捏造された親戚との過去があった。我々は豪華客船のようなすべてが一体となった施設で育っていた。浴場へ続く廊下にはコーヒーサーバーがあり、その脇のコンセントで弟が何かを充電していた。私は独占されたそれに代わるコンセントを求めて上の階へ上がった。弟を出し抜こうとしていたのか、彼に隠れて事を進めていた。
浴場の上の階からは吹き抜けの大ホールになっていた。開けた空間のそこかしこに乱立する形で螺旋状の塔があり、それぞれの塔は地球上の地域を模したパビリオンのようなものになっていた。東欧のパビリオンには香水が展示されていた。ちょうど下のコーヒーサーバーと同じように、香水サーバーとでもいうべき自由に試用できる状態で置かれていた。私はその付近で、ある女性を追っていた。モデルのような高身長の女性である。スレンダーな体系も相まって、枯れ木のように不安な印象を与える姿だ。女性は人混みに紛れた。というより、通行人の中の色々な人が、かわるがわるその女性になった。やがて私はあべこべに女性に捕まった。すると、女性の仲間であろう男が現れた。男もまた長身で美しい顔だが、刺すように刺々しい、ロックミュージシャンなどに映えそうな顔である。背の低い私は二人に連れ去られるとリトルグレイのようだった。
私はそれから男に連れられ、ある塔にある狭いラーメン屋に入った。「外から麺が見えてる」という前情報があったが、本当にその通り厨房には放射状の麺のオブジェがあった。椅子が落ちそうなほどに足場の無いカウンター席でラーメンをすする。男の圧が強くお世辞の一つでも言うべきかと考えていたが、ラーメンは本当に美味かった。私はテーブルマナーに注意を払いながら食事を済ませ、店主にしっかりと挨拶までして店を出た。
それから下の階にいた男の取り巻きと合流し、土手を歩いた。Ailiph doepaなるメタルバンドの名が出た。少し聴いたことのある私だが、深堀りされると怖いのでどう答えるか迷っていた。
それから、一行の中にウツボ状の悪魔が混ざった。黄色だったか、そんなビビッドな配色をしていたと思う。この悪魔に周りをぐるりと一周されると自分も悪魔になってしまうらしい。そして私は早速ぐるりとやられた。悪魔は私の背中を食いちぎると、中に入ってきた。私は見る見るうちに悪魔と同化した。そして私、いや私たちは列車のような悪魔になっていた。あるいは二段バスとでも言うべきか。箱状の体躯に、私の分と元の悪魔の分で二つの顔がついていた。一行はそのころ電車の中にいて、私はすっかり自分が車両悪魔になったことに順応し、電車と自分を絡めたジョークなど言っていた。
上のシーンのどこかで、やはりあの男に遠慮しながら、私は偶然思いついた葱と塩のCMソングを発表しようとした気がする。「伯方の塩」のようなインパクトある曲だ。
多分別のシーン。戦争でもしていたのか、「コンスタンティノープルは後で重要な拠点になるからあまり破壊せずに陥落させろ」と言った記憶がある。