主人公 バイパー/マーモン 男
前世の記憶はあるが原作知識は無い。
ギリギリアニメ見たことあるくらいなので、死ぬ気の炎で何とか「それっぽいの見たことある気がする」程度。
ある朝目が覚めたら、薄幸そうな女性と表情の読めない男がこちらを見つめていた!
誰なのか全く分からないけど、なんか優しげな瞳でこっちを見つめて……いやデカくない?
なんかデカくない?
巨人かな?
だって僕今……何歳だったかは忘れたけど、もう大人なのに。
それを見下げる大人たち……って思ったけどなんか体の感覚もおかしい。
頭とか起き上がらないし、四肢もうまく動かせない。
なんで!?
そう思って手を挙げてみたら、あらまぁかわいいモミジのお手手。
僕が力を籠めるとそれに合わせてぐっぱぐっぱ。
……嘘でしょこれ僕の手なの?
ありえない!!
不安になったとたん、目の奥から何かがこみあげてくるのが分かった。
うん、この体でこみあげてくるものって言ったら涙しか無いよね。
鼻が詰まってきて口を開くと高い僕の声が、次第に抑えられなくなって漏れ出した。
びぇぇぇぇぇぇぇんと泣くのはいつぶりだろう。
抑えられなくなって、そして僕は女性の腕に抱えられた。
それが心地よくなって、次第に涙も収まって、僕は夢の世界へ旅立った。
夢の世界はそれはそれは素晴らしい世界だった。
なんかすごい鬱蒼とした森の中だ。
しかも湿度高い。
ため息をついて探索してみるけど何も見つからない。
ちょっと寂しいなぁと思ってたら、ゲロ、とどこかで鳴く声が聞こえた。
カエルっぽいそれがこの世界で唯一の目標だったので、とりあえずその鳴き声のする方に歩いてみることにする。
けれども、夢の世界まで体が小さい僕はその声の元にたどり着かないでいた。
ああもう!
こんな時空を飛べたらいいのに!
と思ったら、僕の視界は急に高くなった。
そして多少の浮遊感。
浮いてる!
どうやら明晰夢だったようだ。
ふよふよ、ふよふよ。
僕は空中浮遊しながらカエルを探した。
ふよふよ。
ゲロ。
ふよふよ。
ゲロゲロ。
ふよふよふよふよ。
ゲーロゲロ。
視界に入ったのは、暗い森の中で一際黒い物体。
カエルにしてはちょっと不気味なそれは、僕を見つけたとたんに襲い掛かってきた。
カエルの脚力正直舐めてた。
僕は抵抗する暇もなくカエルにつかまって地面に落ちた。
ゲロ。
カエルは何故か得意そうに僕の腹の上に乗っかっている。
……いや正直カエル系苦手なんだけど、この子は普通に可愛いと思えるんだけど。
なんでだろう、黒いからかな?
そういえば普通のアマガエルとかめっちゃ緑で気持ち悪いよね。
黒いカエルかぁ。
可愛い。
うん。
もしかしたら夢の登場人物だからかもしれないけど、まぁそれはそれでいいかな。
ゲロ。
「僕の……ペットになるかい」
なんちゃって。
カエルのペットとか正直どうなのって言ってから思う。
僕一度もカエルとか飼ったことないし。
「ゲロ!」
返事のようにカエルはひと鳴きして、僕の頭の上へ乗ってきた。
本当?
本当に僕のペットになるつもり?
っていうか僕の言葉分かったの?
めっちゃ頭いいじゃんこのカエル。
うん。
仕方ない。
飼おう。
僕の夢だけど、夢の唯一の癒しだ。
なんか現実はとんでもないことになってるし。
なぜか知らないけど体が縮むどっきりにかけられてるし。
そうだ、僕のペットになるなら名前が必要だよなぁ……。
名前……名前……。
まぁ、後でいいか!
