ぬらりひょんの航海記   作:ハッタリピエロ

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天上革命と百鬼夜行

ペローナが仲間になってから4年の間、ペローナは能力の鍛錬を怠っていなかった。

 

リクは初めはしなくてもいいといったがペローナの目に決意が宿っているのを見て特訓に付き合うことにした。

 

その結果、能力は覚醒して、あらゆるものにホロウを与えることで自分の支配下に置き操る技を得た。リクはこの技を『ソウルスペクター』と名付けた。

 

強くなったのはペローナだけではなく、ニードルとバージェスも以前にも増して武装色の覇気が強まり、リクとオーガーの見聞色も更に強くなりリクは未来予知、オーガーは更なる広範囲把握が可能となった。

 

 

そして西の海からグランドラインに戻ることなったので魚人島に立ち寄ったリクたち

 

すると

 

「リク様だ!」

 

「いらっしゃ~い!」

 

と魚人や人魚から歓迎された。

 

とリクは折角なのでアロマに会いに行くことにした。

 

彼女はリクがハンコックたちを助けた時にいた人魚で顔見知りなのだ。

 

とマーメイド喫茶に立ち寄ると

 

「あらいらっしゃい」

 

「お久しぶりです。マダム・シャーリー」

 

握手をするとお互い座った。

 

そしてリクが

 

「そういえばアロマはいませんか?」

 

「……」

 

「……どうかしたんですか?」

 

「あいつは……あいつは……!」

 

「シャーリー!?なにがあったんですか!?」

 

「人攫いに……連れてかれちまったよ……!」

 

「え……」

 

リクはシャーリーの言ったことに納得ができなかった。

 

「なんでも……魚人島の外に買い物に出かけたときに……人攫いに……!」

 

「ウソ……だろ……」

 

そして次の瞬間、

 

「そういえば……宣戦布告したんだったな……」

 

「リク!?どこに行くんだい!?まさか……!」

 

リクは喫茶から出ていき向かった先は

 

「おや?船長」

 

「……ラフィット。至急皆を集めてくれ」

 

「……わかりました」

 

リクのただならぬ気配をまえにラフィットもすぐに了承した。

 

そして船員全員が集まると

 

「どうしたんだ?船長」

 

「……前に……政府に宣戦布告したのを覚えているよな?」

 

「ええ……」

 

「俺は……マリージョアを襲撃する」

 

『!!?』

 

「リクッ!?」

 

そして事情を説明するリク。

 

「正直……完全な私情に皆を巻き込みたくないんだ。だから!嫌な者は参加しなくていい!この船から降りてもいい!」

 

「……なーに今更水臭いこと言ってんだよ」

 

「え……?」

 

「おまえの諸事情だろうが関係ねえ。あの日から俺はお前と共に道を行くって決めたんだ。それを今更嫌なら引き返せってか?俺……いや、俺たちを舐めんなよ」

 

「ニードル……」

 

「そうだぜ!船長!水臭いじゃねえか!俺たちも頼ってくれよ!」

 

「バージェス……」

 

「なにを今更。俺はあの時から船長と共にすると決めたのだ」

 

「オーガー……」

 

「そうです船長。私は貴方に全てを懸けたのですよ?」

 

「ラフィット……」

 

「任せてお兄ちゃん……いやリク!」

 

「ロビン……」

 

「そうだ。俺もリク達に救われた身だ。地獄まで付き合うぜ?」

 

「テゾーロ……」

 

「ホロホロホロ……そうだぞリク。私たちはどこまでもおまえについていくつもりだ」

 

「ペローナ……皆……ありがとう!」

 

「よし!じゃあ作戦会議を行うぞ。闇雲に襲撃しても全ての奴隷を解放できるわけじゃねえ。綿密なプランが必要だ」

 

「ホホホ、確かに」

 

「じゃあまずは俺が単独で忍び込んで内装を確認するわ」

 

「まあ妥当な作戦だわな」

 

こうしてまずマリージョアに忍び込むことになったリク。

 

・・・・

 

マリージョアにある邸宅の中の一つの部屋。

 

そこにいたのは緑色の髪のどこか儚げな感じの少女だった。

 

彼女はここでの生活ですっかり希望を忘れてしまった。

 

いずれ来るであろう性奴隷の仕事に対しても恐怖というものを感じることすらできなくなっていた。

 

そんな彼女の隣の部屋に

 

「ちょっと……いいか?」

 

「え……?うん……」

 

「君、名前は?」

 

「……モネ」

 

「いい名前だね」

 

「……ありがとう」

 

その後沈黙が流れたがモネが

 

「……そういう貴方は……?」

 

「俺はクリークだ」

 

「クリーク……うん……覚えた。……ねえ?クリークはなんでこんなとこにいるの?」

 

「売り飛ばされたんだよ……」

 

「そういう君は?」

 

「私も……お父さんに……」

 

「そうか……」

 

「……ねえ?」

 

「なに?」

 

「クリークは怖くないの?」

 

「……怖いさ」

 

「いいね……」

 

「なんでだ?」

 

「私には……もう怖いと思うこともできない……生きることに……疲れた……」

 

「……」

 

「私には……もう……」

 

「モネ」

 

「なに……?」

 

「確かにここでの苦しみは入ってきたばかりの俺にはわからない。でも……」

 

「でも……?」

 

「でもな。絶望したとしても笑顔があれば少しは幸せになれるんだ」

 

「……」

 

「だからな?笑ったらいつか希望が持てるさ」

 

そしてこの日からモネとクリークの少しずつ話し合うようになり……

 

