後世日本国召喚 新世界大戦録   作:明日をユメミル

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第72話

日・ムー艦隊を追い越して先行したミリシアル艦隊は、グラ・バルカス帝国第2航空機動艦隊相手に劣勢に立たされていた。

 

 

「提督!出撃した第2次攻撃隊は全滅した模様です!」

 

「またか!?」

 

 

艦隊旗艦のミスリル級魔導戦艦『カレドヴルフ』の艦橋で、レッタル・カウラン提督は狼狽する。

 

 

「何故だ?何故日本とムーが敵を圧倒できて、我々はそれが出来ないんだ…」

 

 

レッタルの元どころかミリシアルは、カルトアルパス戦で魔導艦隊が壊滅した原因であるグラ・バルカス軍が使用する兵器に関する情報がなく、彼らが使用する航空機は全てグラ・バルカス艦隊の艦艇から撃ち出される近接信管や戦術の前に圧倒されていたのである。

 

 

「提督!如何いたしますか?」

 

「もはや航空機を失った空母は役に立たん……こうなれば艦隊戦で決着をつける!全艦突撃っ!!」

 

 

ミリシアル艦隊はミスリル級魔導戦艦を中心に、第2機動艦隊へ向けて突撃を開始する。

 

 

「提督!前方の海面に航跡が!」

 

「何っ!?」

 

 

レッタルは双眼鏡で前方の海面に目を向ける。

 

 

「何なんだあれは………回避しろ!」

 

 

高速で接近してきた航跡は、取り舵を取った複数のミスリル級に直撃し、派手な水柱が上がった。

 

 

「何なんだこの攻撃はっ!?」

 

「分かりません!!」

 

 

突撃を慣行したミリシアル艦隊を襲ったのは、第2航空機動艦隊の前衛を努める、グラ・バルカス帝国海軍第5潜水艦隊に所属する、シータス級潜水艦による雷撃だった。

魚雷どころか、潜水艦と言う艦船の概念が無いミリシアル艦隊は、雷撃により混乱に陥り、綺麗に整っていた艦隊単縦陣は乱れに乱れる。

 

 

「クソ!海中から攻撃してくるとは……卑怯な奴等め!敵艦の位置は分からんのか?」

 

「分かりません!」

 

 

ソナーなど備えていない軍艦は案山子同然である。ミリシアル海軍の主力を担うミスリル級、ゴールド級、マーキュリー級魔導戦艦、シルバー級魔導巡洋艦は目に見えない潜水艦隊の脅威に翻弄されるしかなかった。

 

 

 

 

「提督!」

 

「今度はなんだ!」

 

「本艦隊後方より複数の航空機群接近っ!」

 

「何?味方か?」

 

「えぇと……お待ちください。」

 

 

 

通信士が魔導通信装置で、接近してくる航空機群に呼び掛ける。

 

 

『我、日本軍!これより貴艦隊を援護する!』

 

『こちらムー艦隊航空隊、これより貴艦隊の上空直掩任務に就く!』

 

 

艦隊の後方から現れた4つの航空機群のうち、2つの航空機群には日の丸とムーの国章が描かれていた。

日の丸が描かれていたのは武御雷所属の仙狩と、ムーの国章描かれていたのはムー艦隊所属の海軍航空隊だった。

 

 

「騎士団の到着だ!!」

 

 

レッタルは現状に於て、非常に頼もしい味方の来援に思わず叫ぶ。

艦隊直上から前方に向かった仙狩はKMXとソノブイを使って敵潜水艦隊を捉え、対潜魚雷や爆雷を次々と放ち、一方的に潜水艦を撃沈していく。

 

 

「うぉ~凄いぞ!」

 

「あそこでもまた沈めたぞ!」

 

「見えない筈なのに、どうやって攻撃してるんだ?」

 

 

仙狩隊は次々と潜水艦を葬り、海面には潜水艦から流れ出たオイル、備品、残骸が浮かび上がってくる。

 

 

「やったぞ……」

 

 

援軍到着から僅か数分で敵潜水艦隊は全滅した。任務を終えた仙狩は飛び去っていき、全滅したミリシアル航空隊に変わりムー航空隊の電征が上空直掩に就き、その上方を対艦装備の光武、嶺花の両飛行隊が飛び去っていく。

 

 

「………………」

 

「提督……我々は如何しますか?」

 

「本来なら敵に突撃を………と言う所だが、この被害では味方の足手まといになるだけだ。ここは大人しく日本とムーに任せてみようではないか。」

 

「しかし皇帝陛下にはなんと報告を?」

 

「我々の被害はグラ・バルカス帝国の、到底戦争とは言えない卑劣なる戦術と兵器による奇襲による物であるが、日本とムーの援軍により起死回生し共同で敵艦隊を殲滅す……とでも言っおくさ。彼等にはせめてもの恩に顔を立ててやらんとな。」

 

 

 

レッタルは飛び去っていく攻撃隊に視線を向けながら、パイプ煙草に火をつける。

 

 

 

 

 

 

 

 

続く




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