加蓮とまゆに挟まれるP   作:黒猫黒

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仁奈ちゃんは可愛い
キグルミを着ていても着ていなくても
約束は大切
約束を破るということはその人の事は大切では無いということ
大切にしていないと大切にしてもらえなくなる


市原仁奈は淋しくない

「おはようごぜーます!」

 

市原仁奈の朝は早い

学校が休みの日は事務所にまだ他のアイドルが来ていないような時間から居ることもよくある

今日も1番のりだ

 

「おはようごぜーます、プロデューサー」

仁奈はプロデューサーの机に回り込み挨拶をする

 

仁奈が早く事務所来る理由

それはプロデューサーに会うため、少しでも長く一緒居るためである

 

「おはよう仁奈、今日も早いな」

 

プロデューサーは仁奈が早い時間に事務所に来る事を心配しない

理由は仁奈の両親のどちらかが346プロまで送る約束をしているからだ

346プロの玄関で両親と別れ事務所まで1人で来る

 

「今日は誰に送って貰ったんだ?」

 

プロデューサーは携帯を取り出してそう言う

 

「お母さんでごぜーます、お仕事の前に送ってもらったんだ~」

 

お休みの日もお父さんとお母さんはお仕事に行く、お仕事が大切だって言っていた

 

このごろは何かを言いたそうに仁奈を見る事もあるけれど、そんな事よりもプロデューサーに早く会いたいから気にせず事務所まで急ぐ

プロデューサーが会社の中は走っちゃ駄目だと言っていたから急いでも走らない

 

「そうか、今事務所に着いたって連絡しておくよ」

 

346プロは広いためプロデューサーは必ず到着の連絡をする

 

「ありがとうごぜーます」

 

プロデューサーに駆け寄る

事務所は走っても怒られなかった

 

「今日もプロデューサーに早く会いたくて早起きしたんだ、仁奈は良い子ですか?」

 

仁奈が何かを期待する様にプロデューサーのスーツの袖を引っ張る

 

プロデューサーは微笑ましそうにしながらも分かっているという風に腕を上げる

 

「仁奈がこんなに早起き出来るなんて、とっても良い子でプロデューサーは嬉しいよ」

 

プロデューサーは言いながら仁奈の頭を撫でる

 

プロデューサーに撫でられると他の誰に撫でられるよりも気持ちがいい

大切にされていると思える

胸の奥がキュンとする

 

「プロデューサーは仁奈が良い子だと嬉しいでごぜーますか!……そうなんだ」

 

最後は聞こえない様にぼそっと呟く

 

「プロデューサー抱っこもしてくだせー」

 

無邪気な笑顔をわざと浮かべてそう言う

プロデューサーには我が儘を言うのも怖くない、抱き締めると必ず抱き締め返してくれる

 

プロデューサーはすぐに抱き上げ膝の上に乗せてくれた、ぎゅっと抱きつく

 

「プロデューサーは仁奈との約束をいっつも守ってくれますね、すげーです!」

 

「1人にさせない、淋しくさせないって約束の事か?」

 

「そうでこぜーます!」

 

やっぱりプロデューサーは他の大人とは違う

他の大人は皆、子供との約束なんてすぐに忘れて嘘を吐く

大人は皆忙しいと両親も言っていた、子供とは違うんだと

 

だから仁奈はプロデューサーと出会ってすぐに約束をした [仁奈を1人にしないで、淋しくさせないで]

この人も他の大人と一緒だろうか?と

もしそうならこの人の前でも[キグルミ]を着ないといけないと思ったから

 

でもプロデューサーだけは違った

他の大人が皆約束を忘れてもこの人は、プロデューサーだけはちゃんと覚えていてずっと約束を守ってくれる

 

だから仁奈はプロデューサーの前では[キグルミ]を着なくてもいい、[キグルミ]が無くても私をちゃんと見てくれる

 

「約束を守るのは当たり前だろ」

 

「当たり前?」

 

何を言っているんだろう?

約束を守るのは当たり前?じゃあ他の大人は?両親も守らなかったのに?

当たり前をしないのはなんで?

分からない、けれど仁奈に当たり前と言ってくれるのはプロデューサーだけという事は分かった

 

「約束って言うのはそう言う物だろ?」

 

プロデューサーの言う約束は守って当たり前の物、そうなら仁奈もプロデューサーとの約束は絶対に破らない

 

「やっぱり仁奈はプロデューサーが大好きでごぜーますよ」

 

プロデューサーは嬉しそうに微笑む

プロデューサーが笑うと仁奈は心がドキドキしてポカポカする、淋しくなくなる

 

「ありがとう、俺も仁奈の事が大好きだよ」

 

プロデューサーが嬉しいと仁奈も嬉しい

…でも仁奈の大好きとプロデューサーの大好きは違う物だと思う

少し残念だけど今はこれでいい

小さな子供の私が、仁奈が

プロデューサーに本気の大好きを言った所で伝わらないだろうし、困らせたくない

 

「プロデューサーは約束を破らないでくだせー、お願いするですよ」

 

表情は無邪気に

心の中ではプロデューサーだけはと真剣に願いながら

 

プロデューサーはしっかりと力強く頷いてくれた

 

実は仁奈はもうそこまで子供では無い

芸能界に居れば他の子供よりも早く大人になる、大人の考えが分かる様になる

 

朝早くに事務所に行くときは可愛いい服を着て[キグルミ]はまだ着ない

他のアイドルが来る前に[キグルミ]に着替える

理由はプロデューサーは[キグルミ]を着なくても可愛いがってくれるし、可愛い女の子として見て欲しいから

勿論[キグルミ]も好きだけれど

 

でも今はプロデューサーはまだ仁奈を[女の子]としては見てくれない、だから私は[子供の仁奈]のままを続ける

 

約束を守ってくれたのはプロデューサーだけ

約束を何回も破った両親よりも大好き、あんなに振り向いて、見て欲しかった人達だけど

今はプロデューサーが居るから別にもういい

お父さんもお母さんも他の大人と一緒になってしまった

今更になって一緒にお出かけや家族の話をしようとする、でももう要らない

仁奈の大好きにはお父さんとお母さんはもう入っていない

その事に気づいた時は少し淋しくなったけどでもいい

 

プロデューサーと他のアイドルと事務所の皆が居ればいい

私は今日も仁奈を続ける

プロデューサーに好きと愛してると言っても困らせない、もう少し大きくなるその時まで

私の、仁奈の大好きは、大切はここにある

だからもう淋しくない




仁奈ちゃんは9歳
でも芸能界でお勉強して精神年齢が高くなった
今は一人称は仁奈と言っているけど心の中では私と言う
もう少しお姉さん
勿論、無邪気な仁奈も嘘ではない
プロデューサーに可愛いがって貰える仁奈でいるのも好き
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