騒動喫茶ユニオンリバー The novel 異端たる双眸   作:級長

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 陽歌の好物が鮭であることは初期から設定されていたが、あまり話題に出なかった。ギャングラーの起こした大量失踪事件の際、サモーンと遭遇しており、「痩せているなら鮭を食え!」と食わされたことが切っ掛けである。


☆クリスマスを楽しみに after

「不思議なものでスね、SCPというのは」

 ここは喫茶ユニオンリバー。一見すると単なる喫茶店だが、地下には大きな研究施設を備えている。銀髪の美女、アスルト・ヨルムンガンドはあるデータを見て首を傾げる。ユニオンリバーの裏の顔、それはトラブルコンサルタント。あらゆる騒動を解決する仕事人だ。

 その一環で出会った奇怪なアイテムの能力を纏めていたのだが、内臓がパッチワークに置き換わったのに問題無く機能しているという事実は魔術的にも科学的にも首を傾げる現象であった。

「体の方はとても快適です」

 数年前、ユニオンリバーに保護された少年、浅野陽歌はそのアイテムの手によって欠損していた内臓が補填された。パーカーの袖から覗く義手までは置き換えられなかったが、身体的には非常に健康となった。

「実験記録を見るに限界はある様だけど……合併症や拒絶反応も例が無しと……」

「どこぞのクマも見習ってほしいもんですね」

 幸いにして助けられたが、彼女らの仕事には危険が伴う。ただここに暮らしているだけの陽歌が前線に出ることは滅多にない。

「滅多にない、はず」

 陽歌は桜色の右目、空色の左目をきょろきょろさせて自分が書いた報告書のデータを見る。一応、メインで活動しているメンバーの方が案件数は多いはずだが、巻き込まれ体質とマメに記録を残す癖の有無から報告書の数は陽歌が上回ってしまっている。

「あれだ、対魔忍がいつも負けてる理由的な」

 彼は自分なりに納得させようとしたが、その例えはいろいろマズイ。まだ九歳であり、成人向け作品の知識があってはいけない。とはいえ、左目の泣き黒子のせいかふと憂いを帯びた表情をすると、歳不相応な妖艶さを感じることも少なくない。

「そういえば皆さんは?」

「ギャングラーのアジト跡地に向かってまス。ほら、例のものを取りに」

 仲間達はかつて存在した異世界の犯罪組織、ギャングラーのアジトを捜索していた。というのも、ひょんなことから死後の世界で陽歌は既知であったギャングラー構成員、サモーンと再会した。その時に彼秘蔵の鮭があると聞いたが、死んだことで回収を諦めてしまい金庫のパスを忘れていたのだ。

