機械仕掛けの半神   作:覇王樹

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 夜深く、木の扉をノックする音に反応して扉を開けた。

 

「こんな深夜に来いってどうしたんだい?」

 

「少し話があってな。これからする話はくれぐれも秘密な」

 

コクリとフィンは頷き、ロキの向かえにある椅子に座った。

 

「今日なシロのステイタスを更新したんだわ」

 

「ランクアップした話なら聞いたよ。なんでもミノタウロスの変異種にベートとアイズと三人で挑んだらしいね」

 

苦笑いを浮かべるフィン。

 

「ああ。ランクアップについてやけどな、基本の条件として基礎アビリティがのどれかがDに届いてることやろ?あいつIからいきなりランクアップしとる。それとな見たことない発展アビリティが出てきとる」

 

「なんていうアビリティかな?」

 

「神性や」

 

「神性?」

 

フィンもそのアビリティを知らずに首を傾げる。しかし神性とは神としての性質であるからどういうものかは想像がつく。

 

「ロキ。人が神になり得ること神に近づくことってあると思うかい?」

 

「分からん。こればかりはウチは分からん。未知や」

 

「取り敢えずこのアビリティはシロにも伝えないし絶対に僕達以外の誰かに知られないようにしよう。闇派閥とかもあるなかこれが漏出するとシロがどうなるか、、」

 

ロキは頷く。そしてステイタスの書かれた羊皮紙を蝋燭の火で燃やした。

 

「うん。そうするのが一番だろう」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 重い瞼を開いてシロは眼を覚ました。自分の両隣のベッドにはベートとアイズがまだ眠っていた。ここは医務室だろう。特別痛むことない身体を起こしてヒヤリと冷たい地面に足をつけた。

 

「もう目覚めたのか」

 

すると医務室の扉を開けたリヴェリアがシロを見つけた。

 

「うん」

 

「痛まないか?」

 

「うん」

 

「というかお前に聞いても仕方ないか。どれ、私が確認しよう」

 

そう言ってリヴェリアがシロの傷の様子を確認し始めた。

 

「ごめんなさい、、、」

 

「?」

 

「リヴェリアの言いつけ守れなかったから」

 

「ああ。でも仕方なかったんだろう?話は聞いたよ。落石のせいで逃げれなかったと」

 

 シロはコクリと頷く。なら謝る必要はないよというリヴェリア。

 

「それとランクアップおめでとう。冒険者になり始めて最初のダンジョン探索でランクアップするとは思わなかったよ。これから君には二つ名がつく。だからその前に名前を決めよう。今三つの候補が出ている。選ぶなら候補から決めていいし自分で考えてるならそれでもいい」

 

「候補は?」

 

「一つ目は今のままでシロ。二つ目はリン。これはティオナが出した案だ。理由はそれっぽいからだと。三つ目はコル。これはアイズとベートが考えた。意味は聞いても教えてくれなかった」

 

「最後のもう一回言って」

 

「コルだ」

 

「それがいい。僕、それがいい」

 

リヴェリアに目を合わせてそういうシロにリヴェリアは微笑みを浮かべて頭を撫でた。

 

「そうか。分かったよ。コル」

 

リヴェリアはコルのことを一度たりともシロとは呼ばなかった。初めて呼ぶのはやはり本当の名前で無くてはいけないと一度も仮の名は呼ばなかった。しかし今日、初めて彼をコルという本当の名で読んだのだ。コルは自然と頬が上がり気分が高まる感覚に包まれる。

 

「リヴェリア、、、これなんて言うの?」

 

「あったかくて頬があがっちゃう。それにちょっと恥ずかしいかもしれない。これなんて言うの?」

 

 リヴェリアはさらに微笑んでシロの頭を撫でる。

 

「それはな、嬉びっていうんだ。そういう時は嬉しいっていうんだよ。その感覚は大切にしなさい」

 

 そうしているうちに隣で目覚めていたアイズが目覚めた。

 

「ん。起きてたんだ。リヴェリアも」

 

アイズがリヴェリアに頭を撫でられているコルを見つめて顔を赤くして頬を膨らませた。

 

「リヴェリア、、ずるい!」

 

 そしてさらにベートも目覚める。目の前で戯れるコルとアイズとリヴェリア。自分だけ感じる疎外感。

 

「んのやろ!俺も混ぜろ!!」

 

 今日もロキファミリアは平和だ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 シロの正式な名前はコルとしてファミリアの全団体に報告され、コルによる新しい自己紹介がなされた。ギルドの冒険者登録もコルとして正式に登録された。そして今日、珍しく青い顔を浮かべるロキがいた。

 

「ロキ?なにかあるの?」

 

「コルー!あー。緊張が柔らかぐ。お前はかわええなぁ」

 

急に飛びつくロキ。コルは動かずに、抱きつくロキに微かに赤い顔を浮かべた。

 

「今からお前の二つ名を決めに行く、、いや!勝ち取りにいってくるで!!」

 

「??頑張って??」

 

「おう!じゃあ行ってくるで!」

 

それから数時間後。疲労感と達成感に包まれた顔をして帰ってきたロキからコルへと告げられた。

 

「お前の二つ名はな天聖だ」

 

天聖。自分も一度口に出してみる。

 

「気に入ったか?そりゃあええな。お前によく合ってるやろ。まえ(過去)にもこれから(未来)にもない異例のスピードでランクアップした天才」

 

シロは謙遜をする様に首を振った。

 そしてシロはベッドの上にうつ伏せに横になる。背の上にロキが乗って傷をつけた指を近づけた。

 

「神性、、E?」

 

 

 

 

 

 

 

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