時は少し前、リクがテゾーロたちを救けて船に乗り込んだ後
「ありがとう!この恩は忘れねえ!」
「ありがとうございます!ありがとうございます!」
ようやく落ち着いたのか自分たちを救けてくれたリクに必死に礼を言うテゾーロとステラ。
しかし自分たちが指名手配になったことと現段階では禄に航海もできないことからしばらくリクの船にお世話になることになった。
海軍は血眼になってテゾーロやリクたちを探したが、クザンがリクの存在を隠したことやリクの気配遮断によって見つからないことに半分諦めかけていた。
しかしそれは思いもよらないところで破られた。
・・・・
テゾーロたちが指名手配になってから3年、リクたちもオルビアを探すもなかなか見つからなかった。
そして海軍支部を調査するためにある島に停泊するリク。
テゾーロとステラと船番のニードルを船に残して、ロビンと一緒に島を散策することにしたリク
久しぶりにロビンの我儘を聞いてやることにしたリクは調査を後回しにして街に出向いた。
なぜだか海軍が多いのに警戒したロビンだったが
「俺の正体は誰にもばれないよ」
と大丈夫だと言い聞かせる。
花屋や化粧品や呉服店など回り、ロビンが満足していた時なにやら騒がしいのが聞こえてきて見に行くと
「ウィーハッハ!そんなもんかあ!?」
チャンピオンベルトを腰にまいた10代前半らしい顔つきだが年齢とは正反対の巨漢が海賊らしき者たちを打ちのめしている光景だった。
「すみません。なんですか?あれ」
「ああ、奴はこの町きっての暴れん坊だ。無法者に挑んではボッコボコにして勝っちまうこの町のチャンピオンだよ。だが実力は確かでな。億越え相手にも余力を残して勝っちまう」
「ふ~ん……」
と興味がないのかその場から離れようとするリクだが
「おい!そこのおまえ!暴れたりねえんだ。俺と勝負しろ!」
チャンピオンがリクに向かって勝負を挑もうと声を張り上げた。
リクは溜息を吐きながらもステージに立つ。
周りの者たちは
「かわいそうに……あいつで犠牲者何人目だ?」
「生きて帰れるかどうか……」
とリクに対する同情の声だったがロビンは気にすることなくリクを見ていた。
「さあ!行くぜ!」
「……」
開始のゴングと同時にリクに向かってその剛腕が振り下ろされた。
周りの者たちは一瞬の出来事だったがリクが無事ではいられない……
と誰もが思ったが
「な……!?に……!?」
「……」
振り下ろさた剛腕をリクが片手で受け止めているのをみたチャンピオンは目を見開き、観客たちは信じられないようなものを見る目をしていた。唯一動揺してないのはロビンだけだった。
「確かにパワーはすごいが……それだけだ」
と次の瞬間、リクはその腕を蹴り飛ばすと
「痛テテテテテ!!!」
チャンピオンが悲鳴を上げている様にどよめきが起こったも一瞬、リクはバージェスの頭を掴んで地面に叩きつけた。
地面が割れるほどの衝撃を食らったバージェスをみた審判は
「そ!それまで!」
とリクの勝ちを宣言した。
そしてチャンピオンが負けたのを理解した観客たちは
「うおおおおおおおお!!!」
「なんだアイツ!!」
「すげえええええええ!!!」
「チャンピオンに……勝ちやがった!!」
これまでないほどにリクを称賛した。
そしてその拍手の中座間、倒れているチャンピオンは
(バカな……この俺が……手も足も出なかっただと……俺は……自分が最強だと疑っていなかった……だがなんだ!このザマは……!俺は井の中の蛙だったのか……!このままでいいのか!?いや!違うだろ!今、俺がすべきことは……!)
