後世日本国召喚 新世界大戦録   作:明日をユメミル

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第75話

パル・キマイラ2号機が世界連合艦隊と合流し、第1航空機動艦隊へと進撃を始めている頃、2号機とは反対方向の空を進んでいた1号機は、第1航空機動艦隊の後方より近付きつつあった。

 

 

「艦長!レーダーが我が方に向かってくる多数の航空機を探知しました!」

 

「来たか………で、2号機からは?」

 

「たった今、作戦開始の暗号が届きました。」

 

「では派手に暴れるとするか。空中戦闘用意!アトラタテス砲発射用意!」

 

 

合図と共に、パル・キマイラの指令室を支えている3本の支柱の上下にある半円状の構造物の中から合計6基の3連装砲がせり出してくる。

 

 

「間もなく射程距離に入ります!」

 

 

司令室に設けられた大型モニターに、船体に設置されたカメラから写し出される、グラ・バルカス帝国の迎撃部隊が見えてくる。

 

 

「敵、射程距離に入りました!照準固定よし!発射用意完了!」

 

「アトラタテス砲発射っ!!」

 

 

メテオスの号令と共に、アトラタテス砲の砲身から大量の光輝く弾が掃射される。放たれた光弾は、パル・キマイラに搭載されているコンピューターとアトラタテス砲と連動している火器官制システムにより1発1発が確実に、敵に命中していく。

 

 

 

『何なんだこの弾幕はっ!?』

 

『やられた!落ちる!落ちる!落ちる!』

 

 

 

光弾が命中したアンタレス、アンタレス改、シリウス、リゲルは次々と叩き落とされていき、1機たりともパル・キマイラには近づけなかった。

 

 

「ハッハッハッハッハッ!!見ろ!まるでゴミのようだ!!」

 

 

趣味の悪い物言いに、回りに居た乗員達は視線を合わせないようにする。

そうしているうちに迎撃部隊はアトラタテス砲により僅か10分で全滅した。

 

 

 

「もう終わりか?もう少し楽しませてくれるかと思ったが、少し拍子抜けだな。」

 

「艦長、このまま進撃を続けますか?」

 

「あぁ、機関出力最大!グラ・バルカスの度肝を抜いてやる!」

 

 

1号機は迎撃部隊を始末し終えると、そのまま速度を上げて第1航空機動艦隊に向かって動き出す。

 

 

 

 

 

 

 

その頃、第1航空機動艦隊では、予想外の展開に混乱が広がっていた。

 

 

「全滅したのか……」

 

「はい。信じられませんが…」

 

 

カオニアは突然、艦隊の後方に現れた巨大なパル・キマイラに対して、迎撃部隊80機を送り込んだが、それを僅か10分で全滅させたパル・キマイラに戦慄した。

 

 

「80機もの航空機を10分で全滅させるなんて……巨大飛翔物体に関する情報は?」

 

「迎撃部隊からの通信によれば、敵飛翔物体は全長が200メートルを越え、巨大なリングの中央部に3本の支柱に支えられた指令室のような建造物があったとの事で、その支柱から大量の光線のようなものが撃ち出されたとあります。」

 

 

そう言って、カオニアの参謀を勤めるバーツ中佐が一枚の紙を見せる。

 

 

「中佐、これは?」

 

「先程の報告から敵大型飛翔物体の予想図です。」

 

 

カオニアは受け取ったパル・キマイラの予想図を見て、呆れ顔になる。

 

 

「こんなのをどうやって浮かせ、しかも時速200㎞で飛ばしてるんだ?」

 

「皆目検討がつきません。もしかしたら、この世界特有の技術が使われているのかもしれません。」

 

「全く……この世界は非常識の宝庫だな。」

 

 

カオニアは頭痛で頭を抱えながら言う。

 

 

「提督、どうしましょうか?」

 

「どうしましょうと言われてもな…………航空機の攻撃が効かないとなると、艦砲射撃か対空砲で迎え撃つしかないだろ。」

 

 

そう言って目の前にあった艦内通話用マイクを手に取る。

 

 

「レーダー手、敵飛翔物体はあとどのくらいで射程距離に入る?」

 

『このままだと……あと数分程と思われます。』

 

「よし。全艦に対空戦闘を指示しろ。砲には近接信管と時限信管を装填し、ギリギリまで引き付けてから一斉攻撃を開始する。」

 

 

 

艦隊全艦は艦隊陣形を組み直し、レーダーを一斉にパル・キマイラへ向けて砲を上に向ける。

 

 

「全艦、対空戦闘用意よし!」

 

『敵飛翔物体を視認しました!極めて……極めて巨大です!!』

 

 

ラス・アルゲティの艦橋に居た面々は後方に向けて双眼鏡を向ける。

 

 

 

「あ……あれは!」

 

「何という…………本当に浮いてるぞ…」

 

 

カオニア以外の幹部達が、自分達の視界に現れたパル・キマイラの大きさに度肝を抜かれた。

 

 

「敵飛翔物体、射程距離に入りました!」

 

「提督、いつでも撃てます!」

 

「先手必勝だ!撃て!」

 

 

ラス・アルゲティの第3、第4砲塔から4発の41㎝砲弾が発射され、同時に他の艦艇からも対空攻撃が開始された。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

続く




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