ファンタズマSide
ここは 自分だけの くらい森。
外は 寒いから ずっと眠ってるしかできなくて。
眠ってても 暇 だから、 いつか 人間が 話してた 精神世界 ってところに こもってる。
ここは、 自分しかいないから とても落ち着いていて とても 寂しい。
でも ぼくに 仲間は いないから だから 今日も ここにいる。
そんな ある日。
僕の世界に 誰かが 入ってきた。
紫色の髪をした なんだか 不思議な 人間の 赤ちゃん。
なんだか あの子が 気になって、 求愛も したことないのに 縄張りも 一度も 主張した ことないけど 初めて 鳴いてみた。
あの子は ぼくを 探すように 歩き出した。
ぽてぽて、 ぽてぽて。
そうやって 歩く あの子は ぼくに 一向に 追い付かない。
じれったくて ぼくから 近づこうと したんだけど、 なんでか 近寄れなくて しかたなく もっと たくさん 鳴いてみた。
あの子も 焦って ぼくを 探すけど、 小さい 体じゃ 無理みたいで 怒ったように 地面を蹴った。
そしたら、 あの子は 空中に ふよふよ 浮いてて、 とっても 面白い 子だなって 思った。
たまに バビュン って早くなる ことがあって 見失って しまいそうだから 必死で 鳴いた。
そしたら あの子も 近づいてきて くれて とっても うれしかった。
やっと、あの子 がこっち に来た。
うれしい、 うれしい、 そう思って いつの間にか ぼくは あの子に 飛びかかっていた。
あの子は 驚く こともなく ぼくに 抱き着かれて 優しく 地面へ 降り立った。
はじめて、 はじめて。
はじめて ぼく以外の 存在に 触れ合った!
えへへ。
あの子は ぼくを撫でると 少し 考えて 小さく 笑った。
可愛い!
でも、 ちょっと 寂しそう。
君も ぼくと 一緒なの?
それなら ぼくと 一緒に 遊ぼう。
そう 思って 鳴いてみたら、 あの子は 初めて 言葉を 喋った。
「僕の……ペットになるかい」
あの子は 姿に見合わず すごく 大人みたいな 話し方をする。
言語は ぼく よく分からないけど 言ってる意味は 精神世界だから わかるんだ。
ペット。
人間は ペットは 家族だ って言ってた。
家族。
よく、分からないけど。
それで君と 一緒に いられるのなら それで いいよ!
ぼくは うんと 頷くように。
「ゲロ!」
と一声 鳴いたんだ。
あの子が 少し 嬉しそうに していた から ぼくも うれしくなって あの子の 頭の 上に 乗っかった。
すごく 落ち着く。
ずっと ここに いたいな。
そう 思ってた んだけど、 あの子は だんだん 姿が霧に まぎれてきて、 あの子が 起きる 時間が 来たことを 察した。
寂しい。
ぼくは また一人?
そう思って あの子の下に 降りて 見上げたら、 あの子は ぼくを 安心させる ように ぼくの 頭を ひと撫でして 姿を消した。
とても 優しくて うれしかった。
確信は 無い んだけど、 きっと また 会えるような 気がした。
そして ぼくも 目を 覚ました。
寒い。
寂しい。
でも 今は あの子が いる。
寒い けど あの子が この 現実にも いるのなら、 あの子も きっと 寂しいから ぼくが あの子に 会いに いって あげるんだ。
ずっと 寝ていて 硬くなってた 体を 無理やり 動かして ぼくは なんとなく あの子が いる方向に 駆け出した。
バイパーSide
知らない天井だ。
何回も使いまわされたよねこれ。
でも確かに、知らない天井を見たらこの言葉が浮かんでくるのは事実。
それにしても変な夢だったな、真っ黒いカエルをペットにする夢とか。
そしてやっぱり僕の体は戻ってないし、見回すとソファーにはさっきの男女が眠っていた。
ほんとなんなんだこれ。
……はあ。
もし今、夢の中みたいに飛べたら色々見て回れるのになぁ。
そう思ったとたん、僕の体は浮遊を始めた。
……え?