そして立ち上がるとリクに向かって
「なあ!アンタ!頼みがあるんだ!」
「うん?」
「俺は……自分が最強だと疑ってなかった……!でもアンタという上の存在を知った!だから頼みがあるんだ!俺を……アンタの弟子にしてくれ!」
土下座までしたチャンピオンを見たリクは
「なら一つ条件がある。俺の仲間になってくれないか?」
「……っああ!もちろんだ!」
そしてガッチリと握手をするリクとチャンピオンを見た観客たちは盛大な拍手を送ったその時、
空から観客たちを巻き込むほどのマグマの雨が降り注いだ。
そこにいた殆どの者が死を覚悟したがその雨はステージから放たれた斬撃によって全て相殺され観客席に落ちることはなかった。
勿論撃ったのはリクだ。
と次の瞬間、その場にいる海賊たちを捕まえようと海軍が流れ込んできた。
その中にいた一人が
「なんじゃあ……?今のは……どこの誰か知らんが……邪魔するんなら殺しちゃる……」
逃げ惑う一般人をを気にすることなく無差別に銃を撃ちまくる海軍をみたリクは認識を消して全て斬り捨てた。
誰も居ないはずなのに海兵が斬り捨てられていくのをみた海軍中将サカズキは見聞色を発動させてリクをようやく認識できた。
「なんじゃあ……!?おまえは……!そうか……さっきの攻撃を防いだのも……」
「……あの攻撃……どう見ても一般人を巻き込む規模の攻撃だったぞ……海兵が……関係ない人を殺していいのか!」
「海賊を捕らえるためじゃあ。正義の犠牲となるなら本望じゃろ!」
「……俺の嫌いな部類の人間だな……おまえ」
「邪魔すんなら……貴様も殺しちゃる!」
そしてマグマの右腕を振るってくるサカズキだがリクは明鏡止水で認識を消して攻撃を躱すと一瞬でサカズキに近づき縦から一刀両断しようとしたが
「ぬうううう……!認識を消す能力……そうか……!貴様が例の件の……!クザンめ……!やはり……!」
サカズキは武装硬化した左腕で辛くも防いだ。
そして再び右腕を振るおうとしたので後ろに退くリク。
左腕を押さえながらリクを睨むサカズキ。
一方残った海兵と海賊との乱闘が始まっていたが
「
武装色を纏わせた腕で海兵たちを拘束して関節技を決めるロビン。それを見たのか
「ヌゥン!」
「ふっ!」
海軍少将オニグモが六本の剣でロビンに斬りかかったが
「
腕に生やした六本の覇気を纏った腕で剣を受け止めると
「
オニグモの身体から連結した腕を生やしてベアーハッグを決めるとオニグモはダウンした。
・・・・
「オンドレぇ……!」
サカズキは全身傷だらけになりながらも眼前のリクを睨みつけていた。
「……先に仕掛けたのはそっちだぞ。文句は言うな」
「これで殺しちゃる!大噴火!」
大振りの攻撃を仕掛けようとしたサカズキを見たリクは抜刀の状態に切り替えて目を閉じて精神を集中させ、覇気でタイミングを見切ると
「覇道一文字!」
鞘から抜いた突きは巨大な風圧を生み出してマグマを吹き飛ばし、サカズキの右肩に風穴を開けた。
「あ……!く……!」
それでもなお、残った左腕で攻撃を仕掛けるサカズキ。
だが少しでも恐れを抱き、認識をずらされたサカズキの攻撃は当たることはなく
「鏡花水月・魔閃!」
上から振り下ろされた剣撃は左肩から一直線に大きな傷跡を作ると、サカズキに膝をつかせた。
「グゥゥゥゥゥ……!!」
倒れながらもリクを睨みつけるサカズキに対してリクは
「クザンだったっけ?あいつは助けたが……お前は別だ。死ね」
そして刀を振り下ろそうとしたリクだったが横からの気配を感じて一歩退くとその人物は大気に穴を作るとサカズキを連れてその中に入っていった。
リクは納得しないものの残った海兵から逃げることを優先させることにした。
チャンピオンも海兵たちを片付けていたがリクが来るのに気づくと
「ウィーハッハ!終わったのか!?」
「ああ、さっさと逃げるぞ」
「なんだよ!まだ暴れたりねえぞ?」
「いいから」
そして認識を消してその場から撤退するリク。
「そういや名前聞いてなかったな」
「俺はバージェス!ジーザス・バージェスだ!これからよろしく頼むぜ?船長」
「ああ」
と船に戻ってきたリク達をみたテゾーロたちは
「無事だったんだな!」
「あれ?そっちの人は?」
「新しい仲間だ。それよりさっさと撤収するぞ!」
こうして追っ手を躱したリクたち
だが翌日、運よく生き延びたサカズキの報告により遂にリクに写真付きで懸賞金がかけられた。
シルバー・D・リク
懸賞金1億5000万ベリー
ニコ・ロビン
懸賞金8000万ベリー
そして新たに仲間になったバージェスには5000万という懸賞金がかけられた。
ちなみにサカズキを助けたのはブルーノです。
リクは七武海になるべきなのか
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