特区警察警備部特別対応部隊 SRU 作:Jdeath0930
強制捜査中に逃走した、人物を追うべくSRUは犯人と銃撃戦とカーチェイスを繰り広げる。そして瑠璃の狙撃により、容疑者の拘束に成功するも直後に狙撃を受け、容疑者はすべて殺害されてしまう。
一方謎勢力が飛鳥特別行政区での活動を本格化させ始める。
2025年5月2日 位置不明
「ドアの前に到着、指示を待つオーバー」
俺は無線で連絡を取る、俺の真向かいには迷彩服を着た人物が8人いる。
<ブラボー及びロメオへ、突入許可が出た今すぐ突入せよアウト>
「ブラボー了解、これより突入する」
「ロメオ了解」
俺と真向いの男は手でサインを送り、突入準備に入る。
迷彩服の人物がドアに爆薬と導火線を仕掛けて少し離れる。秋人が俺達側、上野が迷彩服連中のところにそれぞれ立つ。迷彩服の男がボタンを押すと、爆薬が点火され爆発を起こしドアが吹き飛んだ。
俺たちはそれを確認すると秋人、上野を先頭に次々と部屋の中へ進む。
「武器を捨てろ!」
「全員床に伏せるんだ!」
俺と迷彩服の男の1人が大声を張り上げる。すると部屋にあったソファーから人らしきものが2つ現れた。俺は右側の目標にACOGサイトで狙いを定めて引き金を引く。ダンダンと2発弾丸が発射され目標に命中する。
もう片方の目標も迷彩服を着た男が構えていた23式小銃から放たれた弾丸によって倒された。俺と迷彩服の男は部屋を確認してだれもいないことを確認した。
「「クリア!」」
俺と迷彩服の男が言うと同時に無線が入る。
<よくやった、2チームともミスなし100点だ、訓練終了キルハウスから出ろ>
天井に設置されていた、照明が次々と転倒し薄暗かった周りを照らす。
2025年5月2日 飛鳥特別行政区東区国防軍第1演習場
今日俺達SRUは年4回行われる国防軍との共同訓練のため、東区にある国防軍基地内にある演習場に訪れていた。この演習では、室内制圧、市街地でのテロ制圧、船舶乗っ取り等を想定した訓練や、射撃大会を通じて国防軍との連携を図る目的がある。
俺は本部テントに戻り、ホワイトボードに書かれている予定を確認していると後ろから声を掛けられた。
「よう、白瀬元気にしてたか」
相手が握手を求めてきたので、俺も相手を握り握手をする。
「花澤二等軍曹、久しぶりだなあれから腕は上げたか」
花澤二等軍曹は国防軍に所属する軍人で、先程共同訓練を行った部隊の隊長だ。こいつとは演習の一環の模擬戦大会で何度かやりあい俺たちが勝ち越している。
「まあ、見てろ今回の模擬戦は俺達がもらうからな」
彼はそう言うとテントから去って行った。
「楽しみにしておくよ」
俺はそう去っていく彼に声をかけた。
予定を確認して、休憩時間に入ったことを確認した俺はブラボーチームに割り当てられた休憩室にむかった。
休憩室に着くと、先についていたブラボーチームの面々がそれぞれ好きなことをしている。葵は机に脚を乗っけて寝てるし、秋人は白峯、上野とポーカーをしている。
俺は椅子に座りスマホを構っていると、突然電話が掛かってきた。電話の主は”灰”だった
「灰、なんだよお前まだ学校だろ」
<今は昼休みだから大丈夫だよ~♪>
電話の主は
「で何かあったのか?」
<う~ん、特に無いけどGWに兄さん帰ってくるかなと思って>
「GWか…まだ何とも言えないな」
俺はSRUに所属しているため通常の警察官と違い、有休を申請しても中々取ることができない。そのため最後に帰ったのはもう1年前の灰の入学式の時だった。
<え~、兄さん年末年始も帰ってこなかったじゃない、だからGWぐらいは帰ってきて家族で過ごそうよ~>
「仕方ないだろ、帰ろうと思ったら事件が起きて駆り出されちまったんだから」
<でも、翔太郎さんは帰ってきたじゃない>
「あいつは部署が違うからな」
俺は言い訳を言う。
<まあ、とにかくいい返事期待してるからね、お仕事頑張ってね>
灰はそう言うと電話を切った。
暫く部屋で休んでいると、放送が入った。
