バルクルス基地から飛び立った空中機動挺身団のヘリコプターは低空飛行をしながらハルナガ京へ向かっていた。
ヘリコプター隊の前衛を勤めるタカ号の飛行小隊は後続の部隊が展開予定のハルナガ京の王城、帝国軍基地、統治機構周辺、そして市街地の帝国軍の排除のため、ハルナガ京に残っているハギス工作員と連携し、攻撃を実行する。
既にタカ号の飛行小隊はハルナガ京の目と鼻の先に到達しており、此処で高度を一気に上げて城壁を越えハルナガ京に突入する。
「攻撃開始!」
タカ号が攻撃を開始したと同時に、敵の対空砲による攻撃が始まった。
「思ったより激しいな」
対空攻撃に晒されながらも、ハギス工作員からもたらされた敵の位置情報を受け取っていた飛行小隊は機関砲と対戦車誘導弾を使い、敵の対空砲を確実に潰していく。
『6番機被弾!飛行に支障なし!』
『3番機被弾!機関出力低下!離脱する!』
『8番機、敵を発見!排除する!』
『第2小隊、敵を排除!現場を確保する!』
『第3小隊!敵の抵抗が激しい!援護射撃を要請する!』
『第4小隊、目的地を確保した!』
流石に無傷とは行かないが、損害を受けつつも飛行小隊は次々と制圧地点を確保していく。
攻撃開始から30分で、降下地点の確保に成功した先行部隊は後続の部隊に無線通信で暗号を送信、待機していた本命の空中機動挺身団本隊がハルナガ京へと突入し、其々の降下地点へと向かう。
歩兵を乗せた空中輸送中隊に所属する24機のユカ号が王城、統治機構周辺、帝国軍基地、市街地へ到達し、事前に設定されていた地点へ到達した。
『第1小隊降下開始!』
『第2小隊降下!』
『第3小隊降下する!』
『第4小隊降下中!』
着陸した全ヘリコプターから武装した歩兵が次々と展開していく。
比較的安全が確保されている王城、統治機構、市街地へはヘリコプターは着陸の後に歩兵を降ろし、帝国軍基地へはホバリング状態からロープを使ったラペリング降下により迅速に展開していく。
『第1小隊、降下完了!上空援護に入る!』
『第2小隊、降下完了!』
『第3小隊、降下完了!地上の援護を開始する!』
残る第4小隊のヘリコプターだが、帝国軍基地への展開を担当しているのだが、予想以上に敵の抵抗が激しく、タカ号が破壊し損ねた対空砲による攻撃に晒されていた。
『こちら第4小隊!敵の抵抗が激しい!展開に時間が掛かる!』
『早く降りてくれ!』
『待ってくれ!後2人だ!』
ライフルと軽機関銃による攻撃はヘリコプターにとっては驚異となる。防弾が施されているとはいえ、それは貨物室の床面など必要最小限に留まっている。当たり処によっては即墜落は必至だ。
その時、第4小隊に不運が襲い掛かる。
『5時の方向に敵対空砲!!狙われてる!!』
『降下中止!回避!!』
回避しようと機体を振った瞬間、対空機関砲による攻撃が第4小隊の2番機に直撃、尾部のテイルローターが破壊され、2番機は駒のように回転しながら高度が下がっていく。
『2番機被弾!2番機が被弾した!操縦不能の模様!』
2番機は徐々に高度が下がり、降下地点から離れていく。
『機体の制御が出来ない!操縦不能!』
『耐衝撃姿勢!!』
無線を通じて2番機のパイロットの会話が聞こえてくるが、何とか冷静に対処している様子である。
『2番機墜落する!墜落する!』
機体は降下地点から離れた帝国軍基地の車両置き場に墜落し、周囲にメインローターと機体の破片を撒き散らして、数秒後に爆発炎上した。
『クソ!2番機墜落!炎上中!炎上中!』
『敵対空砲は!?』
『降下した連中が潰した!我々は空中援護に回る!』
第4小隊の機体が撃墜されたが、小隊は味方機が撃墜された驚きを隠しつつも自分達の任務に専念する。
歩兵部隊はヘリコプターからの援護を受けつつ、各部の制圧を行い、多国籍軍の地上部隊がハルナガ京に突入する頃には、戦闘の決着は殆どついていた。
レジスタンスとハギス工作員の手引きにより多国籍軍地上部隊は各目標を占領、その日の夕方には崩落した統治機構庁舎の瓦礫の上のポールに多国籍軍の軍旗が立てられた。
続く
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