特区警察警備部特別対応部隊 SRU 作:Jdeath0930
2013年の中央省庁再編で総務省、国家公安委員会、警察庁、公安調査庁を統合して発足した組織。業務内容としては都道府県警察の監督、地方自治、通信・郵便、選挙制度等を所管し、外局として公安警察が存在する。
日本の政府機関の中でも特に強い権力を握っており、財務省ですら内務省相手には強気に出られない。
2025年5月8日 内務省1階エントランス
階段を降りて1階のエントランスに到着すると、警察官が内務省の警備員から状況説明を受けていた。彼らは銃を持った俺と集十さんを見て、銃を向けてきた。
「け、警察だ!武器を捨てろ!」
警官は銃を向けながら決まり文句を言ってきたが、その声は震え、銃を持つ手は震えていた。
「俺達は飛鳥特別行政区警察の者だ!武器を置いて、警察手帳を今から出す」
俺と集十さんは武器を地面に置いて、ポケットに閉まっていた警察手帳を警官達に見せる。警官達はそれを確認すると銃を納めてくれた。
「一体何があったんですか?」
警官の一人が俺に何があったかを聞いてきた。
「武器を持った奴が省内に入り込んでる。上にいた奴は倒したが、まだ地下に仲間が残ってる」
「何ですって!」
警官は驚きの表情をしていた。
「俺達は今から地下に行って、残りを制圧してくる」
「応援を待つべきでは?」
「いや奴らはプロだ、もたもたしてるとに逃げられちまう」
「悠木のいう通りだ、早く行かないと逃げられてしまうからな」
「だけどその前に」
俺は内務省の警備員に話しかける。
「入館前に預けた銃を返してもらいたい、あと地下に行くにはどうすればいい?」
「此方に」
警備員がそう言うと入館者物保管のための金庫から俺と集十さんの銃を出して、返却してくれた。
「あと、何でもいいから銃か防弾ベストみたいなものはないか?」
「銃はありませんが、防弾ベストなら」
「構わない、それを貸してくれ」
警備員は警備所のロッカーから防弾ベストを出して渡してくれた。防弾ベストを着用して準備を済ませる。
「地下5階はエレベーターが止まってるので、階段で行くしかありません。途中職員しか通れない場所があるの私も同行します」
「我々も同行します、人は多いほうがいいですからね」
エントランスにいた警官の何人かも共に同行すると言ってくれ、俺達はサーバーフロアに向かった。
内務省地下5階サーバールーム
警備員の案内でサーバールームに到着した。中は大型のサーバー機器が並び、冷却のためか気温は低かった。そして中に入ってすぐに俺達は敵の攻撃を受けた。
「コンタクト!正面に4人!」
すぐに俺達も反撃し、敵に向けて銃を撃ちまくる。
「弾切れです!」「自分もです!」
同行していた警官が次々と弾切れを起こし始めたので、俺と集十さんは持っていた銃を警官達に渡して自分の銃に持ち替えた。
照準定め次々に敵を倒し、4人の敵を制圧した。
「行くぞ、進め!」
その後も襲ってくる敵を倒しつつ、俺達はサーバールームを制圧する。しかし後ろにいた警官達から叫び声が聞こえた。そこにはだいたい180cm以上でスーツにメガネをかけてSTI2011を右手に構えた男が警官達を次々と撃っていた。
「集十さん、彼らを援護してください。俺は奴を」
「気をつけろよ」
男は残っていた警官を撃とうとしいたが、俺は銃を男の足元に向けて2・3発撃って自分に注意を向ける。
「おい、コッチだ!」
また2発男に向けて撃つと、男は俺の方向に向けて走ってきて、こっちに撃ち返してきた。互いに攻撃しつつ部屋の奥へ向かい途中で弾切れになったので、サーバー機器の後ろに隠れる。
「お前が、さっきの無線の相手か?」
「白瀬悠木、初めましてだな」
「おいおい、お前は俺の名前知ってるのに、自分の名を名乗らないのは礼儀としてどうなんだ?」
空マガジンを銃から出して、新しいマガジンを装填する。
「これは失礼、お嬢様も言ってらしたな「敵であれ礼儀は忘れるな」と。俺はウルフだ」
「なんだ、コードネーム かよ。しっかり本名教えろよ」
スライドストップを下げて、スライドを前進させる。
「アルバートとだけ伝えておこう」
俺は声のする方向に向けて銃を撃つ、銃弾はサーバーに命中し、サーバーから火花が飛び散る。ウルフも撃ち返してきて俺の近くにあったパイプに命中してスチームが吹き出した。
「この前、うちのレインが世話になったな」
「レイン?、、ああ大橋の事件で肩を撃ち抜いた女か」
俺は大橋で戦った女の敵のことを思い出す。
「あいつ「この傷の借りは必ず返す」て言ってたぞ」
「今度は頭を撃ち抜いてやるて、伝えといてくれ」
また声の聞こえた方向に向けてマガジンが空になるまで撃ち続け、スライドが交代したので物陰に隠れリロードする。
「特区で最近事件が頻発してるが、それもお前らの仕業か?」
「だったどうする?」
「勿論、叩き潰す。元凶を放置するわけにはいかないからな」
「出来るかな?我々はそこらのチンピラとは違うぞ」
「それはやってみないと分からないだろ」
隠れていた所から出て再び、ウルフに向けて銃を撃つ。しかしウルフは撃ち返してこなかった。
「どうした?撃ち返してこないのか?」
「そろそろ時間切れだ、あまり長居すると捕まるリスクが上がるからな」
