Dear…【完結】   作:水音.

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※あとがきにウルキオラ義骸verの挿絵あり。


第26話 The Only in My Eyes ―きみしか見えない―

 剣術道場を出たあともふたりは飽くことなく空座町を散策した。

 ショッピングモールでは行く先々で嬉々として目を輝かせる沙羅をウルキオラは呆れ半分で見守りつつ、いつになく(やわ)らいだ表情も垣間見せる。

 ひとたび店内に入れば目についた服をあれもこれもと鏡の前で合わせてはしゃぐ姿に、普段ほとんど着飾ることのない沙羅にもやはりそういう願望はあるのだなと妙な感嘆を覚えた。

 

 と、そこまではよかったのだが、途中ぱっと振り返った沙羅はなにを思ったかウルキオラにまで服を見立てたりした。

 まったくもって乗り気でないウルキオラを強引に試着室に押しこみ、当人の意向などお構いなしに次々と服を着せては似合う似合うと手を合わせて喜ぶ。

 中でも細身の黒いジャケットを試着した際には店員も手放しで褒めちぎるほどで、すっかり購入する気になっている沙羅をウルキオラは全力で阻止する羽目になったのだが。

 

 その後も雑貨屋に立ち寄ったり、カフェで軽く食事をとったり。

 何気ない会話を交わすその姿は、今日ふたりが何度も町ですれ違った『ありふれた恋人たち』となんら変わりないものだった。

 

 そんな夢のような時間を過ごしながらも、沙羅はずっと時計から目を離すことができないでいた。

 次第に西に傾いていく太陽にその胸の内には焦燥が芽生え始めていた。

 

 

「……」

 

 正面から夕日を受けるウルキオラの横顔を盗み見る。

 仮面も仮面紋(エスティグマ)もないその横顔は、沙羅の記憶の中の桐宮紫苑そのもの。

 けれど今こうしてなんの違和感もなく現世に溶けこんでいるふたりは、別れのときがくれば『破面』と『死神』という敵対する立場に戻らなければならない。

 

 こんなに近くにいるのに。

 触れる指先の温もりだって、こぼれる微笑みの優しさだって、なにも変わらないのに。

 ただ立場が変わるだけで、どうしようもない隔たりを感じてしまう。

 

 

「沙羅?」

 

 いつの間にか足が止まっていたらしく、数歩先に進んだウルキオラが振り返っていた。

 

「どうした」

「ううん、なんでも「それがなんでもない顔か?」

 

 張りつけの笑みを浮かべるよりも早く紡がれた台詞に、返す言葉を失う。

 力なく俯くと、ウルキオラが小さく吐息をもらしてこちらへ踏みだしたのがわかった。

 

 ……待って。

 なにも言わないで。

 

 まだ帰りたくない。

 もう少しこのままでいたいの。

 

 

「沙羅」

 

 すぐ頭上で呼ばれた名前にも応えられずにいると、頬に手が添えられ上を向かされた。

 夕日の眩しさに目がくらみ、視界が一瞬だけ色を失う。それと同時に降ってきた優しい声。

 

「なんて顔をしているんだ」

 

 見上げたウルキオラは、困ったような案じるような、そんな揺らめいた表情で沙羅を見ていた。

 

「……そんなひどい顔してる?」

「ああ、ひどいな」

 

 ぐさりと言い放たれ顔を背けようとするも、頬に触れる手がそれを許してくれない。だがそんな些細な抵抗も次の言葉で泡と消えた。

 

「いっそ泣かれたほうがまだいいと思えるような顔だ」

「……」

 

 翡翠の双眸が寂しげに曇るのを目の当たりにして、左胸の奥がきりきりと軋んだ。

 

「……ごめん」

 

 時間に限りがあることなど最初からわかりきっていた。だからこそその限られた時間を精一杯楽しもうと決めたのに。

 一緒にいられる間は、ずっと笑顔でいようと決めたのに。

 

「時間が惜しいのは俺も同じだ」

「……うん」

 

 あまりに利己的な自分がつくづく嫌になる。

 哀しいのも苦しいのも、私ひとりだけじゃない。ウルキオラだって同じ想いを抱えているんだから。

 

「ごめんね……」

 

 どうにかして笑おうと思ったけれど、そう告げるのがやっとで。

 そうしている間にもふたりの頭上に広がる空はみるみる赤く染まっていく。

 

 どうして──

 離れている時間はあんなにも長く感じるのに、どうしてふたりで過ごす時間はこうも早く過ぎてしまうのだろう。

 

 楽しいから? 

 幸せだから? 

