特区警察警備部特別対応部隊 SRU   作:Jdeath0930

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飛鳥特別行政区中央区
飛鳥特別行政区のちょうど中心地にある地区。特区機能の中心となる場所であり、区役所、警察本部等もこの地区にある。


第8話 東京前編

2025年5月7日 飛鳥特別行政区警察第3男性寮408号室

 

俺は自宅で泊まりに必要なための道具をボストンバックに詰める。そしてクローゼットから黒色の特区警察の制服を取り出して、シワがないかを確認する。

 

「そういえば、この制服もう1年半も着てなかったな」

俺は特区警察に来て直ぐにSRUに配属されたため、制服を着る機会が全くなかったのでクローゼットにずっと置いてたままだった。俺は制服をカバーに入れて折り畳んだ。

 

俺は今から兼ねてから予定にあった内務省で開かれる対テロ検討委員会に集十さんと出席するために準備していた。

 

準備が終わって寛いでいると集十さんから連絡が入り、外で待っているとの事だったので俺は荷物を持って部屋を後にした。

 

外に出ると駐車場にグレーのM5が止まっており、運転席にはサングラスを掛けてタバコを吸っている集十さんがいた。俺は車のトランクに荷物を入れ、助手席に乗り込み東京へと向かった。

 

 

 

 

 

 

「ヘンリエッタは何も話していないのね」

<はい、我々の尋問でも嘘は言っていません。彼女は取り調べで何も話してはいません、ですが>

「何かしら?」

<どうやら、ヘンリエッタの情報は内務省から国防省、海保に提供された可能性が>

「つまり?」

<内務省に我々に関する情報が少しある可能性があります>

「ハッキングでデータを消すことは?」

<外部からは無理です、内務省はこの国の省庁の中では一番ガードが堅いので。直接出向いて削除する必要があります>

「分かったわ、そのまま対策を続けてちょうだい」

 

少女は電話を切って、別の相手に電話をかける。

 

「ウルフ、内務省のデータ削除をお願い。どうやるかはあなたに任せる」

<分かりました、直ぐに取り掛かります>

 

少女は電話を切ると、部屋を後にした。

 

 

 

 

 

 

同日 首都高速都心環状線

特区を出て1時間程で俺達は東京へと入った。神奈川を出る前に俺は集十さんと運転を交代し、今は俺が運転をしている。

 

「お前確か東京の出身だったよな」

「渋谷区出身です、機捜の葛西も同じです」

「最後に家族にあったのはいつだ?」

「1月にちょっと野暮用で東京に行った時に妹と会いました」

 

俺は特区警察に移ってからの2年間は忙しく一度も実家へと帰ることができなかった。何回か帰ろうとはしたが、その度に事件が起きて結局は帰れずじまいということがしょっちゅうだった。

 

「なんだったら東京にいる間に会って来たらどうだ?」

「いいんですか?」

「構わんさ、最終日の委員会は昼過ぎで終了だらな。その時にでも行って来たらどうだ」

「じゃあお言葉に甘えて」

 

そんな会話をしている内に目的の料金所に到着し、下道に降りて目的のホテルに着いた。俺はホテルにつくと明日の準備だけして眠りについた。

 

 

 

5月8日 内務省1階エントランス

翌日になり俺と集十さんは内務省に到着した。地下駐車場に車を止めて、正面玄関に回りそこでセキュリティチェックを受ける。

 

「白瀬悠木さんと厚木集十さん…飛鳥特別行政区警察の方ですね。身分証はありますか?」

 

警備員が身分証の提示を求めたので、俺と集十さんは自分の警察手帳を警備員に渡す。

 

「申し訳ございませんが、規定により館内には警察関係者の方でも銃の持ち込みが禁止されていますので、こちらのトレーに出していただけますか」

「分かりました」

「了解です」

 

俺はSW1911、予備マガジン、バックアップ用のグロック26をトレーに置き、集十さんもトレーにSIG Sauer1911を置く。

 

「銃は外に出る時にお返しします、本人確認もできましたので入館証をお渡しします」

 

警備員は首から下げるタイプの入れ物に入った入館証を渡してくれた。

 

「入館証は部屋のドア解除に必要になりますので館内にいる際は常に携帯しておいてください、ですがこの入館証では入れない部屋もございますので注意してください。委員会は10階の会議室で待合室は1006号室です」

 

警備員から説明が終わると、俺達はエレベーターに乗り10階へと向かった。

 

 

 

 

 

 

同日同時刻 内務省地下駐車場入り口

内務省の地下駐車場入り口に1台の運送会社のトラックと白色のバンが停車し、警備員がトラックとバンに近づく。

 

「すみません、許可証はお持ちでしょうか?」

「ええ、ありますよ」

 

