Re:夢X夜   作:ろあ

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2019/12/04

 私はスーパーで働いていた。だだっ広い、お菓子しか陳列されていないスペース。段ボールの平積みばかりだから横に広がるのだ。棚を導入する金が無いのだろうか? やたらと落ちているお菓子が多く、見つけ次第箱に戻していく。その途中、私は小学生時代の後輩らに抱きつかれた。一つ二つ下だからもう大人のはずだが、記憶の姿は子供のままである。柔らかな頬を擦りつけられるのが心地よい。軽くいなした後、何かちょっとした注意を促してから仕事に戻った。

 仕事終わりに、私はアクの強いラッパーが店主をしている駄菓子屋風のコーナーを覗いた。チロルチョコを眺めながら2、30円くらい買い食いしてもいいかと迷っていたが、手に取ってみるとそれは同じ形でももっと大きい焼きそばカップだった。値段も数百円する。これは駄目だ、と私は店を後にした。

 そのあと、私は中学時代に私をいじめていた友人と出会った。歩くうちに売り場は駅へと繋がった。かなり新しそうな駅だ。路線図の洗練されたデザインと配管剥き出しの青みがかった壁がSF的な世界を彷彿とさせる。エレベーターは二階に繋がっていたが、二階はまだ何もないスペースだった。エレベーターは縦横四方向全てに開口するが、横方向だけ異様に早くドアが閉まるので、友人は私がそれに挟まるのを見て笑っていた。

 友人と別れた後、私は駅の案内役のような立場になっていた。駅にはポケモンのサトシがやってきた。次の町への電車を案内してやった後、トレーナーカードの交換を持ちかけたが急ぐと言って断られた。私が「そうかそうか、残念だなぁ」と笑っていると、後からやってきた彼の仲間に理由を問われた。何を隠そう、私はポケモンリーグ四天王を突破したトップクラスのトレーナーのようだ。

 

 私はポケモンリーグの階段を上っていた。次こそはチャンピオンにも勝つ所存である。四天王は既にいないが、階段そのものが試練だった。後ろではグズマがダンデと戦いながら、「チャンピオンでもないくせに偉そうにしやがって」と噛みついている。ここがガラルでないのか、はたまた明かしていないだけか。それはさておき、私は最後の階段に辿りついた。最後の階段はやけに段差が大きく、一段一段よじ登る必要がある。さらには階段の上にダイマックスした人型ポケモンがいて、こちらへ放水してくるのだ。苦戦している間にグズマとダンデに先を越された。階段を越えると、連結が緩くギコギコと横方向に揺れる列車の屋根を渡り、私は目的地に着いた。

 

 チャンピオンがいるはずの部屋は、なぜか映画賞の授賞式会場だった。ここで今年の映画チャンピオンを決めるようだ。去年は『まどマギ』や『SAO』ほかアニメタイトルのノミネートが多い年だったようだ。今年はというと、ある有名人が人種差別をテーマにした映画などを発表していた。

 映画はそこで上映されるようで、私はいち観客として席に着いた。しかし、自由に取っていいというお菓子の山が邪魔になっていてスクリーンが見えづらい。取るついでに少しどけてやってから、席に戻る。ところが席は高く積まれた段ボールになっていて、私がジャンプしてよじ登るとその勢いで段ボールは倒れた。席はシマごとに繋がっていたので、みんなの座っているシマごとごっそり倒れた。隣に座っていたガキ大将と口論になった。

 

 シーンは変わり、学校。ガキ大将との喧嘩は続いたままである。テストが始まったが喧嘩は続き、私は廊下でテストを受けさせられた。しかしガキ大将はなおも窓越しに妨害を続ける。まったく問題の解けないまま、教師が残り一分を告げた。私は癇癪を起こした。

 その後、どういう流れだったか一部の友人らが共謀しているのが聞こえた。一人の友人が窓から飛び降りて、私がそれを助けるか試そうというのだ。それまでの口論の流れから、助けなければ私の発言は矛盾するらしい。聴こえてはいたものの、彼女は予想より早く落ちてしまった。幸いなことに、すぐ下の階に屋根があったので致命傷は免れた。すぐに駆けつけた保険医。私は保険医に残った共謀者らに指示を出す立場を任された。

 

 私は共謀者らとバスに乗った。治療の音頭を取る立場を生かしてあたりの強い面子を外へ遣ると、残った面子の一人がアプローチを変え、私に性的なちょっかいを出しはじめた。淫靡なムードは他の面子にも伝播し、我々はしばらくいちゃついていた。

 それから、我々は何かの養成学校へ潜入していた。ここの生徒らをあのバスの同乗者に加える魂胆だ。我々は身を隠し、物陰から生徒らを襲っては洗脳した。

 

 いつしか我々はバスに戻っていた。この頃には私に代わってある有名人がバスを仕切っていた。なんでも彼は映画を作るつもりらしい。私は彼の太鼓持ちのようなポジションになっていたが、彼の企画に関してはお世辞と言うより純粋に面白がっていた。バスは傾斜の激しい道をのぼってゆく。途中、建物が崩れて滑っていったように見えたが、それはトランスフォーマーの変形だった。なんでも、昨年度は『トランスフォーマー』が映画賞を獲ったらしい。あれはその授賞式の建物だという。だが今年の授賞式会場はさらに上にある。有名人は「トランスフォーマーを越えるぞ」と豪語していた。

 


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