ありふれた職業で世界最強~いつか竜に至る者~   作:【ユーマ】

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前回投稿した段階でお気に入り件数400を越えたと思ったら、この幕間投稿する時には500を越えていた件について。ホントに、ホントにありがとうございます。


幕間『落葉を断つ剣』

 時はカナタ達がヒュドラの討伐を終えた時に遡る。各々の思惑の下、迷宮を進んでいた光輝達だが、現在は一度ハイリヒ王国に戻っている。と言うのも、ヘルシャー帝国より勇者一行を一目見ようと使者が訪れるとの事。雫としては早くカナタ達の事に結論をつけたかった為、今回の件は不満以外なんでも無いのだが、王国を代表する勇者一行である以上、こうした外交面の協力を求められるのは仕方のないこと。一行を乗せた馬車が王国にたどり着き、光輝達が馬車を降りると、一人の少年がこちらへと駆け寄ってくる。そして辺りをキョロキョロと見渡し、やがて目に見えて落胆、次の瞬間には光輝を睨み付けた(10歳前後の少年の為、全然凄みは無いのだが)。

 

「おい、勇者! 香織はまだ見つからぬのか!?」

 

「残念ながら。しかし探索は順調に進んでおり、今回の探索で未踏破エリアである65階層を超えました。この調子なら迷宮全体を踏破するのもそう遠くない事です」

 

「そんな話はどうでも良い! 迷宮を踏破しても香織が死んでいては意味がないのだ! 判ったのなら一刻も早く香織を見つけてこい!」

 

 この少年の名はランデル・S・B・ハイリヒ、このハイリヒ王国の王子である。そしてランデルは香織に絶賛一目惚れの最中だった、事ある毎に本人なりの猛アプローチを掛けてはいたが、香織からしたら年下の子供、もしくは弟になつかれてる程度の認識しかない。

 

「全く窮地に陥った仲間一人救えぬとは救国の勇者が聞いて呆れる。そもそも――」

 

「お言葉ですが殿下、私達は王国側からの要請を受けて戻った次第です。早々に香織を救出せよと言うのであれば迷宮の探索に戻らせてもらえないでしょうか?」

 

「ひっ……」

 

 雫が彼の言葉を遮りながら歩み出るとランデルは短く悲鳴を挙げて、ハイリヒ王国の王女にして姉であるリリアーナ・S・B・ハイリヒの後ろに隠れてしまった。と言うのも、件の死亡報告は勿論ランデルの耳にも入っている。そしてそれを聞いたランデルは激昂し、彼らの元に乗り込み、光輝や雫達に罵倒を浴びせた。それぐらいであれば子供の癇癪と言う事で流す事も出来たのだが――

 

『聞けば、香織は無能二人に足を引っ張られて奈落に落ちたそうでは無いか! そもそもそんな奴まで勇者一行として取り扱う事自体間違いだったのだ。ならば無能だと判明した時点で国外追放、いやいっそ処分してしまえば良かったのだ! そうすれば香織もこんな事には――う、うわぁあああっ!?』

 

 処刑を通り越して処分。二人の事を人とすら扱わない様な発言に加えて、精神的に余裕が無かった事も合わさり、雫は本気の殺気と威圧をランデルにぶつけてしまった。以来、ランデルにとって雫の存在はトラウマとなっている。自業自得とは言え、完全に怯えているランデルにリリアーナは「先に戻っていなさい」と弟を下がらせると、彼らの方に向き直った。

 

「完全に怖がられてしまったわね。まぁ、無理も無いか……」

 

「いえ、あの件について雫様に非はありません。例え子供でも言って良いことと悪いことがあります。それよりも……」 

 

 そう言って、リリアーナは姿勢を正して微笑むと彼らを一望してから優雅なお辞儀と共に口を開く。

 

「お帰りなさいませ、皆様。無事のご帰還、心から嬉しく思いますわ」

 