 だけどそんなのちっとも嬉しくない。

 

 楽しいからこそ、幸せだからこそ、他のどんな時間よりも長く感じていたいのに。

 引き止めるようにシャツの裾をきゅっと掴むと、それに気づいたウルキオラの口元がかすかに緩んだ。

 

「だめだな……」

 

 ため息にも似た呟きが耳をかすめる。

 

「名残惜しくなるから日が落ちる前には帰るつもりでいたんだが」

 

 自嘲をくっきりと浮かべた瞳が、沙羅を捉えていた。

 

「……帰したくなくなる」

「私も、帰りたくない……」

 

 裾を掴む手に一層の力をこめればウルキオラは憂うように瞼を伏せた。

 

「明日も任務があるんだろう?」

「うん……でも」

 

 彼の言うことはもっともで、真っ当な反論などできそうにもない。それでも素直に首を縦に振ることはできなかった。

 いくら聞き分けのないやつだとばかにされようと、まだこの手は離せない。離したくない。

 

 一体どれだけの間そうしていたのか、いよいよ地平線に沈みかけた太陽を背に、ウルキオラがぽつりと紡いだ。

 

 

「……朝までに帰れば間に合うか?」

「え……」

 

 言葉の意味を測りかねて沙羅は声を詰まらせる。ウルキオラは続けざまに問いかけた。

 

「それまで帰さないと言ったらどうする?」

 

 決して冗談ではない、真摯な瞳で。どんなごまかしも許さないとばかりにまっすぐに。

 

「どうするって──」

 

 途端、心臓がまるで意思を持ったかのごとく激しく跳ねあがる。

 切望していたはずの言葉は、いざ目の前に突きつけられるとどう答えていいのかわからなかった。

 否、答えはもちろん決まっている。決まっているけど。

 

「そんな聞き方ずるい」

 

 ウルキオラの目を直視できなくて沙羅は恨めしげに言った。

 今自分が真っ赤な顔をしているのはどうか夕日のせいだと思ってほしい。

 すると頭上でふっと笑みがこぼれた。

 

「なら帰さない」

 

 どこか弾んだ声で沙羅の手を取り身を翻す。

 人のそれとなにも変わらないその温かい手は、もう離さないとでも言うように沙羅の手をきつく握りしめていた。

 

 *

 

 すっかり日の落ちた空座町の町外れで宿をとったふたりは、窓際のソファーに腰を落ち着けて一息ついていた。

 窓の外には決して煌びやかではないもののどこかほっとさせるような空座町の夜景が広がっていて、それに目を細めつつ沙羅は口を開く。

 

「今日は本当に楽しかったな……楽しすぎてあっという間だったけど、今日一日でたくさんの思い出ができた」

 

 ウルキオラとともにいろんな店を回って、食事をして、お婆さんへの道案内もして、あの刀匠の血を引く老人にも会えた。

 たった一日とは思えないほどにたくさんの記憶が詰めこまれた、かけがえのない時間。

 そう思えるのは全て、隣にウルキオラがいてくれたからだということを沙羅は知っていた。

 

 

「……じゃあこれも思い出のひとつにでもしておけ」

 

 ぼそっと小声でそう言ったウルキオラは、懐から小さな包みを取りだし沙羅の手の上に乗せた。

 

「え……なに?」

 

 置かれたのは手の平にすっぽりと収まってしまいそうな小さな水色の巾着袋。

 ウルキオラの顔を窺いつつ綺麗に巻かれたリボンを解いてその口を開けると、沙羅は勢いよく顔をあげた。

 

「これ──!」

 

 巾着の中から出てきたのは沙羅にとって記憶に真新しいネックレスだった。というのもそれは沙羅が今日立ち寄った雑貨屋で見かけた際に一目惚れし、買おうか買うまいか散々迷ったものの結局諦めた品だったからだ。

 

「すごい! どうして私がこれを欲しがってるってわかったの」

「あれだけ物欲しそうな顔をしていれば誰でもわかる」

 

 小さく肩をすくめたウルキオラにそんなにわかりやすかっただろうかと内心で恥じつつ、沙羅はふと首をもたげる。

 

「でもいつの間に買ってたの? そんな時間なかったよね」

「おまえが俺の服を見立てるだのなんだのと騒いでいる間に買ってきた」

 

 なんと沙羅がウルキオラの服選びに没頭しているうちにひそかに抜けだしていたらしい。ウルキオラの私服姿に夢中になっていたのは認めるが、ちっとも気づかなかった。

 

「……ありがとう。大切にするね。あっ、じゃあ私もお礼しなくちゃ! やっぱりウルキオラにもあのジャケットを──」

「それはいい」

 

 立ち上がった沙羅の首根っこをむんずと掴まえて、引きよせる。

 なし崩し的にウルキオラの足の間に座りこむ体制になった沙羅は、不服そうに頭上を見上げた。

 

「だって私だけ買ってもらうなんて悪いじゃない。ちゃんとお返ししたい」

「いいと言っているだろう。本気で礼をしたいと思っているなら、しばらくこのままでいさせてくれ」

 

 背中から包みこむように回された腕にそっと力がこもった。

 

「……疲れた?」

「少しな」

 

