僕のヒーローシンフォギア   作:露海ろみ

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お疲れ様です。

では期末テストを開始します。

用意していいのは以下の通りです。
『個性』
『ヒーローとしてのプライド』
『仲間を救けたい心』
『勇気』

以上を準備できた者から、開始して下さい。


14.奪還せよ、我らが仲間

風鳴 弦十郎の誘導指揮により三つに分断された彼らは、それぞれが出久奪還に向けて動き出していた。

三人の錬金術師。その誰かが出久を連れているはず、という希望的観測を元にチーム分けされた彼等は見事かな、三つに別れた。

 

 

「・・・居たぞ! 緑谷だ!」

 

見つけ叫ぶ轟の声に飛び出すαチーム。

 

轟 焦凍

爆豪 勝己

麗日 お茶子

葉隠 透

芦戸 三奈

上鳴 電気

八百万 百

 

対するはサンジェルマン。結界に捕らえた出久をさておくと、フリントロック式のスペルキャスターを構えて待ち受ける。

 

「成る程。こうもすぐさま追いつくとは、少しはやるようね」

 

油断なくその銃口を追っ手に向けた。

 

 

「前方五十メートル・・・捉えた!」

 

我らが委員長の言葉に各々が個性を動かし出すβチーム。

 

飯田 天哉

瀬呂 範太

蛙吹 梅雨

常闇 踏陰

口田 甲司

青山 優雅

 

対するはプレラーティ。走り続けるけん玉型のスペルキャスターで距離をとりながら、後続の彼等を一瞥した。

 

「もう追いついてくると・・・。なかなかにやるワケダ」

 

ニヤリと微笑うと追っ手を一瞥、速度を増した。

 

 

「おい、あれじゃねぇか!? 見つけたぁぁぁ!!」

 

熱血リーダーが先を逃げる青髪の女性を見つけ出すγチーム。

 

切島 鋭児郎

峰田 実

砂籐 力道

尾白 猿夫

障子 目蔵

耳郎 響香

 

対するはカリオストロ。転身し、立ち止まると指にはめた指輪型スペルキャスターにひとつキスをした。

 

「もう来ちゃったの? 若いってほんとに早いんだからぁ!!」

 

嬉しそうな彼女は立ち止まり、両拳を構える。

 

 

 

三者三様の錬金術師に立ち向かうのはヒーローの卵達。

大切なクラスメイトを取り戻す為に。

大切な仲間を一人で行かせない為に。

 

ヒーロー達は吠えた。

 

「「「「「「逃さねぇ(ない)!!!」」」」」」

 

 

 

装者達が遅れてやってきたコントロールルームでは各所で始まっていた戦闘を様々な観点から捉えていた。

無数にあるモニターにはファウストローブを纏った錬金術師対A組のヒーロー達の戦闘が事細かに表示されている。それを各々ボード片手に見上げる雄英教師陣。挨拶もそこそこに手渡されたヒーロー達のデータも捲りながらシンフォギア装者達はその横に並んだ。

 

「さて。見せてもらおうか、緑谷の仲間達よ」

 

代表した翼が呟く。

 

 

 

「爆豪のやつ・・・」

「スタンドプレイが際立ちますね。折角チームアップしているのに」

「その点、轟君は凄い。みんなの個性を把握して積極的に声をかけてる」

 

クリス、セメントス、調の声が上がる。

個人プレイでサンジェルマンに挑み掛かる爆豪。それを見て指揮する轟は仲間達を動かしながらも、チーム全体を活かす為に指示を飛ばす。

緑谷 出久という特異点を目にしたαチームは一名を除き『彼を救う為に』協調する。轟 焦凍という指揮者を得た彼等は一つのチームとして仲間を救ける為に動きだした。

 

「八百万!」

「はい!」

 

至近距離からの銃撃を躱しながら叫べば、影に陣取った少女は彼の逃げる隙を作る為に個性を使って足止めの術を作り出していた。

追おうとした敵の体勢が僅か崩れたのを見たαリーダーは氷壁を送りながら、一言叫ぶ。

 

『行け!』

 

その言葉に五人が地を、空を奔る。

自分の個性で何が出来るかはよく知っている。

だからこそッ!