「それでさ……」

 

「…………ふふっ」

 

「え……?」

 

「なんでだろ……もう感情なんて捨てたはずなのに……笑えた……」

 

「モネ……」

 

「……ありがとう」

 

「え?」

 

「クリークのおかげで……まだ私にも……感情があるんだな……ってわかった」

 

「……いえいえ」

 

2日後

 

「妹がいるのか」

 

「うん!」

 

3日後

 

「それでさ」

 

「ふふふっ!なにそれ……!」

 

モネの失われた感情が蘇ったのだ。だがそれは

 

「笑えるようになったのは嬉しいけど……怖いよ……!」

 

「!」

 

「これから自分がされることを考えると……怖いよ……!」

 

そうなのだ。感情を取り戻した代わりに恐怖の感情も戻ってしまったのだ。

 

「……大丈夫だ。モネ」

 

「え……?」

 

「俺が……いつかここから出してやる」

 

「ホント……?」

 

「……ああ!」

 

そして決行の日

 

クリーク、いやリクは

 

「集まったな」

 

「ええ」

 

「よし……じゃあ作戦はこうだ。俺がまず全ての奴隷たちに盗んだ鍵を渡す。そして合図を教えておいてバージェスが暴れる」

 

「ウィーハッハ!任せとけ!」

 

「逃がした奴隷たちを用意した船に乗せてペローナの能力で下まで運ぶ」

 

「ホロホロホロ……わかった」

 

「そしてマリージョアの宝や財宝をいただき……海賊として名乗りをあげる!」

 

「ホホホ、畏まりました。船長」

 

「作戦は必ず成功させる!いいな!」

 

『おう(はい)!』

 

こうしてリク達はまず気配を消してシャボンゴンドラでマリージョアに潜入する。

 

リクが鍵を盗んでいる間にラフィットたちは宝を強奪する。

 

そして……

 

「モネ」

 

「誰……?」

 

「俺だよ」

 

「まさか……クリーク!?どうやってそこに!?」

 

「その話はあとだ。これを」

 

「これって……鍵!?」

 

「それがあれば今すぐ脱出できるだろう。だが合図があるまで決して使わないでほしい」

 

「……」

 

「信じてくれ」

 

「……わかった」

 

そして全ての鍵を渡し終えると

 

「じゃあ行くぞ」

 

「ああ……!」

 

合図の音を出す目にバージェスが邸宅に向かって波動エルボーを撃った。

 

ドゴォン!

 

その合図と同時に奴隷たちは解放された。

 

衛兵たちはバージェスには気づくが横を走っている奴隷たちには気づかなかった。

 

気配遮断様様である。

 

そしてバージェスが衛兵を相手にしている間にラフィットたちは財宝と悪魔の実を運び終わり、奴隷たちが全て乗り込んだと確認すると

 

「行くぞ!覇道一文字!」

 

リクが特大の斬撃を放つとマリージョアの地面が分断された。

 

そしてペローナの操作する船に乗り込んでマリージョアから脱出した。

 

こうして本来フィッシャータイガーが起こすはずだった襲撃事件はリクによって完全成功した。

 

一方海軍本部では

 

「何!?奴隷が全て脱走!?マリージョアが半壊!?」

 

報告を聞いたセンゴクは誰の仕業だと必死に考えたが

 

「アイツか……!」

 

ある一人の少年が頭に浮かぶと

 

「やはり奴を軽視するわけにはいかん!すぐさま手配書を更新しろ!」

 

・・・・

 

リクが甲板で物思いにふけっていると

 

「クリー……いやリク」

 

モネが顔を赤らめながらリクの前に来た。

 

「なに、うむっ!?」

 

モネによっていきなり唇を奪われたリク

 

30秒ほどのかけてその行為は終わった。

 

「なっ、いきなりなにすんだよ!」

 

「助けてくれたお礼……と告白♪」

 

「なっ……!なっ……!?」

 

「あのとき……リクが……私と話してくれてなかったら……私は本当の意味で救われなかった………そのお礼♪……と!わかるわよね?私リクが大好きなの♪」

 

「え……え……」

 

「勿論リクのことを好きな女の子がいるってわかってる。でもその子たちに負けないぐらい愛してみせるから♪」

 

「あの……」

 

「嫌……なの?」

 

涙目の上目遣いでリクを見るモネ。

 

突然の不意打ちにリクはたじろぐだけだった。

 

「嫌……嫌いじゃない」

 

「ならよかった!これからよろしくね?」

 

とモネが腕を絡ませるとひんやりとした感触を感じたリクは

 

「能力者か?」

 

「そう!私はユキユキの実の能力者」

 

そして地上に着くと元奴隷たちは歓声を上げた。

 

それを見たリクは

 

「どうするんだ?これから」

 

元奴隷たちの中にはすでに故郷を失っている者たちもいる。

 

そんな彼らに対してリクは

 

「行く宛てがないなら俺たちと一緒に来るか?」

 

元奴隷たちは目を見開いていた。

 

「俺は……この腐った世界をいつか変えようと思っている……だから!俺についてくる者はいないか!?」

 

そう声を張り上げると

 

『うおおおおおおおお!!!』と100をも超える元奴隷たちが声を張り上げた。

 

「よし!なら今日から俺たちは仲間だ!よろしくな!」

 

そしてこの日盃を交わした彼ら……後に世界政府や四皇すらも恐れる大海賊、百鬼夜行海賊団の誕生であった。

 




人魚のアロマはオリキャラです

リクは七武海になるべきなのか

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