加蓮とまゆに挟まれるP   作:黒猫黒

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奏さんの色っぽい所も好き
焦った顔も好き
でもたまに見せる素の表情も可愛いくて好き


速水奏はくじけない

「あらプロデューサーさんずいぶんと久しぶりじゃない」

 

仕事帰りに346プロのカフェで一休みしていると仕事終わりなのか少し疲れた様子の奏が通りかかった

俺に気付くと驚き少し嬉しそうな顔をして近寄って来る

 

「ここ良いかしら?」

 

そう言うと返事も聞かずに目の前の席に座る

何だか久しぶりに奏を見た気がする

最後に会ったのは何時だったか

 

「本当に久しぶりね、ひとつきは会って無かったんじゃない?

それともわざと避けてたの?」

 

気がするだけじゃ無く本当に久しぶりだった様だ

そうか一月も会っていなかったのか

奏は荷物を置きメニューをめくり始める

話し込むつもりなのだろう

 

「そんな訳無いだろう?

俺は朝から昼にかけて事務所に居たけど

奏は夜になるまで帰れない、すれ違い続けただけだ」

 

「ならたまには私が帰って来るまで待っていてくれてもいいじゃない」

 

そう言うと奏は珍しく頬を膨らまして拗ねている

疲れているのか表情も言葉も素直だ

 

「一人だけ特別扱いは出来ないよ」

 

「はぁ…もう少し女心を学んだ方が良いんじゃない?」

 

店員を呼び止めて注文をしている

俺もコーヒーのおかわりを頼む

 

「プロデューサーさんはどうしてここに居るの?

カフェに居るなんて珍しいわよね?」

 

不思議そうに訪ねてくる

 

「ああ…そのまま帰ろうとしたんだけど、少し疲れていてな休憩してから帰ろうと思って」

 

俺がそう言うと奏は眉を寄せて顔をしかめる

 

「貴方人には健康に気をつけろって言うけど、自分はどうなの?

ちゃんと食事してるの?

睡眠はちゃんととれてるの?」

 

「俺の母親か」

 

「違うわよ、貴方の未来のお嫁さんよ」

 

「それも違うだろ、でもこのごろは忙しくて

食事も睡眠もあんまり…」

 

奏はため息をつく

 

注文したものが来たようだ

店員から受け取りお礼を言う

 

「プロデューサーさんって誰に対しても丁寧な対応をするわよね?

そういうの結構ポイント高いのよ」

 

「何のポイントだ?

丁寧っていうか、何かをして貰ったらお礼ぐらい言うだろ」

 

奏は微笑みながら

僅かに頬を染めて言う

 

「貴方のそういう所、結構好きよ

……なんてね」

 

自分で言って照れたのだろう

頬が赤いまま急いでコーヒーを飲む

 

「あれ?同じもの頼んだのか?

何時もは違うの頼むだろ?」

 

「ふふ…貴方と同じ物が良かったのよ

ねぇ…今の貴方とキスしたらこんな味がするのね?」

 

奏はわざと色っぽく艶を出し

唇を撫でながら流し目でこちらを見つめる

 

「奏お前少し…その、気持ちが悪いぞ」

 

いい淀みながらもはっきり告げる

 

がくっと肩を落とした奏がこちらを睨み付ける

 

「違うでしょ!

こういう時はドキッとして唇から目が離せなくなる物でしょ!」

 

あれは誘惑だったのか

全然気がつかなかった

 

「あっすまん

思った事がそのまま言葉に出た」

 

プロデューサーは素直に謝る

 

「それはフォローのつもり?

それとも喧嘩を売られてるのかしら…」

 

ふぅ…とため息をつく

 

「そうね貴方はそういう人だったわよね

私をこんな風にさせるのは貴方ぐらいだったわ

暫く会わないうちにこんなことも忘れていたのね」

 

遠い目をしながら思い出す様に話す

何か思い付いたのかこちらを見る

 

「ねぇプロデューサーさん

この後時間ある?」

 

「この後?

仕事は終わったから時間はあるけど

もうすぐ夜になるぞ」

 

プロデューサーは時計を見ながら話す

 

「時間はあるのね

なら今から貴方の家に行きましょう」

 

「何を言ってるんだそんな事に良い訳無いだろう」

 

「あら、じゃあ私の部屋にする?

どっちでも良いけど女子寮に来ると騒ぎになるわよ」

 

「そうじゃなくて何でその二択なんだ」

 

「私知ってるのよ?

アイドルのお願い叶えてくれるのよね

私のお願いはプロデューサーさんにちゃんとした食事をしてもらって

ちゃんと寝てもらいたいの」

 

プロデューサーは少し感動する

そこまで俺の事を心配してくれていたのか

………ん?

危ない流されそうだった

 

「何で俺の部屋か奏の部屋なんだよ

そこら辺の店でも、それこそここのカフェのご飯でも良いだろ?」

 

「貴方は話を聞いて無かったの?

ちゃんとしたご飯って言ったの

お店のご飯は色々な物が沢山入ってるのにそんな物で

許す訳無いじゃない

だから私がちゃんとした物を作るのよ」

 

「奏のお願いは分かった

でも夜に独身男性の部屋に人気アイドルが来るのは

不味いだろう」

 

プロデューサーはごく一般的な常識の話をする

 

「あらプロデューサーさんは私に何か不味い事をしてくれるのかしら?」

 

何処と無く嬉しそうに話す

 

「いや、しないけど

写真とか撮られると不味いだろ」

 

即答できっぱりと言い切る

 

「………やっぱりプロデューサーさんには

私の誘惑が効かないのね何でかしら

他のどうでもいい男達には凄く効くのに誘惑の仕方が悪いの?

方向性の問題?

それとも単純に好みじゃ無いのかしら

攻め方を変えてみる?」

 

奏はぼそぼそと呟きながら考え込む

 

「奏?」

 

「分かったわ今日は引いてあげる

その代わり明日はオフだからお弁当を作って

事務所まで届けてあげる

これも断るのは無しよ」

 

自信満々に言っている様に見えるが

よく見ると若干涙目だ声も震えている

渾身の誘惑が即答で断られ

少しも意識した様子を見せないプロデューサーに

もう心が折れかけていた

 

涙目を見たプロデューサーは

悪いからと断ろうとした言葉を飲み込む

 

「ありがとう、明日のお昼楽しみにしてるよ」

 

その言葉を聞くと奏は年相応の可愛らしい笑みを見せる

 

「ええ、覚悟してなさいよ!

私の料理無しじゃ生きていけなくしてあげる」

 

若干物騒な事を言いながら奏は嬉しそうに

取り出したノートに献立を書き込み始める

 

プロデューサーが

奏の年相応の笑顔に一番ときめいた事には気が付かないまま




奏さんをいじって涙目にさせたい
その後安心させて素の笑みが見たい
自信満々に見えて打たれ弱いと凄く良い
二人きりの時は少し幼く素直になってると尚良し
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