ぬらりひょんの航海記   作:ハッタリピエロ

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百鬼夜行海賊団と赤髪海賊団

シルバー・D・リクとモンキー・D・ルフィが初めての体面をしている時

 

フーシャ村の港にいる百鬼夜行海賊団のクルーたちは

 

「何の用だ?赤髪海賊団」

 

バージェスやニードルを隊長とする百鬼夜行海賊団の鬼部隊と呼ばれる者たちが、同じく港に停泊していた赤髪海賊団を睨みつけて、いつでも戦闘に入れる体制をしていた。

 

ちなみにこの部隊は幾つかの隊長たちにより編成されており、隊員のほとんどが元奴隷の海賊や傭兵、賞金稼ぎなどでも名の知れた奴らである。

 

赤髪海賊団も戦闘には入ってなかったが警戒は怠ってなかった。

 

「まさかあの百鬼夜行海賊団に覚えていてもらえるとはな……嬉しいぜ」

 

「はっ、元ロジャー海賊団の化け物が率いるお前らを知らねえはずがねえだろ」

 

赤髪海賊団の副船長、ベン・べックマンの陽気な言葉に、何を言ってるんだという風に返すニードル

 

「おやおや……知っていたのか。元賞金稼ぎにして情報屋のニードル。流石の情報網だな」

 

「ッ!赤髪のシャンクス……!!」

 

シャンクスが船から降り立つと、並の海賊とは格が違う威圧感をニードルたちは感じた。

 

あのバージェスも冷や汗を流していた。

 

そして何名かの戦闘員はその覇気に耐えられずに気を失う。

 

「失礼……少し威嚇させてもらった」

 

「これが少しの威圧かよ……ったく……」

 

悪態をつくニードルだったが難なく耐えてみせた彼にシャンクスは興味を示していた。

 

「それよりお前らはこの村に何の用だ?俺たちはここを拠点としているんだが……そういえば誰も居ないな」

 

「船長が突っ走っていったから追いかけてきたんだよ。それよりお前ら……いや違うか。あの赤髪海賊団が、何もしてない民間人を襲うとは思えねえ」

 

「……どういうことだ?」

 

「やっぱり違ったか。オーガーによれば今、ここの村人が海賊に襲われてるんだとさ」

 

「ッ!それは本当か!?」

 

顔色を変えたシャンクスがニードルの肩に掴みかかるが

 

「本当だ!だから船長が向かったんだよ!」

 

「クソっ!ルフィ!」

 

そしてニードルを放って村へ駆けだすシャンクス

 

「……なんだったんだ?」

 

「あー……船長が済まねえな。この村に船長が可愛がっている少年がいるんだよ。それで……」

 

「あー……大体わかったわ。とりあえず俺たちも向かうが……アンタらはどうする?」

 

「俺たちも船長を追う。ルフィも心配だしな」

 

「じゃ、お互いよろしく」

 

「ああ」

 

こうしてルフィを追って村へ向かったシャンクスと、それを追う赤髪海賊団に付き添う百鬼夜行海賊団がドーン島に足を踏み入れた。

 

・・・・

 

一方ルフィとリクは

 

「海賊!?シャンクスと同じなのか!?」

 

「ああ。うん?おまえ赤髪のシャンクスと知り合いなのか?」

 

「ああ!シャンクスは俺の憧れだ!」

 

「へ~……あの赤髪がね……」

 

とそこへ

 

「ルフィ!」

 

「あっ、シャンクス!」

 

「ほぅ……あの名高い赤髪がなぜ東の海に……」

 

「……百鬼将がここにいることの方が驚きだ」

 

リクとシャンクスはお互いを睨んでいた。その様子を見ていた村人たちや、先に村に来て人々の治療をしていたモネやハルキたちは息を飲んでいた。

 

「やるのか?」

 

「……そちらがやる気なら」

 

お互いに顔を見合わせていた次の瞬間

 

ドウッ!!

 

覇王色の覇気がぶつかり合い、大地が、天がピリピリと震える。モネたちも一瞬その威圧に飲まれそうになった。

 

 

「「……ブワッハッハッハ!!やるなお前!!」」

 

この状況を引き起こした当の本人たちは、先ほどまでの威圧感はどこへ行ったのか、肩を寄せ合って笑いあっている。

 

村人たちはポカーンとして、モネたちはハァ……と緊張がとけたせいか、それとも呆れているのか溜息を吐いた。

 

とそこに

 

「船長!」

 

「総大将!」

 

赤髪海賊団と百鬼夜行海賊団の船員たちが、船長を前にしてそれぞれ向かい合ったが

 

「待て待て、俺たちは別にやるつもりはねえ」

 

「そうだ。落ち着けお前ら」

 

リクとシャンクスが笑いながらそういうが

 

『『覇気を全力でぶっ放していた奴らが言うことか!!!』』

 

と船員たちに全力で非難された。

 

この後、二人はこっぴどく怒られたと後のルフィは語る

 

・・・・

 

フーシャ村のその日の夜

 

『『ハッハッハッハッハ!!』』

 

百鬼夜行海賊団と赤髪海賊団がマキノの酒場で飲みあっていた。

 

あの後、村人たちは助けられたこともあって、リク達を暖かく出迎えてくれた。

 

そしてリクとシャンクスは意気投合して友達のように飲みあっていた。

 

船長同士が仲良しになった両海賊団に争う理由はなく、外ではオーガーとヤソップが早撃ち対決をしたり、酒場ではラッキー・ルウとバージェスが大食い対決をしたりと、こうして笑いあって飲みあっている。

 

「おめえらリクの仲間なのか?俺はルフィ!海賊王になる男だ!」

 

「ホロホロホロ……随分とデカくでたな……アタシはペローナだ」

 

「ローだ。海賊医者見習いだ」

 

「ロビンよ。よろしく」

 

一方ルフィは年少組に混ざりあっていた

 

それを見たシャンクスは

 

「リク~!随分と若え奴らもいるようだが、おまえの子供か~?」

 

「違えよ……まだ未経験だ」

 

ニヤニヤしたシャンクスにイラっとしたのか不機嫌そうに答える。

 

「ていうかなんで東の海に来ることにしたんだ?」

 

「んん?ああ、ロジャーさんの生まれ故郷ってのもあるが、あの人が話していた子供にも会ってみたくてな」

 

その瞬間シャンクスは噴き出した

 

「うわ!汚え!」

 

「ゲホッ!ゲホッ!せ、船長に子供いたのか!?ていうかなんで知ってるんだ!?」

 

「あー……それはだな。一回インペルダウンに潜ったことあるからな」

 

ブブゥー!

 

今度は赤髪海賊団の船員たちが噴き出した。

 

「お、おまえインペルダウンに乗り込んだことあるのか!?」

 

「まあ、ロジャーさんに話を聞きたくてさ。一回だけ忍び込んだ」

 

あまりにも常識はずれなリクの言葉に、赤髪海賊団はポカーンとしていた

 

「まあ……総大将の奔放さは気にしない方がいいよ」

 

百鬼夜行海賊団の船員の一人がそう言うと、皆ウンウンと頷く

 

「はー……驚いたぜ……まあともかく」

 

「うん?」

 

「……ありがとな。ルフィを助けてくれて」

 

「……どういたしまして」

 

そして二人はジョッキをぶつけ合う

 

リクは七武海になるべきなのか

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