後世日本国召喚 新世界大戦録   作:明日をユメミル

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第34話

GOCDAによる、大東洋諸国の防衛戦線構築が進んでいる頃、時系列は旭日艦隊がアルタラス王国に入港した日より1日程遡り、中央歴1639年 11月20日。

 

 

フィルアデス大陸の北南に位置する、パーパルディア皇国首都『エストシラント』に聳え立つパラディス城の大広間では、王座に座るパーパルディア皇国皇帝『ルディアス』に跪くカイオスの姿があった。

 

 

 

「おもてを上げよ。」

 

「ははっ!」

 

 

カイオスの目の前に居る皇帝ルディアスは27歳と言う若さながら大国の王としての威厳を持っており、彼の回りには世界各国から集めさせた芸術品が多数並べられている。

 

 

「余が貴君を召喚した理由については、分かっておるな?」

 

「はい。皇帝陛下へフェン王国とアルタラス王国への監査軍派遣に関する報告が遅れてしまい申し訳ありません。」

 

「それに関してはどうでもいい。フェン王国とアルタラス王国への監査軍派遣の事については、第3外務局によって定められた権限によるものである事は理解しておるし、いちいちそんな報告を受け取っていたら日が暮れてしまう…………余が貴君を召喚したのは別にある。」

 

「それは如何なる物で?」

 

「それに関しては貴君には心当たりがあるのでは無いのかね?」

 

 

 

ルディアスの眼光を見てカイオスは身体中から冷や汗をかく。

 

 

「はい……監査軍の行方不明についてでございます。」

 

「そうだ。如何に旧式装備を整えた正規軍ではない部隊とはいえ、軍の一部である事は間違いない。だがその皇国軍が何の連絡もなしに行方不明になったと言う報告を何故、直ぐに報告しなかった?」

 

「はい………最初は魔信機の故障を疑いました故、連絡用にワイバーンロードを飛ばしてフェン王国周辺の海域全ての調査を行いましたが発見できず、引き続き調査を進めるためでありまして……」

 

「して、その調査で何か分かった事はあるか?」

 

「はい。各国に忍ばせた諜報員からの報告を纏めると、監査軍はフェン王国ではなく、日本国と言う新興国家の仕業であると判明いたしました。」

 

 

 

日本国と言う言葉を聞いてルディアスは何かを思い出す。

 

 

「ふむ……確かその日本国は貴様の第3外務局が担当だったな。」

 

「はい。日本国については未だに謎が多く、詳細は分かっておりませんが、監査軍艦隊は日本国の竜の前に全滅したものと見られ……これについても原因不明につき、現在調査中でありまして………」

 

「監査軍とはいえ、我が国の栄光に泥を塗るような"文明圏外"の国があるとはな。」

 

「陛下、この日本国に対する処分は如何いたしましょう?」

?」

 

「決まっておる………そのような生意気な国には責任を取らせるまでだ!東の思い上がった蛮族に教えてやるのだ!」

 

「はっ!」

 

 

 

カイオスは次の報告に入る。

 

 

「皇帝陛下、次にご報告があります。皇帝陛下の思惑通り、アルタラス王国は今年の魔石鉱山シルウトラスの献上を断ってきました。」

 

「それは朗報だな。」

 

「はい。アルタラス王国はそれどころか、我が国の外交官を打擲と、アルタラス王国内の皇国資産の凍結と国交断絶をすると言う文書まで突きつけてきました。」

 

「よし……全て予定通りだ。」

 

 

 

皇国からアルタラス王国に突き付けられた例の文書は全てルディアスによる陰謀であった。

ルディアスは、アルタラス王国より産出される純度の高い魔鉱石の採掘権を手にするため、敢えてアルタラス王国を自分達に楯突くように仕向け、皇国に対する反逆行為を働いたと言う大義名分の基、皇国軍をアルタラス王国へ侵攻させ、国ごと全ての魔石鉱山の利権を手に入れようと画策していたのであった。

 

 

 

「アルデよ、準備は出来ておるか?」

 

 

 

ルディアスは側に控えていた、皇国軍国軍最高司令官兼国家元帥の『アルデ』に対して問い掛ける。

 

 

「はい。アルタラス王国、並びにフェン王国、日本国侵攻へは皇国軍の精鋭を揃えております。後は皇帝陛下のご命令があれば何時でも出撃可能であります。」

 

「そうか……では、皇国軍に出撃を命じる。我が国にはむかった事を蛮族達に後悔させよ!遠慮はいらん!」

 

 

カイオスとアルデ、そしてこの場に居た全ての人間は片手を斜め上に挙げてルディアスを称える言葉を連呼する。

 

 

 

「「ハイル・ルディアス!ハイル・ルディアス!ハイル・ルディアス!ハイル・ルディアス!」」

 

 

 

 

この日、パーパルディア皇国はフェン王国、アルタラス王国、シオス王国、そして日本国を含めたロデニウス大陸の東洋諸国に対して宣戦を布告した。

 

 

 

 

 

 

 

 

時系列は元に戻り、11月25日の深夜。

 

 

アルタラス王国より北東の、フィルアデス大陸とアルタラス王国に挟まれた海域の海中に、旭日艦隊所属の潜水遊撃艦隊のア号潜が付近を警戒していた。

 

 

「ん?」

 

「どうした?」

 

「聴音機に水上を低速で航行する音源多数を確認。」

 

「距離と位置は?」

 

「北東へ30キロ。速度12ノットで南下中。」

 

「本艦の右舷か………面舵一杯、機関前進微速。」

 

 

不審な音源を捉えたア号潜1隻は北東へ移動し、音源が捉えられた位置より15キロ手前で停止した。

 

 

「潜望鏡深度まで無音浮上。」

 

 

その場でア号潜はゆっくりと浮上し、司令塔より潜望鏡を出して音源の正体を探る。

 

 

 

「見えた。あれは……帆船?」

 

 

潜望鏡に備えられた暗視装置越しに見えたのは、巨大な帆を張った大型の帆船だった。しかもそれは1隻のみではなく、50から100に達する数の大小様々な船が夜の海上で船首を南に向けて進んでいた。

 

 

「付近に航行予定の味方艦隊の情報は無い……とすると、アレはパーパルディア皇国の艦隊と見て間違いないな。」

 

「如何がしますか?」

 

「連絡気球にて暗号通信で報告だ。」

 

 

 

ア号潜はアルタラスやフェン王国に向けてパーパルディア皇国艦隊が離れるのを確認し、連絡気球を飛ばし、暗号にて旭日、高杉、坂元艦隊、そして日本国とGOCDA本部があるマイ・ハークへと伝えられた。

 

 

 

 

 

 

 

続く




今回登場したルディアスには、艦隊シリーズ共通のキャラクターのハインリッヒフォンヒトラー役の声優『沢木郁也』さんの声をイメージして書きました。


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