機動戦士ガンダム「野獣の一年戦争」   作:早起き三文

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第7話「新入隊員たち」

  

「カタリーナ軍曹であります!!」

「気に入らねぇな……」

「ハッ!?」

 

 

【挿絵表示】

 

 

 チーム・ヤザン、ベルファスト基地で新たに編成されたその部隊への新入隊員、その彼女に向かって。

 

「何か、ヤザン隊長?」

「いや、別に……」

 

 何か、面白くなさそうに彼はくわえた煙草の煙をゆらす。

 

「先の節、キャリフォルニアとニューヤークではありがとうございました、ヤザン少尉」

「おう……」

 

 ヤザンと大して歳は変わらないと思われる青年、TINコッドのパイロットであった彼が。

 

「これからよろしくな、ダンケル・クーパーとやら」

「ハッ!!」

 

 ややに機嫌の悪い、ヤザン・ゲーブルにとその手を差し出した。

 

「一応は、この私の部隊なのですからね、ヤザン少尉」

「わかってますって、メイリー大尉どの」

「なら、いいけど」

 

 とはいえ、ヤザン隊と正式に名が決まっている以上、彼ヤザンがこの部隊の実質的な隊長なのは違いない。単にメイリー大尉は彼の独断専行気味な性格に釘をさしたのみだ。

 

「ヤザン隊長」

「ラムサス、あの例の御仁は?」

「今、このベルファストのハンガーで隊長を待っています」

「全く……」

 

 煙草の火を付けたまま「歩きタバコ」を行う彼に他の連邦兵が眉をしかめるのも気にせず、ヤザンは。

 

「向こうから来いっての……」

 

 基地のハンガーへと、その足を運ばす。

 

 

 

――――――

 

 

 

「ヤザン、こいつに乗ってみないか?」

「だがな、ギャリー」

 

 上半身のみ、台座に載せられている連邦製のモビルスーツを見やりながら、ヤザンは宇宙で世話になったパイロット「ギャリー・ロジャース」へと軽く手を振ってみせる。

 

「これじゃ、シミュレータの方がマシじゃねえか?」

「まあ、見てろ……」

 

 そう言いながらギャリーはその「モビルスーツもどき」のコクピットにと入り、そのドアを解放させたまま。

 

 ギュウ……!!

 

 モビルスーツもどきの手、それを大きく振ってみせる。

 

「何でも、歩行システムがまだ未完成なんだとよ、ヤザン」

「だから、上半身だけ完成か」

「宇宙ならば、無理をすれば実戦配備も出来るようだが」

 

 しかし、宇宙に出せるといえども手足がなければ姿勢制御に推進剤を使わざるをえない。モビルスーツの手足は「ばたつかせる」ことで態勢を維持する役割もある。伊達の手足ではないのだ。

 

「でもよ、ヤザン」

「ん?」

 

 タバコの火を消し、懐からカロリーバーを取り出して口にと放り込むヤザンの元へ、ギャリーがその歩を進める。

 

「あの、お前がもらった高機動型ザクはどうなったんだ?」

「高機動型ザク?」

「そういう名前らしい、ルナツーで聴いた」

「ふぅん……」

 

 カロリーバーを口の先でブラブラとさせながら、ヤザンはそのギャリーの言葉に対して、とぼけたように。

 

「どうなったんだっけなあ……」

「おい、貴重な鹵獲機だろう?」

「ジェネレータが壊れて、ザニーの物と交換するとか言っていたな」

「ザニーのはザクの核融合よりも性能が悪いぜ、それで動くのか?」

「知らねぇ、と……」

 

 その首を振り、ヤレヤレといった風を見せるギャリーを無視し、ヤザンは夕食を取ろうと。

 

「いくらジオンにやられていても、メシにはありつけるんだよな……」

 

 空いた腹を抱えつつ、妙な所で感心をしながら食堂へと向かった。

 

 

 

――――――

 

 

 

「おい、カタリーナ」

「ハッ、隊長」

「オメエ、出身は中東の方だろう?」

 

 カレーライスを食べながら、ヤザンはたまたま相席となったカタリーナ、彼女の肌の色や仕草をみて、そう推測する。

 

「どうなんだ?」

「それをいったら、隊長も……」

「当たりだ、正解だ」

 

 何か気落ちするような事でもあったのか、ヤザンの席の隣にいるラムサスは黙々と唐揚げを食べている。別にヤザンは詳しい事は聞かない。

 

「あまり、良い思い出がある故郷ではないけどな」

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