第--話:全てを殺して
「……っ」
軽く息を吐きながら
『ふ、
こいつがいる限り。
こいつに取り憑かれてから、何人殺しただろうか。少なくとも、5人……
『くく、小僧、腕が止まっているが?そら、来たぞ』
「……あぁ」
呼び掛けに短く答え、
『……フフ、いい気味だ、そうだろう、我が神殺しよ……』
こいつは、いつも訳の分からないことを言っていた。『人間は等しく脆い。人間を辞め、神となれ、お前にはそれができる』と、『全く下らん、人間は愛憎に狂う愚かな生き物だ。小僧、全てを切り捨てろ、孤高であれ、かつての仲間にも容赦はいらん』と。
『一夏……アイツの言うことになんて従わなくていい!だから……元に戻ってよ……一夏……』
そう泣くシャルの腹を、謝罪しながら貫いた。
『一夏……!何で……アイツに操られてるっていうの!?優しかったあんたはどこに行ったのよ……!あんたに会うために頑張った私はなんだったのよ……』
そう怒る鈴を、労いながら切った。
『……何も言うことはない……殺せ』
そう言った箒に、感謝を述べながら殺した。
『嫁……いや、一夏……お前が私を守ると言ってくれた時、嬉しかった……お前に殺されるならいいかもしれないな……愛してる、一夏』
そう笑うラウラを、頭を撫でながら殺した。
『小僧、よく殺った。これで、新たな宇宙が生まれる……まぁ、お前に選択権なんか無いわけだがな』
そう笑ったコイツヲ殺シタイ……だけど、無理だ……俺にはどうしようもなかった……
『フフ、小僧、今までの戦績か?』
「……」
もし、俺があの時、コイツと契約しなければ……
『……下らん、過去の記憶に意味はない。開拓を続けろ、小僧。愛も、悲しみも、何も要らん……さぁ、この世界の神……
「……あぁ」
……やり直したい……ラウラ……箒……鈴……セシリア……シャル……皆に会いたい……
『小僧、行くぞ、
あぁ、始まるのか……
真・女神転生IV FINALは個人的に面白かったです。今は皆殺しルートに向けて頑張っています。後、フリガナがあるならそっちで読んでください。それから、ノイズ音とありますが、読めないと言うことを表しています。これは、某四文字様がゲーム中確か一度も名前が呼ばれず、ノイズになっていたから、参考にしました。