<30分後にBブロックにて次の演習を行います、警察、国防軍関係者は5分前にBブロック前に集合してください>
(30分あれば煙草吸ってこれるな)
俺はタバコが吸いたくなったので、喫煙所に向かうことにした。
「秋人、煙草吸ってくる」
「了解です」
俺は秋人に一言掛けてから、部屋を後にした。
「お疲れ様です」
喫煙所に着くとそこには集十さんと瑠璃が居たので、俺は二人に挨拶する。
「お疲れ」、「…お疲れ様です」
と二人も挨拶を返してくれた。
俺はタバコを取り出し、口に咥え火をつけてゆっくりと煙を吸い込む。灰に煙りを満たして俺は息を吐くと口から煙が出てくる。
「そういえば、お前報告書読んだか?」
集十さんは俺に報告書のことを聞いてくる。
「一応目を通しまたよ」
報告書とは29日の強制捜査の事だ。結果的にあそこからは大量の武器や現金が押収され、組員24人が逮捕され、18人が射殺されたと記載されていた。しかし警察も18人負傷の4人死亡と手痛い被害を受けてしまった。
しかしその記載より、俺は別の記載が気になっていた。
「狙撃された幹部やその部下からは、検視で弾丸は粉々になった状態で摘出されたとありましたが」
「ああ、体内に入った弾丸が稀に粉々になることはあるらしいが、今回の弾丸は意図的に粉々になるようにされてたらしい」
奴らの死体から摘出された弾丸は、粉々に砕け散っており、犯人特定につながる手掛かりは得られなかったとの記載があったのだ。監視カメラもサーバーごと破壊された跡があり手掛かりはなかったそうだ。
「あとは、ビルの警備員の遺体の弾丸も、同じく粉々でこっちも手掛かりになりそうなものはなかったそうだ」
「でも、それっておかしくないですか」
「ああ、弾丸がこうも簡単に粉々になるなんて偶然にしてはでき過ぎだ」
集十さんはタバコの煙を吐きながら答える。
「科捜研はなんて言ってるんです?」
「何か特殊な加工がされてるか位しか分らんらしい、あれだけ粉々だと難しいらしい」
集十さんは難しそうな顔をして、またタバコを吸っていた。
「そういえば逮捕した奴の証言で、捜査前に2人謎の人物がいたそうですね」
俺は取り調べの証言にあったことを集十さんに聞く。
「ああ、10代の少女とその護衛らしき男がいたそうだ」
「10代の少女!?、なんでまたそんな子があんな場所に?」
「分らん、でも武器の提供者だと言っていたが、10代の子供にそんなコネがあるとは思えんし、それを知る幹部はもういないから確かめようがないからな」
確かにそうだ、普通10代の少女に武器を手に入れるコネやあんな連中と繋がる意味が分からない。この件にはかなり裏があると俺は思った。
「それで、八雲会に対する捜査はどうなるんです?」
「5日後に公安警察、大阪府警、京都府警と合同で本部に捜査に入る予定らしい、俺たちの出る幕はなさそうだな」
同日飛鳥特別行政区某所
少女はパソコンを操作して資料を作成している、すると。
~♪~♪
机にあるスマホの着信音を聞いた彼女は机に銃を置くと、スマホを取る。
「ウルフ、準備はできたかしら」
<はいお嬢様、部下も配置についています>
「なら、目標が現れ次第行動に移りなさい」
<了解しました>
彼女は部下に命令するとスマホを切り、再びパソコンを操作する。すると部屋に数人の少女が現れた。
「書記、そろそろ授業の時間ですよ行きましょ」
「あら、もうそんな時間なのね、なら行きましょうか」
彼女はパソコンを閉じて、カバンに入れるとほかの少女と共に部屋を後にした。
同日飛鳥特別行政区某所
「お嬢様から行動許可が下りた、目標は見えたか?」
男は無線で連絡を取る。
<サクリファイス1-1、目標は間もなく襲撃ポイントに差し掛かります>
「サクリファイス2-1、準備はいいか」
<サクリファイス2-1、準備完了>
部下たちは準備できたことを男に伝える。
「よし停車したら、邪魔者を排除し”荷物”をいただいてすぐに撤退だ、私はサクリファイス3-1と共に行動する」
<<了解>>
「よし始めよう」