ウルフがそう言うと、俺の目の前にグレネードが投げ込まれた。
「ヤバ!」
直後にグレネードが爆発し爆風と破片が飛び散って物を破壊する。そしてウルフはそのまま走ってサーバールームの入口へと向かった。
「逃がすかよ、クソッタレが!」
悠木はウルフを追いかけて、同じ方向へ向かう。途中で負傷した警官の手当てをしていた集十さんも俺に気づいたのか、俺の後を追ってきた。
「悠木、どうした!?」
「敵が逃げました!恐らく地下駐車場に行くつもりです」
「俺も付いてく!」
俺と集十さんはウルフの後を追って、サーバールームを出て階段を駆け上った。
内務省地下駐車場
「車を出せ!」
俺達がウルフに追いつくと、奴は地下の駐車場に止めていたバンに乗り込んだ。
俺と集十さんはバンに向けて銃を撃ったが、バンはそのまま他の車と共に地下駐車場を出て行った。
「俺の車で追うぞ!」
集十さんがそう言い、同じく地下駐車場に止めてあったM5に向かう。
車に着き、集十さんがエンジンをかけて、俺が乗り込もうとすると集十さんが俺に声をかけた。
「悠木、トランクにいいもんが積んであるぞ!」
集十さんに言われた通りにトランクを開けると、中にはホロサイトが付いた89式小銃、ダブルマガジンクリップのついたマガジンが数個置かれていた。
マガジンを装填しチャージングハンドルを引いて、車に乗り込むと集十さんがアクセルを踏み込み、サイレンを鳴らして車を発進させた。
東京霞が関
敵の車列に追いつくと、警視庁のパトカーが車列を追跡していた。すると敵のSUVのルーフが開き、MG4を持った敵がパトカーや一般車に向けて銃撃を始めた。
攻撃を受けたパトカーや一般車は歩道の柵や攻撃を受けて停車した車に激突したりしていた。集十さんはその間をハンドルを巧みに操り掻い潜る。敵も追ってくる俺達に向け銃撃してきた。
「悠木!あの車を片付けてくれ!」
「了解!」
窓から身を乗り出して、俺はSUVのLMGを持った敵に89式小銃を撃つ。銃弾は敵に命中して、まずは攻撃を仕掛けてくる敵を倒すことができた。集十さんがスピードを上げて、一気に車の横につけると、マガジンが空になるまで撃ち、助手席の敵と運転手をまとめて始末し、SUVは歩道の柵に激突した。
一台片付けたと思ったら、車列の先頭を走っていたセダンが後ろに下がり、俺達の車と並走してきて、敵が攻撃してきた。俺は今度は、セダンの燃料タンク目掛けて撃ちまくると、銃撃による火花で燃料に引火したのか、トランクが爆発して横転した。これで残るはウルフが乗ったバンのみだった。
暫く追跡して広い大通りに出る。ふとバックミラーを見ると、オスプレイとMQ-9に形状が似ている無人機が写っていた。
「あー、、集十さん、、凄く嫌な予感がするんですが」
「奇遇だな、俺もちょうどそう思ってた所だ」
またバックミラーを見ると、光る何かがこっちに向かって飛んできていた。互いの嫌な予感がどうやら当たったようだ。
「ミサイルだ!避けて!」
「クソッタレ!やっぱりか!」
ミサイルが少し離れたところで着弾し、爆発が起きる。一般車も巻き添えを喰らい、俺達の車は爆風に揺られる。その上をオスプレイと無人機が超低空飛行で真上を通り過ぎ、6〜700m離れた場所にハッチを開けて着陸した。バンはそのまま機内へ入り、オスプレイはハッチを閉めて上昇を始めた。
「悠木、逃すなよ!」
「分かってますよ!」
俺はオスプレに向けて89式を撃ちまくるが、アサルトライフルの攻撃ではオスプレイはビクともしない。オスプレイはそのまま上昇し、一定高度まで上がると回転翼を水平に戻して飛び去った。
オスプレイは去ったが、残った無人機が俺達を攻撃するため旋回して真正面から向かってきていた。
「悠木!」
「分かってますよ、撃ち落とせってんでしょ!」
「分かってるなら結構」
集十さんが横向きに車を停車させ、俺は車外に出て89式のバイポットを展開してボンネットに置き、セレクターを”タ”にセットし、無人機に狙いを定める。
(銃は女と一緒、強く握ると女は嫌がる、だから優しく握る。息を整え身体を安定させ、ベストなタイミングで引き金を引く)
俺はゆっくりと息を吸いそして吐く、そしてベストなタイミングになった瞬間俺引き金を連続して引く。
ダン、ダン、ダンと次々に銃弾が発射され、発射された弾丸は無人機のハードポイントに取り付けられていたミサイルに次々と命中する。ミサイルが爆発し、無人機は東京の空で爆散した。
1時間程経ち、周りはパトカーに救急車、警官に消防士・救命士が慌ただしく動いていた。俺達はそんな彼らを尻目にタバコを吸っていた。
「せっかくの東京出張が台無しだな、内務省もあの騒ぎで暫く閉鎖されるだろうから委員会は延期だな」
「・・・・・・」
「何考えてる?」
「敵は俺の名前を知ってました、前に大橋で戦った敵もそうでした」
大橋の敵そして今回遭遇したウルフ、いずれも俺の名前を知っていた。そしてウルフは特区で起きる事件の関与を肯定も否定もしなかった。
「集十さん、敵は特区で起きる事件に関与してますよ。それに俺達警察は出遅れてる、早急に対策しないと手遅れに」
「ああ、そうだな。だが今は休もう。考えるのはそれからだ」
集十さんはそう言って車に乗り、俺も車乗ってこの場を去る。さらに大きくなった不安を持って。