Re:夢X夜   作:ろあ

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2020/01/17

 私はどこかの企業に入社していた。空間は確か阪大の一角、いつも文芸部が使っていた教室前のスペースに似ていた。照明のついていない薄暗い空間。私の他に数名がソファに腰かけている。順に名前を呼ばれていく中、数名は落胆して帰った。どうやら不採用となったのだろう。私の他に男女一人ずつが残った。私は同期と親睦を深めようと積極的に話しかけた。私は学歴の件でやたらと持てはやされていた。

 キャリアプランについての説明があった。私はもちろん、創作で一発当ててドロップアウトする心づもりでいる。しかし会社の提示するプランでは私はどんどん昇進し、組織の幹部へと組みこまれていくようだ。何とか窓際族にシフトできないかと、私はそれとなく聞いてみた。

 

 それから、体育館で朝礼があった。青い帽子をかぶった我々は、並んで席に着いた。教官の起立、礼の号令のあと、立候補制で一人のリーダーが選ばれた。それから私が妙な動きを見せると、教官は「ギターの本数÷1-1はいくらだ?」と聞いた。私は「それは弦の本数のことでしょうか?また、5本と想定しているのかもしれませんが、ギターの弦は6本とは限りません」と答えた。するとそれが気に障ったのか、それから教官は目に見えて私をいじめにかかった。

 

 同じ体育館で、劇があった。劇の裏手にいたプロデューサーは多くのクリエイターをまとめる有名人で、私は何か吸収できないかと接触した。すると彼は、「君の発想は利己的だ」と言って私を突き放した。事実その通りだ。私は現在他人に何かしてやれるだけの財力・気力・体力を持ち合わせていない。他人に甘えることを「大成した後で下の世代に還元できれば」という免罪符で正当化するのは、皮算用も甚だしい。彼は私のそれを「どうだか」と言って流した。それから、出口で募金を求められた。周りが百円、三百円と入れていく中、私は人目をはばかるように20円だけ入れた。

 

 その後、同じ体育館でバンドのライブがあった。私は先に入っていたが、入り口で破格の駄菓子が売られていたのを見ると、教室に財布を取りに戻ろうかと迷った。行列に並び直すのは骨だったが、多分私は戻ったんだと思う。

 

 それから私は廊下を走っていた。中庭を囲う多層回廊はフェンスで区切られており、中が見える。廊下の途中にもフェンスが立ち塞がっており、いくらか飛び越える必要があった。途切れた廊下から下の階段に飛び降りたりと、ルートは複雑だった。しかし、真っ当なルートを選んだ者たちよりは早く着いた。

 廊下では、私を追う者がいた。友人という設定だが、酷く怒り狂っている。逃走劇はすごろく形式で行われた。友人に捕まるとコイン6枚を取られるようだ。回廊を逃げていると、徘徊するカツアゲ集団が現れた。彼らに掴まると、4コイン取られるようだ。友人との挟み撃ちである。そこで私は頓智を利かせ、フェンスを乗り越えて中庭に飛び出した。8コイン持っていた私は落下死によるペナルティで半分の4コインを失ったが、必要経費だ。それから私は中庭中央の小部屋に隠れた。そこには先客がいたが、助けは得られなかった。友人が部屋の中に手を突っ込んでまさぐると、私は頭を掴まれ、見つかった。

 友人の攻撃を受けた私は全力で逃げ出した。遠方のマスへ逃げたが、友人はまだ追ってくる。これはランダムワープマスを使うしかない、とその近辺をうろついていると、当たり屋に絡まれてしまった。当たり屋は私に勝負を吹っかけて金を巻き上げようとしたが、そのためには彼の所持金がマイナスである必要がある。そこで彼はわざわざ他人に所持金を渡した上で私に勝負を吹っかけた。

 

 それから、私は友人と和解していた。遠足の帰り道だろうか、我々のバスは近所の車道を走っていた。バスを降りる。車道の先は川だった。広く浅い急流である。テーマパークの一部だろうか、川の上にはアーケードがあり、向こうにはチケットを切るためのゲートがあった。最後にゲートをくぐった私はチケットに残る入出金の履歴を咎められた。友人にいくらかふんだくられた分である。「もう和解したから大丈夫です」と言ったが、係員は「そんな力関係が続くようなら学校に相談した方が良いよ」と言った。

 

 そのあと、同じような川で年下の子供とサーフィンレースをした。


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