ぬらりひょんの航海記   作:ハッタリピエロ

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ゴーストガール

元奴隷たちを故郷に送り届け始めてから一か月。

 

リク達は最後の一人を送り届けるために西の海で航海をしていた。

 

その目的も果たしたのでお祝いしようとレストランにはいった。

 

と客たちがリクに気づくと皆血相を変えて蜘蛛の子を散らすように逃げていった。

 

「なんだかなあ……」

 

「ホホホ、船長。我らは名があがっているので当然のことかと」

 

「ウィーハッハ!俺たちも世間に恐れられているってことか!」

 

「俺はただその場の状況に流されているだけなのにな……」

 

「船長、それも運命かと」

 

「まあこのさいだから海賊になるのもありじゃね?」

 

「お兄ちゃんと一緒ならなんだっていい!」

 

「俺は何にもしてないんだけど……」

 

「諦めなさい。テゾーロ、船長さんがはっちゃけしすぎているからよ」

 

「おい待て、それどういう意味だ。俺がただ考えなく暴れまわっているだけってことか?」

 

「「「「「「「そう(だろ)(でしょ)」」」」」」」

 

リクはなにも言い返せないのか誰も居なくなった席に座り、皆も席についた。

 

と店主がメニューを持ってやってくると

 

「町の皆がすまんね……でも今は恐怖に対して敏感なんだ……」

 

客を逃がしたはずのリクらを責めたりせず謝ってくる店主にリク達は好感が持てたが

 

「なんで、ここの住民たちはそうなんだ?」

 

と疑問に思ったことを聞いてみた。

 

「ゴーストの噂だよ」

 

『ゴースト?』

 

「最近、この辺りに出てきた幽霊のことだよ。なんでも夜の町にフワリと空を飛んで現れ、人々をネガティブにしたり、退治しようにも触ることができないっていうらしい」

 

「だから幽霊……ね」

 

リクはそう呟いたがリクを含め船員たちは悪魔の実の能力者だと考えた。

 

「おまえさんらもあんまり長居するもんじゃねえぞ。呪われてしまう」

 

リク達は店主の言葉を半分無視して注文を頼む。

 

「リクどうする?」

 

ニードルがリクにどうするのかを聞く。

 

「その幽霊は悪魔の実の能力者ってのは間違いなさそうだな……問題はどんな能力かってことだが……」

 

「おや船長。この件に関わるのですか?」

 

「根も葉もないデマで悪評つけられるそいつが可哀想だろ?それにどんなやつか興味あるしな」

 

「流石お兄ちゃん!」

 

ロビンが満面の笑みでリクに抱きつく。

 

ニードルたちはもう慣れた光景だと気にすることはなくなった。

 

「そう決まれば情報収集ですね」

 

「今度は幽霊が相手か!腕が鳴るぜ!」

 

皆もなんやかんやでやる気のようだ。

 

そして準備をしているうちに夜になった。

 

「やっとか!」

 

そして幽霊がよく出る森を回るリク達

 

「不気味ね……」

 

「大丈夫だ。ステラ」

 

「怖いよ……」

 

「心配するなロビン」

 

「それにしてもこれほど光が通らない森とは」

 

「俺の目でもよく見えん」

 

と話し合っていると

 

『ホロホロホロ……』

 

「出たか!?」

 

リク達が警戒するがすでに白い霊体のようなものが特徴的な声をあげながら宙を漂っていた。

 

『ホロホロホロ……』

 

「よっしゃあ!行くぜ!」

 

「待てバージェス!」

 

リクが静止するもバージェスは幽霊に突っ込んでいき剛腕を振るったがすり抜けた。

 

そして……

 

「ダメだ……俺なんか所詮ダメ筋だ……死のう……」

 

『あのバージェスがネガティブになってる!?』

 

「どうやら人をネガティブにするってのは本当のようだな」

 

しばらくすると……

 

「ウガーっ!!!」

 

「落ち着けバージェス!気持ちはわかるが!」

 

暴れだしたバージェスをニードルが押えていた。

 

どうやらネガティブの時の記憶はあるらしくバージェス曰く悪夢を見てた気分だったらしい。

 

「それにしても……武装色で斬ってもすり抜けるとは……もしかしてこいつらとは別に本体があるんじゃね?」

 

「!流石船長」

 

「だとしたら早く見つけなくては」

 

そして散策すること3分

 

「いた!」

 

「どこだ!?」

 

「あの方向だ!」

 

「わかった!」

 

そしてその方向に向けて覇気を放つと

 

「ああっ!」

 

覇気に飲まれたところをみるとやはり誰かがいるのだろう

 

急ぎで向かうとそこにいたのは

 

「女の子……?」

 

そこにいたのはゴスロリ姿のピンクの髪の6歳ほどの女子だった。

 

と怒り狂っていたバージェスを見て恐怖したのか

 

「ま、待って!降参!降参だよ!」

 

必死に命乞いをする女の子に対して流石のバージェスも気が引けたのか徐々に怒りが収まっていた。

 

「ごめん……」

 

「やはりおまえが例の幽霊で間違いないな。それで?なんでこんなことしたんだ?」

 

「だって……お母さんに捨てられてからって!誰も私に構ってくれないから!寂しかったから!だから構ってほしかったんだ!」

 

その少女の訴えにリク達は何となくの状況を理解することができた。

 

この少女は悪魔の実の異質さのせいで親に捨てられて、周りからも恐れられた。その孤独から人を襲うようになったと。

 

「ごめん……でも……私は……友達が欲しかったんだ……」

 

「……そうか。なら俺たちの仲間にならないか?」

 

「え……?」

 

「だからさ。俺たちと一緒に来ないか?お前の帰れる場所になってやるよ」

 

「いいの!?でも……私は化け物だよ!」

 

「それなら大丈夫だ。うちには化け物ぞろいだ。お前のことなんて気にしねえよ」

 

「そうだよ」

 

ロビンが少女の前に出て

 

「?……」

 

「私も妖怪って言われたことがある。でもお兄ちゃんたちはそんな私を受け止めてくれた。見て」

 

ロビンが腕から手を生やすと、少女は驚いた目で見ていたが

 

「だからここには貴方の場所があるよ。だから一緒に来よ?」

 

「っ!うん!」

 

少女は満面の笑みでそう返した。

 

「あなた名前は?」

 

「ペローナ!」

 

「よろしくね!ペローナ!」

 

その様子を見ていたリク達は

 

「また仲間が増えるけどいいか?」

 

「いいんじゃね?」

 

「能力とはいえ俺に膝をつかせたやつだ!面白くなりそうだ!」

 

「この出会いも運命の歯車……」

 

「これを機に海賊になるのはどうでしょう?」

 

「俺は乗せてもらっている身だからな。何も言わねえ」

 

「私もいいかな……女友達が増えるもの♪」

 

「よし。じゃあ来いよペローナ!」

 

「うん!」

 

こうして西の海のゴーストガール、ペローナはリクの仲間となった。

リクは七武海になるべきなのか

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