Re:夢X夜   作:ろあ

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2020/09/17

 私のメモ帳には債権リストがある。私はある旧友に金を返すよう求めた。しかし友人の曰く、私が金を貸したのは夢の中でのことだった。危うく架空の借金を取り立ててしまうところだった、と慌ててメモを消した。手元のメモにはそのほか天使への債権なども書かれていたが、弟へのもの以外すべて消した。実際、現実に照らすならそれで正解である。

 

 

 

 別のシーン。私は小学校のグラウンドでサッカーをしていた。珍しく私がキャプテンで、ジャンケンでメンバーをドラフトしていた。私はキーパーでありながら、攻めに転じた。ゴールが入っても弾をセンターに戻さないシステムで、立て続けに三点入れた。

 

 

 

 別のシーン。京都を思わせるロケーションにいた。回廊の塀の外には竹林が茂っている。茶屋の傘の下には程よい数の観光客が腰かけている。私はそこであるVtuberを探し、見つけた。少女の姿をしていて、私とはちょっとした共通点のある人物だ。私は彼女の手を引き、ぐねぐねと曲がった坂を上りはじめた。坂を上りきって堤防のような場所へ出ると、私はそこで彼女と一度別れることを予期した。このステージを抜けた次のシーンは彼女の内的世界となっており、ナビゲートしようにも通信すら通じないようだ。私は彼女に気を付けるよう言った。

 さて、堤防の先はうって変わって西洋風の神殿になっていた。壁で囲まれた空間というより、柱の間を渡る梁の上が進路になっている。魚か何かの亜人が防衛していて、結構な耐久力なので殺しきらず怯ませながら駆け抜けた。

 神殿を抜けて下へ降りると、今度は薄暗い現代風のステージだ。そこらじゅうがフェンスで仕切られていて、相変わらず亜人たちが待ち構えている。私は連れにフェンス越えの操作を教えた。「LT+B」とか、そんな具合だったと思う。すばやくやれば追跡を逃れたり、防衛をすり抜けることもできる重要な操作だ。なお、このときの連れはすでにそのVtuberだったかどうか怪しい。少女でなく少年に変わっていた気がする。

 

 それから私たちは橋に差し掛かった。深山の渓谷に映える、立派な屋根付き橋だ。このシーンではより明確に、連れは少年に変わっていた。どころか特定の人物、私の過去の教え子だった気もするが、実物よりも痩せていてアクティヴだ。私は彼を「○○少年」と呼んでいた。他にも我々のような大人と子供のペアが橋を渡っていたが、私のその二人称は目立っていた。さて、我々は橋を普通に渡るのでなく、手すりを外から掴んで渡った。少年の提案だ。いわく、ここは柳田小学校なる学校の敷地で、そこの学生たる彼はいつもそうしているのだという(少年が教え子であれば彼は私の後輩であり、柳田小の学生ではない)。私もこの橋のことはそれまで敷地外からではあるが見知っていたようだ。

 

 橋を渡り終えた後で他のペアに混じって順路を行こうとすると、少年が脇道を見つけた。断崖を下っていくルートだ。狭い足場には杭が打ちこまれ、ロープが渡されている。未踏の道でないことは確かだが、何の準備も無く通るべき道でもないだろう。少年に手を引かれながら、私は迷っていた。


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