落ちてカラーンという音を立てる。
敵の車が突然、右に行き分離帯に激突するして停車する、どうやら 瑠璃が狙撃を成功させたようだ。俺は車を止めて葵、秋人とともに車から降りて、銃を構えながら近づく」
「警察だ!、両手を見えるようにしろ」
俺が車内の連中に言う。車内にいた連中はあきらめたのか両手を挙げている。
「秋人、後ろのドアを開けろ、葵は助手席の奴を頼む」
2人はそれぞれドアを開けて、敵を車外に出す。そして手を拘束バンドで縛った後、跪かせる。そのタイミングで装甲車が到着して、後追うように指示していた部下たちが到着し、チャーリーチームの連中も合流した。
拘束したのは3人で、その内の1人は高速命令が出ていた幹部の男だった。
「浦井将司だな、お前を銃刀法違反、4件の殺人の共犯、公務執行妨害で逮捕する」
俺が罪状を伝える。
「へッ!勝手にしやがれ」
男は強がった返事をする。
「ああそうかよ」
俺は男の顔面を殴り、男は地面に倒れこむ。
「連れて行け!」
上野と河田がそいつを立たせて、装甲車へと連れていく、しかし突然男の頭から血が噴き出ると、男はその場に倒れる。
「狙撃だ!」
河田だが叫ぶと、全員が警戒態勢に移る。
「クソいったいどこからだ!」
チャーリーチームの隊員の一人が叫ぶ。すると拘束していた敵の2人も次々と頭を打ち抜かれて地面に倒れる。
「瑠璃、場所分かるか?」
俺は瑠璃に場所の見当がつくか聞く。
「東に650m離れたあのガラス張りのビルからです」
「本部、こちらブラボーチームの白瀬、拘束した容疑者が狙撃された、応援と救急車をよこせ」
俺は無線で本部に応援を要請する。
「撃ってこないぞ、どうしてだ」
チャーリーチームの隊員が言う。
「もしかして、目的は」
「ああ、恐らくこいつらの口封じかもな」
俺は撃ち抜かれた敵を見つめる。
「お嬢様、奴らが警察に捕まりそうだったのでやむなく始末しました」
男が階段を下りながら電話を掛ける。
<そう、まあいいわすぐに離れなさい、時期に警察がそこにつくわ>
「ええ分かっています、今から迎えに行けばよろしいですか」
<いえ、別の部下に迎えに来させたから大丈夫よ」
「了解しました、お気をつけて」
<ええ、あなたもね>
ピッと男は電話を切る、すると警備員が男に声をかける。
「すみません、ここは関係者以外の人は立ち入り禁止で…」
パシュン、パシュンと男は腰のホルスターからサイレンサー付きのSTI2011をを取り出して警備員に向け発砲した。
銃弾を受けた警備員はその場に倒れて死体から血が流れ廊下に血だまりを作る、男は警備員の死体を跨ぎその場を後にする。
男は地下駐車場に着くと、止めてある黒のメルセデスベンツのトランクを開けてケースを中に入れてトランクを閉める、そして車に乗り込み駐車場を去って行った。
<ビルの警備員の死体を発見、現在中を捜索中>
<周囲の聞き込みをしていますが、目立った手掛かりはありません>
俺は座り込んで無線を聞いていると集十さんが話しかけてきた。
「やられたな、まさか後始末の準備までしてたとは、これからもっと血が流れるぞ」
「その流れる血を最大限抑える、それが俺たちの存在理由じゃないですか」
俺は集十さんにそう返す。
「そうだったな、それが俺たちの存在理由だし氷川さんの思いだからな」
「自分たちは戻ります、本部に帰って報告書を書かないといけませんから」
俺は立ち上がり、装甲車のほうに向かう。
「分かった、だが報告書はしばらく後でもいい、お前事件続きだったろしばらく休め」
集十さんはそういうと去って行った。
「迎えのヘリ来ました」
部下の一人が、迎えのへりが到着したことを伝える、俺は隊員がそろっていることを確認してヘリに乗り込む。ヘリは夕焼けで赤色に染まる街の上空を飛び、本部へと戻って行った。