 そんな彼女の笑顔に男子達(光輝を除く)は頬を染める。何せ相手は生粋のお姫様、容姿も振る舞いも麗しき姫として相応しい教育を受けているのだ。加えてプラチナブロンドに碧眼と言う特徴も合わさり、正に地球ではお目にかかれないようなレベルの美少女である。

 

「ありがとう、リリィ。君の笑顔で疲れも吹っ飛んだよ。俺も、また君に会えて嬉しいよ」

 

「えっ、そ、そうですか? え、えっと」

 

 そして光輝が爽やかな笑顔と共に返事をするとリリアーナは顔を赤くする。子供の頃から王女としての英才教育を受けた彼女は相手に下心があるかどうかを見定める目もある程度は身についている。だからこそ、このセリフを他の男子生徒が言おうモノならそれをすぐに見抜き、社交的に取り合う程度に留めるが、光輝の場合は本当に下心が感じ取れない。同年代のそうした人間と接するのは初めてな事もあり、たちまちオロオロし始める。

 

(まぁ、勇者と来ればお姫様は当然の組み合わせ……そりゃ下心もないでしょうね)

 

 下心とは何かを手に入れたい、綺麗な人とお近づきなりたいといった望みから生まれる。そして望むという事はそれが手に入らない可能性もある事を自覚しているからこそ抱くモノだ。自分は勇者、ならば姫と親密なのは当然の事。光輝はそう確信しているからこそ余計な下心も抱かない、抱く必要性を感じないのだ。彼の中では香織を救出して幼馴染2人に加えて、新たにリリアーナも傍に置きながら、魔人族と勇敢に戦い、人々から賞賛と羨望の眼差しを受ける未来を信じて疑ってない……。それが判ってしまい、雫は溜息を吐く。光輝と幼馴染をやっていた時も溜息を吐く事は多かったが、今ではもう、その溜息の意味は変わってしまっているのを雫もハッキリと感じていた。

 

 

 

 

 

 ※

 

 

 

 

 それから三日後、帝国の使者との謁見が行われたが結果は散々なものだった。その際に実力試しとして使者と光輝の一騎打ちが行われた訳だが、その使者の正体は帝国の現皇帝ガハルド・D・ヘルシャーが変装していたモノで、使者どころか皇帝直々に光輝を試しに来ていたのだ。とは言え、光輝は戦いに身を置くようになりまだ2ヶ月程度。ましてや、戦闘も魔物相手にしか戦ったことが無く、殺し無しの手合わせとは言え、実戦で人と剣を交えるのはこれが初めてだった。そんな光輝が、武力で皇帝の座まで上り詰めたガハルドに敵う筈も無く、良いように手玉に取られて終わっただけだった。

 

「ほぉ……朝錬か。精が出るじゃないか」

 

 雫は朝早くから剣の鍛錬を行っていると、後ろから声を掛けられた。雫が振り向くと、そこに居たのは今日には帝国に帰還するガハルドだった。

 

「ガハルド皇帝陛下、おはようございます」

 

「おう、おはようさん」

 

 雫が剣を鞘に収め、一礼するとガハルドはそれに軽く手を上げる形で応える。

 

「随分と変わった剣の振り方をするな。常に刃が太刀筋の方向に合わせて一切傾かない様に意識しているのか」

 

 剣とは基本、斬ると同時に打撃武器としての側面も持っている、だからこそ多少の切れ味は据え置きでも刀身を頑強にする事で振る際に刃が傾き上手く斬れなくても、叩くという側面でダメージを与えられる。

 

「叩く事は捨てて、斬ることだけに突出した振り方だ。加えて、刀身を傾けない様にする事で剣に不必要な負担を掛け折れない様にしている。ふむ……見た所、お前さんの剣術は、打撃力と刀身の強度を捨てて斬る事のみに特化した剣にあわせたものと言った所か、少なくても今使っている得物とは合ってねぇな」

 

 雫は内心、舌を巻く思いだった。この世界に刀は無い筈なのに、この短時間で自分の剣技の性質を見抜いて更には今の武器と合っていない事まで見透かされたのだから。

 