本当に浮いている。
すごい、すべてが下がっていく……と調子に乗っていたら天井に頭をぶつけて、ふらふらとベッドの中に戻った。
ちょっと痛い。
そういえば僕、まだ首も座ってないじゃないか。
思い出して肝を冷やした。
怖い怖い。
しばらく……少なくとも数か月はこの状態で過ごさなくちゃいけない。
やばいめっちゃ暇じゃないか……。
―――――――――――――――
バイパー:体か浮くとかなんて言うファンタジー。
ファンタズマ:面白い赤ちゃんがいたので探してみる。
ママ:この子の目の下の痣、流石に男の子でも将来が心配だわ。どこかで消してもらえないかしら……。
パパ:実は既に家庭があるのにママを孕ませてしまった。
って色々あって、暇すぎて幻術を使い始めるバイパー。
ここで飽きたので割愛。
3歳ぐらいまで成長すると、やっとバイパーを見つけたファンタズマと再会。
夢の中では結構な頻度で会ってるんだけど、現実で会うと違うよねって。
この頃にはすでにイタリア語ペラッペラになってて、ちょっと中二系の単語とかも覚え始めてる頃。
現実世界ですごい唐突にやってきたうえに、夢の世界のように脅かしてくるからからかい半分で名前をファンタズマに決めるバイパー。
後でちょっと後悔した。
6歳にもなると、もともと夫婦仲が良くなかった両親が決裂。
さらに気味の悪い子供だと言って二人とも引き取らないから孤児院に預けられる。
しかしなんとも思わない主人公。
ほぼ他人のように思っていたので全く愛着はありませんでした。
孤児院でもやっぱり浮くけど、君が悪すぎて誰も近づかない始末。
それから何とか8年暮らして、14歳に。
ちょっと怖いおじさんに幻術を見られて、それが何たるかを教えてもらった。
怖いおじさんは意外といい人だった。
それからずるずると裏社会へ沈みながら、天才サイキックとして名を馳せる日々。
本人はそう呼ばれてることは知らずに「お金もらえるならいっか」くらいのノリで生活してる。
贅沢に生活できるくらいのお金があればいいかなぁと活動してたら、いつの間にか守銭奴扱いされていた。
本人は「お金の貸し借りダメ、絶対」くらいのノリだった。
このあたりから、ファンタズマがカエルらしからぬ姿に変形し始める。
もはやヘビやんけ!って思いながらも可愛いので許す。
結構お金がたまってきたので、前世でちょっと気になってた投資などにも手を出し始める。
そこで(お金に対しての)嗅覚の良いファンタズマ、大活躍でそこそこな結果に。
そして3年経って17歳で裏社会に名を馳せる凄腕サイキック幻術師になり、チェッカーフェイスに呼ばれてアルコバレーノになる。
また赤ん坊のやり直しでキレそうになるも、どうせ肉弾戦しない上に浮遊して移動するので小さいほうが逃げやすいことに気が付く。
でも能力が低くなったのが許せないのでチェッカーフェイスはいつか殺す。
以下小話
【ヴァリアーに入るきっかけ】
ある日、とんでもなく支払いの良い依頼が来た。
いつも見ていた依頼と一桁くらい違うんじゃない? っていうそれは、確かに危険な任務だったけど、多分ファンタズマがいるからどうにかなる。
ファンタズマもこの依頼を見てやる気マンマンだった。
……殺る気?
いやいや、僕の可愛いファンタズマがそんな凶暴なわけがない。
そんなこんなで依頼を受けた僕は、指定された場所に足を運んだ。
なんでも、イタリアでめちゃくちゃ有名な独立暗殺部隊ヴァリアーの隊員と任務をするんだとか。
接近戦がメインらしいので雑魚は任せても大丈夫かな。
って言っても、僕の依頼って火薬と火器の密売の護衛でそんなに戦闘は無いはず――
――ドゴォン!!
うん、そっかアレがフラグっていうんだね。
仕方ない、どうせ雑魚だしさっさと終わらせて……って思ったけどなかなか幻術にかかってくれなくて困った。
そりゃ3割しか実力は出してないから、そこら辺の術師程度の力だけども。
相手はこういった戦闘に免疫のある手練れらしい。
めんどくさい!
仕方がないので幻術を強くし、ファンタズマを待機させる。
流石独立暗殺部隊の任務というか、払いがいいのも納得というか。
めっちゃ色々飛んでくるし、戦場はあの腐れ揉み上げ曰くカオス状況だった。
もうやだ幻術師なのにバカうるさい銀髪のせいで血しぶきかかるし最悪だ。
早くお風呂入りたい。
やっとこさ任務が終わったのは、敵マフィアの戦闘員が軒並み死んだ頃だった。
おうち帰りたいのに任務完了の報告は、わざわざヴァリアーに行かないといけないんだとか。
クソ野郎め。
お金は相応だから文句は言わないけど。
お願いだから早く移動しよう。
連れていかれたのは城だった。通称ヴァリアー城。
僕も色々見てきていたし、その中で城に住む組織は確かにいたけど、一番大きいよここ。
聞いたら、ボンゴレ本部の方がもっとデカいんだとか。
金の力ってすごいな。
もう僕は気にしないことにした。
通されたのは会議室らしい。
そこで今ボスが肉食ってるんだとか。
意味が分からない。
どうやら幹部も集まっているらしく、オカマと、ヒゲと、確かに肉を食らってる男がいた。
一番奥にいる肉食ってるのがボスらしい。
どうしよう、今まで見た中でも異次元レベルでやばいところ来ちゃった!
もう帰りたい。
「ゔぉぉぉい!! 任務完了だボスゥ!!」
何故か大音量で喋りだす銀髪バカ。
「るせぇ」
そして銀髪バカにクリティカルヒットする酒の瓶。
いい音で割れてたけど銀髪バカ死んでない?
