爆撃を受けたレイフォリア基地と港では復旧作業が行われていた。
「そっちのエリアの消火が優先だ!そこの残骸は端へ避けろ!」
「消火器が足りない!どんどん持って来い!」
紺碧艦隊による奇襲攻撃によりレイフォリア基地防空隊のアンタレスの3分の2が使用不能となり、レーダーサイト、通信所、軍港に停泊していた艦艇の3分の1が被害を被り空母は格納庫からの火災、駆逐艦は誘導噴進弾が直撃した箇所からの浸水により大破着底状態という、甚大な被害に見舞われていた。
現在は、残りの駆逐艦と軽巡洋艦と、残っていたアンタレスとアンタレス改がレイフォリア周辺の警戒に当たっている。
「クソ!蛮族め……卑劣な手を使って……」
基地に隣接している大使館宿舎で、ダラスが基地から立ち上る煙を見て、怒りに震えていた。
「状況はどうだ!!」
「現在集計中です!」
報告にやって来た基地連絡隊の兵士の言葉に、執務用の椅子に座る。
「兎に角、基地復旧に全力を注いでくれ……」
「はっ!」
兵士が外へ出ていく。残されたダラスは頭を抱える。
「こんな事……上にどう報告すれば……」
ダラスは上司『ゲスタ』への報告に悩む。彼の悩みようから頭を悩ませる程に面倒な人物である事は容易に想像できる。
「どうしよう………」
そんな悩みに全神経が注がれている頃、レイフォリアに向けて次の刺客が迫りつつあった。
『全機上昇!目標へ突入っ!!』
既にレイフォル沖にまで達していた、ダメ押しの2次攻撃隊の光武改、嶺花と新型噴式艦戦『閃電改』で編成された攻撃隊が、レイフォリアに向かって突入を開始する。
「ん?…………敵襲っ!!」
見張り塔で攻撃隊接近に気が付いた帝国兵が叫び、警報が鳴らされる。
「また敵機の襲来か!?数は?」
「えぇと……10…20…30………50………100!!まだまだ居ます!!信じられない速度で急速接近中!!」
「対空砲の射撃準備は!」
「駄目です!敵機の速度が早すぎて、まだ全員が配置に付けていません!」
「配置を終えた砲から順次射撃を開始させろ!」
基地司令の命令で、対空機関砲や高射砲への人員配置が急がれるが、その前に攻撃隊がレイフォリアに突入を果たし、基地と軍港への爆撃と攻撃を開始する。
基地滑走路には、光武改から投下された滑走路破壊爆弾からばら蒔かれた大量の子爆弾が滑走路に大穴を開けていき、閃電改が急降下爆撃にて基地施設と対空砲の無力化、嶺花が噴進弾で艦艇と既に上がっていたアンタレスを相手に戦闘を繰り広げる。
「クソ!アンタレスは何をやっている!!我が第8帝国が作り上げた基地は最強の筈だぞ!!」
ダラスも突然始まった攻撃に地団駄を踏んで叫び倒す。彼の叫びを無視するかの如く、攻撃は徹底して行われ、レイフォリア基地は1時間にも及ぶ攻撃の末、基地能力はほぼ失われてしまった。
攻撃隊は役目を終えレイフォルから去っていき、予定されていた地点にて別働隊と合流した後、高杉艦隊本隊と共にカルトアルパスへの帰路に就いた。
『バルチスタ沖海戦』『レイフォリア攻撃』と命名された此度の作戦にてグラ・バルカス帝国は2個航空機動艦隊の艦艇約200隻、航空機800機を失うという想定されていた以上の大損害を受けた。
一方で世界連合艦隊は、空中戦艦パル・キマイラ1隻、レッタル提督指揮のミリシアル艦隊の戦艦10隻、巡洋艦8隻、空母3隻、航空機120機が失われ、日・ムー艦隊はムー航空隊の電征に若干の損害が出た程度で済んだ。
戦術的には世界連合艦隊は勝利、戦略的にはミリシアルは空中戦艦の戦闘能力と発掘兵器の実戦テストで貴重なデータが取れた事と魚雷やその他の兵器が入手できた事以外はこれといった成果は得られなかったが、世界的に見ればグラ・バルカス帝国の2個艦隊の殲滅とレイフォル爆撃成功は大きな意味があり、戦術と外交面に大きな発展が出来たと割りきる事となった。
続く
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