Re:夢X夜   作:ろあ

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2019/11/18

 私は母の実家にいた。絶えず何かを食べていた。お菓子や、パンの類だ。その上で昼食にご飯など出てきたものだから、当然満腹である。梅干を乗せた後で申し訳ないが、ご飯は食べられないと言った。

 

 それから、私は親戚たちとどこかへ行った。山奥だろうか、緑と水源がある。車を止めてしばらく探索していると、迷子になった私は一人で車の上に戻った。親戚たちが戻ってくると、「探したんだぞ」と怒られた。

 

 車はその後、帰り道に迷っていた。もう私の町まで帰ってきているが、車で通れない道の都合、伯父は迷った挙句に月極の駐車場へ入り込んだ。そこでは、数人の男がその中の一人の読経を聴いていた。どうやらこの経は自作の物だったらしい。読経が終わると、集団は批評会を始めた。「あのくだり、どっかで聞いたことあるけど何の引用だっけ?」「『歎異抄』です」「あー、出てこなかった。悔しい」なんてやっているその光景に私は大学の文芸部を思い出し、親近感を抱いた。気付けば我々は車を降り、彼らと話していた。

 話しているうち、ロケーションは図書館に変わっていた。私は隣の方にラノベオタクの集団を発見し、そちらとも交流した。『ロードス島戦記』を好む古参などがいて、何事にも浅いタイプの自分は聞き手に回るばかりだった。

 それから私は何か不思議な存在に誘われ、図書館の通路を歌いながら駆け抜けた。外は地下通路になっていて、恐らく2D画面の描画されていない側であろう闇の空間からFlash黄金時代の狂気的なネットミームが襲ってきた。

 

 

 

 別のシーン。私は何かの集団をはぐれていた。さっきの親戚か、後述の遠足の隊列かもしれない。知らない町にいた。デパートの近くに高架。その下で、私は少女と出会った。少女は『MtG』の黒の力に対応していた。その割には真面目そうな様子だった。彼女は私に非日常世界への誘いを投げた。この非日常世界では、私はヒーローのように空を飛べるらしい。純粋な飛行と、それから『エウレカセブン』のようなボードを用いた飛行イメージも提示されていた。それからまた別の高架下で、今度は白の力に対応する少女と出会った。白のくせにどこか悪戯めいた笑みを浮かべる少女だ。彼女は私の手札に一枚のカードを寄越した。エルドレインの当事者カード風だが、出来事がコンバットトリックで当事者がクリーチャーでなくソーサリーの永続全体強化である。私の盤面には三体のクリーチャーが並んでいた。当事者カードは出来事を先に撃たないともったいないが、この状況はチャンスだ。アタックは終わっていたが、私は全体強化を唱えた(この判断の正否は環境の全体除去によると思う)。すると少女はその判断を見て合格とし、やはり非日常世界への誘いを投げた。

 

 私は少女たちの誘いを保留にしたまま、遠足の隊列に合流した。地下通路をダラダラと歩く。途中、やけに長い赤信号によって隊列が寸断されると、車が来ないので横断歩道越しのキャッチボールが始まった。信号が変わり、歩道を渡る。狭くて長い曲がりくねったエスカレーターの上を、コンベアに乗る製品のように流される。その途中、私は非日常への憧憬によって駆けだした。何より「飛行」というキーワードに惹かれていた。「いつからそんなことを言い出すようになったんだ?」と問われた私は「高校から、物語を書きはじめたころからだ」と答えた。走っていると、今度は同じく物書きの友人が現れた。友人は「いまどき凝った中世ヨーロッパ風ファンタジーなんて流行らない」と言い出したので(この友人が人の趣味にけちをつけるタイプかと問われれば、微妙なところだ。ある程度の仲では所感を忌憚なく口にする人間ではある)、「そんなこと言われたって、自分の原体験は『狼と香辛料』とかだから」と言った。


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