バルクルス基地へ降下を開始したムー陸軍第1空挺連隊は、破壊された基地滑走路へ向けて次々と押し寄せるように舵を切り、コンクリート製の滑走路へ降り立った。
5点着地と言う着地方法で、怪我を負う事もなく無事に降下した空挺隊員はパラシュートパックを切り離し、手にしていた拳銃と手榴弾と言う僅かな武器を手にして、展開する。
「中隊長、各小隊点呼終了!」
「よし!橋頭堡を確保せよ!」
降下したのは200名の中隊だったが、入隊までの長い教育課程を見事に乗り気って入隊し、血が滲む程の猛訓練をこなす第1空挺連隊の兵士達の動きは素早く、滑走路を瞬く間に橋頭堡として確保していく。
続けて輸送機から投下されたコンテナが着地すると、中から騎兵銃、短機関銃、軽機関銃、軽迫撃砲が取り出され各々に配分され戦力を整えると、バルクルス基地確保に向けて動き出した。
「クソ!恐ろしく早いぞ奴ら!」
「慌てるな!所詮は時代遅れの連中だ!」
爆撃から運良く逃れる事が出来ていた基地警備隊と第6師団の予備部隊が迎撃に出ると、即戦闘が開始される。
「前方に敵兵!」
「撃て!!」
空挺連隊は直ぐ様、火力を展開。向かってきた敵兵と銃撃戦を展開する。
「奴らは軽装だ!火力で押し返せ!」
「させるか!擲弾筒用意!」
空挺連隊には最新の装備として重擲弾筒が配備されており、それを専門に扱う擲弾兵は軽迫撃砲を更に小型化したような重擲弾筒に砲弾を詰めると迫撃砲の要領で、敵に向けて発射した。
「うわぁっ!」
重擲弾筒の破壊力は迫撃砲程ではないが、密集している敵兵を数人吹き飛ばすだけの威力はある。おまけに破片により、広範囲の敵兵に被害を与えられるため、空挺連隊では貴重な火力として重宝されている。
「迫撃砲、撃て!」
続けて、軽迫撃砲による支援攻撃も加わり、火力と装備で勝っている筈の敵部隊は徐々に押されていく。
「奴ら、なんて火力だ!」
「装甲車だ!装甲車を出せ!」
敵側も黙ってはおらず、車体上部に2連装機銃を備えたお椀型銃塔を備えた装輪装甲車が姿を表した。
「敵装甲車!」
「アレに火力を集中!」
空挺連隊は装甲車に火力を集中させる。車体と銃塔に騎兵銃と軽機関銃の弾丸による火花が散り、重擲弾筒と迫撃砲による攻撃で破片が直撃していくが、それをもろともせず、装甲車は銃塔の機銃による猛烈な攻撃を仕掛ける。
「クソ!やはり火力が足らんか!」
「隊長!アレを」
連隊の兵士が指差した方向をみると、敵の背後からハウンドⅡが現れると、味方である筈の装甲車に向けて突然砲撃し、装甲車を破壊した。
「何だ?」
「仲間割れか?」
ハウンドⅡは装甲車を破壊すると、敵兵を背後から砲撃しながら突き進み、やがてもう一両の装甲車も破壊し、敵部隊を踏み潰しながら唖然とする空挺連隊の目の前で停車すると、砲塔ハッチが開いた。
現れたのは敵兵ではなく、味方の空挺連隊の隊員だった。
「隊長!遅くなりました!」
「おぉ!敵の戦車を奪ったのか?」
「はい!ちょっと苦労しましたが、何とか動かせそうです!」
「でかした!このまま前進するぞ!」
空挺連隊は鹵獲したハウンドⅡを盾にしながら基地内へと突き進んでいく。
敵側もまさか自軍の戦車に攻撃を受けるとは思っておらず、下がっていた士気が更に下がっていき、徐々に防衛線が下がっていく。
「行けぇぇ!」
激しい戦闘が繰り広げられるバルクルス基地はムー側の優勢で進んでいき、基地内の帝国軍戦力は次々と削られ、やがて戦力は1個小隊のみとなった。
「おのれぇぇ!このまま基地を明け渡してなるものか!撃てぇぇ!撃てぇぇ!」
指揮官の大半が戦死し、ガオグゲルまでもが陣頭指揮をとり、最後の抵抗と言わんばかりに、激しく攻撃を行う。
「クソ!奴らも必死だな」
「連隊長、もう弾薬の残りが僅かです!」
「そろそろ頃合いか。総員突撃用意!」
空挺連隊は騎兵銃に銃剣を装着、銃剣突撃を敢行しようとする。
「突撃!」
指揮官の合図で突撃を開始した。鹵獲したハウンドと迫撃砲部隊からの援護砲撃を受けて敵陣地へと突入する空挺連隊。
そして数時間後…………
「やったぁぁぁ!!」
基地の建物の屋根に空挺連隊の隊旗が掲げられ、空挺連隊全員がその場で雄叫びを上げた。
続く
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