頭に浮かんだ設定吐き出す場所   作:Colore

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ボンゴレボスになった沢田綱吉が心臓をぶち抜かれて死んで、なぜか過去の雲雀恭弥に憑りついてしまった話。


中学生雲雀恭弥の背後霊になった沢田綱吉43歳

 沢田綱吉は頭を抱えていた。いや、厳密にいえば肉体は無く所謂霊体と呼ばれる姿なのだが、とにかく頭を抱えていた。

 

 というのも、彼自身にある現象が降りかかっているからだ。霊体な時点ですでにオカルトチックだと言えばそうなのだが、それ以上に非科学的でどんな天才科学者でも、天才発明家でも、天才メカニックでも、手を上げて降参するほどの事態に陥っている。

 

 彼は、今から31年後に死亡している。

 

 つまり霊体でさらにタイムスリップまでやってのけているのである。しかし、ここで彼の不幸は止まらない。彼が今いる場所が問題だった。彼のすぐ傍のある人間が移動すれば、それに引っ張られるように彼も動くし、ある人間が動かなければ一定以上の距離から離れることができない。つまり人間に憑りついている状態だった。

 

「ねぇ、さっさと離れてくれない? うるさいんだけど」

「うわぁぁ! ごめんなさい! 俺も離れようとしてるんですけど、全然動けなくて……」

「ムカつく」

 

 その上、憑りついている人間は並盛最強最悪な風紀委員長雲雀恭弥だ。これ以上不幸な事態は存在しえるのか。それほどまでに悩ましい事態に、綱吉は陥っていた。

 

 雲雀は愛用のトンファーを取り出し彼に攻撃しようとするが、彼は霊体故に物理接触は不可能だった。それを知って、雲雀はさらに不機嫌になる。彼は草食動物と、群れることと、自分が勝てないことが大嫌いだった。もう少しすれば彼の機嫌は零地点を突破し、あたり一面は凍り付いたように冷えるだろう。そして目があえば一触即発、辺り一面が血の海と化すのは想像に容易い。それは避けたいと綱吉は考えるものの、解決策は一向に出てこなかった。

 

 綱吉は直感力はあるものの、物事を考える力は自慢できるものではなく、考えれば考えるほどドツボに嵌るタイプだった。彼が考え始めてからすでに1時間は経過しているため、現時点で、彼だけでこの現象をどうにかするのは不可能だろう。

 

 しかし、出会ったばかりの雲雀はそんなことは知らないし、関係ない。

 

 今この時間もちゃくちゃくとムカつきを高め、咬み殺したい気持ちを大きくしていた。

 

 彼がムカつく原因はもう一つある。それは彼の好みが原因している。雲雀は自身が勝つことはもちろん好きだが、強敵と戦うこともまた好きなのだ。そして、目の前の存在は確実に強い――野生の勘でなんとなく感じ取っている――ため、戦えないというのはフラストレーションが溜まるというわけだ。

 

 この現状は、二人にとってあまりにも不運である。

 

「ねぇ、アナタ」

「え、あ、はい!」

「誰なの」

「え」

「どこの誰」

 

 雲雀は睨みを利かせて尋ねるが、綱吉は怯えた様子を見せることなく、ただ別のことに焦っていた。その余裕も雲雀の興味を掻き立てるものだったが、現状が現状故に悪影響でしかなかった。

 

 綱吉はというと、どこまで話していいのか分からないながらも自己紹介することを決めた。

 

「俺は沢田綱吉43歳、ええと、死んだらいつの間にかここにいました……」

 

 綱吉は雲雀がリングを持っていないことを確認すると、ボンゴレのことは伏せて事実だけを話す。雲雀は怪訝そうな顔をして、綱吉の全身を確認した。

 

「……1-Aの沢田綱吉の親戚?」

「……えーと」

「言っとくけど、僕嘘は嫌いだよ」

「うっ」

 

 釘を刺されて、綱吉は言い訳を探すのをやめた。というのも、雲雀の野生の勘はあまりにも鋭い。その鋭さは基本どんな嘘も見破ってしまうほどだった。祖先から伝わる"超直感"と呼ばれる特殊能力を持っている綱吉さえもびっくりするほどの制度を誇るそれを前に、綱吉はどんなに言葉を紡ごうとごまかせるわけがない。