 回収が絶望的かと思われたものの、これまた偶然タイムリープしてしまった仲間がそのパスを記録していたため、回収できるようになったのだ。

「そろそろ帰ってくるかもしれないでスね」

「そうですね

 二人は仲間を出迎えるべく店舗に上がった。クリスマスの飾りつけをしているが、お客さんはいない。

「おう、いい感じに揚がったぞ!」

 料理担当の女性、カティがクリスマスパーティの準備をしていた。七面鳥でも揚げているのだろうか、と陽歌とアスルトは思ったが、出て来たのはアジフライ。

「わぁ美味しそう」

「待ってください。変じゃないでスか?」

 クリスマスなのになぜアジフライ、とアスルトは思ったが陽歌にとっては些細なことであった。

「いいじゃないですかアジフライ」

「そうだな、クリスマスといえばアジフライだ」

「ん?」

 とはいえカティの反応から少し不自然な気はしていた様だが、クリスマス自体不慣れな陽歌はアジフライもクリスマス料理のバリエーション程度に考えていた。

「僕が知らないだけでアジフライがクリスマスに出る国や星があるんでしょう」

「いや私知らないでス。一緒に海賊やっててそんな星知りません」

 カティとアスルトは元々同じ宇宙海賊のメンバー。なので同じ様な星々を冒険したはずだが、そんな風習聞いたことがない。

「何言ってんだ。地球じゃクリスマスにアジフライは常識だろ? いいアジ売ってたぞ」

「このカオスな感じ……もしかして……」

 まるで世界のルールがそのまま変わってしまったかの様な違和感、アスルトはある可能性を考えたが、それを言う前にお使いの仲間達が店に飛び込んでくる。

「おおっしゃ着いた!」

「着きましたに!」

 ドタバタやって来たのは緑髪の少女と猫の様な髪型をした金髪の少女。青龍騎士末妹、ヴァネッサと白虎騎士長女、ナルだ。

「ヴァネッサ、ルナルーシェン、どうしたのそんな慌てて」

「それがすっげー声に濁点付いたおまわりに追いかけられてな」

 普段のぐだぐだした彼女達からは考えられない必死さに陽歌はただならぬものを感じた。そして、その追跡者はまったく間を開けることなく店に飛び込んでくる。

「動くな! 国際警察だ!」

「ぎゃー! 来たー!」

 国際警察を名乗る青年に陽歌は見覚えがあった。

「国際警察? もしかして朝加さん?」

「君は……」

 青年の方も陽歌と面識があったのか、態度が柔らかくなる。国際警察の実働部隊、警察戦隊パトレンジャー。この青年、朝加圭一郎はその一員だ。

「元気そうでよかった。あの後音沙汰が無くなったから心配していたんだ」

「はい、おかげ様で」

「知り合い……だよな?」

 陽歌の経歴を知るヴァネッサはその理由を察した。陽歌はギャングラーの起こしたとされる大量失踪事件の被害者であり、その関係から国際警察の事情聴取を受けていた。圭一郎は陽歌の袖から覗く義手を見て、何故か頭を下げる。

「すまない。俺が無理にでも保護していれば……」

「あ、いえ、これは僕にも非があるというか」

 言葉少なであるが、互いになにが言いたいのかは分かっていた。圭一郎は虐待の疑いがあった陽歌を保護しようとしていた。だが、当時の陽歌は『自分がいると迷惑になる』と数多の救いの手を払いのけてきた。人間不信になっていた彼には、心の底に他者への疑心が、そして裏切られた時の恐怖があった。それを救ったのが、彼の意向を問わず無理矢理連れ去ったユニオンリバーだった。

「君達には感謝する。だが、それは証拠品で押収しないといけないものなんだ」

 圭一郎は私情と公務を分けて話を進める。陽歌もそれを分かった上で突っぱねる。

「はい、分かっています。ですが、これは僕がサモーンから預かったものなんです」

「サモーンから?」

 サモーンはギャングラー構成員。いくら悪事が人命に関わらないもので、人を原材料に作られる『化けの皮』を使用していなかったとはいえ、その鮭の入手経緯までは分からない。犯罪に関わっているのなら、押収する必要がある。

「実力を行使するなら、こちらにも準備がある」

 陽歌は空間から炎を共に刀を取り出し、構える。圭一郎も子供が相手であるが、腰のVSチェンジャーに手をかけねばならなかった。それほどまでに陽歌の闘気は強い。

「信じられないくらい強くなったが……間違った道に進むのなら止める!」

 両者がにらみ合い、一触即発の空気となった。その時、ナルが突然あらぬ方向を指挿して叫ぶ。

「あ! キツツキですに!」

 陽歌は振り向かなかったが、圭一郎は反応してしまう。その瞬間に、アスルトはビームを放った。

「強制帰宅ビーム!」

「しまったー! なんかこれ見たことある!」

 こうして圭一郎は追い出された。アスルトは話そうとしていたことをようやく伝える。

「そうだ! 実はクリスマスなのにアジフライが……」

「いや当たり前だろクリスマスなんだから」

「クリスマスには鮭かアジフライですに」

 ヴァネッサとナルもこのアジフライ現象を受けていた。アスルトは錬金術で作ったアイテムで、陽歌は元々の高い精神汚染耐性から攻撃を回避している。

「そんなに一般的なんだアジフライ」

 が、肝心の陽歌は一般常識が終わっているので攻撃に気づかない。

「こんなお手軽かつくだらない常識改変はトジテンドの仕業でス!」

「あー、トジテンドか。確かにそんな気はする」

「じゃあ倒してきますに」

 一応、アスルトの生みだした四聖騎士も耐性はあるはずだが、機能し切っていない。

「僕も行ってきますね。あの人の叶えたかった夢を、そんなチートでやってしまうなど容認できない」

 陽歌もサモーンが願った『クリスマスの常識を変える』という目的がこんな手軽に果たされたことに納得が出来なかった。珍しく積極的に事件解決へ乗り出したのであった。

 

