頭に浮かんだ設定吐き出す場所   作:Colore

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沢田綱吉 男

 合計で2回分の生涯の記憶がある。
 一度目の人生は原作の沢田綱吉としての人生。
 二度目の人生はコロネロのお父さんとしての人生。
 そして二度目の人生の時間軸の沢田綱吉に転生して、再びリボーンの生徒になる。
 リボーンのことは小さい時から面倒をちょくちょく見ていたので、今世は少し複雑な気持ち。
 でも愛おしい。
 死ぬ気の到達点により、第9の属性であり大空の炎の亜種「雪の炎」を発現。


補足設定

 二度目の人生、50歳半ば程で癌によって命を落とす。
 死ぬ半年前からゆっくりと前世の沢田綱吉としての記憶を思い出し、アルコバレーノを救えなかったことを強く後悔。

雪の炎

 特性は【膨張】。
 今までの通称「雪の炎」は大空の調和の特性で空気中の水分を凍らせ炎の色を変化させていたが、この発現した「雪の炎」は純粋に色づいた炎で白濁している。
 凍らせることはもちろんで、雪の炎によって凍らせた炎は大空の炎か雪の炎でしか溶かせない。
 また、特性の膨張は雲の特性の【増殖】とよく似ているが、【膨張】は一時的なものでしかない上に元に戻ってしまうので、使い勝手としては微妙。
 普段使いするようなものではない。
 使いこなせればめちゃくちゃ役に立つことは間違いない。


コロネロのお父さんになった綱吉

 癌によって苦しくも穏やかに眠りを迎えた僕は、ちろちろと主張してくる眩しさに負けて瞼を開いた。

 

 目に映るのは無機質な白色ではなく、温かい木目の色合いと薄いカーテン越しで黄みの増した朝日によって彩られた空間で、その場所が病院でないことを物語っている。

 

 僕は死んだはずだよね?

 

 そう思って周りを見回すと、あれだけ離れなかった息子も、息子のお嫁さんも、だあれも存在しなかった。

 

 というか、まずここは人家である。

 

 どういうこと。僕いつの間に瞬間移動獲得したの? なんてバカなこと考えても、一向にこの夢からは覚めない。

 

 さっき死んだんだから、ここが天国だろうか。些か生活感あふれジャッポネーゼみのある天国である。本当にどういうことですか。

 

「ツッ君おはよう。朝ごはんできたわよ」

 

 ぼけっとしていると、ドアからひょっこり女性が顔を出してそう告げた。ツッ君? どこか懐かしい響きを持ったあだ名だけど、それってもしかして僕のことですか。

 

 ああそれに、この女性もとても懐かしい気がする。死ぬ前に思い出した記憶にいた女性にひどく似ている。顔も、表情も、声も、雰囲気すらも何もかもが。もしかして本人ですか? そんなバカな。

 

「まだお眠かしら? さ、お顔を洗ってご飯食べましょう」

 

 女性に手を引かれて洗面所へ向かい、顔を洗う。タオルでぐしぐし拭いて鏡を見やる。そういえば随分小さい気がする。ああもう分かってるよ言わないで僕の相棒。なんとなくそんな気はしてるんだ。加えてこの感覚は二度目だ。うんうん分かった逃げないから。

 

 鏡に映った姿はそれはそれは懐かしい愛らしい子供だった。ツンツンと跳ねに跳ねるどう足掻いても治らない髪の毛。初代の再来と謳われた少年の、要らないところまで初代再現された忌まわしい一種の呪いのようなそれはあまりにも見覚えがありすぎる。そして茶色の瞳は、僕とは違う優しい輝きに溢れていた。僕の目は青色だった。見慣れないはずなのに懐かしさが胸にあふれてくるのは、僕よりもずっと昔の記憶――僕が俺だったころの記憶。俺は、確かに茶色い瞳をしていた。

 

 この姿は紛れもなく俺自身で、あの女性も俺の母親で間違いない。

 

 なんてこった、驚いた。

 

 俺は再び波乱万丈の人生に落とされるらしい。……あまりにもな理不尽な現実に腹立ちを覚えるが、もしかしたら僕の息子を、息子の嫁を、愛しい赤子たちを助けられるかもしれない。前世が前々世とは違う世界だったから、もしかしたらこの世界も前世とは違う並行世界かもしれないけど、それでも、俺は、僕は彼らを救いたい。やることは変わらない。

 

 どうして生きているのか、沢田綱吉になったのか、分からないけれど。使えるものは使えとボンゴレボスになった前々世で教わった。だから、後悔しないように。死ぬ気であの子たちを助けよう。

 

 僕の自己満足だ。大空は誰よりも強欲なんだよ、知ってたかい。

 

 

 

 

 

 

 母さんが目を離している隙に炎を出してみる。正直何の媒介も無しに灯すのは勇気がいるけど四の五の言っちゃいられない。ルーチェは大空のアルコバレーノの呪いは短命の呪いなのだと言っていた。それを証明するように若いうちに命を散らせてしまった。アリアちゃんがそうならないように、事を早くするしかないのだ。

 

 結果としては炎は灯った。美しいオレンジ色をしている気がする。そして力を籠めるとその炎は変化して違う色が灯った。見たこともない白色の炎だった。はて、こんな炎はあったかな。

 

 雰囲気としては、山本の雨の炎や、アーデルハイトの氷河の炎にとても似ている気がするけど、なんとなく大空の炎が一番近い。色が違うのに。でも相棒は大空の炎だって言っている。亜種何てあったかな。

 

