ヒーロー殺しの少女たち 〜ヒーローの輝く裏で〜 作:ゴウ・フェトア
あとがき
これが私が調べた一連の出来事の流れである。
私の個性は「その場で起こった出来事、人を読み取ること」。であるからして実際に事件の起こった場所に赴けばだいたい事実がわかる。融通が効かないのが困る個性ではある。
残念ながら彼女たちが潜伏したアジトはほとんどが分からないままにこの本を書くことになってしまった。ゆえに彼女たちの逃亡生活がどのようなものであったかは私には想像することしかできない。楽しいものであることを祈る。
私にできるのはことの真相を確かめることだけ。それ故に雄英高校や関係者の入院した病院、あの凄惨な事件の中心となった放送局、そしてそれ以前にヒーロー殺しが行われた事件現場に赴きその尽くを描写したつもりだ。
悲しいことに個性は読み取るだけでそれを他者に伝えるすべはない。警察に行っても証拠としては扱うことはできないし、最悪そういう個性を持っているという妄想と捉えられてもおかしくはない。
故に、わたしはこうして小説という形でみんなに伝えようと思った。第二のヒーロー殺し。その行動を、その動機を。そして立ち塞がってくれたヒーローたちを。文才がない己が恨めしいが少しでも彼女がすごかったことが伝われば幸いである。
たくさんの人があの一連の事件の中で命を落としていった。そして、平和の象徴たるオールマイトを殺してしまったのはやはり世間体としてよろしくない。
彼の死後、よほど溜まっていたのか敵は当たり前のように活性化した。オールフォーワンなるものが紫吹の口から出たし、そうと思われる男も登場した。
私が知り合いのヒーローに連れて行ったもらった敵連合のアジトはすでに放棄されていた。序盤のオウタカとオールフォーワンの会話はそのアジトでのものだった。いつから彼がオウタカに目をつけていたのか知らない。できれば見つけ出して書きたいがその前にこの本を、と思った次第である。2巻があるならばぜひそのあたりの調査をしていきたい。
言い忘れていた。オウタカの生涯は、オールとなったあとも含めて紫吹の作り出した檻の中で終わった。空からの爆撃。それが紫吹のとったオール殺し。確実性は無かったかもしれないがそれでも彼女はやり遂げたらしい。きっと友に殺されてオウタカも満足していることだろう。紫吹には迷惑をかけたものだ(なお紫吹のことを呼び捨てにしているが、私と彼女には面識がない)
その後は死体も残さず消し飛んだ二人を失踪扱いとしながらも表面上はヒーロー殺しの騒ぎは終わりとなった。
恐らく、黒幕はやはりオールフォーワンなのだろう。オウタカの道場を襲ったのも彼の指示に従った敵であることは読み取ったわたしは知っている。
だが、世間というのはやはり扱いが難しい。ヒーローへの非難は高まり、雄英高校は監督不届きで廃校寸前にまで追い込まれた。卒業生たちの活躍がなかったら間違いなくそうなっていたであろう。
だが、正直言って私からすればどうでもいい。私がこの本を書いているのは哀れなオウタカがどのような流れで事件を起こしたのか。無個性の彼女の努力を、間違ってしまったかもしれないが社会へのメッセージを少しでも多くの人に伝えたいと思って書いた。
何人にこの本が渡るかわからない。名前を隠すようなことをしていないため見つかれば即座に没収されるか、あるいはそもそも、私が殺されてしまうかもしれない。
だが、それでも私は書かずにいられなかった。哀れな憐れな彼女のために、私が、できることといったらこれくらいだろう。
どうか、皆様、無個性の方を、見てあげてください。第二のオウタカを作らないためにも。親から率先して。決して見捨てないで。無個性も個性だと知って。一人にしないで……
失礼、少々感情的になってしまった。だが言いたいことではあるので書き直すことはしない。
きっとほかにも書くことはあるだろう。ちょくちょく出てきた緑谷少年だとかその友達の1年A組のことなど。
だが、文量も程々になってきたので一旦はここで話を締めたいと思う。
別にこの話を小説として楽しんでくれても構わないのだ。私が、伝えたいのはただ起こった出来事であって社会の変革ではない。むしろその役割はオウタカが全うしたと言っていいだろう。
だから私が最後に言いたいのはこれだけだ。
ー彼女を一人にしてしまった愚かな姉からー
ー我が親愛なる妹に捧げるー
ー夜原鶯雀ー
皆様、ご愛読ありがとうございました。
きっとこの跡にも緑谷くんはトラウマに呪われたりしながらもきっとヒーロー目指してます。きっとオールフォーワンと戦ってます。そしてそれ以降はきっと原作通りです()。が、どこまで書いても終わることはないと思うのでここでバッドエンドルートはおしまいとなります。
拙作であり、急ぎ足となった気もしますがこれにて一応の完結となります。(ハッピーエンド編はまたしばらくお待ちください……)
エンド『姉の手記』
付け加えるとするならこの小説に対する感想がこの後のヒーロー社会に対する世間の反応です
どっちが読みたいです…?(どっちにせよヒーローたちはえらい目に会います)
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オウタカ生存ルート(比較的ハッピーエンド
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オウタカ死亡ルート(悪に一切の救いなし