トラックに乗っていた男はそう言うと、サプレッサー付きのグロック17を取り出して、警備員を射殺。バンの方にいた警備員も同じく射殺された。警備所にいた警備員も異変に気付き銃を抜いて車の方に行こうとしたが、背後にいた女性に首を折られてしまった。

 

バンから警備員の制服を着た人物が降りて着て、警備員の死体を片付け、警備所にいた女がゲートの操作盤のスイッチを押してゲートを開けてトラックと版を駐車場内に入れる。

 

駐車場に入るとトラックの荷台やバンから配達員、警備員、職員の姿をした者達が出て来て、装備品を準備する中、スーツに眼鏡をかけたウルフが皆に向けて指示を出す。

 

「よし、チーム1は電源室、チーム2は中央警備室、チーム3は俺とサーバールーム、チーム4はここで待機しろ」

 

ウルフがそう言うと侵入者達はそれぞれのチームに分かれて行動を開始した。

 

 

 

 

内務省10階B会議室

「次に飛鳥特別行政区警察からお越しくださった厚木集十さんと白瀬悠木さんから、特区で発生している事件についてお話しいただきます」

 

司会の人物が俺と集十さんの名前を呼び、俺達2人はモニターの操作盤のある机に移動して、説明を始める。

 

「我々飛鳥特区警察管内では去年の11月から凶悪事件が頻発しています。特に銃器犯罪は全国平均の約6倍、押収数も9倍近い数です」

 

画面が切り替わるとそこには犯罪現場の写真が映し出され、中には俺が関わった事件の写真もあった。

 

「犯罪増加に伴い特区警察も被害が拡大しており、今年だけで既に15人が殉職、53人の警察官が負傷しており…」

 

集十さんはその後も特区で起きている事件概要に関するデータの説明を続け、特区で今何が起こっているかを委員会に参加している人達に伝える。集十さんが話し終える部分が終わると、俺に現場がどのような状況にあるのかの説明をするように促すが、突然部屋の照明やモニターが落ちてしまった。

 

「何だ、停電か?」

「すぐに予備電源に切り替わると思いますので、暫くお待ちください」

 

すると30秒たったら電源がつき始めた直後に館内放送が流れた。

 

「館内にいる皆様にお知らせします。地下2階の電源室にて火災が発生しました、安全のため館内にいる人はすぐに避難してください。繰り返します…」

「警備室から避難指示が出ました、誘導しますので私に付いて来てください」

 

職員がそう言うと会議室に居た人々は職員の後に続いて部屋から出ていき、俺と集十さんも皆の後に続いて廊下に出る。廊下は避難する職員で溢れており、俺と集十さんも人の流れに従って非常階段を下るが、俺は何人かが何故か階段の途中で別の階の扉に入るのを目撃してそれが気になっていた。

 

「集十さん、さっき6階に職員が入って行ったんですが」

「誰かいないかの確認だろ、特に気にする必要ないだろ」

「ですがその内の1人が何かデカイバックみたいなのを持ってました、それに歩き方が一般人の歩き方には…」

「つまりこうか、「職員の格好はしているが正規の職員じゃない」と」

「絶対ではありませんが、自分の感がそう言ってます」

 

集十さんは一旦立ち止まったが、すぐに階段を登り始め他ので俺はその後を追う。それを見た誘導中の職員が止めに入る。

 

「すみません、避難指示が出ているのでこのまま降ってください」

 

集十さんは警察手帳を取り出して職員に見せる。

 

「飛鳥特別行政区警察の厚木です、我々も避難誘導をお手伝いします」

「いえ、しかし」

「先程私の部下が、6階に職員が入っていくのを見たのですが」

「え?6階は既に避難が完了したとの報告を受けて、今は中央警備室に警備員が少数残っているだけですが」

 

職員は驚いた表情をしている、やっぱり俺の予想は当たっていたようだ。

 

「そうですか、私たちがその職員を探してきます」

「しかし」

「これも警官としての務めですから」

 

集十さんはそう言うと職員の制止を振り切り、階段を上っていったので俺も後を追った。

 

内務省6階

俺と集十さんは非常階段の入り口から6階へと入った。周りには誰も居らず静まり返っている。暫く進むと、オフィスの一角から女性の話し声が聞こえてきた。

 

「6階には誰もいません、中央警備室も完全に制圧しました」

<了解、チーム3の仕事が終わるまでそっちで待機して誰かこないか確認しろ>

「了解」

 

「すみません、私飛鳥特別行政区警察の厚木です。避難指示が出ていますが大丈夫ですか?」

「ここに居ては危険ですよ、自分たちも非難するので一緒に行きましょう」

 

集十さんと俺は、無線で会話していた職員に近づく。すると職員らしき女性は振り返るやいなや手に持っていたサプレッサー付きのB&T MP9をこっちに向けて撃ってきた。俺と集十さんは急いで机の陰に隠れる。

 

