5体目はタイトル通りデオキシスになったんよ。
タクトくんの手持ちホウエン、シンオウばっかになっちゃったけど、カントーとジョウトの有力伝説サトシが使ってるから仕方ないね。
それとエール団に入ったんよ。マリィちゃんかわよか。
では続きをどぞ。
ポケモンリーグ、シンオウスズラン大会は混乱を極めていた。大会初日、それは素晴らしい快晴で大会の成功を予感させるような希望に満ちた空であった。整ったバトルフィールドに、様々な思惑を浮かべるトレーナー達。審査員や大会実行委員、そしてチャンピオンのシロナはこれこそがポケモンリーグのあるべき姿であり、大会が進むにつれてバトルは苛烈さを極め、観るものを熱狂させる。
そういう意味では、今回の準決勝にはそれに合っているだろう。しかし、それはシロナや実行委員の想像を遥かに超えるものであった。
最初の誤算は幻のポケモンダークライだけでジムを制覇し、全てのバトルに勝利しているタクトの存在だった。大会実行委員は使用ポケモンに規定を設けていないため、これを容認。結果として、タクトの無双が始まり、最終的にダークライのみで彼が優勝するかに見えた。
そこで2つ目の誤算、マサラタウンのサトシである。彼はカントー地方からオレンジ諸島、ジョウト地方、ホウエン地方と様々な地方を旅し、それぞれの地方のポケモンリーグへと挑戦している。さらにはバトルフロンティアを制覇するなどの快挙も成し遂げており、大会本部やシロナは彼も優勝候補の1人であると考えていた。実際に準々決勝で見せたトバリシティのシンジとのバトルは世界中のトレーナーの心を揺さぶったものであろう。
しかし、そんなサトシもタクトという存在に危ぶまれることが予想されていた。だが、ここで彼もまさかの伝説ポケモンを使用したのである。
これには世界中のポケモン研究家が目を飛び出させ、片目で見るくらいだった中継を録画しだし、サトシやサトシの手持ちに入っているポケモンを知る者達は彼にコンタクトを取ろうと図ったり、さらにはスズラン島へのチケットを買い求めに走っていた。
コトブキシティのコトブキテレビはバトルの勝敗に関係なく、2人にインタビューを決行しようと様々な機材を用意して彼らのバトルが終わるのを今か今かと待っていたのだが。
「ダメです、これも使えません!」
「ウソ!?なんで!?」
激化するバトルで放たれた技の数々は彼らの機材に少なからず影響を与えており、先程ルギアの放ったエアロブラストの極わずかな衝撃波によってレックウザと同じく完全に沈黙した。
また、バトルの様子を捉えているカメラもレンズは傷つき、ザザ…と砂嵐が走るほどにダメージを受けていた。新しいカメラに取り替えるためにタクトが次のポケモンを出すまでの間に取り替えていると、彼は空へとモンスターボールを放り投げた。
現れたのはこれまた空を飛べるポケモン。しかし、そのデザインはレックウザやルギアと比べて異質であった。
赤と青のうねった触手のような腕に胸にある水色の水晶とまるでポケモンというよりは人に近い。宇宙人がいればこんな感じかと実況者は考える。
『え、えーっと、なんでしょうか、あのポケモンは.......えぇ、はいはい。あ、デオキシスというポケモンのようです!これまた見慣れないポケモンです!!』
実況者の困惑は観客も同様で、ルギアやレックウザのようなカッコ良さよりは不気味さ異質さの目立つデオキシスに瞬きを繰り返す。デオキシスの存在を認知しているサトシやタケシ、ロケット団やホウエン地方から見守っているハルカやマサトも自分の知っている個体ではないにしろ、どの個体も破格の強さを持っていたデオキシスが現れたことに少なからず驚きを浮かべていた。
「どうやら君はこのポケモンも知っているんだね」
「あぁ、何度か会ったことがある」
ポケモンレンジャーのヒナタと異変調査を手伝った時やバトルタワーで行われるバトルに出るために訪れたラルースシティ、さらにはシンオウ地方でもある無人島で傷ついている個体とも出会ったことがある。しかし、タクトのデオキシスそのどれとも合致していないように見える。あれだけ闘気に満ち溢れたデオキシスをサトシは知らない。けれども、会ったことがあるという事実だけで十分なタクトは「やはりね」と呟く。
「だったら、こいつの強さも知っているよね!」
瞬間、デオキシスの姿が変わる。
『な、なんだぁ!?』
わけもわからない実況者は素っ頓狂な声を上げ、その間にデオキシスは空気抵抗を限りなく少なくし、細身で身軽となった形態.......スピードフォルムに姿を変えるとルギアに迫る。一瞬、ルギアの前まで突進してきたデオキシスであったが、瞬時に方向を変えルギアの背後に回る。
「デオキシス、でんじほう!」
そして、さらに技を放つ瞬間にまた姿を変える。最初、高速形態と比べ刺々しく攻撃的な印象を受けるアタックフォルムへと変わり、その姿になることによってエネルギーを最大にまで高めたでんじほうがルギアへと着弾する。
「ルギア!!」
