リクはロビンを仲間にしてから目的のためにグランドラインに戻る決意をした。
ニードルの収集した情報によるとオルビアはグランドラインの海軍本部かインペルダウン、または他の大きな支部に連れていかれたということだからだ。
正確な居場所が特定できなかったのは前に、海軍中将サウロによるオルビア脱走があり、正確な情報が極一部の権力者にしか知らされなかったからだ。
ウェストブルーからグランドライン前半に戻るにはまず新世界を経て魚人島を経由しなければならない。
シャボンのコーティングはレイリーから習っていたのでなんら苦はなかった。
そして海底の海流に流されないように舵をとるリク。一方ニードルはロビンに覇気を教えていた。
ロビンの能力は視界にすら入ってしまえば遠距離による確実な攻撃が可能となり多数の相手にでも有利を取れるため、武装色の覇気を覚えれば、格上でなければ相手を仕留められるうえに、見聞色を覚えれば、視界に入っていない敵でも正確な場所を把握して捕まえることができる。
そしてリクたちはクローバー博士からロビンの事情を聞いていたので、ロビンと積極的に接するようにした。
そのおかげかロビンとの仲は縮まってよく遊ぶようになった。
しかもリクによく懐いているのだ。
リクも悪い気はしなかったのでそのままにしておいた。
だが
「お兄ちゃーん!」
「ぐはっ!」
ここ最近ロビンが積極的だとリクは思った。
最初は兄妹感覚だと思っていたが先日は頬にキスまでされたのでわかってしまった。
リクは鈍感ではない。ロビンが自分に恋愛感情を持っていると気づいた。
ロビンは嫌いではない。将来はきっと美人になるだろう。
だが自分より小さいロビンに邪な考えを持たないようにはしたかったが、最近のロビンのわざとらしいハニートラップに動揺を隠せずにはいられなかった。
そんなことを思い出して溜息をついたリクに
「おい!島が見えたぞ!」
ニードルの一言で現実に戻されるリク。
そして港に寄港して船から降りるとリクは気づいた。
街の人間の感情が負に寄っていると
「なにかあったのか?」
ニードルがそんなことを呟いた。
彼も気づいたらしい。
船の見張りにニードルを残してロビンと二人で街を散策する。
「みんな元気がないね……」
ロビンの言う通り皆の顔には活気がなくどこか絶望しているようだった。
と港にある別の船にいた奴らが何かを話していたので声をかけてみると
「あ?なんだ?」
「おい。なんでここの皆元気がないんだ?」
「そりゃあ最近、人魚や魚人の人身売買が盛んだからな。人攫いの手によって多くの人魚たちが奴隷にされる。おかげで皆恐怖してるんだとさ。全く胸クソ悪い話だよ。俺たち海賊よりたちが悪いぜ」
「成程……それでか」
「おまえらもあんま関わんなよ。目つけられたらただじゃ済まねえからな」
「ありがとよ」
礼を言って海賊たちと別れるリクとロビン。
リクは奴隷の話を聞いて苛立っていた。
自由を奪うという人の道を外れた行為に彼が我慢できるはずがなかった。
「お兄ちゃん……」
「……大丈夫だよ」
とその時歓楽街から悲鳴があがった。
それを聞いたリクは
「……ロビン。存在を消すからおまえは早く船に戻るんだ。必ず帰ってくるから」
「……わかった」
そういって現場に向かうリク
だがそこでリクが見たのは
「ウソだろ!?なんでアイツが魚人たちの味方を!?」
「助けてくれえええ!もう魚人も人魚も攫わねえから!!」
人攫いたちが必死に命乞いをしている光景だった。
そこにいたのはロジャーやレイリーに聞かされた伝説の海賊
「白ひげ……」
彼の大海賊白ひげが人攫いたちから魚人や人魚達を守っていたのだ。
リクは知らないが白ひげは若き日の魚人島の王ネプチューンと友情の酒を酌み交わしたのだ。
そして人攫いたちは白ひげの逆鱗に触れてしまったのだ。
一方白ひげたちは
人攫いたちを次々と倒していったが、何名か取り逃がした奴らを機動力の高いマルコに追わせようとした時
突如逃げ出そうとした人攫いたちが血を噴き出して倒れたのだ。
胸には斬られた傷があった。
これに白ひげは
「誰だ……?」
「相当な速さの持ち主だよい」
「いや……覇気でも捉えられねえ……というより認識できねえ……いったい誰だ?」
次々と何者かによって倒されていく人攫いたち。
そして人攫いたちが残りわずかになりそうな時に白ひげが覇気で威圧すると
幻が晴れたように少年……リクが現れた。
「あらら……見つかっちゃった」
白ひげが魚人島を縄張りにしたのは二十年以上前だというので二十二年前にしました!
リクは七武海になるべきなのか
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