 その炎を近くにあった鉛筆に近づけると、鉛筆は凍り付いてカチンコチンになってしまった。さながら死ぬ気の零地点突破ファーストエディションである。というかそのもの。

 

 うーん、本当に何だろうこれ。

 

 色々試していると分かったのが、素材を膨張させる効果があるっていうこと。そして強く意識せずとも死ぬ気の零地点突破ファーストエディション小規模版が使えること。中々にやばい。

 

 右手に大空を、左手にこの謎の炎を持って、PP〇Pすると、大空の炎が大きく燃え上がって危うく火事になりかけた。危ない危ない。軟の炎じゃなければ焼死だった。

 

 PP〇Pで分かったことは、炎を大きくする効果があるっていうこと。でもしばらくすると戻っちゃったので、雲雀さんとかの雲の特性とは少し違うらしい。

 

 とりあえず、仮称が無いと面倒なので、正式名称が誰かから教わるまではこれを【雪の炎】と名付けることにする。大空の亜種ってことは大空の七属性に準ずる存在ってことだし、それなら天候の名前を付けるのがそれっぽい。

 

 適当すぎるって? いいんだよそんなもんだ。

 

 まぁ、これでアルコバレーノの呪いを解く手がかりが一つ増えたというわけだ。どうにかしてボンゴレ御用達のアクセ職人におしゃぶりを作ってもらった際の火種に使えるだろう。都合がいい。

 

 あとはチェッカーフェイスの足取りをつかんでとりあえず何とかするしかない。

 

 一番の問題点もここである。

 

 仮にチェッカーフェイスを捕まえられたらこいつを足にアクセ職人の元へでもなんでも行けるけれど、こいつが捕まえられないと何もできない。復讐者だって手を焼く擬態っぷりだからどうしよう。

 

 俺の時は14歳~10年後は川平不動産で川平さんとして生活していたチェッカーフェイスだけど、今はどうやって生活してるのか分からない。

 

 あの頃はハルが川平不動産まで案内してくれたけど、川平さんのことは知らなかったから今いる保証がどこにもない。うーん困った。

 

 とりあえず現地調査するっきゃないかな?

 

「母さん! 俺遊びに行ってくる!」

「あら、分かったわ。遠くに行ったり、知らない人について行ったりしちゃダメよ? 遅くなる前に帰ってくること! 良いわね?」

「うん!」

「そう。気を付けて行ってらっしゃい」

「行ってきます!」

 

 絶賛放送中のライダーの絵が付いた靴を履いて元気に外へ掛け出る。ああ確認し忘れてたけど、俺は今4歳なので全然こういうの問題ない年齢だよ。決していい年してグッズをひけらかすような生活を送っている人間じゃあない。

 

 とにかく、商店街の方を目指して歩いてみる。小さい視点というのは中々新鮮だ。前世も、前々世も、基本的に成長してからの記憶しか無いもので。あの子たちは普段こういう視界だったのかと思うと感慨深いものがある。

 

 それにしても時間がかかる。僕はある程度身長高かっただけにもどかしい。……俺はそんなに大きくなれなかった気はするけどまぁうんフゥ太よりは大きくなったから良しとする。

 

 気を取り直して商店街だ。確かこの辺りだったと思う。……あった川平不動産!

 

「こんにちはー!」

 

 昔の俺のおどおどしさ何て無くなったね。ボスだったしね。僕もやんちゃ坊主のお世話してたから心が鍛えられたさね。

 

「あらあら坊や。どうしたの? 何か御用かしら」

 

 出てきたのはおばあちゃんだった。ハルの親戚だった……よね? 未来の記憶とか色々あったし細かいところは朧気だ。

 

「メガネのおじちゃんいますかっ!」

 

 某探偵のように元気よく、愛想よく。今はテンションが振り切れているので何てことはない。これを続けられるかと言われればNOと答えるが、今のところは問題ない。

 

「ああ、彼ねぇ。少し待っててね、呼んでくるよ」

「ありがとうございます!」

 

 まさかの収穫。いるの? 本当に? マジで? あの人何やってんの。っていうか並盛という超身近にトゥリニセッテの呪術師がいる恐怖が凄い。何なんだこいつ。

 

 奥に入っていったおばあちゃんの代わりに出てきたのは眼鏡で中々に特徴的な髪形を違和感なく自分のものにした年齢不詳ペドフィリアこと川平さん。

 

「誰だい、アタシを呼んでる坊やってのは」

「こんにちは、おじいちゃん! ……いや、ペドフィリア疑惑のチェッカーフェイス」

「っ! キミは何者だ……それよりもなんだペドフィリアとは」

「だって赤ん坊にするのが趣味なんだろ」

「そんなわけあるか。……それで、聞きたいことは多くあるが――何が目的だ?」

「アルコバレーノの呪解についてだ。……方法を知ってる、んだ」

「……詳しく聞こうか」

 

 やっぱり年食ってるだけあってか話が早くて助かる。おじいちゃんは伊達じゃないな。

 

「何か失礼なこと思って無いかい?」

「いーや何も、失礼なことは」

 

 失礼だとは一ミリも思って無い。

 

 こうして俺はチェッカーフェイスに前々世の話をした。僕の話はする必要ないので割愛したけれど、問題ないよね。

 

 チェッカーフェイスは少し渋い表情をしたものの、俺の話を受け入れ、おしゃぶりについての話を詳しく聞いてきた。俺も細かいところを覚えているわけではないし、作ったのはアクセ職人なため具体的なことも言えない。

 

「……新しいおしゃぶりを作ったのはボンゴレと付き合いの長い彫金師。その人に話を伝えれば器を作ってもらえるとは思う。あ、トゥリニセッテに関してだしもちろんチェッカーフェイス持ちで」