 

「……あの、本人です」

「は?」

「俺、1-Aの沢田綱吉の、大人になった存在で、ええと」

「……だから嘘は」

「嘘じゃないですって!」

「あまりにもオーラが違いすぎる。あの草食動物がどうしたらアナタになるわけ」

「色々、あったんですよ……」

 

 雲雀は綱吉を見やる。日本人にはなかなか見かけない明るい茶髪は爆発したかのように重力に逆らい、大きな瞳はパッチリと開かれている。確かに、言われれば2-Aの彼と似ているが、彼はここまで整った顔立ちはしていない。やはり信じられない。雲雀は眉を顰めるが、自身の勘は確かに本人だと告げていた。推測を信じるか、勘を信じるか。細かい考察はもう少し後に回し、もう一度綱吉を観察し始める。

 

「で、なんで離れないわけ」

「離れられないんですよ! 原因は不明です」

「世間一般的に、幽霊って未練があるから存在するんだろ? さっさと未練断ち切って失せろよ」

「雲雀さんから世間一般なんて言葉が……いや何でもないですはい。未練って言われてもこの時代に未練なんてないですし、まず雲雀さんに憑いてるのもよく分からないんですよ」

「どうでもいい。早く僕の目の前から消えてくれる」

「そんな無茶な!! 多分、存在感を消すことなら可能ですから、今はそれで我慢してもらえますか?」

「……僕は気配に敏感なんだ」

「まぁ見ててください」

 

 綱吉がスッと目を細めると、足元からゆっくりと姿が消えて行き、そして見えなくなった。雲雀がどんなに気配を探ろうとしても彼の姿を察知することはできず、満足げにほくそ笑む。

 

 綱吉はその様子を見て成功したことを喜ぶが、姿が消えたことまでは認識していない。彼が気づくのはいつになるのか、はたまた気づかないまま終わるのか……。閑話休題。

 

「へぇ、面白い。……一時間だ。一日に、僕の前に姿を現せる時間は一時間。それさえ守ってくれればしばらくの滞在は許してあげる」

「……ありがとうございます、雲雀さん」

 

 微笑みながらゆっくりと姿を現して綱吉は礼を伝える。対して、雲雀は表情を無くし倦怠そうに綱吉を眺めた。雲雀にとって、戦闘も無しに長時間お喋りするというのは苦痛なのである。綱吉がいた時代、つまり未来に至ってはある程度改善されているものの、中学時代の雲雀はまだまだ世界に慣れていない。一人になりたいと思うのも仕方のないことである。綱吉はそんな細かい事情を察したわけではないのだが、彼の性格を鑑みて姿を消した。

 

 これから長い付き合いになることを、二人はまだ知らない。

 

 

 

 

―――――――――――――――――――

ツナ:年下の雲雀さんってまだ子供らしくて可愛い。

雲雀:強そうなのに咬み殺せなくてそろそろガチの殺意。

 

 

 

 

 

 

 

 

 という憑き物系逆行。

 できるだけ雲雀の負担減らしたいから1時間という時間制限はきっちり守るし、何ならギリギリにならないように切り上げる。そして体制も考えて雲雀が一人の時しか話しかけないようにしている。

 リボーンや過去の自分や守護者を見て懐かしむ綱吉と、その感情が自分の中に流れてきてムカつきMAXな雲雀だったり。

 黒曜編では骸に見られてめんどくさいことになるけど、綱吉のおかげで憑依されなかったり(全力で拒んだ)。

 ヴァリアー編でおじいちゃんに何故か死ぬ気の炎分け与えることができたり(幽霊なのに)。

 未来編でDの魔レンズ越しに見られたり。

 シモン編でDを見送ったのに自分が成仏できない理由が分からず頭抱えたり。

 虹の代理戦争編でヴェルデに興味持たれそうなところ回避したり。

 未練がようやくわかっても成仏できない理由があったり。

 だんだんと絆された雲雀が、綱吉と別れたくないと思ってたり。

 そんな出来事があったかもしれません。

 まだ無いです。

 

以下小話

 

 

 

 

 

 

 

【応接室襲撃後】

 

 

