in factの涙は心がぐっと掴まれました
私は選択肢を間違えたのかも知れない
待っていて下さいと言った
待っていて下さいと言ってしまったんだ
私が大きくなるまで、プロデューサーさんと釣り合う隣に並んでもお似合いの大人のレディーになるまで待っていてとそう言うつもりで
他の人に目移りしない様に釘を刺して未来の誓いの為の大切な約束のつもりだった
守って当然の…それなのに……
………私が待てなくなってしまった
どういう事だろう情けない
私はもう12歳の、半分は大人の知的な女の筈だ
…誰か笑った気がするけれど、話を続ける
私が待てなくなるのは予定に無かった
プロデューサーさんの方が私の魅力に負けて待てなくなるかも知れないのは想像していたけれど、そんな時は少しだけほんの少しは許してあげるつもりだった
ありすと呼ぶのも、もう許していただって
結婚したらプロデューサーさんの名字になるから、夫婦が名前で呼び合うのは普通の事だ
手を繋ぐのは良い今も時々する
抱き付くのはスキンシップだから大丈夫
キっキスはどうしよう、興味もあるし
私もしたい…違うっ、プロデューサーさんがどうしてもしたいなら少しだけなら
それ以上は約束を守ったご褒美に一緒に先に進むつもりだった
でもプロデューサーさんが他のアイドルの娘と話やスキンシップをしているのを
見るとどんどん待てなくなる
心に焦りが生まれる
プロデューサーさんは本当に待っているのだろうか
私だけが待っていてプロデューサーさんは、どうでもいいと思っているんじゃ無いか
何時もはそんな事無いとしっかりと否定して自信を持てた
プロデューサーさんを信じられた
でもどうしてか不安になる、もう待てない
プロデューサーさんと控え室に戻る
「ありす今日の収録は終わりだ
スタッフさんの評判が良かったから多分また呼んで貰えるぞ」
「はい、そうですね」
私は俯いたまま答える
今は酷い顔をしていると思う
仕事中は耐えられた
だってプロデューサーさんが私の為に頑張って取ってきた仕事だって知っていたから
でも二人きりになると駄目だ
不安で泣きそうで顔を見せられない
「ありす?」
あぁプロデューサーさんが不思議がってる平気な顔をしないと
「何ですか?
プロデューサーさん何かありましたか?」
プロデューサーさんがぎょっとしている
どうしたんだろう
「ありす大丈夫なのか?
どこか痛いのか、誰かに何かされたのか!」
「どこも痛くありませんし何も無いですよ、一体どうしたんですか」
「なら…何でありすは泣いてるんだ」
なんで…私は誤魔化せる筈
泣くのなんて簡単に我慢出来る筈なのに
プロデューサーさんに指摘されてからは
堰を切ったように涙が溢れる
「プロデューサーさん私もう…
嫌です待ちたくありません」
プロデューサーさんに抱き付く
しっかりと離さない様にきつくしがみつく
プロデューサーさんは私ごとソファーに移動して慰める様に背中を撫でてくれる
どれくらいたったんだろう大分落ち着いて来た
プロデューサーさんの胸を軽く叩く
「ありす大丈夫か?
何時から我慢していたんだ?」
ぎゅっと抱き締め返してくれていた力を緩めてくれる
「分かりません、でもいつの間にか耐えられなくなってプロデューサーさんに触れたくて、どうしようも無くて…」
「そうか…」
「困りますよねまだ小学生の子供にこんなことを言われても、すみませんもう大丈夫ですからありがとうございます」
プロデューサーさんの顔を見れなくて急いで離れようとする
けれども離してくれなくて混乱する
「あの?プロデューサーさん
もう大丈夫ですから、もう離してもらっても大丈夫ですから」
「ありすこっちを見てくれないか」
「何でです、大丈夫って言ってるじゃないですか」
「それなら顔を見せてくれ」
「それは…」
言い訳が思い付かなくて言い淀む
顎を優しく掴まれて目が合う
プロデューサーさんが真っ直ぐ私を見ている
「まだ泣いてる全然大丈夫じゃないな
ありすは不安なのか?
ちゃんと待ってるだけじゃ不安にさせてしまったみたいだな、ごめんな」
「違います私が待てなくなってしまったから、待てなかった私が悪いから…」
慌てたせいで涙が引っ込む
「いやこういう事は男の方が察せないといけないんだよ」
「そうなんですか?」
知らなかったやっぱり大人との差を感じる
「そうなんだよ
だからこれからはありすが不安にならない様に時々デートでもしないか?」
「…デートですか?
本当に良いんですか、プロデューサーさんは忙しいのに私に使う時間があるんですか?」
「違うよありす、デートは時間があるからするんじゃないんだ
デートの為に時間を作るんだよ
大切な人の為に」
ボンっと赤くなったのが自分で分かった
これは狡いこんなことを言われて赤くならない訳がない
「ありすの好きな場所に行こう、
ありすの好きな事をしようゲームでも読書でも一緒にしよう」
「私はプロデューサーさんが一緒なら何でも
でもこれからは少し…その」
「何かリクエストがあるのか?」
「スキンシップを!肉体的接触を増やして欲しいです
キスはまだ早いけどそれ以外なら
プロデューサーさんにもっと沢山触れたいです」
プロデューサーは肉体的接触という単語に少し引くが了承する
「分かった、これからは接触を増やそう」
ありすはにこにこ笑いながらプロデューサーの手を引く
「まずは手をこう、恋人繋ぎです」
繋いだ手を見せる、確かに恋人繋ぎだ
「そのまま、腕を組んでなるべく隙間が無いように」
恋人繋ぎのまま腕に抱きついてくる
街でたまに見るバカップルそのままの見た目になる
早まったかと思うも
「えへへ、幸せですね
プロデューサーさんっ」
ありすが幸せならそれで良いと思う
プロデューサーだった
プロデューサーは肉体的接触は淋しさのせいと思っている
ありすは愛しさが爆発した結果こうなった
実は美優さんとの出来事の翌日の話
ありすの不安は当たっている