サトシに本気を出させたら   作:通りすがりの魔術師

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急速なお気に入り増加に驚きを隠せない。どれくらい驚いたかというと久しぶりにアニポケ見たらピカチュウがボルテッカー忘れてた時くらい。
タクトのキャラが分からないので、丁寧な物言いさえ守ればいいかなと思ってる。ちなみに好きなポケモンはマニューラ ゲンガー ギラティナ マッギョ キリキザンとか。めちゃくちゃどうでもいいよねってことで本編


スズラン大会準決勝 ギラティナの戦い!

ギラティナ。

シンオウ地方に伝わるポケモンながら、シンオウ地方の人々でさえその名を知る者は少ない伝説のポケモン。昔は乱暴者として知られていたが、その気性の荒さを見かねた創造主が裏世界へと追いやったという文献が残っているが、真実は定かではない。

しかし、その存在は今、全てのポケモンファンへと知られることになった。ドラゴンゾンビのような禍々しい黒い羽根と灰色のムカデのような体躯に、紅い眼が目の前の敵を見据えている。

睨まれているラティオスもまたギラティナの中に秘められた力を感知したのか、敵意を剥き出しにし身構える。ギラティナから発せられるプレッシャーは会場の人間どころかテレビ越しに見ている人々にも伝わっており、タクトも一筋縄では倒せないことを悟る。

 

 

「驚きだな。僕もかなりの伝説のポケモンと会ってきたがこんなポケモンは初めて見た」

 

 

素直な賞賛を送ったタクトはけれど勝つのは自分だと言わんばかりに不敵な笑みを浮かべる。サトシはその勝負師の目に魂が揺さぶられる。頼もしい仲間と共にバトルで着てるだけでも嬉しいのに、戦っているトレーナーの強さに高揚感が高まり鼻の下を擦る。

 

 

「ラティオス!りゅうのはどうだ!」

 

 

先に動いたのはタクトで、ラティオスは先程のバトルの疲れを感じさせない動きでギラティナの視界から外れる位置に移動し、りゅうのはどうを放つ。しかし、サトシとギラティナは避けることも守ることもせずにその攻撃を受け止める。

 

 

「なに!?」

 

 

それに1番驚いたのはタクトであり、会場の人間達も同様であった。ドラゴンタイプを持つギラティナにとって、りゅうのはどうは効果抜群である。ギラティナのタイプを知っているのは彼と面識のあるサトシやヒカリ、タケシとその他研究者のみだが、伝説のポケモンの一撃となれば誰もが想像も絶する威力だと思うだろう。だが、りゅうのはどうをまともに受けたにも関わらず、ギラティナは主と同じく目を見開いているラティオスを見上げる。

 

 

「これでさっきの借りは返したぜラティオス!」

 

 

ラティアスのトドメを見逃してくれた礼として、わざわざ効果抜群であるりゅうのはどうを受けたと知ったタクトは絶句する。いくら温情をかけられたとはいえ、これは真剣勝負。普通なら技を躱して反撃にいくのがセオリーのはず。なのにそれをしなかったサトシとギラティナに対して疑問符のみが残る。

 

 

「ギラティナもありがとな。大丈夫か?」

 

 

モンスターボールからことの経緯を見ていたギラティナはサトシが自分に一切命令を出さなかったことからこうすることは予見できていたため咎めることも怒ることも無く、まだまだ平気であるのを伝えるべく咆哮する。

 

 

「よしっ!じゃあこっからは全力だ!」

 

 

再び咆哮し、その存在感と実力を見せつけたギラティナは僅かに身を引いたラティオスを見逃さない。直感的にラティオスよりギラティナの方が力が上のことを感じ取ったタクトはこちらも本気を出さざるを得ないと拳を握る。

 

 

「ラティオス!りゅうせいぐんだ!」

 

 

ラティアスへりゅうのはどうを確実に当てるための陽動に使った技を、今度はギラティナを確実に倒すために使用する。しかし、何故かその攻撃の先にギラティナはおらず、当たることなく地面に直撃し大きなクレーターをいくつも作るだけとなる。

 

 

『おーーっと!ギラティナが姿を消している!?一体どこに行ったというのでしょうか!』

 

 

驚く観客とタクトとラティオスにサトシは意趣返しと言わんばかりに不敵に笑ってみせると大きく腕を上げた。

 

 

「ギラティナ!シャドーダイブ!」

 

 

すると、ラティオスの真下からギラティナが飛び出しその巨躯な身体をぶつける。

 

 

「続けてシャドークロー!」

 

 

さらに畳み掛けるようにサトシは攻撃の指示を出す。まさに今大会で見せてきた攻めに次ぐ攻めの姿勢であり、ギラティナはそれに応えて羽にある紅いトゲを硬化させラティオスを切り付ける。ギラティナとかなり近距離にいたラティオスはシャドーダイブのダメージもあって避けることが出来ず、どちらもまともに受けてしまう。エスパータイプのラティオスにとってはゴーストタイプの攻撃を2回連続で喰らえば一溜りもなく、バトルフィールドの上に倒れる。