「ふてぶてしいな、キミは。別に私は現状のアルコバレーノシステムが続いても問題ないんだが」

「それで、俺の炎でみんなの炎を増幅させて、夜の炎でおしゃぶりの炎を維持してもらう形で」

「無視か。……雲の炎でも流れているのか? それに、夜の炎とは」

「ああ、えっとなんか俺真っ白い炎が出るようになって。で、夜の炎については復讐者のバミューダに頼む予定」

「何の説明にもなってないが。なんだ白い炎って。そしてキミは復讐者にツテでもあるのか?」

「白い炎は炎を膨張させる特性のある炎。復讐者に関してはチェッカーフェイスが仮面被って気配駄々洩れにして立ってればすぐ駆けつけるでしょ」

「聞いたこともない炎だな。……私を囮に使う気か?」

「ついでに殴られてくれれば嬉しいな」

 

 僕の一人息子と嫁ちゃんをアルコバレーノにした罪は重いぞチェッカーフェイス。バミューダが殴るなら便乗して10発は入れる。子供()のすること()だから許してくれ。

 

「……キミが考え無しに来たことだけはよく分かった」

「仕方ないだろ。記憶戻ったのはついさっきなんだ」

「行動力の化身だな」

 

 それは俺も、そう思う。

 

 そんなこんなで、チェッカーフェイスの全面的な協力により、無事彫金師タルボさんによっておしゃぶりが作られ、復讐者との接触を果たし、アルコバレーノを開放する手立てができました。

 

 チェッカーフェイス、色々やってきた身だからか口ではどうでもいいって態度取ってるけど、心の奥底ではアルコバレーノシステム大嫌いだし、新しい方法があるなら喜んで手を貸すのは知ってた。だって、前々世がそうだった。

 

 復讐者も、アルコバレーノシステムが全面的に自分たちのものになるということで了承してくれた。ついでに俺の話も信じてくれた。俺の手を握って感謝までもらって、自己満足でやったのにここまでされると照れ臭い。バミューダもイェーガーも根が素直なのかとても優しくしてくれて、記憶とのギャップが激しくて困惑する。

 

「ところでツナヨシ。なんでまたそんな急いで呪いを解こうとしているんだい」

 

 チェッカーフェイスとの話し合いも終わって団欒しているとき、バミューダがそっと聞いてきた。体に合わない大きな椅子に座っている俺の隣にふわふわ浮いて、時々撫でて髪の毛で遊びながら。なんだい、お前そんなキャラじゃなかっただろう。キャラ崩壊じゃあないのかい。

 

「何事も早い方がいいでしょ」

「それはそうだけど……キミ、自分の年齢分かってる? 4歳だよ。まだ体も未発達もいいとこだ。そんな体で炎を大量に使ったらどうなるか――」

「いいんだよ。みんなの呪いが解けるならなんだって」

 

 コロネロたちは体が縮んだことを今でも悔しく思っているし、アリアは短命の呪いで死への恐怖に苛まれている。早く憂いを解いてあげたいんだ。可愛い子供たちのために。子供たちの笑顔が見たいから。

 

「分からないな。ツナヨシ。分からない。でも、僕らの願いを、復讐を手伝ってくれたキミへ、大々的には何もできないけれど、僕らの手を貸してあげよう。助けてあげる。生き急いだおバカな子供」

「生き急いでなんか」

「はいはい。説得力は皆無だよ」

 

 何度もぽふぽふと頭を撫でてくるバミューダにはもう首を傾げることしかできない。行動の意味も言動も分からない。僕が我慢できないだけなんだけど、生き急いでるわけじゃあない。どちらかと言えばゆったりゆっくり過ごしたい方だ。

 

「キミはとんでもなく大空で、わがままなのに、自分のことを考えようとしないよねぇ」

 

 わがままは認めるけれど、自分のことを考えてないわけじゃあないんだけどな。

 

 

 

 

 

 

 

――――――――――――――――――

綱吉:はやく呪解してみんなげんきに。

川平:復讐者と綱吉に殴られた身体が痛い。

バミューダ:恩人がおバカでどうしよう。

PP〇P:右手に持ったものと左手に持ったものをくっつける動作。でぃすいずあすかいふれいむ~でぃすいずあほわいとふれいむ~おう! びっぐふれいむ~!

 

 

 

 

 

というお話。

コロネロのお父さんをした綱吉くん逆行が見たいという誰得設定。

某雪のアルコバレーノ、某歌姫、某成り代わり、その他様々な作者様の二次創作から大きく影響を受けています。特に前者二つの儚いストーリーには大きく心動かされているので、作品内でも顕著になっているかもしれません。

大きく影響が出ているのは口調なんですが、私個人の口調が某雪のアルコバレーノの口調と似ていて、親しみがあるのでどうしても寄せたくなってしまいました。

物語の進行は大きく変わっていくのでパクり、というよりはインスピレーションだと個人的には考えています。

この辺りの細かい部分は難しいので丸投げを基本にしています。

二次創作はグレーなので。

コロネロの親父の時点で大筋が同じになるわけがなかった。

雪の属性についてはゲームを参考に。

上記の二次創作をご存じの方で「この部分はいただけない」と感じた方がいらっしゃれば大きく変更、または削除する予定です。

 

懺悔はここまで。

 

この後は色々な作者様が書かれてるような、こうチェッカーフェイスのとんでも超能力で夢の世界に招待した後、綱吉くんが正体を隠して説明して、彼らを一か所に集めます。虹の代理戦争でも素直に集合したみんなだから多分集まってくれる。

そこでタルボの作ったおしゃぶりに炎を注ぎます。みんなが炎を出して火柱ができたとき、綱吉の雪の炎で膨張させて何とか火種に。

呪解してみんなはこれから赤ん坊から成長していくし、アリアは死への運命から逃れられます。体は戻らなかったけど嬉しそうなアルコバレーノたちを見て満足した綱吉は身バレ防止も含めてさっさと行方を眩ませます。

みんなにとっては恩人のため探すけど、チェッカーフェイスも復讐者も黙秘権を行使してそれぞれの住処に帰っていったので消息不明。

出会えるのは十年後くらいになるだろうね!

