ヒーロー殺しの少女たち  〜ヒーローの輝く裏で〜   作:ゴウ・フェトア

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今更ですしそれならカタカナで書けよ!って話なんですけど蝙蝠はコウモリと読みます。(多分後で書き直すことになる……)

あ、テストは無事に終わりました(たぶん大丈夫)


蝙蝠の宴

 切島を助けにきた青山、障子、芦戸。この三名の中で操られたのは青山であった。

 

「ネビール☆レーザアアアアアアアア☆」

「おい! 青山! しっかりしろ!」

 

 目からは正気が失われ障子や芦戸が懸命に呼びかけても無視。ひたすら力の限りお腹からレーザーを放出し2人を、そして周囲の建物を破壊していく。

 

「こ、これじゃあ近づけないよ!」

「そうでしょーそうでしょー! このレーザーみたいなのがすごいじゃーん! 超使えるジャーン!」

 

 芦戸はすっかり弱気になる。そもそも今なにが起こっているのかすら目の前の少女、血水鬼子が現れるまで理解できていなかった。

 

 事態が起こったのは切島を助けるべく彼の吹き飛ばされた方向へと三人向かっている途中だった。突如として青山が個性「ネビルレーザー」を芦戸と障子に向けて放ったのだ。

 

 寸前で障子が気づいたからこそ難を逃れたものの、近距離中距離を主とする2人には青山の対処は困難をきわめる。

 

 近づこうとした瞬間にレーザーの照準はその者へと向かい、本来一秒以上照射できないその個性も血水の支配下にあるせいか無理やりに連射させられている。

 

 では元凶である血水の蝙蝠を狙うのはどうか。

 

 十分ありではあるのだが……やはり障子と芦戸では相性が悪かった。なにせ相手は空中の飛行生物。唯一の遠距離タイプである青山が操られた今、2人に使える手札はない。

 

 おまけに空に飛ぶ蝙蝠は7匹。誰が青山を操っている蝙蝠なのかすら地上にいる二人にはわからない。

 

 そして、それは他のグループでも同じだった。

 

 砂藤を助けに向かった5人、上鳴、口田、瀬呂、麗日、耳郎のグループは耳郎がまっ先に襲撃に気づいたものの上鳴を庇って操られ、直接放送局へ向かっている飯田、尾白、常闇、峰田、葉隠のグループは常闇が操られそれぞれ暴れている状態だ。

 

 そしてさらに、彼らの敵は操られた生徒だけではない。

 

「雄……英……生徒おおお」

「倒す! 倒す! 倒すううう!」

 

 わらわらとどこからともなく現れるゾンビのような集団。

 

「くそっ、新手の敵か!?」

「しょうがない! 襲ってくるならわたしの酸で……」

「いいの〜? なんの罪もない一般市民を攻撃するの〜? いいじゃんいいじゃん、そういうヒーロー面白いと思うじゃん!」

 

 その一言で未来のヒーローは動くことが出来なくなる。よくよく見ればゾンビのように襲いかかってくる集団は誰もが目から正気を失い、操られているのは明白だった。そんな彼らに攻撃するのはプロヒーローでさえ憚られるだろう。

 

 

 こうして、緑谷、轟を除く一年A組は放送局への歩みが完全に止まってしまったのであった。

 

 

 かと思われた。

 

「ふんぬっ!」

 

 そんな暑苦しい声とともに、障子、芦戸の頭上、すなわち蝙蝠めがけて数百度の熱線が放たれる。

 

「ギャプッ!?」

 

 ぎりぎりのところで蝙蝠は散り、炎の柱を躱すことに成功する。が、一匹は逃げ遅れ灰となる。

 

「ああああ! また一人死んじゃったじゃん!」

「どうしてくれんじゃん!」

「オウタカが悲しむじゃん!」

 

 六匹のコウモリは炎を放った人者、エンデヴァーへと非難を口にする。

 

「ふん、敵がそんなことを口にして誰が聞くと思う!」

 

 そのまま2射、3射と炎を放っていくエンデヴァー。たまらず蝙蝠たちは地上に降り、操っている民間人の中へと隠れていく。

 

「エ、エンデヴァーさん! あの人たちは民間人です! 炎は……」

「わかっている。私の役割はここまでだ」

 

 芦戸が言うまでもなくエンデヴァーは炎の噴射をやめ襲いかかってくる民間人の意識を流れるような動作で刈り取っていく。

 

「で、でもこのままじゃ敵が……」

「君、確か雄英の生徒だな。職場体験のオファーは出してないが覚えている」

 