 

 

「ラティオス戦闘不能!」

 

 

審判からその言葉が出ると共に、観客からはどっと歓声が上がる。ついに無敗を誇っていたタクトのポケモンが1体倒されたのだ。しかもそれは僅差の戦いではなく一方的な蹂躙のようにあっという間であった。

 

 

「ゆけっ、ダークライ!」

 

 

しかし、タクトはこの程度では怯えないし挫けない。しんぴのまもりが消えた今、ダークホールは有効であり、眠りに落ちればナイトメアとあくのはどうのコンボでギラティナを倒すのは容易である。だが、そう簡単に悪夢に落ち倒れるのであれば彼は伝説のポケモンとして名を刻んでなどいない。

 

 

「ダークホール!」

 

 

「ギラティナ!シャドーダイブ!」

 

 

またしても攻撃を躱し、姿を消したギラティナ。タクトは注意深く観察し、ギラティナが出現しそうな場所を探す。ダークライもいつ出てきてもいいようにダークホールを放てるようにしている。

だが、それでもギラティナの方が1歩上でありまたしても真下から現れ、その身をダークライに叩きつける。あくタイプのダークライにシャドーダイブは効果はいまひとつであるがギラティナの巨体さから繰り出される一撃はタイプの相性を感じさせない。

続けてシャドークローのコンボを繰り出そうしたギラティナに、タクトは今だとダークライに力強く指示をだす。

 

 

「ダークホール!」

 

 

シャドーダイブの際にかなり近づいていたギラティナにダークホールを当てるのは難しくなく、真正面から浴びせる。攻撃の体勢から眠りに誘われ一転して脱力していくギラティナは自然と重くなる瞼を閉じる。

 

 

『ここで炸裂!ダークライのダークホールだぁー!!これは流石のギラティナも眠ってしまったぁ!!!』

 

 

「ギラティナ!!」

 

 

ぐうぐうと眠りに入ってしまったギラティナにサトシは彼の名を呼ぶが、ダークライの特性ナイトメアによって悪夢を見せられている彼は苦しそうな唸り声を上げる。

 

 

「ダークライ!あくのはどう!」

 

 

好機を逃さずタクトはプラン通りの攻撃を実行させ、眠って隙だらけのギラティナの身体に着弾する。

 

 

「ギラティナ!」

 

 

「ダークライ、ゆめくい!」

 

 

効果抜群の一撃をくらっても目を覚まさないギラティナにタクトはダークライの体力を回復しようと回復技であるゆめくいをつかう。これは眠っている相手にのみ有効な技で、ダークホールにナイトメアを持つダークライとは好相性な技である。ミュウツーのはどうだんやギラティナのシャドーダイブを受けてかなりダメージを受けていたダークライもかなり持ち直す。

ギラティナを眠らせ、ゆめくいで体力を回復し、あとはトドメをさすというところでギラティナが突然怒りを孕ませた咆哮をあげる。

 

 

「なんだ!?」

 

 

「ギラティナ!?」

 

 

ゆめくいはその時見ていた夢を養分として食べてしまう。そして、夢を食べられたモノは自動的に次の夢に移行するのだが、ダークライの特性によりそれは強制的に悪夢となる。だが、それが災いしギラティナにとっての悪夢に選ばれてしまったのはディアルガとパルキアがアラモスタウンで争ってしまった時のことであった。ギラティナの夢を見ることの出来ないサトシやタクトにはいきなりギラティナが叫んだようにしか見えないが、ポケモンであり人の言葉が話せるという変わったニャースのみがギラティナの咆哮に秘められたその事情を理解した。

 

 

『な、なんと、ギラティナ!眠りながらも身体を起こしました!』

 

 

そして、その悪夢はギラティナに恐怖ではなく怒りを与えてしまい、眠りながらもその身体を無理やり機能させることとなる。予想外の事態に狼狽えたタクトだったが、すぐに持ち直しダークライに早くトドメをさすように指示をだす。

 

 

「ギラティナ!右に避けるんだ!」

 

 

ダークライの放ったあくのはどうはギラティナに当たることはなかった。しかし、今度はどこかに消えてということはなく、サトシの指示通り右に避けていたのだ。

 

 

「なに!?」

 

 

悪夢に苛まれながらも自意識を保つギラティナは薄れる意識の中でサトシの声を聞きわける。それにサトシは手をにぎるとギラティナにもっとこの声を届けようと腹から声を出した。

 

 

「よし!近づいてドラゴンクローだ!」

 

 

「避けろダークライ!」

 

 

ギラティナの中ではダークライはディアルガとパルキアであり、サトシの指示がなくても攻撃することに変わりはない。しかし、彼がいなければ精細さをかいてあくタイプに効果いまひとつのゴーストタイプの技を使っていただろう。