うわ死んでない、化け物か。
なんであの距離とあの勢いで飛ばされた酒瓶、頭で受け止めたのに痛いで済んでるんだよ。
そういえば風の便りで聞いたことがある。
ヴァリアーには、どんな任務も完璧で熟す通称ヴァリアークォリティが存在すると……。
これもそれの一つなのかな?
キチガイ集団か。
「あれが噂のアルコバレーノねぇ!」
そう言ってきたのはオカマだった。
ほんとにここは暗殺部隊なんだろうか。
めちゃくちゃ目を引く見た目をしている。
「ボス、こいつが言ってた例のアルコバレーノだァ。腕はそこらのカス術師共とは比べ物んなんねぇレベルだ」
スクアーロと呼ばれた銀髪が苛立たし気に肉食ボスに報告していた。
例のってなんだ例のって。
確かに僕はアルコバレーノだけど。
なんかとても嫌な予感がする。
「……おいアルコバレーノ、てめぇヴァリアーに入れ」
とっても威圧的に勧誘されました。
ボスはそれだけ言って再び肉を食らい始めたのでどうすればいいか悩んでたら、スクアーロが説明を始めた。
うんうん何々。
つまり、そこら辺の依頼の倍は出すからウチで霧の幹部をしないか、と。
任務にはランクがあって、Sランクが最高報酬だと。
熟した任務によって給料が変わると。
衣食住は完備、住み込みだと。
好待遇だと。
……ふぅん。
ファンタズマを見やると、めっちゃやる気で鼻息が荒かった。
ファンタズマが気に入っている……。
報酬もなかなか良いし、お城だし、部下もついて色々楽できるし……。
まぁ、飽きるまでここにいるのも悪くはないかもしれない。
最近家の周りが物騒になって来たし……こびり付いた血をごまかす幻覚も使うのめんどくさいし……。
色々悩んで、僕はヴァリアーに入ることにした。
入隊の契約書を書いて、血の掟を交わす。
完全に忘れてたよ、マフィアに入ると掟に従わなきゃいけないこと!
最悪復讐者にしょっぴかれるじゃん。
……待って、なんで人殺し裏切り上等、一家に入った限りは血の掟に従え、そんな世界に掟の番人がいるんだろ。
一家裏切って制裁してくるの復讐者なの?
そこらへんどうなんだろう、ってバカ銀髪改めスクアーロに聞いたら、
「あ”ー……まぁ、なんだァ、あいつらは制裁行為には手を出して来ねぇが、裏社会としての秩序っつーのも変な話だが、とにかく均衡が崩れるような時に手ェ出してくんだァ。一般人が知ってる"血の掟"と俺たちの"
そもそも、あれは十年以上前のアメリカのコーサ・ノストラの文書で俺たちにゃ関係ねェシロモノだ。
とスクアーロはつづけた。
なるほど分からん。
とにかく、基本的に口出しはしてこないけど、世界が揺るぐほどの人体実験だとか、大量殺人とか、快楽でマフィアつぶしまくってるタイプは「お前ええかげんにせぇよ」と牢獄に放り込まれるらしい。
表世界への情報の流出とかも色々やばいから復讐者が動くんだとか。
なんとなくわかったような、分からないような。
どうせ僕は一般人とは大きく関わることはないし、お金以外興味ないからどうでもいいかな。
基本を守ってれば問題は無いらしい。
そんなこんなでヴァリアーに入った僕は、幹部を紹介してもらうことになった。
さっきのオカマがルッスーリアで晴の幹部。
ヒゲのおっさんがレヴィ・ア・タンで雷の幹部。
バカ銀髪スクアーロは本名スペルビ・スクアーロで雨の幹部。
現時点では嵐・雲が決まっていないらしい。
で、僕が霧の幹部としてこの度入隊したと。
……今更だけど、入隊時点で幹部の地位もらってもいいんだろうか。
アルコバレーノだから問題ない? さいですか……。
ところで気が付いたんだけど、なんでみんな七つの大罪に因んだ名前をしているんだろうか。
え?
ボスの手からは憤怒の炎が出るって?
やばいな。
怖い。
何そのトンデモ能力。
っていうか憤怒ってあれじゃんもうめっちゃ七つの大罪じゃん。
憤怒の(炎の)ザンザス。
傲慢のスクアーロ(スペルビア)。
色欲のルッスーリア。
嫉妬のレヴィ・ア・タン(リヴァイアサン)。
ええ(困惑)。
なんでこんなに揃ってるの。
偶然だって?
