Re:夢X夜   作:ろあ

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2019/11/11

 大通りを抜けると、霧の渓谷には石の大階段がせり出していた。その先には立派な門が建っている。山寺でもあるのだろう。ある日雪が降ると雪の積もった階段がとても画になったので、私は撮影を試みた。しかしあろうことに、私の姿が家着のシャツ一枚である。これはもったいないとホテルまで着替えに戻った。しかし途中、別に自分が写る必要はないなと思い、引き返した。

 どうやら修学旅行か何かのようだ。次に階段を前にしたときは、班の仲間と一緒だった。オリエンテーションでもやっているのか、この先はすごろくの要領で進む必要があった。他の班が大きな目を出していく中、私の班は一を出し、目の前の山寺を探索することとなった。きっとモデルはまた『SEKIRO』なのだろう。山寺には巨大ムカデが出た。一匹目は竜と揉みあった末に死んだが、二匹目はいよいよ自分たちで迎え撃つことになった。ムカデの上に乗り斬っては刺しの猛攻を続けるが、ムカデは切り口から二又三又に分かれて襲いくる。棘や毒にやられて、私たちは何度も死んだ。途中までの攻撃で切り離した敵の素材アイテムばかりが手元に溜まっていって、夥しいリトライ数を物語っていた。

 

 

 

 ホテルに戻ると、昔の恋人が現れた。この恋人は私に無理に言い寄って多大な心労と計画変更を強いた挙句に消えた迷惑な奴である。恋人は私に性交を要求した。なぜか二人とも服の代わりに体に白い粉を纏っている。どころかここは男子禁制の女子部屋である。他の女子もいた。同じく服の代わりに粉を纏っていた。私は部屋から逃げ出した。恋人も追ってきた。

 

 振り切ったのだろうか、気が付くと私は普通の服を着ていた。一階の、食堂のような場所だ。照明が無いのか、暗い。サークルの後輩たちがいた。同級生はいない。自分は留年でもしたのだろうか?会話もそんな流れだった。 

 

 それから私は最上階へ上がった。気付けばホテルではなく学校になっている。そこは本来生徒が入れない部屋だ。私はそこから繋がる立体駐車場へ荷物を取りに出た。部屋に戻ると、取った荷物を仕分ける。自分の住む市の周辺の自治体と、知らない自治体の名前があった。

 作業が終わると、一人詰めの職員室を通り抜けて下の階へ降りた。どこかの部屋で休んでいると、中学時代の担任が麻痺毒に倒れた生徒を新薬で救ったという話を聞いた。保健体育の教師だったが、まさか新薬開発までやってしまうとは驚きである。

 

 

 

 別のシーン。私が教室の前扉に一番近い席に座っていると、女神が入ってきた。女神は「この世界には人間とポケモンだけいればいい」と言って、該当しない者を殺しはじめた。私の後ろの席にいた『MtG』のロナスと、隣のカーンがやられた。それから女神はもっと弱そうな機械人をつかまえると、頭のパーツを開いて解体した。レバーを引くと音が出ることに気付いた女神は機械人をベランダに連れ出すと、それを楽器にして排斥運動のプロパガンダを始めた。私の手元にも音の出るスイッチがあり、ついついリズムに合わせて音を出してしまった。しかしそれは政治的立場を取ることに繋がるので、何度か鳴らした後で少し手を止めて考えた。それから、女神は署名の用紙を配った。私が後ろの席(ロナスが死んだ後、補充されている)に紙を回そうとすると、後ろの生徒は「用紙を回すこともまた彼女の思想への加担なんじゃないか」と言い出した。そこから言論の自由だのなんだのと多少の議論になった。

 

 騒ぎが去ると、次にやってきたのは東方のMMDモデルたちだった。教壇で劇を披露した彼女たちは、演技が終わると次回の登場人物の声優を募った。周りはみんな「残業が……」「旅行が……」と言って露骨にやりたがらず、公然の暇人たる私にそれを押しつけようとした。


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