男の部下は、SG553やMPXにマガジンを差し、チャージングハンドルを引く。
男も、R5にマガジンを差し込みチャージングハンドルを引く。そしてバラクバラとシールド付きのヘルメットをかぶり戦闘準備を整えた。
飛鳥特別行政区東区第1工業区
工業地区の道路を1台のトラックと、国防軍の車両が前後を挟むように走行する。
「HQこちらC-1、現在ポイント3を通過」
<本部了解、そのまま警戒しながら進め>
「了解」
車は交差点に差し掛かり、信号が赤だったため車列は停車する。周りは何台か車が通るだけで非常に静かである、しかし
ドガーンと突如車列の前方の車が爆発し、それに合わせ交差点の左右、車列の後方から黒のバンが現れ中から黒の戦闘服に身を包んだ集団が下りてきて銃撃を開始する。
「こちらC-5、襲撃だ!今すぐ応援をよこしてくれ!1号車がやられた!」
「トラックに近寄らせるな!」
国防軍の兵士も襲撃者に対して反撃を開始する。しかし敵の数に圧倒され、兵士たちは思うような反撃ができず、1人、また1人と倒されていく。
「クソ!本部、応援はまだか!敵に圧倒され、残りは俺と宗井上等兵だけだ」
本部と通信する兵士は無線に向かって叫ぶ。
「グワ!」
「宗井!クソ」
そしてまた一人兵士が倒されてしまう。残った最後の兵士は手に持った23式小銃で応戦するが。
「グァー!」
敵に脚を撃たれてしまい、兵士はその場に倒れこむ。その兵士に敵の一人が近づき、腰のホルスターからSTI2011を取り出し兵士の頭に突きつける。
「お前ら、何者だ!?」
「知る必要はない」
バァーン
先程まで銃声が響いていた通りは、一気に静まり返った。
「サクリファイス1始めろ」
ウルフが命じると、黒服の集団の何人かがトラックに何かを張り付ける。そしてボタンを押すと張り付けたものが激しい炎を上げる。するとトラックの扉がだんだんと解け始めた。
「何分かかる?」
ウルフが黒服の一人に聞く。
「1分で終わります」
「サクリファイス2-1、応援到着は何分だ?」
「5分以内には到着しますが、それまでには終われます」
「よし逃走の準備だ、必要な奴以外は車に乗れ」
そう言うとウルフを含めた6人程がトラックの近くに残り、残りは乗ってきたバンへと戻って行った。
同日飛鳥特別行政区東区国防軍第1演習場
俺たちは休憩を終えて、午後の訓練に入っていたが、突如として基地内にサイレンと放送が響き渡った。
<輸送隊が襲撃を受けた!第102中隊及び第32憲兵隊は直ちに訓練を中止し憲兵司令官の元に集まれ、繰り返す…>
「お前ら訓練は中止だ!今すぐ中央棟前に行け!」
国防軍の指揮官が叫ぶと、国防軍の兵士達は慌ただしく動き、次々と車に乗り込み始める。
「何があったんだ」
「さあな、だが大ごとなのは確かだな」
俺が秋人と話していると、集十さんがやって来た。
「おい!お前ら、今すぐ本部テント前に集まれ」
俺たちは集十さんに言われたためテント前に向かう。
テント前に集まると既にアルファ、チャーリー、エコーチームが集まっていた。集十さんと軍服を着たいかにも偉そうな人が俺たちの前に立ち話を始める。
「こちら、この飛鳥基地憲兵隊副司令官の福嶋中佐だ」
「飛鳥基地憲兵隊の福嶋です、突然ですがSRUの皆様に協力をお願いしたくここに参りました」
福嶋中佐は一歩前に出て頭を下げる。そして状況説明が始まった。
「1250時に、東区工業地帯を移動中の輸送部隊が襲撃を受けました、敵は重装備で非常に訓練されているとのことです」
俺はメモを取り出し、ペンにメモを記入する。
「そして先程、輸送部隊からの通信が途絶えおそらく全滅した模様です、本来なら国防軍で対処するべき案件ですが、この基地の部隊は市街地での実戦経験がないため不安があります」
「そこで、我々SRUに軍から応援の要請が出された。これから軍の部隊と共に現場に向かう、すでに警備部長からの了承は得ている」
集十さんはそう言うと、それぞれの部隊に役割を伝える。そして俺たちはそれぞれ車に乗り込み、軍の車列の後に続き基地を出て襲撃現場へと向かう。
