ポケGOで無事レジギガスGETしたのでそれに合わせての投稿です。
レジギガスの圧倒的強さにあのミュウツーが倒れた。観客席でサトシを見つめるタケシとテレビの前で手に汗握りながら応援していたカスミはミュウツーの強さを知っていた故に、開いた口が塞がらない。ヒカリもスロースターターが解除されたレジギガスのスピードとパワーに驚くしかなく、その瞳をサトシへと移す。
ここまでのバトルはサトシはポケモンたちとポテンシャルを引き出し、信頼とサトシの経験にヒットアンドウェイよりもヒットあるのみのバトルスタイル。対してタクトは捕まえた伝説のポケモンを彼の育成理論に基づきバトルに適した肉体へと昇華させ連勝を重ねてきた。
内心、タクトもサトシが伝説のポケモンを使ってきたことに焦りを感じていたが、それもレジギガスがミュウツーを圧倒するサマを見て消えていた。スロースターターという弱点を持つレジギガスだが、その分破格の攻撃力で敵を倒し、逃げても身の丈に合わないスピードで逃さない。彼はそんなレジギガスを心底信用しており、スロースターターで短期決戦に向かないという点を除けば、実質なところエースと言っても差支えのないポケモンであった。
しかし、それもレジギガスを一撃で葬る。または、スロースターターの外れたレジギガスをも凌駕するパワーとスピードを持つポケモンがいれば話が変わってくるが。
「さて、サトシくん。次のポケモンは誰かな?」
自信を取り戻し勝気な笑みを浮かべるタクトにサトシはあるモンスターボールを見つめる。残っているのはピカチュウとルギア、それに手負いのラティアスにミュウツーが全てを託したポケモンの4体。ミュウツーのメッセージに従うならここで出すポケモンは決まっている。しかし、タクトに残りポケモンがいる状態で出すのは気が引けた。万が一ということがあれば、こちらの劣勢は続いてしまう。ならばとサトシは手をかけていたモンスターボールから離れ、いつも自分のそばに居る相棒を見た。
「……頼めるかピカチュウ」
「ピカ?……ピカッチュ!」
サトシの呼び掛けに応えたピカチュウはバトルフィールドへと立つ。
『な、な、なんと!?サトシ選手ここでまさかのピカチュウだ!あのレジギガスを相手にピカチュウです!!もう伝説のポケモンはいないのでしょうか!?』
ビックリ仰天といった様子の実況と同じく観客も驚きを浮かべたり、顔を顰めた。それは誰もがミュウツーを倒したレジギガスを普通のポケモンであるピカチュウには倒せないという確信があったからだ。
だが、観客の中にはサトシの采配を即座に否定せず意図を探る者もいた。
「まさかあいつ…」
シンジは腕を組みながらサトシの作戦を予測する。その予測はチャンピオンであるシロナも思い至っており、面白いと思いながらもその可能性と低さに眉を顰める。
「ふふっ、そんな小さなポケモンでは私のレジギガスは倒せませんよ……」
穏やかに嗤うタクトにサトシは真っ向から目を向け、ピカチュウに命令を下した。
「ピカチュウ!10万ボルト!」
雷の魔獣と呼ばれ、サトシとこれまで苦楽を共にしてきたピカチュウの10万ボルトがレジギガスへと放たれる。対してタクトはレジギガスに回避や防御の指示を出さない。直撃し、黒い煙が上がるも現れたレジギガスは当然のように五体満足であり、ピコピコと点字のような目を光らせる。
「効いてない!?」
「やはり能力の差が大きいのか…」
幾度となくピカチュウの10万ボルトがポケモンを葬っているのを見てきたヒカリはその一撃がレジギガスに対して全く効果がないことに声を上げ、タケシは冷静にピカチュウとレジギガスの差を指摘する。そもそも、大きさが違い、さらにはポケモンそのものが持っている能力の差があるのだ。たとえ同じレベルであったとしても、その能力は決して同じとは限らない。
「だが、サトシの作戦が上手く当たれば…」