 リボーンに煙幕を使って逃げられた雲雀は、消化不良の気持ち悪さを抱えながらため息を吐いた。綱吉は申し訳なさそうに苦笑して、腹立ちを隠さない彼の隣に姿を現す。

 

「――何なの、あれ」

「本当にごめんなさい。……リボーンが、俺たちの強さを測るのに都合がよかったのが雲雀さんだったみたいで」

「……こっちの身にもなってよね」

「申し訳ない気持ちでいっぱいです」

 

 呆れ半分、怒り半分の瞳で雲雀は綱吉を睨み、目を反らすのも申し訳ないと思い見つめ返しながら綱吉は乾いた笑い声を零す。

 

 どうせこいつに言っても無駄だ、と早々に意識を切り替え、雲雀は一つ瞬きをしてから綱吉に向き合った。

 

「本当に、アレがアナタになるの」

「ええ。時間はかかりますけど――リボーンがいるなら、なりますよ」

 

 過去の自分がアレ呼ばわりされたことに苦笑しつつ、綱吉は質問に答える。

 

「……そう。ああそれで、アレとアナタは同じ名前なんだよね」

「まあ、本人ですから」

「同じ名前とか紛らわしい、何かついてないの。二つ名とか」

「二つ名ですか?」

 

 何かあったかなあ、と綱吉は腕を組んで考える。しばらく考えた末に、あ、と一声漏らし過去自分が呼ばれていたあだ名を思い出す。

 

 もちろん、それは中学の頃のダメツナなどという不名誉な名前ではなく、ボンゴレ十代目として立派になり尊敬の念を込められたものだ。懐かしく思いながらも綱吉は口に出す。

 

大空(チエーロ)とか、X世(デーチモ)とかですかね」

「……そう、ならあなたはチエーロでいいや」

「雲雀さんからそう呼ばれると少しむずがゆいですね」

「……何か文句でもあるの?」

 

 今にでもトンファーを出して暴れだしそうな剣幕で雲雀は綱吉に腹立ちを向ける。

 

「ひ、雲雀さんはいつも俺をフルネームで呼んでたものですから」

「そう。慣れろ」

「ひゃい……」

 

 命令口調の雲雀には逆らえない、と綱吉は降参のポーズで姿を消す。未来の自分も、今現在の人間も、誰も彼をチエーロとは呼ばず、自分だけが呼べることに雲雀は優越感を覚えた。今の彼に相応の権力は無いし、ただの役立たずだけど、牙を剥き出せば誰もが平伏すほどの風格を持つ彼を自分の所有物のように扱えることが雲雀の貪欲な心を満たしていく。

 

 綱吉は何とも複雑な心境でそれを見ているしかできなかった。

 

 

 

 

――――――――――――――

ツナ:雲雀さんが楽しそうな時っていやな予感しかしなくて怖い。

雲雀:それはそれとして何か咬み殺したい。

リボーン:本編名前しか出てないことに憤慨。雲雀が空間を見つめるのは猫が角を眺めるようなものだと思ってる。

 

 

 

 

 

 

 

 

【リボーンとの再会】

 

「ちゃおっす、雲雀」

「やあ、赤ん坊」

 

 中学生綱吉の授業中、リボーンは校舎内に張り巡らせた移動管で応接室に遊びに来ていた。応接室に入ってみれば、雲雀は書類を手に取りながら、何もいない空間を見つめて何か喋っていたらしい。らしい、と彼が推測するのも、リボーンが応接室に到着するまでに会話は切られていたためだ。いくら並中最強とはいえ、自分の気配を読んだのか? とリボーンは怪しんだが、彼が自分の気配を読んだとは考えにくく、これから考察していく対象として今は頭の隅に置いておくことにした。

 

「何の用?」

「ちっとばかしお前に聞きたいことがあってな……今、誰と喋ってたんだ?」

「さあね。誰だろうね、これ」

「言いたくねぇのか?」

「僕はどっちでもいいよ。……ああそれで、結局これに何の問題があるの?」

 

 リボーンの問答をものともせず、その質問は虚空に向けられていた。いや、その虚空をからかうように笑って雲雀は視線を向けている。今まで自分と雲雀以外の気配はなかったのに、突然焦ったような気配を感じてリボーンは悟られないように警戒した。

 

「……そこに誰かいんのか」

「うん。いるんだけど……やっぱり僕以外には見えないらしいね」

 

