特区警察警備部特別対応部隊 SRU 作:Jdeath0930
「葵!しっかりしろ!井上大丈夫か!」
「俺は平気です、それよりブラボー2は?」
「誰かメディパックを!」
周りで仲間の怒号と銃声が響き渡っている、しかしその声や音もだんだんと遠ざかり、視界も暗くなっていく。私はここで死ぬのだろうか?
(あんたが死んだら困るのは私なのよ)
誰かの声が聞こえる、私と全く同じ声だけど私はこの声に聞き覚えがない。
(あなたは誰?)
(アンタは知らなくていい、ただ眠ってなさい)
声の主がそういうと私は完全に意識を失った。
(ここから先は”アタシ”の出番よ、誰にケンカ仕掛けたか思い知らせやるわ)
そいういうとアタシは起き上がった。
30分前・・・
5月6日 飛鳥特別行政区東区飛鳥港
「今回はなんですか?」
「港に不審者が現れ、警備員が話しかけた途端撃たれたらしい」
「成る程、昼間っから物騒だな」
私達は港で起きた銃撃戦の応援要請を受けて今ここにいる。今は先に到着して現場を指揮している緊急即応隊の指揮官から説明を受けている。
「相手は少なくとも10人はいて、自動小銃で武装してます」
「今奴らはどこに?」
「ドローンの偵察では今この第3ブロック付近にいます」
「コンテナが山積みの場所か、待ち伏せにはもってこいの場所だな」
「ええ、さらに悪い知らせで敵の増援らしき車両も確認できました」
「わかった、君は自分の部隊の指揮に戻ってくれ」
厚木さんがそういうと、緊急即応隊の指揮官は指揮車の方へと去っていった。
私は乗ってきた車から自分の装備が詰まったリュックを取り出して準備をしていると、白瀬隊長が話しかけてきた。
「葵、調子はどうだ」
「大丈夫ですよ何でですか?」
「病院行ったて聞いてな、何かあったのかと思ってな」
「記憶が途切れる原因を突き止めようと思って」
「で、どうだった」
「相変わらずですよ、何もわからず経過観察しましょうと言われました」
「そうか、長くなりそうだけど頑張れよ」
そして暫くしたら鎮圧作戦の開始が伝えられ私達は武装した連中がいるエリアへと向かった。
飛鳥港第3ブロック
私達は第3ブロックの東側から進み、敵の制圧を担当することになったがつくといきなり、銃撃を受けた。
「10時方向のコンテナ上に敵!」
「殺ったぞ!」
「秋人、井上!前に出て攻撃を防げ!」
「前に出る!」
私達は盾を持っている2人の後ろに続き前進する。
「正面に敵!3人いるぞ!」
「任せて!」
私はP90の引き金を引く、発射された弾丸は敵の3人に命中して敵はその場に倒れこんだ。
「始末した!」
「いいぞ進め!」
隊長の合図で私達は再び前進を開始する。
暫く進むと平家の建物の前に着いたが、そこから敵からの攻撃を受けて応戦したが、敵が何かをこっちに向けて投げてきた。
「何か投げてきたぞ!」
「皆、下がれ!」
隊長が命令した瞬間に、私と井上の前に小さいバックが落ちてきた。中にはタイマーと赤・青等の配線が見えていた。
「マズイ!井上!下がって!」
「クソ!」
私達は急いで下がったが、その瞬間バックが爆発して強烈な爆風が私達を襲った。爆発地点に近かった私は爆風で吹き飛ばされ近くにあったコンテナに激突して、そのまま気を失った。
「おい!葵しっかりしろ!」
俺は爆風で吹き飛ばされ、気を失った葵をコンテナの陰に移し、体を揺らして彼女を起こそうとする。幸いひどい外傷はなく、擦り傷が少しあるだけだったのが救いだ。
「メディパックです!」
部下の一人がメディパックを持って俺のところにやってきた。
「よし目立った外傷はないが、擦り傷の治療をしてくれ」
「わかりました!」
俺と部下で葵の治療をしようとした瞬間だった。
「・・・・・」
「葵!?」
葵が突然起き上がり、周りを見渡し始めたのだ。しかしよく見ると彼女の目つきは何時もより鋭く、普段は青色の目が紫色に変わっていたのだ。
「葵!大丈夫か!?」
「・・・・、・・・コ」
「何だ?、もう一回言ってくれ」