   @

 

 街に出ると、早速アジフライを模した頭部の怪人がアジフライを飛ばして人々を洗脳していた。あの不審なアジフライは煙幕弾らしく、煙を吸うとアジフライ一色の思考になってしまう。煙は長い間残り続け、そのせいで直に受けていないカティ達も影響を受けたのだろう。

「この世界をアジフライで満たしてやるアジフライ!」

「やっぱアジフライワルドの仕業か!」

 ヴァネッサと陽歌が武器を構え、戦いに挑む。しかしナルはこの状況に似つかわしくない存在を発見していた。

「あれは、なんですかに?」

「え?」

 選挙も終わったというのに街宣車を乗り回して演説をしているスーツの女性議員、その顔は陽歌だけでなくユニオンリバーメンバー全員、去年はいやというほど見たものだ。

「お前は、大海菊子!」

「生きていたのか!」

 何度も復活しては自身の手による東京オリンピック開催を目論んだ存在。根幹であるセーブポイントを破壊されたため、もう完全に消滅したと思われていたのが。当然、こんな常識外れの事態が『あの人物』の耳に入っていないはずもない。

「クリスマスに復活とは、何の冗談だ?」

「胡桃さん!」

 現れた高校生くらいの少女は、大海都知事の娘、胡桃。親子だというのが疑わしくなるくらい似ておらず、大海都知事を老醜の擬人化だとすれば胡桃は若々しく歳相応の清潔感がある美少女といったところだろう。

「あなたも私の娘なら、初の女性都知事によるオリンピック開催という日本の重要な転換点を失った重大さは分かるでしょう。よく聞きなさい」

 大海都知事は懐からクリスマスカードの様なものをちらつかせて勝手に話し始める。

「懐かしいですね、あなたが十一歳の時にくれたクリスマスカード……この中に、わが身可愛さに日本を衰退させる男共の情報が入っています。私を妨害する連中の情報を知る限りね。万が一私が死んだ時は、これをあなたが使いなさい。もし私が倒されても、私や支援者の無力さを恨まないでください。彼らが如何に正しくても、悪貨は良貨を駆逐するものなのです。頼みを聞いてくれれば、悪い様にしません」

