ヒーロー殺しの少女たち 〜ヒーローの輝く裏で〜 作:ゴウ・フェトア
ちょっと文の書き方忘れてる……
「オウタカさん、そろそろ起きてください。報告が入りました」
とあるマンションの一室。青い髪の少女がベッドに近づいていく。その肩には一匹の蝙蝠がとまっている。
「ん……紫吹ちゃん、報告って?」
部屋で寝ていたのは雄英高校襲撃の主犯の一人、夜原鶯鷹。隠れ蓑の一つであるこの場所で休息をとっていたのであった。
「鬼子からですが……また過去の夢でも見てましたか?」
「そだね。いい思い出だもん。何回でも見たいよ」
そうですか、といいながら部屋にやってきた少女、同じく雄英高校襲撃の主犯が一人、紫綿場紫吹は小さく巻かれた紙片を差し出す。
一瞬きょとんとするオウタカだったがすぐに思考が切り替わる。
「鬼子ちゃんからって? 緑谷くんの影に潜入してもらってたんじゃ?」
「その通りなんですが、どうやら見つかったらしく現在交戦中とのことです。まあ、すぐに帰ってくるでしょう」
「あの子直接戦闘弱いもんね」
オウタカたちが名乗っている「ヒーロー殺し」。その構成人数は四名の少女のみ。
この場にいる二人は実戦担当であり、他の二人はその補佐や情報の収集をメインに活動しているのであった。
そして現在、諜報担当である少女が探っているのは……
「『緑谷出久にヒーローの資格なしじゃん、あんなの生かす必要なかったっしょ』だ、そうです」
「紫吹、わざわざ声真似しなくてもいいのよ?」
すこし呆れながらオウタカは体をベッドから起こす。真っ先に手に取ったのは紫吹からもらった大太刀。
「決行は明後日でいいですか?」
「うん、そうだね。終わらそう。ヒーローのいないヒーロー社会なんて」
〇〇〇
「いいじゃんいじゃん! もっとやるじゃん!」
「いい加減に倒れてくれると嬉しいのだが!!」
同時刻、緑谷とオールマイトは一人の少女に苦戦していた。
「っく……埒が明かないな。緑谷少年! 何かわかったかね!」
「すみません! まだ何とも……それよりオールマイト、時間の方は……」
先代のワンフォーオール、そして当代のワンフォーオールが揃ってなお、緑谷の影から突然現れた少女との戦闘を有利に進めることができないでいた。
なぜか。それは単純に相性故の問題であった。
「攻撃をしても全く効かないなんて……」
緑谷の悔しそうな声がすでにボコボコになっている砂浜に響く。
緑谷の攻撃も、オールマイトの攻撃もすべてその少女に直撃するのだ。しかし当たった瞬間に少女の体は崩壊し、再生する。その繰り返しであった。
「もう、残念だなぁ。オールマイトってほんとに筋肉馬鹿な人だったじゃん? 幻滅じゃん?」
あざけるように笑う少女に対し、悔しそうに歯を食いしばるオールマイト。しかしすぐに笑顔に戻り余裕を取り繕う。
「ふっ、なかなかやるじゃないか。しかしな、赤い髪の少女よ。この程度の苦難、簡単に乗り越えられないようではヒーローなど名乗れんのだよ!」
「ふーん、じゃあどうするじゃん? 制限時間は大丈夫だったじゃん?」
「! なぜそれを……」
「お、あたりだったじゃん? やっぱり答え合わせはしとかないとじゃん?」
やはりケラケラと馬鹿にするように少女は砂浜に立つ。そこには構えも何もなく、周囲への警戒も見受けられない。
「くらえっ!」
緑谷の蹴りが少女の無防備な背中に命中する。が、蹴りが当たった部分だけが崩壊して少女は仁王立ちのままだ。
「くそ……ミリオ先輩の透過に近いのか……、それとももっと他の……」
その現象を見て、緑谷は無意識のうちに個性の分析を進める……のだが次の少女の言葉に思考が止まる。
「後ろから攻撃するなんてヒーローのくせにやるじゃん? ちょっと気に入ったじゃん。個性もらっただけの子供が調子乗ってるじゃん」
「な……なんでそれを……」
個性を受け継いでいることがばれている。そのことに緑谷の背筋に悪寒が走る。限られた人しか知らない極秘の中の極秘。それを当然のことのように知っている少女に対しオールマイトですら嫌なものを感じた。
「君は……一体どうやってそれを……」
「あはは、やっぱりお馬鹿じゃん? ずっと見てたからに決まってるじゃん。ウタカちゃんが緑谷君に目を付けたその日からずっと、陰に潜らせてもらってただけじゃん?」
「え……?」
ウタカちゃん、というのは当然今話題のヒーロー殺し『夜原鶯鷹』のことだろうと理解できる緑谷たち。だが、続く少女の言葉を受け入れるのに緑谷は時間がかかった。
なにせ、言葉通りに受け取るならば「オウタカが目を付けた」というのはもうずっと前、緑谷たちが初めてヒーロー殺しと出会ったときのことになる。
しかしそれは一週間以上も前の話であり、その間ずっと情報が抜き取られていたと受け入れるのに時間がかかってしまう。
そして受け入れることができたらできたで今度はその深刻さに打ちのめされることになる。
「まさか……僕の個性も秘密も……」
「だいたい分かったじゃん。いっつもぶつぶつ何か言ってくれるからどんどんピースがつながっていくじゃん。むっちゃおもしろかったし。緑谷くんの性格、思考に行動、オールマイトの現状、制限時間、知るべきことは知れたじゃん?」
どれをとっても見過ごすことができないレベルの秘密を保持している、と言外に宣言する少女。なんとしても逃がしてはいけない、とオールマイトが考えるも行動を起こす時間は与えられなかった。
唐突に少女の体が崩れだす。服すらも崩壊していき、かけらの一つ一つが蝙蝠となって散っていく。ぎょっとするオールマイトたちだが彼らは何もしていない。少女が自ら体をばらばらにしているのだ。
「まさか! 逃げる気か!」
「逃がすと思っているのかね!!」
「止めれるものなら止めてみるじゃん? 脳筋なお二人さん」
ここで逃がしたら不味い、というのは緑谷もオールマイトも重々承知だ。なにせ誰にも知られてはならない秘密をいくつも暴かれ、それを持ち逃げされようとしているのだ。
だが物理的な攻撃が一切効かず、少女を拘束するすべを持たない二人は逃げることを止めることはできない。
少女の体がちぎれ、その一片一片が蝙蝠となって周囲に散っていく。どうしようもない敗北感だけが緑谷の中に残されるのであった。
どっちが読みたいです…?(どっちにせよヒーローたちはえらい目に会います)
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オウタカ生存ルート(比較的ハッピーエンド
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オウタカ死亡ルート(悪に一切の救いなし