 

正直、突発的に考えたので、未来編とかの整合性が取れてない現状。さっさと呪解したらアルコバレーノシステムは復讐者のものになるんだから、流石の白蘭でも手が出せまい……。

そうなると呪いは完全に解けない方がいいんだろうけど、完全に解けない呪いとか成功率駄々下がりしてそうでチェッカーフェイスから却下される気がするです。

まあそのあたりは続きを考えるときに追々設定していけたらなあって思います。

虹の代理戦争は無くなったけど、それでもD・スペードの問題は残っているので綱吉くんたちには強くなってもらわないといけないのです。

正直、白蘭とは戦わせたいし(というか対話というか)、炎真君とも拳と拳の語り合いは必要だと思うし、コロネロの親父してた前世が反抗期の息子と拳で語り合う系父ちゃんだったので綱吉くんだった前々世含めて拳での語り合いが一番得意系主人公。

 

 

後は十年後、恩人と知らず綱吉と再会したリボーンとかコロネロとかの小話。

 

 

 

 

 

 

 

 

【リボーンとの再会】

 

 

 ついに運命の日がやってきた。まったく心の準備してなかったからじーちゃんは心臓バクバクだよ。だってコロネロの親父してた期間のが色濃く残ってるのに、リボーンが来る日とか覚えているわきゃあないでしょう。

 

 学校を何事もなく終えた俺は真っ直ぐ家に帰り、玄関を開けると小学生くらいの少年のお出迎え。

 

「カオス、だな」

 

 それ、俺のセリフです。

 

 多分小学生くらいだと思うのに、随分と身長が高いことで。まだ俺の方が大きいけれど!

 

「今日からお前の家庭教師(かてきょー)になったリボーンだ。よろしくな」

 

 できれば早急におかえり願いたい。 

 

 ああでもリボーンくん。愛息子の友人よ。また会えてうれしいよ。元気だったみたいだね、あの頃よりも随分逞しく育っているみたいじゃないか。キミが10歳の頃は随分やんちゃしていたよね。懐かしいな、リボーンくんは憶えてるだろうか。10歳の頃の思い出もそうだけど、それよりも僕のこと。覚えていなくてもい良けれど。キミたち子どもが元気でいてくれれば親父はそれだけで嬉しいもんだ。

 

「おい、聞いてんのか」

「ああうん、よろしくね。俺は沢田綱吉。それでどうして子供が家庭教師の真似事なんか? 何かあるなら児童相談所に行けば優しい大人が保護してくれるよ。大丈夫?」

「出会い頭に失礼な奴だな。俺は正式な依頼でここにいるんだぞ、問題ねぇ」

「うーん、俺年下に教えられるほど頭悪かったかな」

「十分すぎるくらい頭のネジ抜けてるぞ。俺が根性叩き直してやるからありがたく思え」

「スパルタ教師かぁ。ついていけるかな」

「死ぬ気で付いて来い」

「冷静な物腰なのに意外な程に根性論。人は見かけによらずだね」

「お(めぇ)は見かけ通り緩い奴だな早く上がれ。授業方針について話がある」

 

 ニヒルな笑みを浮かべて足早に俺の部屋に上がっていったリボーンくん。怖いなぁ、俺は自由気ままにゆったりと一般人ライフを満喫していたんだけれど、急に彼のペースに持っていかれたら死にそうだなぁ。不安でしかない。

 

 俺の時も僕の時も彼はいつだって破天荒だった。うっし、いっちょ頑張るべ。棒読みだって? 現実逃避だ気にしないでおくれ。

 

「部屋に入るだけでどんだけゆっくりしてんだお前は」

「いいじゃない、俺は人生焦らずがモットーなんだ」

「そうも言ってられねぇからな、耳かっぽじってよく聞きやがれ。沢田綱吉、ツナ、俺はお前をマフィアのボスにするためにやってきたヒットマンだ。改めてよろしくだぞ」

「うわぁ物騒」

「信じねぇなら死んでもらう」

「信じるから鋭い光沢を放つブツはしまいなさい」

 

 前々世でも前世でも見たリボーンくんの相棒が火を噴く前に俺は降参のポーズをとる。プロの獲物は怖いんだからむやみやたらに晒すもんじゃあないよ。いや、これも銃口に慣れさせるレッスンの一環なのかもしれないけれど。

 

 銃火器自体は前々世でも前世でもいっぱい見てきたし、何なら息子とリボーンくんとがいっつもぶつかり合うから流れ弾とかに散々脅かされたし今更怖くもないが。うーん、大分感覚がマヒしてるのかもしれない。

 

 今生は銃とは初めてのご対面だし、前世みたいに息子に鍛えられたわけでもないから銃弾避けれるか不安だなあ。いくら相棒の超直感があるとはいえ。弾道を、それもプロのヒットマンのを避けるのは相当訓練しないと体がついていけるわけがない。

 