「タバコ持ってるでしょ、頂戴」
「あぁ、分かった」
俺はタバコとライターを渡す、彼女はカプセルを潰してタバコに火をつけた。葵は普段タバコを吸わない、葵がタバコを吸うのは”アイツ”が出てきたときだけだ。
「”奏”、久しぶりだな」
「そうね、最後に会ったのは1ヶ月前かしら」
「お前が暴れ回ったおかげで、葵大変だったんだからな」
「そこまで散らかした、覚えはないのだけどね」
奏はそう言うと吸っていたタバコを捨て、靴で踏み潰す。
「で、アタシに喧嘩吹っかけてきたアホはどこ?」
「すぐそこさ、今仲間が応戦してる」
「ふ〜ん、殺しても問題ないのよね」
「攻撃されてるからな、一応殺害しても問題ない。だけど限度てもんがあるからな」
「はいはい、わかりましたよ」
奏はそう言うと,コンテナの物陰から出て行った。
「葵!大丈夫なのか?」
コンテナの物陰から出た奏でに、秋人が声をかけるがまだ奏でだとは気づいていないようだ。
「奴らはアタシがやるわ、アンタは邪魔しないでよね」
「「アンタ」て、お前奏か?」
「あと、ハンドガンのマガジン3つ寄こしなさい」
「ハイハイ、後でお前に蹴飛ばされるのは勘弁だからな」
秋人は奏にマガジンを渡す、それを受け取った奏は犯人達に突撃しようとしたので俺は奏での腕を引いて止める。
「おい、俺も付いてく。お前が無理して葵に何かあっら困るからな」
「いいけど、アタシの邪魔だけはしないでよ」
「分かってるよ、お前に後から殴られるのは勘弁だからな」
「分かってるならそれでいいわ」
奏がそう言うと、俺と奏は敵に突撃した。
「奏、正面に3人、左右のコンテナ上に2人!」
「コンテナ野郎はアンタに任せるわ、正面の奴はアタシのよ!」
「OK、仰せのままに」
俺はREC7を構え、まず左の奴の眉間に、右の奴に5発撃ち込みコンテナ上の敵を倒した。
奏は正面にいた3人の敵に真正面から突っ込み、一人目の敵はスライディングで相手の股下を通り抜けるときに、HK45を引き抜き銃弾を撃ち込んで倒した。
奏は直ぐに反転して、2人目の敵に飛び蹴りを喰らわせ吹っ飛ばした。
3人目が奏に向けて銃を撃ったが、奏は銃弾を避け相手に接近し、腹に1発パンチを、顔面に向けて回し蹴りを喰らわせ、最後に4発ほど撃ち込んで敵を倒した。
「この、クソアマが!」
吹っ飛ばした2人目が銃を持って奏を撃とうとしたが、奏は相手の肩を撃ち抜く。
「グワァ!」
「アタシに喧嘩売るとはいい度胸してるわね、その度胸だけは褒めてやるわ」
奏はリロードしながら敵に近づく。
「褒美にあの世への旅行をプレゼントしてやるわ」
「ま、待ってくれ!助け・・・」
ダァン、ダァン、ダァン
奏は容赦無く引き金を引き、敵を射殺した。
「奏、無事か?」
「ええ、それよりこれで全員?」
「いやまだだろうよ、この建物の中にもいると思うぜ」
「ならさっさと、片付けるわよ」
奏はそう言うと、建物扉を蹴破り建物へと突入、奏は直ぐにHK45を取り出して敵を2人始末し、俺も後に続いて中に入り3人を始末した。
生き残っていた2人の敵が反撃をしてきたので、俺と奏は柱の後ろに隠れる。
「あの2人はアタシがやるわ」
そう言うと、奏は折りたたみナイフを取り出す。
「了解、援護する」
俺は敵に向けてREC7を撃ち、相手の動き止める。その隙に奏が物陰から飛び出して一気に敵との距離を詰める。
奏が敵のところに着くと、一人目の首にナイフを突き刺して頚動脈を切り裂く。切り裂かれた敵の首から蜂が噴水のように吹き出して辺り一面を血の池にする。
2人目も、わき腹にナイフを突き刺してナイフを捻り傷口を広げ、最後はHK45を敵に押し当てて4回ほど発砲して完全に息の根を止めた。
「2人共大丈・・・夫そうだな」
「う〜わこりゃひでぇ」
建物を制圧すると、秋人達が建物に入ってきたが中の様子を見てドン引きしていると無線が入った。
<コマンダーからブラボーリーダー聞こえるか>
「こちらブラボーリーダー、どうしました」