「バーニィのセリフ雑かつ最悪の改変しやがった」

 独りよがりにもほどがある上に、ポケ戦ファンの神経を逆なでにしまくる発言にヴァネッサは憤った。こんな親に振り回されている胡桃はもっとイラついている。

「嘘つけ! 悪い様にしないなんてずっと言ってきたじゃない! だけどお前はいつも裏切った!」

「そんなことありません!」

 こいつならやるな、という空気が陽歌達だけでなくアジフライワルドにも流れていた。

「八歳と九歳と十歳と、十二歳と十三歳の時も私はずっと! 待ってた!」

「な、何を……」

「クリスマスプレゼントだろ! すぐに西洋諸国では欧州ではっていうくせに、キリスト教圏じゃネグレクト扱いのことを平気でして!」

 ああこいつならするな、という悪い意味での信頼は一層深まっていた。そして一同の予想をこの大海は裏切り続ける。

「ええ、ここは日本ですので」

「開き直ったですに!」

「居直りやがったアジフライ!」

 ワルドにさえ呆れられる始末。しかし問題はどうやって復活したかだ。

「でもセーブポイントは粉々にしたってのにどうやって……」

「ふふ、今日をなんだと思っているんですか? クリスマスです! 復活で有名な立川のロン毛の日! 故にこの日起きた大規模な常識改変に紛れ込めば復活も容易!」

「なんてガバガバな蘇生判定だ!」

 ヴァネッサも突っ込まざるをえない言った者勝ち過ぎるルール。しかし、陽歌はあることに気づいてしまった。

「今日はイブだし、クリスマスはイエスの誕生日であって復活祭とは別なんじゃ……」

 イースターは初夏、アークスにとっては常識である。それに気づかされた大海都知事は爆散した。

「おのれ浅野陽歌!」

「復活出来ないことに気づいて死んだー!」

 事実を突き付けられて無事死亡。後はアジフライワルドを倒すだけ。

「おりゃああ!」

「タイガー、レイザースエッジ!」

 ヴァネッサとナルが攻撃を仕掛けるも、アジフライワルドをすり抜けてしまう。よく見ると足が透けており、霊体の様な状態になっていた。

「何?」

「ふふふ、俺は没墓場から生まれたワルドアジフライ。生と死の狭間に存在するから攻撃が効かないアジフライ」

 つまりは現実に干渉する力を持った幽霊ということ。ここは陽歌の出番だ。

「ならば僕が……」

「見つけたぞトジテンド! 国際警察の権限において、実力を行使する!」

 そこに駆け付けたのが圭一郎。自宅に送還されてから随分と早く戻って来たものである。

「圭一郎さん!」

「君は……。ここからは俺の仕事だ! 警察チェンジ!」

 圭一郎はパトレン一号に変身し、戦闘を仕掛ける。だが全然攻撃は通らない。

「ダメです! そいつには攻撃が」

 陽歌は刀を抜き、一撃の下に切り捨てんと迫る。悪霊ならば、より強い呪いの力を持つ陽歌は一撃で葬ることが出来る。

「仏陀斬り!」

 しかし、炎を纏った刃はアジフライワルドの身体に弾かれてしまう。

「何?」

「言ったはずアジフライ! 俺は生と死の狭間にいるアジフライ!」

 狭間の存在、つまりは生きても死んでもいないということ。物理的に倒そうとすれば死んでいる部分ですり抜け、霊的に倒そうとすれば生きている部分で跳ね返される。

「どうすりゃいいんだ?」

 さすがのユニオンリバーもこれにはお手上げであった。

「ふはは! 誰も俺を止められないアジフライ!」

「うわああ! なんじゃこりゃ!」

 アジフライが飛び交い、街を破壊していく。洒落にならない攻撃力、小規模なミサイルが降り注いでいる様なものだ。まだ被害は小さいが、倒せないということは止める術もない。

「対処法ならあるぜ!」

 困り果てたヴァネッサ達の下に、キッチンカーが飛び込んでくる。運転していたのはアスルト、キッチンの場所にはカティがいた。

「そうか、サモーンのとっておきは『強健の鮭』!」

「どういうことだ?」

 陽歌達はサモーンの遺産を知っていたが、国際警察には情報がなかった。圭一郎がユニオンリバーに来たのも、ギャングラーのアジトを警備していた際偶然出くわしたに過ぎない。

「ケルト神話、フィンダンサイクルの主役格、フィオナ騎士団団長のフィンマックールが食したとされる叡智の鮭、その対極に存在するのがこの強健の鮭です。霊を斬れても物体は斬れない僕がこれで強くなれば……」

「しかし……それは……」

 証拠品の使用、そして民間人を戦わせ、不可逆の変異をもたらす。警察官としてそれは見逃すことが出来ない。

「お待たせゼンカイ!」

 圭一郎が迷っていると本来トジテンドと戦っているゼンカイジャーがやってくる。しかしやはりというか、攻撃が効かないので対処することが出来ない。

「信じて、サモーンに託された希望を」

 陽歌はこれをサモーンが自分に残した理由を聞いていた。死後の世界で再会した時、生命の生死を弄ぶ敵と戦っている最中であった彼にサモーンは未来を守る力になるかもとその所在を伝えた。そして数えきれない偶然と仲間の力添えで、それがここにある。

「このまま狭間の存在が倒せないってなったら、トジテンドはそれを利用して来るかもしれない。狭間の者を倒せるという事実が、今は必要なんです。僕は、助けてくれた人達の力になりたい」