 死ぬ気弾から逃れる方法、誰か早急に教えてプリーズ。

 

 そんな時、リボーンくんの腹が大きく鳴った。どうやらお腹が減ったらしい。今の時間ならおやつを食べても問題ないかな? 確か俺が作ったチーズタルトがあったはず。子供たちから人気だったおやつは今でも作って母さんにふるまっている。その余りが何切れか。

 

 昨日ふと作ろうと思ったのは今日のためだったのかな。どうだい相棒? 全力で肯定しないでおくれ。

 

「チーズタルトがあるんだけど食べる?」

「ああ。頂くぞ」

 

 一階の食卓にリボーンくんを座らせて、冷蔵庫からチーズタルトを取り出す。リボーンくんはエスプレッソが好きだと言って、前世では家にエスプレッソマシンを買っていたけど、今の家にそんなものはない。ドリップコーヒーだけどそれでもいいかな。

 

「リボーンくん。飲み物はオレンジジュースかドリップコーヒー、後はダージリンとアップルティーしかないけどどれがいい?」

「ドリップコーヒーで頼む」

了解(りょ~かい)

 

 冷蔵庫から取り出すだけだったチーズタルトに比べて、コーヒーを出すのは時間がかかる。リボーンくんは流石に待てなかったのか先にチーズタルトを食べていた。どうかな、昔好きだって言ってくれたから今でも喜んでくれるといいんだけど。

 

「……この、味。レモンか」

「そう。レモンのチーズタルト。嫌いだった?」

「……いや、旨いぞ。俺好みだ。どこで売ってんだ?」

「それ、俺が作ったの」

「お前が?」

「うん。タルトは作るのも食べるのも好きだからね。母さんも喜ぶし」

「……そうか」

「リボーンくんの口にあったのならよかったよ。あ、はいコーヒー」

「サンキュー」

 

 よかった、今でも好きでいてくれたらしい。嬉しいなあ。妻が死んで、男手一つで育てることになって料理もままならない中、息子にケーキを強請られて作ったチーズタルト。あの時はケーキ屋が近くに無くて必死に本と睨めっこして作ったんだ。チーズだけの香りよりレモンの香りが入った方が好みだったから作ったら、コロネロが凄い喜んでくれて。それからよく作ってたっけ。あの子たちにも振舞って。懐かしいなあ。

 

「なあツナ。このチーズタルトは誰かに教わって作ったのか?」

「え? いや……最初は本を見て作ってたんだけど、それから自分でアレンジしたかなあ。どうして?」

「いや、何でもねぇ。気にすんな」

「ん」

 

 リボーンくんの様子が少しおかしいんだけどじいちゃん怖い。リボーンくんが挙動不審とか珍しすぎない? レアだよレア。ミディアムでもなくレア。

 

 

 

 

 

 この味は確か、コロネロの父親の……。どうしてツナがこの味を知っている?

 

 いや、偶然なのは知っている。理解している。だってありえないだろう。あいつが死んだのはもう18年も前のこと。ツナは生まれていない。だからあの味を知ってるのは偶然に過ぎない。

 

 そのはずだ。

 

 一口食べるごとにあの日々を思い出す。よくコロネロの親父に招待されて、このチーズタルトを食べていた。ヒットマンになってから交流が減って食べられない寂しさを感じて、アルコバレーノになって呪われた皆のお茶会で再会したときまた食べた。いつも変わらない味なのに全く飽きなくて。あいつが死んで二度と食べられないと思っていた。本当に懐かしい味だった。

 

 そういえばどこかで聞いたことがある。

 

 極東の国では輪廻転生が信じられていて、魂が転生するのだと。再び人間としてこの世界で生きるのだと。

 

 なぁツナ。お前は……。

 

 不毛だ。

 

 振り払うようにコーヒーを口にする。ほらみろあいつのコーヒーとは全然違う。そもそもあいつはエスプレッソをいつだって淹れてくれた。豆も焙煎も抽出方法も何もかもが違う。

 

 それなのに。

 

 なんでこんなコーヒーであいつを思い出しちまうんだろうな。

 

 

 

 

―――――――――――――――――

綱吉:前世の記憶でリボーンも息子のように思ってしまう。

リボーン:生徒の前で感傷に浸ってしまって内心焦る。

チーズタルト:フライパンで作られました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【マフィアランド】

 

 リボーンに流され今生もマフィアランドにやってきました。

 

 前世ではコロネロに招待されてよく来たっけな。僕はマフィアじゃあないけどいいのかいと聞いたら、俺の身内だから問題ないぜコラ!と元気よく返事してくれたな懐かしい。

 

 表のマフィアランドも十分楽しいリゾートなんだけど、裏マフィアランドでコロネロが生き生きと働いている姿はとても励みになる。息子がちょっと人道から外れて軍人としてアレになってしまったけれど、白マフィアなら仕方ない。僕が口を出せることじゃあないもんね。僕は元々マフィアのボスだったんだから。それを知ったのは随分後になったのことだったけど。うん。色々言っているけれど、コロネロが満足に人生を生きられるなら、心の底から愛せる人と、大切な仲間と過ごせるのなら僕は口を出すなんて無粋なことできないよ。

 

 久々に見た入国審査じゃなくて入ランド審査。ボンゴレ十代目としての証明が必要なんだって。うーん、ボンゴレリングがあれば一発だったのに。面倒くさい。いや、俺の証明自体はリボーンくんがやってるはずなんだけど、裏マフィアランドに入れるために色々してるんだろうなあ。困った。

 

 さてここで問題だ。

 