 突然、柄にもないオカルトチックな話を始める雲雀にリボーンは困惑する。今まで観察してきた感想としては、雲雀はこういったオカルトは信じず気にも留めないタイプだ。それなのに、今目の前で雲雀はオカルト話を始めている。……そんな雲雀が、嘘をついているようには見えない。職業柄、そして性格柄、リボーンは嘘に鋭い。まだ中学生の雲雀であれば、多少ごまかされてもある程度の嘘なら察知できる。しかしそんな様子は見られない。つまり、彼には本当に見えているとリボーンは認識した。

 

「そいつはどんな奴なんだ」

 

 ちょっとした興味だった。リボーンは雲雀に聞くと、彼は少し考えたのちにつまらなさそうに回答する。

 

「チエーロ、らしいよ」

 

 リボーンは雲雀がまじめに答えたことに驚いた。しかしそれ以上に彼の回答があまりにも予想外で思わず動揺したのだ。チエーロ、それはイタリア語で大空を意味する言葉。ボンゴレではもっぱらボスを指すその言葉を、どうして彼は使ったのか。それはボンゴレなのか、ただのイタリア人なのか、何に関係する者なのか。リボーンは興味を抱いて再び雲雀に質問する。

 

「なんでチエーロなんだ?」

「知らないよ。彼に聞きな」

「話せるのか」

「さあ」

 

 興味なさげに答える雲雀に、これ以上聞き出すのは無理だと思ってあきらめる。雲雀という人間はやっかいで、リボーンですら完璧に扱うのは難しい存在だ。

 

 それでも、なぜか先ほどからハラハラと不安げな気配が気になって仕方がない。どうにか意思疎通が図れないだろうか。雲雀は受け答えができる上に、その姿も見えるらしい。リボーンは探るように雲雀とその気配を見つめたが、特に得られるものは無かった。

 

「それじゃ、そろそろ俺は帰るゾ。邪魔したな」

「待って。……いつ僕と戦ってくれるの」

「そのうち俺から連絡してやるゾ。ちゃおちゃお」

 

 リボーンは雲雀の制止がかかる前の一瞬に姿を消してその場を去った。彼から聞き出せたのは、気配の相手が男であり大空と呼ばれていることだけだ。それでも雲雀にしては情報が得られた方だろう。リボーンは小さく口角を上げて愛弟子の綱吉の元へと向かう。

 

 まだまだ時間はあるんだ。いつか聞き出してやるゾ。

 

 リボーンにまた一つ、新しい目標ができた。

 

 

 

 リボーンはその夜夢を見た。今まで何度も見たことがるボンゴレの執務室だから、今まで見た以上に新しく、細かい装飾は現在のボンゴレのそれとは違う。それでもボンゴレと認識できたのは、あしらってある装飾に貝のマークが付けられていたからに他ならない。

 

「どこだ、ここ」

 

 リボーンがそう思って高級そうな椅子の上に立つと、入り口の扉が開いて青年が入ってくるのが見えた。明らかに高級なスーツに、ジャケットにはボンゴレの紋章のピンが付けられている。指には何やら不思議な形状な指輪がつけられているが、雰囲気だけでわかる王者の風格に相手がボンゴレのボスであることは想像ができた。もしかして予知夢だろうか? そう思って見つめるが、相手も驚いている様子でリボーンを見ているために未来視の類ではないことを推測する。では、誰だ。リボーンは警戒を露わにして目の前の男性を凝視した。

 

「なんでリボーンがここにいんの!?」

 

 低く落ち着いた声は何故か耳になじみ、最近よく聞く声と重なった。いや、声だけではない。その姿そのものが彼――リボーンの愛弟子沢田綱吉と重なった。髪形も、瞳の色も、表情も、すべてが彼とそっくりだった。知らないうちに十年バズーカにでもあたったのか。自分に限ってそれは無い、と思いつつもリボーンは可能性の一つに加える。

 

「えー……あの、リボーン、さん?」

「誰だてめぇ」

「えっあっ沢田綱吉ですッ」

 

 やはり相手は綱吉だった。リボーンはパズルのピースをはめるように拾った事実を記憶していく。だとすると、はやり十年バズーカの線が濃厚だろうか。リボーンはあれこれ考察しながらも、後でランボを痛めつけることにした。