避ける間もなく背中にまともにでんじほうを受けたルギアは苦痛に顔を歪める。すぐさま後ろを振り返り、ハイドロポンプを放つがデオキシスは避ける素振りを取らず、またも姿を変える。
『今度は何だァーー!?』
実況者と観客はデオキシスの次なる姿へと注目を集める。刺々しい体は丸く厚みを持った見た目へと変わり、売って較べて地味な印象を受けるもデオキシスはルギアのハイドロポンプを平然と受け止める。その様に観客は大きく湧いた。
『す、すごい!デオキシス、ルギアのハイドロポンプをまるで虫に刺された程度のように!簡単に受け止めました!!』
瞬時に姿を変え、その都度適切な対処を行ってくるデオキシスとタクトのコンビネーションにサトシとルギアの額に汗が浮かぶ。接近や回避はスピードフォルムで、攻撃はアタックフォルムで、防御はディフェンスフォルムでとデオキシスのアイデンティティを存分に発揮する戦いにサトシは笑わずにはいられなかった。
「何がおかしいんだい?」
「だって、こんな強いポケモンと戦えるんだ...」
サトシの思いは同じくポケモントレーナーであるシンジやジュン、シロナにも伝播していた。ポケモントレーナーの真髄はポケモンを育てて戦わせ勝つこと。しかし、ただ勝つだけでは面白くない。強い相手と戦い、競い合い、均衡したバトルにおける接戦でも、大差のあるバトルでの逆転勝利もトレーナーにとっては楽しみの一つだ。そして、全てのフォルムを巧みに使いこなすデオキシスはまさにポケモントレーナーとしての技術が試される相手であり、サトシはその興奮を抑えらず、帽子のつばを前から後ろに向けた。
「燃えないわけにはいかないぜ!ルギア、サイコキネシス!」
サトシの指示通りルギアはサイコキネシスを使うが、デオキシスは姿を変えてルギアの視界から消える。
「ルギア、目で追うな!音を聴くんだ!」
デオキシスの行方を追おうとしたルギアだが、サトシの言葉に彼は耳に意識を集中する。目で追えば、視界を動かした一瞬で死角へとまわったデオキシスからの攻撃がやってくる。ならば、耳をすまし音だけでデオキシスを感じる。それがサトシの出したデオキシスのスピードフォルムへの対策であった。
「そこか!」
目を閉じたままルギアは誰もいない虚空へとハイドロポンプを放つ。傍から見ればルギアのミスにしか見えないが、しかしハイドロポンプの眼前でデオキシスが急ブレーキをかけた。
『す、凄い!ルギア、本当に音だけでデオキシスの移動方向を探し当てていたー!惜しくも当たらずでしたがこれはすごい!!』
ルギアの攻撃はデオキシスに当たらなかったが、それでも動きを止めることに成功する。睨み合ったデオキシスとルギアは共に動かず、主の指示を待つ。そして、タクトが「でんじほうだ!」と叫ぶとデオキシスはまたも高速で動き姿を消す。
『お、おおっと、なんだこれは!で、デオキシスが!ふ、複数!?』
更には超高速で動くことによってかげぶんしんを使わずに自らの分身を生み出す。パッと見では見分けのつかない程にその分身は完成されており、全てのデオキシスがでんじほうのチャージに移行する。
「まさかスピードフォルムのままで打つのか」
「させるか!ルギア、ふきとばせ!」
タケシのつぶやきにまるで答えるように呼んだサトシ。ルギアは大きな羽を動かし、分身したデオキシスへと向ける。スピードフォルムになり身軽になったデオキシスは僅かにふらつくもタクトによって鍛えられており、そう簡単には分身を消すことはしない。四方八方から放たれたでんじほうはルギアへと直撃する。
「ルギア!」
狼煙の中から現れたルギアの身体にはダメージが浮かんでおり、その顔にも疲れが見て取れる。歯噛みするサトシにタクトは余裕そうにデオキシスに指示を飛ばす。
「次で決めろデオキシス!サイコブースト!」
分身を維持したたまま、アタックフォルムへと移行したデオキシスは胸のコアから発したエネルギーを触手のような腕で大きく広げる。明らかにでんじほうを超える破格の攻撃であるが、本体を判別できてないルギアに避ける術も守る術もない。
逆転ムードから一転してまたもピンチに追い込まれたサトシとルギア。果たして彼らの行く末は。シンオウリーグ、波乱の準決勝はまだまだ続く.......
……To be continued
ルギアとタメはれて、未知の能力を持ってる.......デオキシリボースくんやな!(間違い)ってことで5体目はデオキシス。
ホウオウはサトシと縁あるポケモンなので敵に回したくないなと代役立てました。おかげでタクトくんがホウエン、シンオウ伝、幻ポケモン厨に.......マーイーカ。
デオキシスのバトルスタイルはアニメならではのいつでもどこでも自由気ままにフォルムチェンジ!としました。実際にやられると「罰金だ罰金だー!」となりますが、アニポケでも割とやってたし。
でんじほうの命中率はゲーム経験者ならお察しなのですが、突如敵補正を手に入れたタクトくんにすれば当てるのも造作もなし。エアロブラストもデオキシスのスピードフォルムで「当たらなければどうということはない」って感じです。あと2話で終わらせようとしてたらまだ続きそうです。