んなバカな。
これってもしかして僕も改名した方がいいパターンじゃないの?
まぁどうせバイパーとしての活動は終わるわけだし……まぁいっか。
僕はそうだな、マモンからとってマーモンにでもしておこう。
貪欲のマーモン。
残ってるのが怠惰と暴食と貪欲だったから、一番それっぽの貪欲だよねってことで。
どうだいファンタズマ。
「ゲロ」
お気に召した様子。
よかった。
「おいバイパー……じゃなくてマーモンだったかァ? 何なんだそのカエル」
「僕のペットのファンタズマ」
「……そうかァ」
微妙な顔をして、「何も言うまい」と目を反らしたスクアーロ。
僕の可愛いペットに文句は無い様だ。
ヴァリアー城というのはペット可の物件らしい。
よかった。
さ、ファンタズマ、これから忙しくなるよ。
……もしかしたら、イタリア最大のマフィアの元だったら、この呪いについて分かるかもしれないんだ。
―――――――――――――――
バイパー改めマーモン:部下も等しく中二病で蕁麻疹が出た。
ファンタズマ:今株売ればいい感じに金が入ってくる予感がしたのではしゃいでる。
鮫:また厄介なのが入ってきたと思ってる。
ルッスーリア:赤ちゃん用の塩分控えめ料理が必要かシェフと相談してる。
ザンザス:肉。
復讐者:呼んだ?
コーサ・ノストラ:実はマフィアとはちょっと違うけどマフィア出身。
【VS.六道骸】雷の守護者戦でヴァリアー側が敗北している
8年ぶりにボスが起きたと思ったら無茶やらかすし、色々キレながらやらかすもんで、僕は霧の守護者としてリング争奪戦に出場することになった。
多分、当時世界最高だってクソ鉄仮面に言われたからどうにかなると思うんだけど……。
って待ってたら現れたのはやたら特徴的な髪形の女だった。
日本人にしては頑張ったのであろう結構綺麗な発音のイタリア語で「我が名はクローム。クローム髑髏」とか言ってる。
確実にやばい女だ。
主に頭が!
だって僕だってこの名前に慣れるまで結構な羞恥心を抱えてたのに、なんでそんな平然と痛々しい名前言えるんだよ!
これが14歳の力だっていうのか!
クソ揉み上げもよくこんなの連れてきやがったな!
赤の他人だからこそ羞恥心がクリティカルヒットだよ!
狙ってたのかこの野郎!
だから僕はお前が嫌いなんだ!
絶対!
からかわれるから!
絶対に言わないけど!
態度にも出さないけど!
もういいよ早く始まれ!
って思ってたらなんか向こうのボスにキスし始めるし。
この重い空気読んではよこっち来てほしい。
日本人でしょ君たち、空気読むのは十八番だろ!
イライラしてたら、ファンタズマは逆に興奮しているようで鼻息を荒くしていた。
ファンタズマは興奮するのは基本的に僕に利益が出る時だけど、他にもある。
特殊な人間がいた場合だ。
どうやらこの女は結構珍しい人間らしい。
常識外れなクソバカ共に揉まれるよりも、恐らく高いのであろう身体能力を生かしてサーカス団にでも入った方がいいよ。
絶対。
「サーカスにでもやれば……売れそうだ」
そう呟いた僕に、ベルは「いしし、流石マーモン」って笑っていた。
何が流石なんだよ。
とんでもない誤解されている気がするけど……今はこっちを片付けるのが優先だ。
向こうがなんか悶着してる間に、突然バサバサと音を鳴らしてやってくる奴がいる。
……これまた腹立つ軍人のお出ましだ。
めっちゃ鼻提灯下げて来てるんだけど何なの?
バカなの?
……おねむだって?
お前精神年齢考えろよ、最低でも40超えてんだろおっさん。
言っておくけどね、お前たちに居場所が知られたくなくて開発したんだよマモンチェーン!
「フン、間抜け面さげた奴が増えたか。この戦いでもっとマヌケ面をすることになるだろうがな」
主に僕の幻覚で。
お前のその顔全力でいじってやる。
バカでかい槍持った女に嫌われてやんのばーかばーか。
そんなこんなでバトル開始の合図が鳴った。
先攻は女。
相手のランクを図るいいチャンスだ。
彼女は大きい槍をぶん回し、地に付けると幻覚を構築した。
まぁ、そこそこかな。
でもそれほど強いわけではない。
所謂子供だましだ。
さっさと距離を詰めて女に一杯浴びせてやろう。
植物性の蔦を出して女を絡めとり、首を絞める。
「弱すぎるよ」
思わずそう呟いた。
裏社会で生きていくには相応の強さが無いと死ぬだけだ。
「誰に話してるの?」
いつの間にか女は僕の後ろにいて、僕が掴んでいたのはバスケットボールへと変わっていた。
……ある程度は、できるようだ。
後ろであの揉み上げが解説してるらしい声が聞こえる。
沢田綱吉はさっきから骸だ骸だ言ってるけど何なんだ。
何その中二ネーム……ってあれか、あの少し前に脱獄したやべーやつ。
復讐者の目かいくぐって脱獄して今また牢獄なんだっけ?