<アルファ、チャーリー、デルタ、エコーは該当地域を制圧したが、そっちは終わったか?>
「いえ、今管理棟らしき建物を確認中ですが・・」
ブォン、ブォン
俺が無線で連絡をしていると、扉奥からエンジンの音が聞こえてきた。
「コマンダー、ちょっと待ってください」
俺はそう言うと、奥の部屋に続く扉を開けると同時に、2台のバイクが逃走して行った。
「悠木、追うわよ!」
奏ではそう言うと、止めてあったGSX-S1000に跨り、俺は後ろに乗る。
「秋人!他のやつらを連れて車を止めてあるところに戻れ」
「分かった!」
「奏、出せ!」
奏は俺が合図すると、スロットルを回してバイクを発進させた。
逃走したバイクに追いつくと、相手の一人が片手でUZIらしき銃を撃ってきた。
俺もREC7で反撃し、撃った弾が敵に命中して敵がバイクから転げ落ち、バイクは鉄柱にぶつかり炎上した。
「あと一人だ!」
「あいつはアタシが貰うわ」
奏はそう言うと、バイクを加速させて一気に相手のバイクとの距離を縮める。
すると相手のバイクが左の通路に入った、奏もバイクを左に傾け、同じ通路に入る。
奏は再びバイクを加速させ急接近し、相手のバイクと並走する。
相手が銃を構えて撃ってくると、かなではブレーキを掛けて攻撃を回避。直ぐにバイクを加速させてまた敵と並走する。
「奏!何考えてるんだ!?どうせロクでもないことだろうが」
「この先何があるか分かる?」
「海だろ・・、お前まさか!」
「ご名答様!」
奏はHK45で相手のブレーキレバーを打ち抜き、ブレーキを掛けれないようにしつつ。敵がスピードを落とさないように、弾が当たらない程度に攻撃する。
少しすると海が見え、なだらかなスロープも見えた。奏は敵のバイクと並走し、相手がスロープに向かうように進路を妨害した。
「しっかり掴まってなさい!」
奏はそう言うと、バイクを横にしてブレーキを掛けて停車させる。敵のバイクはそのままスロープを駆け上り海へとジャンプして行った。
「ちょっと銃借りるわよ」
奏は俺のREC7を奪い取り、敵のバイクの燃料タンクに向けて2・3発撃つ。弾が燃料タンクに命中して相手のバイクは空中で爆発し、乗っていた敵も爆発に巻き込まれ、肉片と残骸が海へと落下して行った。
「汚い花火だわ!」
「お前なぁ・・・」
「あら、ちょっとした芸術じゃない。もっと喜んだら?」
「バ〜カ、お前みたいなサイコじゃねぇんだぞ」
「何よ!アタシがイカレ野郎とでも言いたいの!」
そんなやりとりをしていると、秋人や応援の警官が乗ったパトカーに救急車が到着した。俺はと言うとキレた奏の攻撃をかわすことに必死になっていた。
その後無線で港の制圧が完了した事が伝えられ、俺達も周囲を一通り回って、誰もいない事を確認してからそれぞれが撤収の準備をしていた。
奏はそんな中、海の方を眺めて立っていた。
「おい、タバコ吸うか?」
「ええ、貰うわ」
奏は俺からタバコを受け取ると、火をつけてタバコを吸い始めた。
「葵はいつ目覚める?」
「アタシが引っ込んだら直ぐに葵よ、だけど疲れはそのまま残るからしばらくは眠ってると思うわ」
「そうか、起きたらなんて言っとけばいい?」
「気絶してたとでも言っておいて」
奏はそう言うとタバコを海へと投げ捨てた。
「じゃアタシはここで失礼するわ、また会いましょう」
「ああ、今度会う時は普通の時がいいな」
「フフフ、そうね」
奏が笑った瞬間彼女は意識を失い姿勢を崩す、俺は怪我をしないように彼女の体を支える。
暫くしたら意識を取り戻したのか、彼女の目がうっすらと開き、俺に話しかけてきた。俺は彼女の目を除くと、目の色は紫色から青色に戻っていた。
「隊・・長・・・」
「葵、大丈夫か」
「何があったんですか?」
「吹き飛ばされて気を失ってたのさ。大丈夫、もう終わった」
「そうですか・・、すみません手間とらせて」
「気にするな、家まで送ってくから今日はゆっくり休め」
俺は秋人に仲間を連れて本部に戻れと伝え、パトカーの助手席に彼女を乗せて港を去った。