温かいお言葉はやる気に、厳しいお言葉はバネになります。
桃弾頭さん、時間遡行者さん、すふぃあさん、未雷日機さん、感想ありがとうございます! 今回字数が少ないのはご愛嬌でお願いします。
誤字等あったら遠慮なくご指摘ください(今回も急いで書いたため確認不足です、すみません)
「俺の名前は――」
「富士山です」「うん、たぶん違うぞ」
リゼ先輩は即座に否定した、なぜだ。
「いや、フジヤマならともかくフジサンはいないと思うぞ。名前も流石にな……」
こういっちゃなんだが、ココアやリゼがいるのならフジサンがいてもおか……しいか。そういえば、二人の名前は漢字でどう書くのだろう、休憩時間にでも訊いてみようか。
「じゃあ、彼が言ったことはどういうことだったんでしょう?」
富士山に隠語なんてあっただろうか。思い出そうとするものの、日本で一番高い山という情報以外出てこない。
「う~ん、軍の隠語では聞いた事無いなあ」
「ぐ、軍……?」
女の子の口から出ないような言葉が出てきたぞ、おい。
「あ、言い忘れていたな。私の父親は軍人なんだ。一応、私も護身術くらいは出来るぞ」
「し、CQCってやつですか……」
「あぁ、出来るぞ。私の知り合いにも出来る奴がいてな、今度紹介してやるよ」
出来んのかい。しかも他にもいんのかい。
「話が逸れたな。まあ、分からないのなら仕方ないが……お前に関係あるのかもしれないよなぁ」
俺が初めてなのに接客できたという事は、彼が何か力をくれたのだろうか。熱くて、物凄く応援してくれて、恐らくほめ上手で、俺の事を「富士山」と称した、彼が。いつか誰なのか分かるかもしれないが、今は心にしっかりとどめておこう。そして彼にもしまた会えたら、きちんとお礼をしよう。それまでは……うん。
「まあ、そのうち思い出しますよ。それまでは梅斗でいいです」
正直、そこまで気に入っていないし思い入れもないが、仕方ない。
「わ、私はウメトって名前も好きだ……ぞ?」
「…………え?」
それってどうゆう……え?
「か、勘違いするなよ!? お前の名前を褒めただけだからな!?」
……何故か心臓が跳び跳ねた。おい、俺はココア先輩が好きなんじゃなかったのか! あの笑顔に惚れてしまったんじゃないのかよ、おい! ……でも、まあ、
「俺は、リゼ先輩の事、結構好きですよ」
少しお茶目で、気配りが利いて、後輩のミスをカバーしようとしてくれて、後輩を気遣ってくれる、頼れる先輩。
今日初めてあったばかりなのだが、その人柄に惹かれてしまった。
「あ…………暑いな! もう出ようか!」「えっ、あっ」
リゼ先輩は俺が急な大声に驚いている間に出ていってしまった。確かに、暑い。空調の音がするし、倉庫と言うからにはコーヒー豆や小麦粉など、温度に気をつけないといけないものが仕舞われているのだろう、恐らく。だから――
少し焦げ臭いのは、気のせいだろう。
◇
「あっ、梅斗くん。リゼちゃんと何をお話していたの?」
戻ってくるなり、ココア先輩に尋ねられたので、リゼ先輩の方を見ると、ぷいっとそっぽを向かれてしまった。……嫌われたと思っちゃうので、ノープイッでお願いできませんかね。ていうか、
「リゼ先輩に訊けば良いと思うんですが」
俺は念のため、厚い倉庫の中で火元を探していたため少し早くリゼ先輩はここに戻ってきたはずだ。……ここも少し暑いな。冷房ガンガン効いているはずなんだけど。お腹壊しちゃうかな、と思ってお冷やがいるか訊いたのだが確かに、冷たい水が欲しくなる。
「リゼちゃん教えてくれなかったの! 教えて!」
リゼ先輩の方を見ると、顔が赤かった。うん、まあ……俺も恥ずかしかった。
「二人だけの秘密ってことで」「え~ひど~い! 私だけ仲間はずれ!?」
いや、流石に、ココア先輩にアレは言えねえよ。
「お会計おねが~い」
救いの声が聞こえた。お客様は神様って本当なのね。
「後で詳しく聞かせてもらうからね」
耳元で囁かれた。俺をどうしたいの?
「は~い! 梅斗くん、ちょっと来て」
すぐさま態度をころっと変えたココア先輩に呼ばれて俺はホイホイ付いていった。
「レジはこうやってピッとしてポチポチしてガシャーンして……1100円です!」
なるほどわからん。
「はい、ちょうど……ウメトくん、よね?」
「は、はい」
何だ? クレームか?
「私の経営しているレストランで働く気はない?」