「ここに百万ユーロありますので、彼に正しいやり方でワイロをわたしてください」

 

 実技検査で証明するらしい。なんだその制度。いいのかそれで。

 

 あれ? よく見たらお姉さん笑ってる……あ、うん分かった。リボーンくんに言われてやってるのね? この茶番。

 

 リボーンくんを熱烈歓迎するようなランドだもの、リボーンくんのお願いは断れまい。リボーンくんのコネクションが恐ろしいよ、俺は。味方の時は最高に頼もしいんだけどね。色々理解したのは俺が大人になってからだったけど、骸との戦いのときとかすごい頑張ってくれてたらしい。もう頭が上がらない。

 

 閑話休題。

 

 さて、ワイロの渡し方だ。うーん、前は渡される側の方が多かったけれど。金で解決、マフィアらしい。

 

 ワイロと言っても、つまるところ交渉だ。相手のメリットとこちらの要求を伝えることができればオーケー。

 

 さて、ボスだった時の感覚思い出さなきゃ。

 

「初めまして。ボンゴレ十代目候補の沢田綱吉です。ドン」

「ああ、お噂はかねがね」

「光栄です。今回お伺いに来たのは挨拶と――ええ、正直に言えばマフィアランドの入園許可を」

「……ほう」

「この島は本当に美しいリゾート地ですよね。海はエメラルドに輝き、遊園地は娯楽施設でいっぱいだ。こんな素晴らしい土地で寛げたら幸せでしょうね。ええ、それはもう、最大限の感謝を贈るでしょう。ああそういえば、これはほんのした手土産なんですがね」

「……ええ、十代目。我々はあなたを心から歓迎しよう」

「ありがとうございます。これからもどうぞ良しなに」

「ええ、そのように」

 

「はい、そこまで!」

 

 審判の女性の声で審査が終了する。うーん、一応渡せたけどオーケーかな? こういうのは直接伝えたりするんじゃなく、仄かに伝えるくらいが丁度いい。よくドラマで菓子箱の中に入っていたりするのはそのためだ。今はそんなものが無いし量も量なので軽く目の前に置くだけ。歓迎してくれたらこれ以上の謝礼をする、と匂わせながら……。さて、どうだろう。

 

「……『このお金はワイロです』と言わないと何のお金かわかりませんよ」

 

 ちょっと、審査員さん。肩震えてますよ。

 

 ああもうリボーンくんのせいだな? 全く、いたずらっ子め。

 

 結局(リボーンくんの)予定通り裏マフィアランドに連行されたよ。うーんここも久々だ。今生では初めてだけども。

 

「名を名乗れ! コラ」

 

 ああ懐かしいその声は。

 

「初めまして。沢田綱吉です」

「俺はコロネロだ!」

 

 僕の一人息子コロネロ。どうやら元気にしていたみたいだね。良かったよ。ずっと病院で死ぬなって泣きじゃくってたお前だったから、僕が死んでから凹んでたんじゃないかって。そんなことは無かったね。いつでもお前は強かだった。流石妻の子だ。

 

「カオスだな、コロネロ」

「その声は! コラ!」

 

 ああもうお前たちはいつも喧嘩するんだから。場を弁えなさいと言ったのはもう忘れてしまったかい。……いや、そういえばここは裏マフィアランドか。腑抜けた根性を叩き直す為の訓練場だと以前お前が言っていたね。なら場を弁えては……いるのかな? はてさて。

 

「今日は見学……と、おいツナあれ持ってきたか」

「うん。ここにあるよ。リボーンくんが仲間がいるからお土産にって俺のタルトをね」

「タルトだあ? リボーン、お前まだ忘れてなかったのかコラ!」

「うるせぇ。いいから黙って食いやがれ」

 

 俺からケースを奪ってコロネロに投げつけるリボーンくんはなかなか綺麗なフォームをしていた。いやいや違う違う。ビアンキにも言ったけれど、食べ物(少なくとも相手の口に入れる意図があるもの)を無闇矢鱈に投げちゃあいけないだろう。いくら相手が取れると分かっていてもだ。

 

 お前たちには今更だったねえ……。何度言っても聞かないんだもの。

 

「後で食ってやらんこともねーぞコラ!」

「今すぐ食ってみろ」

「あ? 何でだコラ」

「いいから」

「……わけ分かんねーぞコラ。食えばいいんだろ食えば! 不味かったらライフルの肥やしにしてやるぜ! コラ」

 

 餌食じゃなくて肥やしなの。って思ったけど字面的には大して変わらない? 日本語むずかしいね。

 

「……お、ま、これ……お前が作ったのか? コラ」

「な訳ねーだろ。そいつは俺の生徒の作品だ」

「はあ!? こいつの!? どういうことだコラ!」

「お前がそういう反応するって事はやっぱ似てんだな」

「あの味を忘れた事なんて1度もねーぞコラ! おいお前! どうしてあの味を知ってんだコラ!」

 

 僕のチーズタルトの味を忘れた事がないなんて。嬉しい事を言ってくれるじゃあないか。お前は本当に好きだったもんねえ。……あれ? もしかしてここ、僕が生きてた世界なの? いや、もしかしたらこの世界のコロネロの親父も僕みたいに作ったのかもね。

 

 うーん、なんて答えよう?

 

「どうしてもなにも、俺が考えたんだしなあ」

 

 試行錯誤したのは前世だけれど。

 

「偶然だっていうのかよ……んなのありえねーだろ……コラ」

 

 前世がコロネロの親父だったから偶然ってわけでもないんだけど、でもこの世界のコロネロの親父さんと俺が一緒だって確信はないしなぁ。うーん、偶然でいっか?