「でもまぁ、まだ迷いや雑念は見えるが覚悟が出来てる良い太刀筋をしている。少なくてもあの小僧よりは楽しめそうだ」

 

 ニヤリと笑みを浮かべるとガハルドは訓練場に常備されてる、訓練用の大剣を手に取る。

 

「陛下?」

 

「勇者が余りに期待ハズレだったもんでな。なぁに、ちょっとした朝の準備運動って奴だ」

 

 光輝を相手にした時同様に構えらしい構えも取らず、もう片方の手で上向きに手招きをして雫を挑発するガハルド。

 

「……判りました。僭越ながらお相手いたします」

 

 そう言って雫も構える。 まずは普通に一太刀。間合いを詰めて振り下ろす。が、それは簡単に受け止められる。

 

「やはりな。あの勇者の太刀筋は直前で腑抜けたが、お前は迷い無く振り抜いた」

 

 あの大剣を片手で振り回す程の豪腕だ、鍔迫り合いなど悪手もいいとこ。雫は縮地、そして無拍子を駆使しヒット&アウェイで攻撃を重ねる。が、その何れも簡単に捌かれる。

 

「が、経験不足なのはあの小僧と同じだな!」

 

「きゃあっ!」

 

 そして、直後の雫の剣を殆ど打ち返すように剣を振り抜き、雫を吹っ飛ばす。

 

(判ってはいたけど、やっぱり“これじゃ”手も足も出ないか……)

 

 元々、自分が今使ってる武器と本来のスタイルは合っていない、だからこそ今の得物に合った剣術も訓練してはいるが、まだ数ヶ月。ガハルドにしてみれば付け焼刃どころか素人も同然だろう。

 

(だったら――)

 

 雫は剣を鞘に戻す。その様子にガハルドは一瞬「もう降参か?」と口にしようとしてそれを止める。鞘に収められた剣。けれど雫はまだその柄から手を離していない。

 

「スゥ、ハァ……ふっ!!」

 

「むっ!?」

 

 その時の雫の動作は単純。縮地で間合いを詰め、居合いを放っただけ。けれど、今まで雫の剣をその場から動く事も無く簡単に受け流してたガハルドが一歩だけ後ずさる。

 

(今の剣は……)

 

 八重樫流剣術《壱ノ太刀・紅葉斬り(もみじぎり)》。八重樫流剣術の基礎にして、肝となっている剣技であるそれの内容は、なんてことの無いただの居合い斬り。けれど、これは居合い斬りを以ってある事を成し遂げる事で初めて技として認められる。それは舞い落ちる木の葉を斬る事、葉っぱを斬る程度、とても簡単と思えるかもしれない。実際、刀の切れ味なら葉っぱなんて簡単に斬れるだろう。だが、これが“舞い落ちる”葉っぱとなれば話は変わってくる。

 

 例えば車で走っているとき目の前にチョウチョ等の虫が迫ってきた事があるだろう。けれど、それらの虫が車のフロントガラスにぶつかり、その死骸が張り付くことは無く、上の方に流れていくのが殆どだろう。これは車が走行する事で起こっている風圧に吹き飛ばされているからだ。そして、それは刀を振る時も同じ。生半可な剣速では振るった剣が起こした風圧に煽られ、葉はひらりと刀を避けてしまう。風圧の影響を受ける間も与えない程の剣速と鋭さを持った居合い斬り、これが紅葉斬りの正体。そしてガハルドはあまりの剣速に受ける事は出来てもその衝撃を完全には流せず、一歩後ろに下がってしまったと言う事だ。

 

「……なるほど。面白い剣を使う」

 

「いえ、陛下の言うとおり得物が合ってない事、そしてトータスで得た能力を完全に自分の剣技に落とし込めてない事もあり、まだ未熟も良い所です」

 

 縮地や無拍子、大きく伸びたステータスのお陰で雫の剣速は以前よりも速くなった。けれど、地球の剣術がトータスで得た技能と合ってる筈も無く、二つの融和がまだ完全ではない。本来ならもっと速くなる筈だと雫は確信している。