 

「あんまビビッてんじゃねーぞダメツナ。んで、ここはどこだ」

「え、えーと……俺の夢の世界、だと思ってたんだけど」

「どういうことだ?」

「ひぃ! 銃向けないで! 俺、寝てたらここにいて……だから夢だと思ってたんだけど」

「……そうか。で、結局お前は誰なんだ?」

「え」

「俺の知ってるツナとは大分雰囲気がちげぇからな」

「あー……まあ、俺43歳だし」

「は?」

 

 今度はリボーンが驚きの声を上げた。目の前の綱吉はどこからどう見ても青年のそれで、40代には到底思えない容姿――リボーンが言えた義理ではないが、これに至っては呪いなので今は割愛する――している。確かによく見れば小じわが認識できるが、それでもぱっと見は20代後半のそれだろう。

 

「お前……ママン譲りだとは思ってたが」

「ちょっとそれ以上はやめて!!」

 

 あえて煽るように言えば、案の定綱吉らしい反応が返ってくる。確かにこいつは綱吉だ、リボーンがそう判断するのには十分だった。

 

「はあ……やっぱりリボーンといると疲労感が……」

「なんか言ったか?」

「なっ何でもないです!! ……でも、こうして久々に話せるととても嬉しいよ」

 

 綱吉は穏やかな笑みを浮かべてリボーンに言い放った。なんとなく、リボーンは昼の気配と綱吉の気配を重ねてみてしまった。……リボーンの勘も、なかなかに鋭いのだ。雲雀のそれは野生の動物のようなものだが、リボーンは職業故に身についたものだ。多少の違いはあるが、どちらも命がかかっているという点で研ぎ澄まされ、精度は常識を優に超える。つまり、リボーンの直感は外れる確率は低いのだ。

 

 リボーンは確信を持って綱吉に質問を投げかける。

 

「お前、昼間雲雀と話してたろ」

「え!? なんで分かったの!?」

「お前がダメツナだからだ」

「ガーーーーン! 何それ! 31年も若いリボーンのくせに……!!」

「はい?」

「ヒーー! なんでもないです!」

 

 小心者なところは変わっていないらしい。気になっていた謎と、新しい情報がゲットできてリボーンは内心ほくそ笑む。それを知らずに、綱吉は夢の世界にも関わらず壁の傍でガタガタと震えていた。

 

「まぁいい。それで、ツナは何で雲雀に憑りついてんだ? というかお前……なんでそんな体になっちまってんだ」

「ええと……」

 

 彼がボンゴレ十代目を継いでると分かった以上、いつか死ぬことはリボーンも理解している。ただ、それが甘っちょろい理由だったらリボーン自身が死んでも死にきれない。ただでさえ若いのだ。もう数えるのも忘れてしまったが、恐らく自分よりも若い。その内に、ボンゴレ十代目ともあろう奴が、死んでいる。俺は綱吉の家庭教師、原因を聞くのにそれ以上の理由は要らない。リボーンはそう考えて綱吉に詰め寄った。目が泳いでいる綱吉の眉間に銃口を突きつければ、彼は観念したようにため息を吐いた。

 

「ちょっと長くなるよ」

「早く言え」

「……うん。簡単に言えば、射殺だよ。心臓に一発。俺が何とかI世の目指した自警団に戻そうと奮闘してる時に起こった抗争で、各守護者たちも手が離せなくてね。隙ができた瞬間に5キロ先から狙撃されたよ。あれはしくった」

「俺は心臓撃たれたくらいで死ぬような生徒を育てた覚えはねーぞ」

「何それ逆に怖いよ! どこ目指してんだよ! いや、まあ、実際そうなんだけどさ……確かにただの銃弾じゃ死なない。守護者やその弟子が何とかしてくれるからね。そもそも防弾チョッキも着てるし頭おかしいくらいの耐久度のマントもあったしちょっとやそっとじゃ倒れない。でもそれはただの銃弾だったらの話だ。……その玉は特殊でね、凝縮された雨と嵐の炎でコーティングされていた上に、体内に留まって被弾者の体内の炎を霧散させる効果が施されてたんだ。その場の奴じゃ打つ手無し! 呆気なく失炎死したってわけ」