細身でスピードの優るダークライはギラティナから距離を取る。そして、タクトの指示を待った。この敵は己の力だけではむりだと。悪夢を怒りに変えて自分に向かってきた敵など今までに1度もおらず、ダークライは自分の身が震えているのを感じている。しかし、彼にはタクトがいる。これまで共に戦ってきた絶対的信頼を寄せれるタクトが。

 

 

「ダークライ、そいつには直接攻撃しかない。距離を保ちつつ、あくのはどうだ!」

 

 

「左に避けろ!」

 

 

主人の命令通り距離を取ってあくのはどうを放つダークライ。しかし、またしてもそれは躱されてしまい、目線が合わぬというのにギラティナからはダークライへ向けての敵意が誰の目から見ても明白に現れている。

 

 

「ねぇ、なんでギラティナはあんなにダークライを敵視してるわけ?てか、なんで動けてるのよ」

 

 

「どうやらギラティナは夢の中で昔に自分を怒らせたポケモンに怒りを燃やしてるみたいにゃ」

 

 

「てことは、ダークライをそのポケモンと勘違いして怒ってるってことか?」

 

 

赤い髪の売り子が売り子にしては耳も髭も尻尾もある謎の売り子にそう尋ね、その答えに先程サトシに親近感を覚えていた青い髪の売り子が確認するように口を開く。猫のような売り子はそれに頷き、見ればダークライは逃げ惑うようにギラティナの攻撃を避けてはあくのはどうを放っているが、サトシの正確な指示により不発に終わっている。

だが着実にナイトメアの付随効果でギラティナの体力は減っており、さらにタクトは怒りの原因となっている夢を消そうとゆめくいを指示する。

 

 

「させるか!ギラティナ、シャドーダイブ!」

 

 

しかし、その前に姿を消したギラティナにゆめくいは当たらない。体力を回復したといえど、怒りに燃えるギラティナの攻撃を受けてしまえばダークライもどうなるか分からない。これまでのシャドーダイブで真下から現れているギラティナにダークライは自分の真下にあくのはどうを撃つ用意をする。タクトもそれを了承し、ギラティナが現れるのを待ったが一向に現れる気配はない。

 

 

「今だ!りゅうのはどう!」

 

 

ダークライとタクトが真下へと気を取られたその刹那、ギラティナはサトシの影から現れると大空へ舞い、感覚を研ぎ澄まして眠りながらもフィールド上にいるダークライへと強烈な一撃を放つ。咄嗟に反応したダークライはあくのはどうを放つも、二つの攻撃はお互いにぶつかることなくすれ違い、避けることも出来ずに2体の身体へと着弾する。

ダークライは音もなく地面に身を倒し、ギラティナは呻き声をあげながらサトシやピカチュウを踏まないような場所で前のめりに身体を伏した。

 

 

「ダークライ、ギラティナ共に戦闘不能!」

 

 

これまで蓄積されたダメージが仇となったダークライと、ナイトメアとあくのはどうで溜まったダメージによりギラティナはダウンする。それを咎める者などいるはずもなく、二匹の健闘ぶりに歓声が上がる。サトシとタクトは頑張ってくれたポケモンに「お疲れ様」とひと声かけながらモンスターボールで休ませる。

これで倒れたポケモンはサトシのラティアスがバトルフィールドに立っても何も出来ないことを考慮すれば2匹ずつ。お互いに残り4匹で、次のポケモンを選出する。

 

 

「ゆけ、レジギガス!」

 

 

「ミュウツー!君に決めた!」

 

 

タクトが出したのは先程のギラティナが小さく見えるほどの4メートル近い身長を持った巨人。長く太い腕、短い脚、胴と一体化した頭部など、いびつながらも力強さを感じさせる造形。 全身は白と黄色を基調としており、腕や脚、腰回りに文字と思しき黒い帯のような模様が見える。ホウエン地方に伝わるレジスチル、レジアイス、レジロックと同じように点字のような点でできた目を持った異質さを感じさせるポケモンであった。

対するサトシはダークライとの戦いで少しだけ姿を見せた無傷のミュウツーで、腕を組みながらレジギガスを見上げている。

果たしてこの2匹はどんなバトルを繰り広げるのか。シンオウリーグスズラン大会準決勝は続く。続くったら続く。

 

 

……To be continued




耐久力あるギラティナだから出来たバトルでしたね。伝説厨にサトシが一方的に勝つでもいいんですけど、それはそれでつまらないのでしっかりバトルさせます。まぁ、しつこいようですけどアルセウスなら6タテ余裕なんですけどね。

てことで次はレジギガス対ミュウツー。身長差ありすぎ!けど、ピカチュウだともっとある。あとがき何回か書き直してるけどいいのが書けん!(唐突な本音)
まぁ無駄話はこの辺にします。ではまた次回気が向けば。
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