一度でも脱獄するとか確実にやべーやつなんだけど、それ倒したの沢田綱吉だっけ。
……もしかして、僕は今とんでもないところにいるのでは。
話を聞いてる限り、この女は相当六道骸に似てるらしい。
ああ、嫌な予感がする。
全力を出さなきゃやばい、そんな予感が。
「いいよ、思う存分アレを使えるいいチャンスだ。見てなよ二匹のマヌケチビ」
僕は力を開放してマモンチェーンを砕く。
所謂北斗の拳のアレである。
「さぁ、ファンタズマ。いこう」
力を開放したファンタズマは僕の良い相棒だ。
その姿はまるでヘビのように鱗を持ち、細長くなり、しっぽを加え巻きガエルとなる。
最近は人目に触れないようにしていた、僕の相棒。
「あの巻きガエルと藍色のおしゃぶり……生きてやがったのか……コラ!」
「やはりな……奴の正体はアルコバレーノ、バイパー」
今まで浮遊を抑えてた。
バレるから。
でももうその必要はなくなった。
浮遊し、僕の本来の姿をさらけ出す!
……ごめん、ちょっと中二入ったのでオフレコで。
「あいつもアルコバレーノ!?」
「ああ 奴も最強の赤ん坊
「藍色のおしゃぶりのバイパー。アルコバレーノ1のサイキック能力を持つともいわれている術士だ」
沢田綱吉、コロネロ、リボーンの順で流れるように会話をしていく。
銀髪がなんか騒いでいるけど、オカルトって……まぁ僕も最初の頃混乱してたけど。
裏社会じゃこれくらい普通だよ。
「戦いの最中行方不明になったときいていたが、まさか生きていたとはな」
そういえば僕ヴァリアーからの依頼終わった後にバイパーとしての生活辞めてたね。
行方不明って言われてたから今まで誰も会わずに済んでたのか……なるほど。
どうやらおしゃぶりについて気になっているようだったので、バカチビ共を煽ってやろう。
どうせ赤外線センサーの中から出れないしね。
「バカチビどもには分からぬ、研究の副産物さ。お前たちと違って僕は怠らなかったからね……」
「呪いを解く努力を!」
その為に、十分生きていけるレベルで稼いだ金を研究に次ぎこんでるんだ。
今までヴァリアーにいたのだって、研究費を稼ぐためなんだからな!
家庭教師だの、マフィアランドだの、給料低いところで生活するだけの金を稼いでるお前らとは違うんだぞ!
僕にひれ伏すがいい!
今までの恨みだ!
「並の術士じゃかないっこねーぜコラ!」
「なめんなコロネロ。髑髏は並の術士なんかじゃねぇぞ」
「誰だろうと……負けない」
槍を構えなおして挑んでくる様は勇敢だ。
僕の幻術に充てられた術士は基本的に立ち向かってこれなくなる。
だから、彼女はそこそこな術士ではあるんだろう。
それは素直に認める。
それでも、浮遊しかつ小さな体の僕に大ぶりの攻撃は当たらない!
槍をすいすいと避けて女と距離を取ろうとした、その時。
僕の体にヘビが巻き付いてきていた。
幻覚だと思いやぶってやろうとしたら、その触感はまさしく本物。
「ムムッこの大蛇……幻覚ではないのか」
重みで耐え切れずに僕は床へと落下する。
しかしこれくらい……おしゃぶりに炎を灯せばすぐにはじくことができる!
あんまり舐めていても時間がかかって仕方がない……めずらしいよ、ここまで僕を相手にできるのは。
きっと女自身に何か細工があるはずだ。
……気になる。
「僕もそろそろ力を開放するよ……君の正体はその後でゆっくり暴こう」
女は手を力ませ、火柱を作る。
熱い!
その幻術は確かに限りなく本物に近いそれで、僕すらも火傷を負うほどだ。
しかしそれは幻覚に過ぎない。
幻覚の制度はAランク術士のそれだろう。
でも術士の弱点は何か知っているか?
