アシュリー皆好きだろ?なのになんで、誰も書かない!
誰も書かないとこの下手くそが暴れまくるぞオラァ!!
「……おいおい、ここ本当に日本?ユニバでもない限り、現代日本にこんな家ないだろ」
事前に渡されていた住所と周辺の地図を見て、車でやってきた場所は、とてもじゃないが同じ日本だとは思えない。今日は雲ひとつない快晴だったはずなのに、この家の周辺だけがなぜか雲で覆われている。
木々も明らかにおかしい。絵本で見たわこの形。
まさにザ・ホラーハウスというべき家、というか土地だ。
ハウスで土地ってどういうこと?(自問自答)
「話を聞かされた時は半信半疑だったけど……これは本当みたいだな。生徒が魔女ってのは」
渡された資料の一部を改めて確認する。ご家族の方からいただいた生徒に関する簡単な情報だ。そこには今まで見たこともなかった表記がされていた。
『注 魔女です』
「最初見た時、リアル中二病wって笑ってたけど、双子の忍者請け負ってる時点でおかしくないよな」
というか、どうして俺はこうも変な家庭に飛ばされてしまうのだろう。いや、選んでる俺にも原因があるんだろうけど。
時給が高くて飛びついたんだけどね。
まさか通るなんて思わないよね。
あと実の娘さんの情報、魔女ですはどうかと思う。真顔で言ってくるから「あっ、これやべぇやつだ」と確信してしまった。他にも色々と聞かせてもらったけど、とりあえず楽な仕事ではない。
「はぁ、うだうだ考えてもしょうがない、時間だし行くか。とりあえずマ○レンジャーの話題でも振るか?あの子達は忍者系の戦隊で喜んでたし、違ったらハリー・○ッターにしよう」
頭を掻き毟り、よしと顔を叩いて気合いを入れ、重たい足を引きずるように歩き出す。安易に請け負ってしまった過去の自分に恨みつつも。
これは不気味すぎる。ホラーは別に苦手でもないが、得意というわけでもない。リアルホラーは一般人にはちときつい。
玄関に向かうまでにコウモリが急に羽ばたいていったりとか、もはや誰かが狙っているのではないのかと疑いたくなる。
おいやめろ、普通にびっくりするだろうが。
「すいませーん、本日から家庭教師を担当することになった多田野です。開けてもらえませんか?」
ドンドンとドアをノックしながら、声を上げる。
チャイム?ちゃんとあるよ。でも押さない。
お前ホラーハウスのチャイム鳴らそうとするか?俺は押さないね。
『はーい、ちょっと待ってくださいね』
ドアの向こうから返事が返ってきた。
しかし、なんか違和感を感じる。訛りが関西弁だ。
いや、俺は関西出身でもないし、別に関西出身でもないやつが関西弁を使っているのは普通のように思えてしまうが、話を聞いてきたこの子が関西弁を使うか?
人見知りで、基本相手を殺すとでも言いたげな目で睨みつけてくると言っていたが。
ご両親は標準語で喋ってたし。
というか実の娘さんの情報があまりにも酷すぎると思うのですが。
関西弁の魔女か。なんとなくだけど、人気でそうな気がする。
「いやー、本日はお越しいただいてありがとうございます。レッドと言いまして、まぁ使用人みたいなことをしとります。一応悪魔やっとります。どうぞよろしくおねがいしまーす」
【悲報】関西弁を使う悪魔に遭遇
おっと、つい2ちゃんのスレみたいな感想が出てきてしまった。いやこれ字面だけ見たらめちゃくちゃ面白いな。
関西弁を使う悪魔ってなんだ?(哲学)
「これはご丁寧にどうも。本日より家庭教師をさせていただきます、
少し驚いてしまったがこれくらいならまだ平気だ。頭を下げ、挨拶をする。何事も出たしが大事。
双子の忍者の面倒見てんだぜ?この程度では俺の心は揺らがんよ。
……だいぶ毒されてしまったようだ。しかしもう手遅れ。大人しく的になってます。いつか死ぬと思う。
ウェルカム非日常、さらば平和。
「……アシュリーのご両親から聞いた通りやな。俺の姿を見てもびびるどころか驚きもせえへん。なるほど、ただの教師とかわけが違うとはこのことやな」
「いや、そんな強キャラみたいなカッコいいものじゃないです。別にあなたの姿を見て驚く人は……まぁ、急に現れたらびっくりする程度ですが、少なくともびびる人はいないと思います」
「なんやと!?悪魔のこと舐めすぎやろワレ!?こんな見た目やけど、中身はおっそろしい、生粋の悪魔やぞこっちは!」