「お前の予感的中だな!」

「できれば当たりたくなかったですよ!」

 

「クソ、まだ人が残ってたわ、しかも猟犬よ!今すぐ応援に来て!」

 

女は無線で応援を呼び、さらに俺たちに向けて銃を打ちまくって来た。

 

「マズイな、さっさと倒さないと」

「俺が囮になります、集十さんはその間にアイツを倒してください!」

「分かった!」

 

俺は目立つように物陰から飛び出ると女は俺に向けて銃を撃って来た、銃弾がそこら中に命中して物が破壊され、部屋の中はめちゃくちゃだ。女はマガジンをリロードすると再び、俺に近づきながら銃を撃って来たので、俺は素早く隠れながら移動する。

 

女が俺に意識が完全に向いていたためその隙に接近した集十さんに気づかず、集十さんが女に飛びかかり、体勢を崩した所を数発殴り、女を気絶させた。その直後に応援の敵が2人来たが、集十さんは女からMP9を奪い取り入ってきた敵に向けて銃撃して2人の敵を倒した。

 

俺は集十さんが倒した2人の敵は女の敵と同じくMP9を持っていたが、サプレッサー付きのグロック17も持っていたので、俺はMP9とグロック17、それぞのマガジンを奪った。グロックは2丁あったので1丁を集十さんに渡した。

 

「次はどうするよ?」

「奴ら中央警備室を抑えたて、言ってましたね。そこに行きましょう」

「よしならさっさと、行こう」

 

俺と集十さんは部屋を出て、中央警備室へと向かった。

 

フロアを進み暫く進むと、中央警備室と書かれたプレートが掲げられた部屋に到着した。俺が少し扉を開けると、中から銃撃を受けたので俺は直ぐに扉を閉じた。

 

「どうするよ?」

「いつも通りに、敵を殺して済ませるだけだ」

「了解!」

集十さんが扉を開け、俺は警備室に飛び込み机の裏に隠れる。手を少しだけ出して片手でMP9を撃ちまくる。銃弾が部屋中に飛び交い部屋の中の物を破壊しまくる。

 

「奴らに接近します、集十さん援護してください!」

「任せろ!」

集十さんが制圧射撃を行い敵の攻撃を止めている隙に、俺は一気に敵との距離を詰めて、敵の真横に回りこみMP9のマガジンが空になるまで敵に弾を浴びせる。弾を喰らった2・3人の敵は身体中から血を流して倒れていた。

 

「他に誰もいないな?」

集十さんが近づいてきて俺に話しかける。

「ええ、大丈夫です」

「どうなってるか状況を確認しよう」

警備室のモニターを操作して、監視カメラの映像を確認する。

 

「殆どの階は避難が完了したみたいだな」

「集十さん3つ前の映像に戻してください」

キーボードを操作して映像を戻すと、映像には数人の人が写っていた。

 

「これどこの映像ですか?」

「内務省地下5階のサーバールームらしいな」

 

<チーム2応答しろ、猟犬は片付けたか?>

映像を見ていると、敵の持っていた無線から声が流れてきた。

 

「残念だが連れは死ぬほど疲れてるぞ、代わりに俺が用件を聞こうか?」

<お前…猟犬部隊の白瀬だな>

無線の相手は何故か俺の名前を知っていた。

「何故俺達の名を知ってる?」

<お前らは俺達の界隈じゃ有名だからな>

「ああそうかい」

俺は少し不機嫌な返答をする。

 

<それにしても今回は精鋭を連れてきたのに全滅させるとは、さすがは猟犬部隊に所属してるだけはあるな>

「悪人共から褒められるとはな」

<まあいい、もうすぐ目的は達成できる>

「逃げるつもりか?直にここは消防や警察で溢れかえるぞ」

<本土の警察は緩いからな、逃げることはたやすいさ」

「その前に、俺が行って地獄への片道切符を送ってやるよ」

<フフフ、楽しみにしてるよ>

相手はそういうと無線を切ってしまった。

 

「集十さん、行きましょう。奴らを逃すわけには行きません」

「そうだな、行こう!」

 

俺と集十さんは警備室を出て、敵が残っているサーバー室へと向かった。

 

 

 

 

 

 

 

内務省地下5階サーバールーム

「あとどのくらいで終わる?」

ウルフは部下に作業がどれくらいで終わるかを尋ねる。

「あと10分もあれば完全に終わります」

PCを操作している部下は10分で終わると告げる。

 

「よし、そのまま続けろ」

「了解です」

 

「チーム1リーダー聞こえるか?」

<なんでしょか?>

「猟犬部隊の方がお見えになるぞ、お迎えの準備をしろ」

<了解です>

「俺も今からそっちに行く」

ウルフはそう言うとSTI2011のスライド引き、サーバールームから出て行った。

 

猟犬部隊の2人を迎え撃つために。

 

 

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