「確かに君の幻覚は一級品だ……一瞬でも火柱を本物と錯覚すれば火傷してしまうほどにね。ゆえに……弱点もまた、幻覚」
僕は解放された能力で火柱を氷柱へと変える。
キンキンに冷えた室内は息を吐けば白く、吸えば肺を痛めつける。
ふふふ、どうだバカチビ共。
お前たちだって僕の幻覚からはそうそう逃れることはできない。
「幻術は人間の五感を操作する……つまり脳を支配するということ。幻術を幻術で返されたということは……知覚のコントロール権を完全に奪われたことを示している」
僕は女を足から凍らせ身動きをとれなくする。
正直槍で攻撃されるのは面倒くさい。
その点、あまり戦闘に慣れていない女は身動きを封じれば焦り判断力も鈍るはず。
……こんな時でも、槍は大事に握りしめているらしい。
違和感。
何だろうこの違和感は。
ファンタズマわかるかい?
ファンタズマは何も言わずに、女を床へたたきつけ氷を壊す。
何故身動きが取れるように……?
そう思い見て見ると、女は槍をかばっているようだった。
よほど大事な武器らしい。
壊せば戦意も喪失するだろうか。
「だっダメ!! ダメーー!!!!!」
僕が槍を壊すと、女は口から血を吐いて倒れだす。
腹が陥没し、本来なら腸があるはずの部分が最初から無かったかのように落ちていく。
「なんだ? この女……」
するとあたりは霧が散布し、女の体を覆いだす。
女術士は死ぬときにこうして体を隠す者が多く存在するが、やはりどこか拭えない違和感。
……気持ち悪い。
ただでさえバカチビの姿を見てイライラしてるというのに。
もういい、ここで殺してしまえ!
僕は女が圧死するように大きい岩を出し、真上から落とした。
これでこいつは死ぬはずだ、そう思っていたのに。
岩は粉々に砕かれ、姿を現したのは男だった。
「クフフ、クフフフ、随分粋がってるじゃありませんか。……マフィア風情が」
やばい。
僕の脳みそも、ファンタズマも、警鐘を鳴らす。
こいつ……口癖がとんでもない……。
話によるとこいつが骸らしい。
A……いやSは軽く超えるほどの超のつく術士だ。
口癖が残念この上ないけど、強敵だ。
僕は咄嗟に距離をとると、床は抉れいた場所は陥没していた。
間一髪、というところだ。
「舞い戻ってきましたよ……輪廻の果てより」
はいアウト。
アウト。
こいつそんじょそこらの中二病じゃない。
さっきも沢田綱吉が地獄道だのなんだの言ってたけどその比じゃない。
やばい。
蕁麻疹が出そうだ。
ヴァリアーに入隊して、蕁麻疹に侵され続けた日々を思い出す。
もうあの日々には戻りたくない。
その為にはこいつに勝たなければならない。
実力を認め、奢らず、隙を作るな。
もし隙ができれば……負ける。
あの目だ。
あのへんな中二病な目が膨大な力を持っている。
恐らく、彼自身は女についた幻覚だ。
それでもわかるほどにあの目は強力だ。
……そういえば、こいつは復讐者の牢獄の最下層に入れられたらしいな。
なるほど合点、復讐者すらもあの目には警戒するってことなんだろう。
……僕やばいじゃん!
どうしようファンタズマ。
ああ、そうだ。
彼の五感を奪い取れ。
主導権を一ミリも渡すな。
どうする?
能力に使えるエネルギーは相手の方が上だ。
六道骸の幻覚で全方向から押しつぶされるようにエネルギーをぶつけられたら確実に終わりだ。
彼の粗を見つけろ。
彼は年齢にそぐわないほどの思考力を持っているのはわかる。
その隙をつけ。
こうしている間にも、僕の幻覚はだんだんと六道骸に侵食されている。
一ミリでいい。
一ミリの穴さえ開けられれば。
……どんなものにも、一つだけ弱い箇所がある。
彼はどうして構築されている?
入り組んだ網目状か?
はたまた螺旋状か?
……落ち着け、知覚に惑わされるな。
彼を構成している組織の穴を……見つけろ。
……ああ、そんなところに。
ファンタズマ、頼んだよ。
「アルコバレーノとてこの程度ですか……惰弱な」
「ふん、
「……クフフ」
僕が煽れば彼の目が変化し、槍を使って接近戦に持ち込んだ。
やはり、あの目が彼の力の根源。
では、彼自身の力は。
「格闘のできる術士なんて邪道じゃないか」
ここで……僕の全力の幻覚。
すべてを歪ませ僕の空間にする。
さぁ六道骸、お前はどう返す?