 

 っていうかこの反応、リボーンくんの時を思い出すな。あんなに動揺してたのは僕のことを思い出してたからかい? うれしがる権利何てもうないけれど、それでもうれしいなあ。息子とその友人にずっと覚えて貰っている。死人にゃそれだけで十分だ。

 

「……おい、コロネロ。後で話がある」

「あ? ……しょうがねーな、聞いてやるぜコラ」

 

 何故か二人がこしょこしょ話し合ってるけど何企んでるんだろう。こういうときの二人のって基本悪だくみしてる時だったし、不安だなあ。今の俺で本気のお前たちについていくのはきついからな。全盛期ならまだしも。

 

 ああ、そう考えると死ぬ間際は平和だった……。流石にリボーンくんも空気を読んだのか大きな喧嘩はしなかったなあ。いつまでもそうしてくれたら俺としては助かったんだけど。そんなの無理だって? 少しくらい考えてくれたっていいじゃない。俺とディーノさんのことも考えて!

 

「……それじゃツナ! オレがびっしり鍛えて再審査を受からせてやる!」

「お手柔らかに、お願いします」

「手加減無用だぞ」

「コロネロの手加減無しとか俺死んじゃう」

 

 コロネロはラルさんに鍛えられてただけあってめちゃくちゃ優秀なんだぞ。知ってるかリボーンくん。いや知らないとおかしいよな! 幼馴染だもんな! この悪童どもめ。

 

「おい待てツナ。なんで俺はくんづけなのにコロネロは呼び捨てなんだ」

「そんなことで一々銃口向けてくるなよ!」

 

 息子をくんづけにするのって正直気持ち悪いんだよ! 慣れてない! その点リボーンくんたちは最後までリボーンくんで通してたから、リボーンくん呼びが定着してしまうのも仕方ないと思う。うん。ダメ?

 

「俺もリボーン、でいいぞ」

「う―――――ん。考えとく」

「リボーン、だ」

「だから考えと」

「リボーン」

「な」

「リボーン」

「分かったよ! リボーンな!」

「それでいいぞ」

 

 ご満足いただけたようで。なんでそんなに呼び捨てに拘るんだよ!

 

「何ちんたらしてんだ! 裏マフィアランド式走り込み十週だコラ!」

「うげっ……リボーンく……わかったわかったリボーンのせいで!」

「どちらにせよ不合格だ」

「ぎゃ! 撃たないでって!」

 

 リボーンくんと呼ぼうとするたびに銃口向けてくるし内容が気に入らなければ撃ってくるなんて! そんな子に育てた覚えはありません! いや育てたことないけど! 昔からしっかりしてたから僕が何を言う前に全部終わってましたね! びっくりするくらい子供らしさがなかったでしたね! いや可愛い子供たちに変わりはないけれど。

 

 そんなこんなで無茶振りに答えるという名目で訓練させられている間に、もう一人の不合格者が到着した。テンションの高いロンシャンくんだ。話を聞けば彼女がカルカッサのスパイで、身分証明書をかっさらわれたらしい。無防備すぎてロンシャンくんのこの先が心配です。

 

「俺、失恋に負けないよ沢田ちゃん! 一緒にカルカッサを迎撃しようねッ!」

「負けない心は認めるけれど、しっかり反省してハニートラップは見破れるようにしようね……うーん、リボーンどうするの」

「ママンたちの安全を確認するために地下鉄の線路を辿って向こうに戻るぞ」

「地下鉄は?」

「電気系統がやられた場合内側から出られねーから歩きだ! キビキビ歩けコラ!」

「マジかあ」

「ほら何してんの沢田ちゃん! 早く行くよー!」

「ロンシャンくんは元気だなあ」

 

 やだ背中に銃口突きつけないで冷たい感触が優しくないよ。うん。分かったって歩くから!

 

 ひたすら線路を辿っていけば、その先に現れたのはマフィアランド名物マフィア城。某ネズミ王国の某灰かぶり姫城と同じ位置づけらしい。おかしいな、マフィア城はガチの武装手段であふれているんだけれど。なんで実用目的で作ってるかな?

 

 城内ではカルカッサ迎撃にいろんなファミリーが沸き上がっていた。彼らマフィアにとってはリゾートよりも抗争の方が甘美らしい。うーん、これは俺がボスの時も分からなかった感情だ。誰も傷つかないならその方がいいじゃない。こういう考えになってしまうから、やっぱり俺はマフィアのボスには向いてなかったんだろうなと心の底から思う。

 

 そんなこんな考えているうちに、獄寺くんが悲しい誤解を解いてしまって俺が次期ボンゴレだとバレました。予測可能回避不可能とはこのこと。どうしよう、大将に選ばれちゃった。

 

「派手にやりましょーや大将!」

 

 そんなこと言われても知りません! うーん、今現在の各ファミリーの強みとか覚えてないからなぁ……。ネロファミリーに至っては晩年には壊滅してたし。敵対ファミリーとの抗争でねえ……。ということで全く分からない。それぞれの強みが分かれば指示もしやすいんだけど……。

 

「獄寺くん、各ファミリーの戦力ってわかる?」

「えっ!? も、申し訳ありません! リゾートと聞いていたのでファミリーの詳細などは……」

「だよねえ。ありがとう。うーん、じゃ俺現場で」

 

 獄寺くんが心の底から後悔して今にも切腹しそうなんだけど。怖い。落ち着いてほしい、まだ中学生の君に仕事を押し付ける気はないから!! 以前の右腕を思い出して可能性に縋ったばかりに。うーん、後でフォローしておこう。

 

「対象は現場主義だってよ!」

「前線にお運びするぞ!!」

 

 胴上げされながらわっしょいわっしょい。うーん不安定でめっちゃ怖いから普通に案内してくれない? いやうんできれば戦いたくないけど。そう思った瞬間に視界の端でリボーンの銃口が輝きを見せたんだけどめっちゃ怖い。俺の思考駄々洩れ?