「……笑ってんじゃねぇぞ、ダメツナが」

 

 途中から自嘲気味に話していた綱吉をリボーンは叱責する。その声はその行為を咎めるため以上に、あまりにも無様な教え子と、そのまま死を眺めていただけだろう守護者たちへの怒気も含まれていた。それ怒り以上に、報われない愛弟子を想って悲しみも覚えていた。その悲しみだけは綱吉に悟られないよう、リボーンはおくびにも出さないが。

 

 怒られた綱吉は諦めたように、それでいて申し訳なさそうに笑うばかりだった。

 

 そんな時、リボーンの視界はだんだんと霧に包まれる。どうやら目覚めの時間らしいと、奥歯を噛み締めながら綱吉を見つめる。

 

「次会ったらねっちょりお仕置だぞ」

「ねっちょりヤダーーーーー!!」

 

 綱吉の叫びを後に、リボーンは現実世界で目を覚ました。

 

 ……現在時刻は、8時半である。

 

「起きろダメツナが!」

「いっでーーーーー!!! 朝っぱらから何すんだよ! 今日は休みだろ!」

「平日も休日も関係ねぇ。ムカつくから今日は特別ねっちょりコースだぞ」

「ねっちょりヤダーーーーー!!」

 

 夢の記憶よりもずっと高いが、変わらぬセリフにリボーンはそっと胸をなでおろし中学生綱吉の頭を(はた)いた。変わらぬ日常、しかしきっとどこかで間違えてしまうのだろう。未来の綱吉が死んだのは俺のせいだ。慌てて洗面所へ向かう綱吉の背中をみやりながら、リボーンは固く拳を握る。

 

 未来の綱吉がどんな理由でこの世界に、この時間に留まっているかは分からない。それでも、確かな事はある。アイツは悲惨な未来を変えたくてこの場所にいるのだと。俺の前に現れたのも、俺に話したのも、きっと俺に縋りたかったから。それなら師として応えない訳にはいかねぇな。

 

 リボーンは心でそう呟いて、ニヒルに笑って愛弟子の元へと足を進めた。

 

 

 

 

―――――――――――――――――――

43歳:次にリボーンに会うのが怖い。

14歳:何か知らんがリボーンの機嫌が悪くて怖い。

リボーン:疲れたように笑う未来ツナで地味に情緒が揺れてる。

雲雀:赤ん坊から連絡来なくてムカついて不良咬み殺してる。




正直綱吉って心臓撃たれたくらいじゃ死ななくね?(前例:スクアーロ、白蘭)
って思ってどうやって殺すか考えるのが大変だった。
正直炎霧散させる効果の弾使っても寿命縮むだけで死ななさそう。
死ぬ気の到達点迎えた上にトゥリニセッテ大空組だぜ、ターゲットマーカー着いてても10年くらい生きてそう。


今浮かんだのだけれども、「沢田家光に焦点を充てたボンゴレとCEDEFと沢田家の関係と過去」とか「転生者または綱吉に憧れたモブが全力で関わろうとするのに近づけなくて、才能も無いため見初められず、何とか裏社会に入るも下っ端以上になれなくて後悔する話」とか「ブルーベルの森の妖精を題材にしたブルーベルの小話」とか書きたい。
真ん中の奴はフラストレーション溜まった挙句解消されずに終わりそうだから物語としてはただの胸糞だろうけども。
カタルシスなんてなかったんや!

そういえばブルーベルといえば、個人的にイングリッシュブルーベルが好きです。
スパニッシュブルーベルも可愛いけども、原作のブルーベルは何となくイングリッシュブルーベルのイメージだよね。
突然ブルーベルについて調べたのは、突然六弔花の「弔」の字が気になったから由来調べようと思っただけなんだけど。
アイルランドの伝承に「ブルーベルの森でブルーベルが鳴ると子供が二度と戻ってこない」ってあるらしくて、それかなあと。
アイルランドはイギリスの隣だし、ブルーベルの森はイングリッシュブルーベルなんだろうか。
だとするとブルーベルはやっぱりイングリッシュブルーベルなのかな。
背も低いし。
……とまあそんなノリでアイルランドの伝承とブルーベルを絡められたら良いなあて思います。

続きが欲しいやつ

  • 43歳沢田綱吉
  • 気まぐれで
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