数分後襲撃地点
俺たちは襲撃地点に到着し、車から降りて襲撃地点周辺の捜索を始める。俺たちブラボーチームは軍の部隊とともにトラックが止まっていた地点に向かった。
「こりゃ酷いな」
俺は爆発で丸焦げになった軍の車、殺害された兵士の遺体、そこら中に散らばった薬莢を見て俺はそう思った。
「兵士の遺体しかない、襲撃者は相当の手練れですね」
葵がそう言う。
(実戦経験が少ないとはいえ相手は国防軍の兵士だ、こいつらをいとも容易く倒すなんて、何者なんだ襲撃者は)
俺は少し恐ろしくなった、こんな集団がこの街に紛れ込んでいると考えたら、これからどれだけの血が流れるかわかったもんじゃないからだ。
俺は次にトラックの後部に回る、トラックの荷台のドアは人が通れるくらいの大きさに焼き切られていた。
「中に入る、葵付いてこい、残りは外で引き続き捜索を頼む」
俺と葵は穴から荷台の中に入った。
トラックの中には棚や箱などが積まれており、そして荷台の奥には兵士が倒れているのが見えた。
「葵、確かめてくれ」
葵はうなずくと、兵士の元に近寄り安否を確認する。
「ダメです、死んでます」
葵はその兵士の死を確認した。
「ブラボーリーダーからコマンダー、車列隊は全滅、手掛かりがないか捜索を続ける」
<コマンダー了解、アルファ、チャーリー、エコーと軍の部隊は周りを捜索してるが、今のところ有益な情報はない>
「ブラボー了解」
集十さんに連絡を入れ終えて、俺はトラックの中の捜索を始めた。
トラックには書類や軍で使う消耗品が積まれていたが、殆どが手つかずの状態だった。
しかし俺はあることが気になったため近くにいた、国防軍兵士に尋ねる。
「少し聞きたいんだが、これだけのものに国防軍は普段からこれだけの護衛をつけるのか?」
「いえ、資料や消耗品程度ならせいぜい1台位です、よほど重要なものでない限りは」
(やっぱりな、輸送品の内容に対して護衛が多すぎると思ったらそういうことか)
俺は疑問に思っていたことの答えを得て、この車列隊は何か重要な情報を輸送していることを確信した。
「隊長来てください」
トラック捜索を続けていると、葵が何かを見つけたらしく俺を呼んだ。
「なんだ?」
「これを見てください」
葵が指さしたところを見ると、そこには銃弾で穴だらけにされた機械が置かれていた。
「これなんだ?」
「分りません、でもHDDらしきものが見えるのでおそらくPCかと」
(…この護衛の数に、これ以外の荷物は手付かずの状態、こいつが目的か)
俺は襲撃者の目的がこの装置に入っていた何かだと、そう確信した。そして何者かがこの街で何かをしでかそうとしていることを不安に思った。
同日夜飛鳥特別行政区某所
「何かわかったかしら」
少女がモニターとコンピューターが並んだ部屋を訪れ、そこで仕事をする人物たちの一人に話しかける。
「はいお嬢様、彼女はやはり軍に捕まっていたようです」
男がキーボードを操作すると、モニターに女性の写真が映し出される。そこには”リアン・バレンタイン”と書かれていた。
「偽名で登録されてるわね、本名を吐いてないだけよしか、今の位置は」
「陸軍木更津基地にて拘束中、明日の14時に国防軍飛鳥基地に移送予定」
「そう、よくやったわ引き続きよろしく」
少女はそう言うと、部屋を出て行った。
部屋から出た彼女は、横を歩く男に話しかける。
「ウルフ、ヘンリエッタを奪還しなさい、彼女の武器入手ルートは我々に必要、けどもし彼女が警察や軍に捕まりそうなら始末して、念のためよ」
「かしこまりました、お嬢様」
「明日の護衛はホワイトに任せるわ、あなたは部下の準備に集中して頂戴」
彼女は男にそういうと、地震の部屋へと入って行った。男は階段を下りて、スマホを取り出して誰かに連絡を取る。
「レイン、明日の0600時にサクリファイスを招集しろ、お嬢様の命令だ」
<了解>
男は電話の主の返事を確認すると携帯を切り、どこかへと消えていった。
どうもこんにちは、相変わらず長いですがこれからもよろしくお願いします