男はある建物の前にいた。そこはIS学園。しかし、ISは女性にしか使えないため必然と女子校となっていたのだが、あるニュースが世界に配信された。世界で唯一ISを使える男が現れた。その男の名は、織斑一夏。しかし、今此処に三人目の男が学園の門を潜る。
一方、世界で初めてISを動かした一夏は自分の姉であり、担任である織斑千冬の授業を受け終えていた。授業内容は、二組とのISの実戦訓練。そして今はIS訓練機の片づけをしていた
「ふぅ、これで終わりですか?山田先生?」
「はい、お疲れ様です。織斑君」
俺に労いの言葉を言っているのは、一組の副担任の山田先生。いつもあわただしく子供っぽい先生だが今回の訓練で国家代表候補生を二人同時に倒してしまう実力を持つ人。戦闘のときのように普段もしっかりしてればイイのに、神様もひどいよな~。
「織斑君?どうしましたか?」
「いいえ!何にも!」
いかなかったぁ。山田先生が心配して顔を覗き込んで来て、その際に豊満な胸が揺れるわけで。
「お、織斑君!お、男の子だから仕方ないかもしれませんけど。あまり見ないでほしいんですけど」
「あ!その~。す、すみません」
そして、気まずい空気と沈黙が漂う。まずい、話題を変えなければ!
「そう言えば、朝にほかの組にも転入生がいるって話があってんですけど、先生は何か知りませんか?」
「あ、はい。確かに四組に転入生が来るということなんですけど---」
「ですけど?」
「まだ来てないんですよ。連絡もなくて」
不安そうな顔をしながらいう山田先生。確かに心配だな。
「でも、織斑先生は『あいつのことだから心配しても無駄だ』なんて言っているんですよ」
千冬姉がそんなことを。それに『あいつ』って一体?
「山田先生」
「あ、織斑先生。どうしたんですか?」
なんてことを考えていたら千冬姉が現れた。いつの間にいたんだ。
「例の転入生が来たんでな、私がそいつの世話をしなければならないんだ。だから、午後の授業は私の代わりに頼みたいんだが」
「あ、やっと来たんですか!いやー心配してたんですよ」
「千冬姉転入生ってい---」
雷の如く、鋭く破壊力抜群の拳が俺の頭に落ちてきた。
「織斑先生だ、バカ者」
清々しいぐらいの叩き方ですけど千冬姉、今何万もの脳細胞が死んだぞ。少しは加減をしてほしいぜ。
「何やっているんですか、千冬さん」
ふと千冬姉の後ろから男の声が聞こえた。え、男?
「お、織斑先生。後ろにいる男の子は一体?」
「こいつが、転入生だ」
「「えっ」」
「はい、そうです」
まさか、転校生が男だなんて!?で、でも少しでも男が増えれば、気分的に楽になるな。そう言った男は黒髪が目を隠すぐらいの長さで、身長は俺よりも少し低いぐらいで華奢な体つきをしている。そして、なんだか懐かしい感じがする。
「久しぶりだな、一夏。相変わらずだな」
「え、何で俺の名前を?」
「何だ、忘れたのか?薄情な奴だな」
なんか呆れられているみたいだけど、って千冬姉もため息つかないでくれよ。
「あの、どなた様ですか?」
「仕方ないな。おい、答えてやれ」
「はいはい、わかりましたよ。千冬さん」
おい!そんなことを言ったら千冬姉の鉄拳制裁が---、って言ってるそばから!!
あたると思った瞬間、男はぎりぎりのところで躱した。
「おっかないですよ。千冬さん?いや、織斑先生って言った方がいいですか?」
「初めからそう言え」
バカ者、と小言を言う。
「お前今何やったんで」
「え、普通に避けただけだけど」
何サラッと言っているんだよ!あの千冬姉の出席薄を避けるなんて、
「人間技じゃない」
「・・・それは遠まわしに人間じゃないって言ってるよな」
あれ?なんかorzになっているんだけど。
「織斑、こいつは打たれ弱いんだ。あまり気にするな」
「わ、わかりました」
「えぇ!!いいんですか?!」
山田先生がおろおろしながら言う。そんなことよりも
「すまないが名前まだ聞いていないんだが」
「落ち込んでる人に慰めの言葉も言わないとは、貴様は鬼か!!…ああ、鬼の弟か」
今度は鳩尾にえぐり込むように当たり、地面に転がる。
「鬼とは誰のことだ?ぜひ教えてほしいものだな」
「すみません!だから、今振り上げている出席薄を下げてください!俺まだ死にたくない!!」
必死になるよな。俺だって死ぬんじゃないかって思うことあるからな。
「じゃあ、さっさと自己紹介しますか」
頭を掻きながら男がこちらを向く。
「本日からここでお世話になる黒翼《くろよく》 斑鳩《いかる》だ。よろしく!」