 

「皇帝陛下? それに……雫!? 一体何をっ!?」

 

 その時、剣戟の音が聞えたのか、訓練場にやってきたのは光輝だった。二人の手合わせの様子に驚愕の表情を浮かべている。

 

「ちっ、折角盛り上がりそうだって所だったのにな……」

 

 ガハルドは思わぬ邪魔が入った事に不機嫌な様子を隠す事も無く舌打ちすると初めて剣をまともに構えた。

 

「しゃあねぇ、次で仕舞いとするとか。あんた、名は?」

 

「八重樫雫です」

 

「そっか、ならシズク。いまお前さんが放てる全力の剣を放ってみろ、それで最後だ」

 

 彼女の名前を聞き、そしていきなり下の名前で呼び捨てにした事に光輝の表情が目に見えて不機嫌となる。けれど、雫はそれを気にする事無く、いや、気にする余裕も無く再び居合いの構えを取る。

 

「判りました……いまの私に出来る全力で行きます」

 

「おう、ドンとこい!」

 

 そして数秒ほど無言の時間が過ぎ……雫は動いた。放たれた居合いからの斬り抜け、すぐさま二人は相手のほうに向き直る。そして、雫の重心が微かに左にずれると、次の瞬間彼女は右に回り込み、二太刀目を放つ。

 

(フェイントかっ!)

 

 重心の移動、初動、そして視線の動き。雫はそれらでガハルドの意識を誘導、フェイントを織り込みつつ、様々な方向から紅葉斬りに匹敵する速度の斬り抜けを次々と放つ。まるで木葉を刻むような斬撃の嵐、これこそ八重樫流剣術の奥義の一つ《四乃太刀・刻葉(こくよう)》。そこに縮地と無拍子によるスピードが加わり、まるでゲームや漫画に出てくる様な連撃が実現していた。

 

「……これでも頬を僅かに掠る程度ですか」

 

 やがて最後の一撃を放ち、再びガハルドの正面に戻った雫は右頬から血が一筋流れる程度でそれを除けば完全に無傷な彼の姿を見て、目を伏せながら剣を鞘に納める。

 

「いや、戦いを始めてまだ数ヶ月程度でこの俺に傷を付けたんだ。それは誇っても良いことだぜ。これからが楽しみだ」

 

「ありがとうございます」

 

 親指でビッと血を拭い、ガハルドは訓練用の剣を床に放り、彼女に近づく。

 

「しかし、途中から剣の構えが違ってたがありゃなんだ?」

 

「居合いの事でしょうか? これは私の住んでた世界に存在する剣術の一種ですが」

 

「ふむ。雫の世界の剣術か……」

 

 ガハルドは顎に手をあてながら何かを考えている。その様子を雫とそして戦闘が終わると同時に彼女の横に立った光輝が見ていると「おお、そうだ」とガハルドは何かを思い出した様に少し目を大きく見開く。

 

「帝国領内の遺跡を調査した時に、丁度その居合いに似た剣術について記された書物が見つかったんだ」

 

 完全実力主義の国である帝国で皇帝をやるにはどうしても武を伸ばす事には貪欲でなければならない。必然、ガハルドは様々な地方の武術や過去の遺跡等から見つかる過去の武術に関する資料も集めている。

 

「それは本当なのですか!?」

 

 彼の言葉に雫と光輝は驚くしかなかった。何せ刀が存在しないトータスに何故か、刀を使った剣術と似た様な技術が存在していたのだから。

 

「ああ見た所、亜人の剣士が使っていたものらしい。とはいえ、俺の戦い方にはどうやっても取り込めそうになかったから、今は本棚で埃被ってるだけの状態だが……興味があるか?」

 

「ええ、まぁ」

 

 剣術自体は特に好きと言う訳ではない。けれど、刀が存在しないトータスに存在する刀を使った剣術に通ずる技術。仮にも剣を学んでいる以上、自然と興味は沸いて来る。その返事にガハルドがニヤリと笑みを浮かべる

