Re:夢X夜   作:ろあ

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2020/01/21

 私は出先で父と一緒にいた。父は私にワインでも勧めるような具合に、ポイフルグミをくれた。マスカット味のものだ。高級なものらしく、通常の二倍のサイズである。私は「食べ比べがしたい」と言って口を水で綺麗にすると、高級グミと、それから通常グミを二つ食べた。味は覚えていない。

 

 

 

 別のシーン。我々は修学旅行のホテルに入って浮かれていた。中学時代のいじめっ子たちが、私にケーキを投げつけてきた。ショーケースの窓を開けて投げてくるいじめっ子の顔に蹴りを入れると、咄嗟に閉められた窓が割れ、足が血塗れになった。いじめっ子らの報復が始まり、私は逃げ出した。

 いじめっ子グループの中に、殺人経験のあるやつがいるらしい。私は流石にまずいと思い車に乗ったが、車は動かない。手こずっている間に追手は車に入ってきて、手を掴まれた。私は唯一割れる窓を蹴破ると、そこから飛び出して逃げた。

 

 私は市民会館へ逃げ込んだ。この頃には追手はいじめっ子ではなく、何かの組織の人間たちになっていた。制御室へ逃げ込むと、追手は経った今製作したというレーザーカッターから熱線を放っている。私は一か八かの襲撃によりレーザーカッターを持つ女を怯ませると、動力源となっていた手近なPCを叩き壊して逃げた。

 外へ出ると、ゾンビ映画のようなパンデミックだった。私はゾンビからは全力で逃げつつ、人間に目を合わせずゆっくりと歩いた。やがてビルの屋上に辿りつくと、赤子を抱く母のためにヘリから物資を受け取るシーンがあった。

 

 それから私は母の実家にいた。二階の一室は「森」という役割を与えられていた。隣の部屋では忍者たちが抜け穴に縄を垂らしている。彼らは自分の追手だったようだが、今は自分も仲間に入れてもらえるようだ。しかし、私は誘いを断り窓辺で一人佇んでいた。部屋の向かい側には大木があり、洞の中にいくつもの目が見える。窓に映る反射を眺めながら、私は決して彼らと目を合わせなかった。梟がやってきて、彼らとの対話を取り持ってくれた。そして私は自分の目が石化の魔眼であることを明かした。目を合わせてはいけないのだ、一人でいさせてくれ、と。しかし、思い切って彼らの方に行ってみると、わたしの魔眼は作用しなかった。私はようやく世界に受け入れられ、少し許されたような気になった。

 

 

 そこで芝居の終わりが告げられ、一気に緊張が解けた。一連のシーンがフィクションであったことを知る。私は感動していた。そして、また何か物語を紡いでみたいと思った。

 

 

 

 それから、私は『MtG』のオンライン世界大会で準決勝までコマを進めていた。今環境はシールド戦がやけに好調なのだ。そのせいだろう。


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