「……わかった、君に任せる」

 圭一郎は陽歌の覚悟を聞き、使用を承諾した。だが、この強健の鮭には一つ問題があった。

「でも食べきらないと十全に効果を発揮しないよ! 骨も頭も!」

 叡智の鮭が脂一つで知恵を授けたのに対し、どこまでも対極。当然アジフライワルドも食べるのを妨害してくる。

「そうはさせるかアジフライ! アジフライ以外喉を通らない様にしてやるアジフライ!」

 そこでゼンカイジャーのガオーンとブルーンがギアを使う。

『今チュン! キュウレンジャーギアとルパンレンジャーギアを使うチュン!』

「41バーン! キュウレンジャー!」

「42バーン! ルパンレンジャー!」

 すると、飛んで来るアジフライをアレンジして皿に盛り付け、攻撃を防いだ。

『宇宙戦隊キュウレンジャーのカジキイエローと怪盗戦隊ルパンレンジャーのルパンブルーはシェフチュン!』

「なんだかエアロビしたくなりましたよ!」

 ブルーンはエアロビをしながらであったが、防御には成功。これで鮭を食べる時間を確保できる。

「急げ急げ……」

 しかし少食の陽歌が大きな鮭を食べきるのは困難……と見せかけて食べるとすぐに身体に異変が起きた。消化器官が強化され、鮭を食べるペースが落ちない。

「菊子死すとも自由死せず! 纏めて粉砕してやる!」

 死んだと思われた大海都知事は以前の最終決戦で変異した結晶の巨人へとなって、一同に襲い掛かる。

「ラスボスが出て来た」

「大きくなるのは負けフラグアジフライ!」

 さすがに本腰を入れねばとヴァネッサが構えた瞬間、振り下ろされた拳をアジフライワルドが止める。

「何?」

「すり抜けることが出来るだけで実は滅茶苦茶強いアジフライ! 魚を食べると身体が強くなるアジフライ!」

 アジフライワルドはそのまま拳を跳ね除けて粉砕し、都知事を撃破する。

「えええええ!」

「めっちゃ強いですに」

 予想外の強敵であった。しかし、陽歌もこの間に鮭を完食し戦闘に臨む。

「そいつは僕が過去に倒した相手……この力を試すには不足なし!」

「やってみるアジフライ! 鯵と鮭の決着を着けるアジフライ!」

 アジフライワルドは衣を纏った拳で目にも止まらぬラッシュを繰り出す。陽歌はそれを最小の動きで回避していった。

「フライ盛り合わせラッシュ!」

「この程度!」

 そして、僅かな隙を見つけて反撃に移る。

「仏陀斬り!」

 的確な一撃がアジフライワルドの頸を落とす。まるで豆腐に包丁を入れたかの様なスムーズさ。ワルドは辞世の言葉を残して爆発四散する。

「鮭は実は白身魚アジフライ!」

「よし」

 しかしまだ終わりではない。ワルドが撃破されれば、巨大戦力であるクダイテストが送られてくる。今回は強力なニュークダイテストだ。クダイテストはワルドの力となっていたトジルギアを踏みつぶし、その力を我がものとする。

「アジフライパワーが満ち満ちたアジフライ!」

「よーし、みんなよろしくゼンカイ!」

 ゼンカイザーが戦闘機をコアに、メンバー全員で合体しロボとなる。

「全力合体! ゼンリョクゼンカイオー!」

「クリスマスも過ぎてるしささっと終わらせますか!」

 ジュランの言う通り、即座に必殺技をぶっ放して終わりにしてきた。

「ゼンカイジャー! オール戦隊ファイナルビックバン!」

「フライを温める時はラップしない方がいいアジフライ!」

 歴代戦隊のロボ総突撃を受け、今度こそ完全撃破されたのであった。

「世界ゼンカイ! オールオッケー!」

 

   @

 

「あの鮭は俺しか見ていない。国際警察は認知していないんだ」

 結局鮭は食べてしまったが、圭一郎以外に知る者がいなかったので大きな問題には発展しなさそうだ。

「あの時助けてあげられなかった、せめてもの埋め合わせだ」

「ありがとうございます」

 過去も清算し、これで陽歌も先へ進める。とんだクリスマスであったが、戦力の増強で来年はますます騒動の解決が進みそうだ。

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