 

「なら俺の愛人になれシズク。そうすればその本を譲ってやろう」

 

「なっ!?」

 

「……」

 

 ガハルドからの交換条件に光輝は驚愕と怒りを露にし、雫は無言で彼を見つめる。やがて光輝が雫を庇う様に二人の間に入った。

 

「ガハルド皇帝陛下。それは些か冗談が過ぎると思います」

 

「ああ? 俺は至って本気だぜ。戦いに身を置いて数ヶ月程度でコレだけ出来るんだ。帝国の皇帝にして最強の武人である俺の愛人に相応しいってもんだ。そもそもなんで小僧が口を挟む?」

 

「雫は俺の大切な仲間で幼馴染です、口を挟むのは当然の事かと」

 

 光輝の言葉を聞き、ガハルドはちらりと雫に視線を向ける。彼女の様子は驚くほど淡白だ。うろたえる様子も、絵に書いたようなイケメンが自分を庇ってくれる事に喜ぶ様子も無く、むしろ若干冷めた様子で彼を見ている。

 

(はっ、周りの人間との関係すら自分の思い通りじゃねぇと気がすまねぇタイプ……いや、自分の思い通りだと信じて疑わねぇタイプか……)

 

 ガハルドの中で光輝は理想と絶対的な正義を妄信している奴だと認識していた。そしてその評価に新たに現実と夢物語の世界と同一視し、自分こそが世界の主人公だと無意識下で思っている、と言うのも追加された。主人公だからこそ自分の言動は間違えないし、周りの人達の言動や気持ちは、主人公にとって都合の良いモノ、つまりは自身の思い通りのモノとなる、そう確信している。

 

(戦争が本格化すればイヤでも現実を知るだろうと思ってたが、こりゃ望み薄か……やれやれ、一体どんな環境で生きてりゃ、こんな育ち方をするのやら……)

 

「光輝、もういいわ」

 

「雫? だけど……」

 

「いいから」

 

 そう言って、雫はガハルド前に歩みでて、その視線を真直ぐに受け止める。

 

「陛下、折角のお誘いですがその事については謹んでお断りさせていただきます」

 

 そう言って、雫が頭を下げると光輝はあからさまに安堵の表情を見せていた。

 

「本はいいのか?」

 

「たとえ、どんな利益があっても自分の気持にだけは嘘をつきたくないので」

 

 その言葉に光輝は当然だなと言わんばかりに頷いている。その様子にガハルドは内心更に呆れた様な溜息を吐きながら「そうか……」と呟き――

 

「まぁ、焦らんさ。まだ時間はある。本の事だが原本はやれんが写本を作らせて、後日部下に届けさせる」

 

「陛下? ですが愛人の件は――」

 

「それとは関係ねぇよ……いや、あるか。それを読んで今よりもっと俺に相応しい女になれってのと、後は単なる好感度稼ぎだ。じゃあな、精々死なないでくれよ。神の使徒様」

 

 そう言い残し、ガハルドは豪快な笑い声と共に訓練場から立ち去っていった。

 

「雫」

 

「何時もの朝錬のつもりがとんだハードなものになっちゃったわ。私、朝食の前に汗流してくるわね」

 

 光輝は雫に何かを言おうと話しかけるが、それを遮り、雫は髪を結っていた細いリボンを解きながら、その場から去っていった。

 

(自分の気持ち、か……)

 

 そしてその場に残された光輝が思うのは先ほどの雫の言葉。つまりは他に思いを寄せている誰かが居てその気持は何があっても裏切れないと言う事だろう。それが誰か、光輝にとっては考えるまでも無かった。

 

(早く香織を助け出さなくちゃな。この話はちゃんと3人でキチンと話し合って結論を出すべきだ)

 

 そう思い、光輝も「よしっ!」と自分に気合を入れなおし、訓練場を後にしたのだった……。 

 

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