僕の幻覚を覆したのは蓮の花に囲まれた大きな火柱。
それをいくつも、いくつも構築し僕の幻覚空間を破壊していく。
大ぶりな幻覚には、大ぶりな幻覚で。
なるほど、キミの法則、分かった気がするよ。
「それほどの幻術能力を……どこで」
「地獄界にて」
「ふざけるな!」
うっわ!
無いわ!
サブいぼ立ったよ!
ええい忌々しい!
僕は火柱を凍らせて、ありったけの力で分身を作り六道骸に当たっていく。
僕を翻せなくなった六道骸の背後に回り、僕は彼を飲み込んだ。
……もちろん、すぐに破裂させられてしまうのだけど。
彼は僕の意識はすべて理解し、行動の先手を読んでいる。
そう、
「ぐっ!?」
六道骸の脇腹に突き刺さっているのは僕の相棒、ファンタズマ。
彼だけは六道骸に認識されることなく懐に入り込み攻撃を与えることができた。
痛みにより一瞬よどんだ幻覚を僕が支配する。
「僕の……勝利だ」
彼のあらゆるコントロール権を僕が操作し、数秒の間心臓を止める。
乗っ取られた体の違和感は多少なりともコントロールに支障をきたすはずだ。
彼の隙を、もっと大きく。
彼とクローム髑髏を切り離し、たった一瞬の静止時間を得る!
それだけでいい。
それで僕の完全なる勝利だ。
ファンタズマが指輪を咥え僕の元に戻ってくる。
僕はリングを合わせ、彼が会場に戻ってくる頃には……すべてが終わっていた。
「霧のリングはマーモンのものとなりましたので、この勝負の勝者はマーモンとします」
チェルベッロの冷ややかな声が会場に響いた。
「極限に、そのカエルは反則じゃないのか!」
僕の勝利に突っかかってくるのは熱血漢だった。
「ファンタズマは僕であり僕でない存在で亡霊だ……つまり、そっちのクローム髑髏と六道骸の関係と何ら変わらない。チェルベッロの静止が入ってない時点で反則ではないさ」
ドヤ顔で説明してやる。
「……全く、忌々しいアルコバレーノだ」
伊達に君より長生きしてないのでね。
それから六道骸は色々説明したり、ボスに喧嘩を売ったりご丁寧に色々して帰っていった。
「勝負は互いに3勝ずつとなりましたので」
「引き続き争奪戦を行います」
「明日はいよいよ争奪戦守護者対決最後のカード」
「雲の守護者の対決です」
そんなこんなでようやく終わった僕の番。
本当にヒヤヒヤした。
全く金に釣り合わない。
僕は贅沢三昧で暮らして穏やかに死にたいんだ!
こんなところで死んでたまるか!
「いししし、マーモンギリギリだったな」
「……フン」
「そんなに強かったの、あいつ」
「……あれは強いなんてもんじゃないよ」
化け物だ。
そう告げた僕に、ベルはそれ以上突っかかってこなかった。
それは何故かって?
どうやら傷に響いたらしいよ。
笑って!
全くひどいよ。
ガキのくせに!
そりゃ僕は普段できるだけ常識人らしい言葉遣いをしてるよ!
全力で言葉選んでるよ!
しかも彼らの中二的言い回しとか全力で避けてるレベルだよ!
そんな僕が突然「あいつは化け物だ」とか言い始めたら!
そりゃあ何があったのかと疑いたくなる気持ちはわかるよ!
でもそんなに笑うことないじゃないか!
僕だって生きるのにギリギリだったんだ!
あんな人外相手にして頑張ったんだ!
僕が笑われる謂れは無いはずだ!
もういいベルなんて置いて先に帰るし。
行くよファンタズマ。
「あっおいマーモン! 悪かったって待てって!」
知らないね、堕王子のことなんか!
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マーモン:しぬかとおもった。
ファンタズマ:六道骸いつか絶対殺す。
ベル:あのマーモンの口調を乱せた六道骸をひそかに認めている。
ツナ:幻覚汚染にて死にかけてる。
リボーン:正直人外認定してた骸より強いとか思ってなくてこっそりバイパーを人外認定した。
コロネロ:マーモンって名前の由来を察して笑ってる。
メスナッポー:赤ちゃんに対しての警戒度UP
オスナッポー:マーモンへの違和感が凄いけど違和感の正体が分からない。
評判良かったら続きだったりマーモンの成長過程だったり書くかもしれない。
続きが欲しい奴
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マーモン成り代わり
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気まぐれで