 

「いやー絶(句するほどのまるで地獄のような)景(色)」

 

 みんなの交戦のおかげで俺が入る隙が無い。銃火器は苦手なんだ。俺は今も昔も肉弾戦派です。たまに高圧縮炎ビーム。

 

「しゃらくせー! このまま敵の船沈めにいきましょー!」

 

 おいおい、いくらカルカッサが弱いからって。うーん、でも早めに収束させるなら船を討つのが一番だもんなあ。仕方ない、俺も彼らについていきますか。俺の相棒もそうした方がいいって言ってるし。何かあるのかな?

 

 そうしてついていった先では木をバキバキ折っていく音が。環境破壊って考えたことありますー? あ、これ違う。フランがベルに対して苦言を申してた時の言葉だ。

 

 そんなこんなで現れたのはフルフェイスマスクの少年。彼の名前はスカルくんだったか。お前も元気で僕は嬉しいけれどね、迷惑をかけるのはいただけないな。スカルくんはパシリ扱いされて基本平和主義だったのに何でカルカッサにいるんだろうね……。

 

「なんだ、そのタコまだ食ってなかったのか? きっとうめーのに」

「何故ここにリボーン先輩が……?」

「カオスだな」

 

 いまだにパシリ属性は抜けてないんだな……スカルくん。可哀そうに。ごめんな息子たちの理不尽を止められなくて……。お前はいつも美味しいお茶を淹れてくれたから僕としてはすごく好きなんだけど、本当になんでカルカッサにいるんだい。僕が生きてた頃は少なくとも所属はしていなかった気がするけれど。

 

 なんやかんやでリボーンがケリつけて事態が収束に向かいそうです。あらら、愛用のヘルメットが割れちゃったじゃないか。相変わらず手加減がないな……。

 

 ん、どうやらコロネロも動いて船も全船撃沈したらしい。またカルカッサの武力が減ってしまった。うーん、ボンゴレ傘下のファミリーがいる時点でカルカッサが勝てないのは分かってたことなんだし……。いや、今回の襲撃はマフィアランド出資ファミリーたちに泥を塗るのが目的か。逆に泥をかぶってしまっているけれど。カルカッサはいつも詰めが甘いなあ。

 

「大丈夫? スカルくん」

「だっ誰だお前は!」

「俺は沢田綱吉。リボーンの生徒だよ」

「先輩の!? お前も俺をパシリにする気か!」

「しないよ。それよりヘルメットの破片で傷ついたりしてない? ……あ、血が垂れてるじゃん。絆創膏あるから良かったら」

「……な、なんなんだお前」

「子供を放っておけないお節介かなあ。スカルくん」

「なんだよ」

「スカルくんが個人として俺に会いに来るなら歓迎するから、ぜひ遊びに来てね」

「……いいのか?」

「もちろん。待ってるよ」

「あ、ああ!」

 

 照れながらスカルくんはカルカッサへと帰っていきました。

 

 実は、スカルくんはこの後カルカッサから追放されるんだよね……。軍師として今まで碌な功績を上げられなかったからだと。アルコバレーノだから軍師にしたのに役立たずだって。これは前々世の俺の記憶で知ったことだけれど。まあ、そういうことなら、スカルくんは僕が好きだしうちで拾いたいよなぁって。炎真とはいい友達になってたみたいだし。さてさてやることも終わりかな。

 

 母さんたちのところに戻ると、リボーンはどこかへ行ってしまったらしい。もうすぐ帰るっていうのに、どうしたんだろ。

 

 

 

 

 

 

 

 

「なあコロネロ」

「……なんだよ、リボーン」

 

 人込みから離れた茂みの中で俺とコロネロは密会していた。もちろん、内容はツナに関してだ。

 

「ツナのことをどう思う」

「どうってどういう意味だコラ」

 

 ツナはあまりにもあいつに似ている。

 

「似てると、思わねぇか」

 

 ふとした時の表情や、見て取れる感情、俺たちを見る視線。すべてが。

 

「っおい! いくら幼馴染でも、親父を侮辱するのは許せねーぞ! コラ!」

「……俺は本気だぞ」

「確かにタルトの味は似てたかもしんねぇ! だが、あいつと、ツナと親父はぜんっぜん似てねぇ!」

 

 愛銃を手にかけて、コロネロは俺を睨みつける。だが俺は見逃さなかった。瞳が揺れている。動揺している。口では否定しつつも、コロネロもどこか奥底で、あいつとツナを重ねている。

 

「……話はそれだけだ」

「チッ……とっとと出ていきやがれ、殺したくなる」

 

 こいつのファザコン、拍車かかってんな。……俺も人のことは言えねぇんだろうが。

 

「またな、コロネロ」

 

 なあツナ。お前は――

 

 

 

 

 

 

――――――――――――――

綱吉:久しぶりのスカルに感激している。

スカル:へんなやつにばんそーこーもらった、うれしい。

リボーン:綱吉がコロネロの親父の転生体じゃないかと疑っている。

コロネロ:リボーンのおかしい頭がさらにおかしくなったと思っている。

続きがほしいやつ

  • コロネロ父綱吉くん
  • 気まぐれで
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