Re:夢X夜   作:ろあ

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2020/06/15 etc

 2020/06/15

 

 その夢はどこかで聞いた警句から始まった。曰く、「言葉づかいはお金のかからないお洒落だ」と。この数年で随分やさぐれた自分には思うところがあった。

 

 私はある男の物語を見せられた。要は、この警句に説得力を持たせる寓話というやつなのだろう。日本とも西洋ともつかない中世の農村で、貧しい男が老人を助けていた。ここからは想像で補完するが、きっと老人は実は高貴な人物だったのだろう。礼儀を持って接した男は後で厚遇を受けた、そんな具合だろうか?さて、男はそのあとで妙な小屋へ向かった。中の様子は窺い知れないが、この小屋は排泄を目的とした施設のようだ。職員たちはやってきた酔っ払いの身体の内と外を裏返しては、汚水と体をより分けている。もはや屠殺所である。さて、例の男もこの小屋へ入った。しかし男は老人の厚遇により、きれいな水をたっぷりと飲んでいた。職員たちは男を裏返したときに出てきたきれいな水と真っ白な内面を見て、男を元に戻した。

 

 

 

 きれいな水といえば、私は何人かで連れ立って水中に潜っていた。その際、我々は数種類の生物に変身した。何回か変身を繰り返すうち、とても視界の明瞭な生き物になった。黄緑の藻が林のように茂っている。浅い水底を日差しが照らし、澄んだ水は思わず地上と見紛うほどだった。仲間の誰かが、「水中こそ楽園だ。我々はこの生き物になるたんに生まれてきたのではないか」と言った。

 ちなみに私は本来泳げない。

 

 

 

 私は地下鉄の駅を彷徨っていた。大学に入りたてのようで、新たに知り合ったという仲間と一緒だった。私は構内を駆けまわるうち、誤って改札を飛び越えてしまった。ブザーが鳴った。逃げれば無賃乗車もできるだろうが、おとなしく駅員に説明した。

 私はミステリアスな男性をつけ回していた。何か成功のための秘訣が聞き出せるかと思っていたら、彼はどこかの社長だった。しかし私は「自分は経営よりクリエイティブの部門がやりたいので」と言って彼らの誘いに応じなかった。

 

 

 

 2020/06/16

 

 

 

 私はポケモンのコマでチェスのようなものをやっていた。いや、取った敵のコマを使えるのであれば将棋の方が近いのかもしれないが、フィギュアのような立体造形がチェスを思わせたのだ。

 

 

 

 別のシーン。横スクロールゲームのような平面の砂漠で、私はイモムシの集団の一匹をやっていた。すると、向こうからゴキブリの大群が押し寄せてきた。たまらず逃げ出すと、後ろから頼もしいバッタの鉄砲隊がやってきて、弾幕でゴキブリを一網打尽にしてくれた。

 

 やがて、砂漠の地面は水によって沈んだかに見えた。しかし視点が3Dになると、地面は棒となり、竹となった。いつしか竹の棒は一本ではなく、格子状になっている。格子のそれぞれの穴にはカカシが刺さっていて、やがて竹格子は空を飛んだ。

 

 竹格子は町へ飛んでいった。私はいつしかその町の地上にいた。そして私も飛びたいと願った。背中にはゴム製の羽根を背負っていて、私は「セラフ!」と叫んで飛ぼうとした。しかし、上手く開かない。そうこうするうち、旧友とその母親に出会った。旧友親子はこのセラフなる飛行ユニットの上級者のようで、私にコツを教えようかと迷っていた。

 

 

 

 あと、父がシタールを弾く夢も見た気がする。

 

 

 

 2020/06/17

 

 

 

 その日はバレンタインのようだった。私は以前の恋人もどきにチョコをもらった。お返しを期待する圧が強かった。それから、クラスのイケメンからも空箱をもらった。箱の底には「俺にチョコをお返しする権利をやる」などと書いていた。何か頓智を利かせた返しをしなければいけないと思ったので、私は箱に蓋が付いていなかったことを逆手にとって、蓋を見繕ってそのまま返すことに決めた。

 

 

 

 我々は旅行から帰ってきたらしい。客船から陸へ向かう際、我々はエイを使った。沈んでは飛び上がりトビウオのように軽快な泳ぎを見せていたエイだったが、陸に着く頃には随分と失速し、かっこよく決めようと思っていた着地はかなり地味なものになってしまった。

 

 

 

 私は教室の窓からいじめっ子に宙づりにされていた。いじめっ子はその様子をTwitterで拡散し、「1RTにつき一万円よこせ」といって恐喝してきた。私はいじめっ子に落とされるのを待たず、自ら飛び降りた。さして高くなかったようで、首を少しやる程度で助かった。

 それから、各々に幅を利かせている派閥のボスのような連中が、校庭で私を追い回した。囲まれて、逃げ場がないとなったときにいよいよ私はキレた。

「お前らに本当の闇の何が分かる?格好ばかり悪ぶりやがって。死ぬ覚悟があるのか?よおし、殺してやる。どんな手段でも使うぞ。刺し違える気で行けば一人くらい殺れる。どうだかかってこい」

 そう言って襲いかかると、いじめっ子たちは蜘蛛の子を散らして逃げていった。頭に血が上った私は逃げ遅れた取り巻きに向かって獣のように吠えた。

 

 

 

 2020/06/22

 

 

 

 私は暗い牢の中にいた。恐らく中世の城についているような、石造りのものだ。さて、私はここで頻繁に毒に侵されるようだった。その代わり大量の藻のような薬草を持っていて、これで毒を消せということなのだろうが……まずいことに一緒にいた醜いグールがそれらを貪りはじめた。周りが「やばいって、お前死ぬぞ」とうろたえる中、私はグールに止めてくれと言ったが、聞いてもらえなかった。薬草はどんどん減っていった。

 

 

 

 別のシーン。小学校時代に遊んだ公民館裏の広場で、我々はパズルを解いていた。一方のパネルがクロスワードになっていて、どうやらそれは螺旋状に内側へ向かって言葉を埋めていくととけるようだった。それが何を表しているのかと少し考えた後、私はもう一方のパネルを同じく螺旋状に回してみた。すると、それは地図であることが判明した。現在地が「吹田」となっている。我々は急いで吹田駅へと向かった。

 

 道中は自転車だったが、旧友はわざわざ手を組んできた。ともすれば恋愛関係のようにも見えた。

 

 さて、梅田へ向かったはずの我々はまったくの辺境へ着いた。高架下のトンネルの向こうには、雑草が生え放題である。雑草地帯に一人の老人がいた。我々はその老人を襲撃する手はずになっているようだった。だが、私は慎重だった。「抜いてしまえば後には退けない。周囲の状況をよく観察して、確実に殺れるのならやろう」と言った。

 

 

 

 別のシーン。私は以前買ったまま動かない液晶タブレットを放置しているのだが、それがどういうわけか動いた。これでデジタルイラストが描ける! と喜んでいた。


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