Re:夢X夜   作:ろあ

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2022/05/09 etc

 2022/05/09

 

 私は中学の体育館裏に来ていた。ここでは何かの番組のように声優たちが集まって、どこかで聞いたことのあるアニメキャラのような声で話していた。しかし出ている画像とまちまちだったか、あるいはいまいち印象的でないセリフをチョイスしていただか、とにかく妙な見せ方だった。私はよりしっくりくるセリフをリクエストした。

 

 

 

 中庭を抜け、靴箱へ。人ごみの中に後輩らを見つけた私は手を上げた。合流し、部費を払う。後輩たちはそれを旧友のところへ持っていった。中学時代の友人で、彼女たちとつるんだことは自分がオタクになったきっかけだ。きっとこの夢では彼女が我々の創作部の部長なのだろう。旧友は販売予定の部誌をめくりながら、部員一堂に告げた。

「お前ら週刊誌だけじゃなくて単行本コミックも読めよ。それから、私は今期も三年生の作品には期待している。ただしロア、こいつだけは例外だ。読まなくても分かる。どうせ次は鬼滅あたりでもパクるんだろう。それなら決め台詞はやれ『乱暴に敷き詰められた棘だらけの云々』か?」

 その後もまあつらつらと嫌味を言うもので、私はついカッとなって拳を振りあげた。しかし旧友はなおもやってみろと煽りやがる。しばらく睨み合ううち、封筒を配る老教師が着席を促した(いつのまにか教室にいた)。私は教師に「ああ!?」と悪態をつき、封筒をふんだくった。中から数枚のプリントがこぼれた。しばらく教師も睨みつけたが、流石に周りは関係ないと考えて道を開けた

 

 

 

 2022/06/02

 

 三層に分かれた空港のような階層都市には、呪いが蔓延していた。特に酷いのは上層である。だというのに、中層の住民たちはこぞって上層に向かいたがる。止めても仕方がないので、せめて化け物になって帰ってこないことを祈りつつ見送った。

 それから、我々は残った者たちを束ねて中層での生存を余儀なくされた。しかし、閉塞感からくる不満の矛先は指導者たる我々に向かい、終いに我々は追放された。

 こうなると、向かう先は下層である。フードコートのような場所だった。こちらも比較的呪いの蔓延は少ないが、下層というからには人もごった返していて治安が悪い。何なら都市を出ることも視野に入れてもいいかと考え、出入りする人々の行列に混ざっていると、旧友を見つけた。文芸部の仲間で、一度一緒にバンドをやったこともある。ちょうどそこには一人を除いてバンドのメンバーが揃っていた。一声だけかけておいた。

 

 

 

 この都市での思い出のいくつかが挿入された。

 中層でのこと。私の一派は時計の中に住んでいた。しかし、日に日に時計は狭くなり、盤上の数字が消えるとともに仲間は消えていく。六と十二しかなくなった狭い時計の中で、私はパートナーと二人抱きあった。翌朝、十二だけになった時計の中に私だけが残されていた。

 

 アコースティックギターの音色が聞こえた。どうやら旧友の一人が演奏していたらしい。すると、興の乗った数名の旧友らが楽器を持ち寄り、即興のセッションを始めた。私は彼らの意外な特技に舌を巻いた。

 

 

 

 上層でのこと。早くから呪いに侵されていた上層は、もはや魔界の相を呈していた。デーモンらによる破壊で町は今なお燃え続けている。私は悪魔の少ない迂回路を選んだ。崩れる橋からQTEを挟んで洋館の扉へ飛びつく。傾いた洋館の中を登っていくと、次のステージに出た。

 どうやら私はこの混乱を収める体制側の職員らしい。所定の位置でパートナーと合流する。特殊なボディスーツに身を包んだ女は不可視の血を操る力を有していたが、私にはそれが見えた。我々は港から船に潜入しようとしていた。女は船から延びる配線を伝って偵察機を潜入させようとしていた。コードが途中で切れていたので、私は偵察機が渡れるよう配線を繋げた。

 

 

 

 2022/06/05

 

 この夢の世界では『ファイアーエムブレム』に原作小説があった。そして私はその作者だという女史と対面していた。女史はかなり攻撃的な言説を展開していた。しかし私にはどうにも賛同しかねる内容だったので、それ以上彼女とお近づきになろうとはしなかった。

 

 

 

 別のシーン。私はプールの授業の際、不潔な旧友と衣服を取り違えてしまったらしい。そのことに気づいたのは家に帰ってからだった。

 私はそのとき弟と公民館裏の空き地で遊んでいる最中だった。砂山の上に生卵を割り、スライムに見立てる。弟と肩を組んで踊っていると、私は突然その服のことを思い出した。

 私は慌てて服を脱ぐと、半裸のまま自転車に飛び乗って学校を目指した。


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