いやいや、不服そうだけどそんな見た目では舐められても仕方ない。現代っ子は女○転生やら○evil May ○ryやらで悪魔レベルのハードル上がってますので。
そんなメ○プルストーリーのレベル10程度でワンパンされるような見た目ではね。
魔法使いが物理で倒せるレベル。
あっ、でも一応小学生女子と暮らしてるわけだし。
見た目がっつり悪魔はその子はともかく(もはや取り戻せない感覚)ご両親が了承しないだろう。
証明完了。QED。
「てか自分、その喋り方素やないやろ。アシュリーの前でその喋り方はあかんで」
「そう言われましても、一応お仕事ですので」
「アシュリーのご両親からそこんところ教えてもらってへんの?」
「教えてもらったよクソッたれ。わかった、ありのままでやらせてもらう」
「ありのままでヤらせてもらやと!?お前、家庭教師の身分に甘んじてアシュリーにあーんなことやそーんなことまでするつもりか!?」
「お前、頭の中まで見た目通り真っ赤っかなのか」
「まぁ、そんなことしようもんならお前の方が真っ赤っかになるけどな」
「洒落にならねぇぞそれ」
家庭教師を向かわせた娘が強姦されかけた挙句殺人犯になりましたなんて救いがなさすぎるだろ。泣くぞご両親。
そもそも俺はロリコンではない。もしロリコンなら今頃双子の忍者のお父上に真っ赤っかにされてしまう。
いや、でも双子の一人が家に行くたびに「あっ!ちぇんちぇだー!」と嬉しそうに飛びついてくるんだよな。そして真っ正面には『今からお前を思いつく限りの拷問を試してから殺してやる』とでも言いたげな表情のお父上がいらっしゃる。それ見て俺はとりあえずお経を脳内再生する。
でもなぜか俺を雇い続けている。有難いけどなんで?
もしかしてお父上、N○R好き?(唐突な風評被害)
ちなみにもう一人の子は大人ぶろうとして、大概失敗する。そして泣きじゃくって、結局甘えてくる。
結論。どっちもかわいいです。
証明完了。QED。
「いや、こんな茶番してる場合じゃなかった。そのアシュリーって子は「馴れ馴れしく呼び捨てにすんなや!」お前が素でいろって言ったんだろうが。で、肝心の生徒は今どこで何してるんだ?」
「アシュリーなら今、書簡で魔術の本を読んどると思うで」
「うーん、パワーフレーズ」
書簡で魔術の本読んどる。さっきから字面だけ並べたら面白パラダイスだな。
そうでもない?
……そうでもないな。
「ならさっさと書簡に行って挨拶しないとな。案内してくれ」
「ええか!?一回目を合わせたら絶対そらしたらアカンで!?背を向けるなんて以ての外や!?お前死ぬで!?」
「お宅の娘さんは猛獣かなんかなの?」
「その辺の猛獣が可愛く思えてまうわ!魔王倒した実績あるしな!」
「まさかの大魔王!?おいそこまではさすがに聞いてないぞ!」
「そりゃ言うてないからな」
「悪徳商法のそれと同じ手口じゃねぇか!」
何意図的に隠してくれてんだオラァ!!ご両親まともそうに見えたけど結局魔女のご両親かオラァ!!
どの魔王倒したんだ!ミ○ドラースか!オル○・デミーラか!!
「いや、怯えることはない。魔女を一人相手するだけなんだ。大丈夫だ正義お前ならできる」
「なんやお前、自分で死亡フラグ建てていく派?」
なんて茶番をしながら、書簡まで案内してもらう。室内もやっぱりホラーハウス。電気じゃなくてロウソクの火で暮らしてる人初めてだわ。
「アシュリー。家庭教師の先生が来てくれはったで。挨拶しいや」
そう言ってドアを開けてもらう。その時生徒、アシュリーとの初対面だ。
書簡、というより図書館と言うべきくらいのたくさんの本が並べられており、地面にはなにやら怪しげな魔法陣や計算式が書かれた紙があちこちに散らばっている。
そこに、ぽつんと地面に座り本を読んでいる一人の少女。
黒髪のツインテール、服装は悪魔と同様、赤を基調としているドレス。胸の部分にはドクロのブローチをしている。
そして本からちらりとこちらを覗いたアシュリーは。
「……………」
「……なるほど、たしかに人を殺せる目だなこりゃ」
「魔王倒しとるしな」
「そういやそうだった」
とても少女がするべきではない、眉間にしわを寄せ、引き込まれそうな赤い目でこちらを睨みつけてきた。
……ハ○ー・ポッターもお預けだなこれは。
オラァ!!アシュリー一言も喋ってねぇ!!
次回なんとかするから許して!