 民間人を一人一人迅速に相手にしながら後ろにいる二人の少年少女に語りかけるエンデヴァー。その目に宿るのは怒り。味方であるはずのエンデヴァーに芦戸と障子は恐怖で足がすくむ。

 

「私が何を言いたいか分かるな」

「は、はい……」

 

 障子が返事をする。

 当然だ。ここはプロの現場。緑谷たちヒーロー科の学生が出る幕など欠片もない。

 

 それどころか個性を違法に使用しているととられてもおかしくはない。場を混乱させているという観点から見れば敵と何ら変わらないのだ。

 

「すみませんでした……」

 

 二人が謝る、がエンデヴァーはそんなものは求めていない。

 

「謝罪など今している暇はないはずだ。まずはお前たちの情報を教えろ。何人で来た?! 他のメンバーがいるならどこに!?」

 

「ま、まずあ、あそこに一人……」

 

 芦戸が指差したのは操られ、今度はエンデヴァーに照準を合わせた青山だ。今まさにお腹からレーザーが発射されようとしている。

 

「ふむ、操られているのか。個性はなんだ」

「レ、レーザーです! お腹からレーザーが」

 

 その言葉と、青山の攻撃どちらが早かったのか、障子や芦戸にはわからなかった。彼らがわかったことは

 

「ふむ、素晴らしい個性だな。だが私とは相性が悪い。熱した空気で光は曲がる」

 

 エンデヴァーが炎を操り、青山の攻撃を空へ誘導したことだけだった。

 

「な、何それずるいじゃん! こいつの個性効かないじゃん!?」

 

 文句のような言葉が民間人の隙間から聞こえてくる。がエンデヴァーは涼しい顔をして答える。

 

「ふん、そんな万能な個性がこの世にゴロゴロと転がっているものか。貴様の個性だってそうであろう」

「はぁあ? 何言ってるじゃん? 動揺なんかしないーー」

 

「オールマイトの拳を受けても平然としていた、殴ったらその衝撃でバラけて衝撃を和らげる、蝙蝠の群体のように分裂する、らしいが」

「……まさか……やめるじゃん!」

 

「炎に焼かれた分身体はもとに戻るのかな? ホークス!」

「はいはい、目視確認できましたよ!」

 

 気の抜けた、それでいてはっきりとした声が響くのと同時に上空から6つの羽が降り注ぐ。いずれも民間人に紛れている蝙蝠へとまっすぐ進んでいく。

 

 さらに、羽に対してエンデヴァーは炎をふきかける。エンデヴァーの火力と同じ威力はないが少ないながらも羽に炎の力が纏わる。

 

「あっ……」

 

 終幕はあっという間であった。炎を纏った羽が蝙蝠たちに突き刺さり焼いていく。

 

「ぐ……なんで……まだ死にたく無い……ないよぉ!」

 

 蝙蝠が人としての姿に戻ったり、再び動物としての姿になったり。

 どちらになろうと炎に苦しむのは変わらない。

 

 その光景をエンデヴァーは冷ややかな目で見る。

 

「安心しろ。貴様ら、随分な数がいるらしいが今の変身の具合を見ても最後の一匹だけ捕まえておけば自我が残るのは間違いないだろう。殺しはせんさ」

 

 今の変身の具合、というのはのたうち回る蝙蝠の一匹が一人の人となったりしていることを指す。

 

「分裂し、増殖する個性。確かいつぞやの強盗犯にもそんなやつはいたな。だが本体さえ見極めてしまえば拘束するのは容易い」

 

 エンデヴァーは見ているのだ。燃えつつ灰になろうとしている蝙蝠たちの、その燃え方に違いはないか。なければすぐに他の蝙蝠がいる場所へと向かい燃やすつもりだったが……。

 

「私……たちは……家族……みんなで一つ……一人がみんな……」

 

 灰となった敵の言葉に耳を傾ける者はすでにこの場にはいなかった。

 

 操られていた民間人たちは糸が切れたように地面に倒れ伏し、混乱は鎮圧された。

 

 

 

 そして同時刻、炎に関連した個性を持つヒーローたちがエンデヴァー事務所のサイドキックを中心に蝙蝠狩りを開始。

 操られている民間人を目印に蝙蝠を焼いていき、本体となる血水を探し求める。

 

 続々と暴徒と化していた民間人は鎮圧されていき、街に残るのは何人かの敵だけとなるのにそう時間はかからなかった。

どっちが読みたいです…?(どっちにせよヒーローたちはえらい目に会います)

  • オウタカ生存ルート(比較的ハッピーエンド
  • オウタカ死亡ルート(悪に一切の救いなし
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