小さく呟かれた期待の言葉はレジギガスの猛攻を避けつつ、10万ボルトを浴びせるピカチュウに向けられた。小さくすばしっこい利便性を活かしたバトルスタイルに流石のタクトもその顔には憤りが出てきた。10万ボルトのダメージは微々たるものでも、何度も食らっていればその弊害は出てくる。そこで慢心していたタクトは遅れてサトシの真意に気付いた。
「まずいレジギガス、早々に決めろ!」
タクトの声にレジギガスはピカチュウにしっかりと狙いをつける。踏み潰すのではラティアスが大量に残したクレーターの跡に邪魔される可能性がある。なのでレジギガスは先程のミュウツーと同じくにぎりつぶすによる確殺を行った。
「ピカチュウ!10万ボルト!!」
とうとうレジギガスに掴まれたピカチュウだが未だに勝利を諦めず稲光を出し続ける。それを抑えようとグググ…と力を込めるレジギガス。そしてついに彼の腕から稲光が見えなくなり、レジギガスが手を開く。
「ピカチュウ!!」
どさりと地面に落ちたピカチュウの目はグルグルと回っており、力尽きたことを如実に表していた。審判はピカチュウが倒れたと判断すると旗をあげる。レジギガスの2タテに観客が湧き、タクトに再び自信が灯る。しかし、それもほんの僅かな間だった。
『ん?なんだ!?』
先に気づいたのは実況で、観客も飲まれるように困惑の声を上げ始めたところでタクトはレジギガスをみた。するとどうだろう。
「どうしたレジギガス!?」
レジギガスが膝を着いていた。タクトにとって幸いだったのはそれは敗北ではなかったこと。だが、その後にレジギガスからバチッと静電気が走ったのを見て「まさか」とつぶやく。レジギガスのその向こう。今、自分と戦ってるトレーナーの顔を見た。ピカチュウを抱いて所定の位置に戻ったサトシは勝利を諦めた目ではなく、これからだという強い意志を感じさせるものであった。
タクトはゴクリと喉を鳴らし、自分の手に汗が滲んでいることに気づく。
「なんだこれは…」
自分から湧き上がるこの気持ちの正体が分からない。焦り?高揚?怒り?あるいは全てか?
「ちょっとちょっと、アレどうなってんのよ」
「アレはピカチュウの静電気だにゃ」
「静電気?」
場所は変わって観客席でジュースやお弁当を売りさばく3人組の会話へと移る。3人はピカチュウが出てきてからというもの足を止め魅入るようにして彼の活躍を見つめていた。
あれだけのサイズ差に怯えることなく果敢に挑むその勇姿。何度も何度も10万ボルトを叩き込む精神力、持久力。倒れてもなおその爪痕を残していった彼に3人は改めて"あのピカチュウは強い"と再認識した。
「ピカチュウに直接触ると麻痺状態になるんだよ」
「あぁ、だからレジギガスの動きが急に動かなくなったの」
「痺れて動けないんだにゃ」
「てかじゃあの10万ボルトは?」
「ダメージを与えるのが目的ってより麻痺を狙ったものだったんだろうな」
赤髪の女の質問に青髪の男が答えると、女は「ふーん」とサトシを見る。これまで彼が挑戦してきた大会には売り子として観客に紛れてきたものだが、傍目から見ても確実に成長しているのは分かっていたがここまではと感心させられる。
「ジャリボーイのポケモンは?」
「あと2匹にゃ」
ここからどうするのか。それはサトシにしか分からない。どう転ぶか分からなくなったシンオウリーグスズラン大会。戦いは続く。続くったら続く。
……To be continued
アルセウスかと思った残念ピカチュウでした!まさにマサラ人。
コメント頂いだ通りここでアルセウス出すとルギアとピカチュウ何すんの?って感じなんですよね。それにタクトが若しかするとアルセウスをも凌ぐポケモンを持ってる可能性が微レ存でもあるので、残しておきたい。ならば…!と、ピカチュウのお決まり技と特性を活かして厄介なレジギガスの動きを封じました。
こういう知能プレイも最強サトシくんならできる(なお確率)