己が得意な場所から攻撃を仕掛けていく。

 

「しかし、若い」

 

四方向から迫る子供達。近い順に撃ち落とすべくスペルキャスターを向けるサンジェルマンだったが、その手に衝撃を受けた。

手の中にあるはずの銃が、無い。

 

「もらった!」

 

いつの間にか武器が奪われている。宙に浮いていたそれは葉隠 透により遠く、放り投げられた。

 

「光学迷彩とは、やってくれる!」

 

その賞賛に、目に見えぬはずの相手が笑った気がした。

 

 

 

「天哉は熱くなりがちと思ったら、なかなかに冷静ね」

「・・・しっかりと全体を見ながら、詰めているな」

「行け行けゴーゴー、デス!!」

 

方やβチームを採点するマリア、イレイザーヘッド、切歌。飯田の指揮で逃げる錬金術師を多方向から追い詰めていくのが見てとれた。

 

「機動力はこちらが上だが!」

 

激走するプレラーティがチラリと背後を見れば包囲網が狭まっている。真後ろから追い迫るのはその脚で距離を詰めようとするフルフェイスの男。そしてその周りに個性で飛び上がる姿が見えた。

 

「あらよっと!」

 

瀬呂の個性『テープ』が飛び伸ばされる。あわよくば逃走者を巻き取ろうとして。軌道を見て錬金術師は舵を取る。危うく絡め取られる所だった。その体勢が僅かに崩れたのを見逃さなかったインゲニウムが仲間に叫ぶ。

 

「アニマぁぁぁ!!」

 

その声に黒影(ダークシャドウ)の背に乗っていたヒーローが叫びに応える。

 

『お行きなさい、小さなものどもよ! 我が同胞に仇なす者に鉄槌を下すは、今です』

 

その言霊に反応し操られた鳥の群れがプレラーティの行く道を引き停めた。視界を遮る壁に急停止した彼女が振り向くと迫るのはヒーロー達の姿。

幼い顔が楽しそうに、歪んだ。その武器を振りかぶる。

逃げるのはここまで。ここからは直接戦闘。

 

「やってくれるな、ヒーロー!」

 

向かいくる子らに『楽しませてくれ』と舌舐めずりをした。

 

 

 

「切島君、いっけぇぇぇ!!!」

「そこだ尾白!!」

「Yeeeeeeeah!! 野郎ども、ぶっ飛ばせぇぇぇぇぇぇ!!!」

 

変わって歓声が上がるのはγチームを見守る響、翼、プレゼントマイク組。

そんな裏の声を知らず、楽しそうに叫ぶカリオストロ。

 

「お姉さんとぉ! ヤり合いたいって、事ぉぉぉぉぉ!!??」

 

戦闘スタイルに合わせて直接攻撃系の生徒が集められたチームは対する錬金術師と素手ゴロの大乱戦となっていた。なお観戦中の三人は評価ボードの存在など忘れてコールを送り続けている。誰一人ペンさえ握っていない。

切島、尾白、砂藤、障子が爆乳の錬金術師(元漢)と殴り合うなか、峰田はそのサポートの為に個性を駆使していた。

 

「オイラだって、そっちに参戦してぇのにィィィ!」

 

頭から捥いだ粘着性ボールを乱射しながら、下心で血涙を流し続ける少年。それを横目に響香はタイミングを見計らい半眼となる。

 

「・・・みんな!」

 

その声に漢達は瞬間、飛び上がる。

 

【ハートビートファズ】

 

音響兵器により地面が砕かれ、音の衝撃波が逃げ遅れた錬金術師を襲う。

四対一でさえ弄ばれているのは感じている。

だから。

勝機を溢すな。

掴み取れ!

 

「行くぞォォォォ!!」

 

その隙を逃さない、四人の漢達は決戦を挑んだ。誰もがその瞳に心の奥底に流れているエネルギーを滾らせて。

それを感じ取った彼女は楽しそうに目を細めた。痺れる体に鞭打ち、野太い声をあげる。

 

「あーしの魅力は・・・爆発寸前ッッ!!」

 

全身全霊全力全開で迎えてやろう!

殴り合いの大勝負だ!

 

 

 

雄英高校、一年A組。

全国から集まったヒーローの卵達は異世界の錬金術師に挑む。

 

クラスメイトを取り戻す為に。

仲間を連れて行かせない為に。

 

友達を、救ける為に。

 

 

「「「「「緑谷(デク)を、返せぇぇぇぇぇぇぇ!!!!」」」」」

 

ぶつかり合う両者。

以上をもって、期末試験は幕を閉じた。




読んでいただけたあなた様だったらどのような編成にしたか、どんなバトルが展開されたか?等々、思った事をお気軽に感想欄に書いていただけたら嬉しいです。



その間に。
私は根津校長と一緒にγチームの採点者達とちょっとお話をして参ります。
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