 いくら霊圧を削いで義骸に身を潜めていたとはいえ、人間の姿で現世を歩くということには並々ならぬ気苦労があったようだ。

 甘えるように沙羅の肩口に顔をうずめるウルキオラに、沙羅は表情を和らげて掌を重ねた。

 

「ね、これ付けてみてもいい?」

「ああ」

「じゃあ付けて?」

 

 それくらい自分でやれと言われるかな、と思いつつネックレスのチェーンを首の後ろに回してみると、ウルキオラは一瞬戸惑いを見せつつも留め具を手に取った。

 覚束ない手つきで留め具を噛み合わせようと試みるが、なかなかうまくいかない。

 

「まだー?」

「……今やってる」

 

 こんな些細なことに必死になっているのがなんだか可愛く思えてくすくすと笑みをこぼすと、すかさず「笑うな」と憮然とした声が返ってきた。

 その後もしばらく留め具と格闘し、いよいよ沙羅が笑いだした頃にそれはようやくかっちりとはまってくれた。

 

「ウルキオラって意外と不器用?」

「うるさい。慣れていないだけだ」

「あはは、慣れてても困るしね」

 

 仏頂面のウルキオラを振り返って、沙羅は首元のネックレスを確かめるように指先でなでる。

 

「ねえ、どうしてこれが欲しかったかわかる?」

「……? 気に入ったからじゃないのか?」

 

 それはそうなんだけど、と笑って沙羅はネックレスの先端を指先で持ちあげた。

 ヘッドの部分に埋めこまれた翡翠の石が鮮やかな深緑色の輝きを放っている。それはまるでウルキオラの瞳をそのまま宝石にしたような優しい色合いで。

 店頭のディスプレイに飾ってあったそのネックレスに沙羅はたちまちのうちに魅入られてしまったのだ。

 

「……まあ気づいてないならいっか」

「なにがだ。勿体ぶらないではっきり言え」

「やだ」

 

 間髪入れずに答えるとウルキオラがまるで鳩が豆鉄砲を食らったような顔をしたので、沙羅はこらえきれずに噴きだした。いつもは怖いくらい鋭いくせに、こういうところは鈍いんだと思うとどうしようもなく可笑しくなってしまう。

 眉間に皺を寄せたウルキオラに慌てて「似合う?」と笑いかけると、まだ少し不機嫌そうにしながらも頷いてくれた。

 その瞳に宿る色は、やはりネックレスに埋めこまれた石と同じで優しい深緑色で。

 それに吸いこまれるように沙羅はゆっくりとウルキオラと唇を重ね合わせた。

 

 重ねた唇を離すことすら惜しくなる。

 呼吸をする間なんていらないと、心の底からそう思う。

 それでも生理的な息苦しさには耐えきれず、時折離す唇の隙間から空気を取りこんではまた何度も深く口づけ合った。

 

「ウル……」

 

 呼吸とともにもれた名前を最後まで紡ぐことなく再び塞がれる。

 肌越しに伝わるウルキオラの熱がとても熱くて、でも心地良くて、頭の芯まで溶かされそうな感覚に揺さぶられていく。

 熱情に堕ちていく自分を全身で感じて、無意識のうちに掴んでいた腕にきゅっと爪を立てると、それに気づいたウルキオラが静かに唇を離した。翡翠の双眸がまっすぐに沙羅を捉える。

 

「怖いか?」

 

 一瞬目を丸くした沙羅は、言葉の意味を知ると同時に微笑みを浮かべた。

 

「私がウルキオラのなにを恐れるの?」

 

 こんなにもあなたが愛しくてたまらないのに。そんな慈しみに満ちた眼差しで見つめて、怖がるとでも思ったの? 

 ふわりと目を細めればウルキオラもまた小さく笑んだ。

 

「おまえはこんなときまで強気だな」

「私らしいでしょ?」

「今にその口きけなくしてやろうか」

「ちょっと……怖いこと言わないでよ」

 

 緩く口の端を持ちあげたウルキオラに慌てて首を振るものの、向けられる微笑みの中にこの上ない愛情が含まれていることを知っている。

 

 だって、ほら。

 私の手を絡め取るその指先の動きひとつとっても、まるで宝物に触れるみたいに、優しい。

 私の髪をすくうもう一方の手も、それに触れる唇も、こんなにも優しい。

 

 だからどんな脅し文句で試したって無駄。

 私があなたを怖がることなんて、ありえない。

 

 繋いでいない側の手を伸ばすとウルキオラはすぐにそれに応えて抱きしめてくれた。肩越しに体重がかけられ、ゆっくりと身体が倒される。

 首筋に触れるウルキオラのさらさらとした髪がくすぐったくて身を捩ると、彼はそれを面白がるように同じ箇所に唇を寄せた。

 

 その唇も、その指先も、その微笑みも温もりも。

 なにもかもが愛しいと思った。

 

 窓から射しこむわずかな月明かりが今のふたりの視界を支える全てで、そこに映るのは互いにたったひとりの姿だけ。

 ただ、きみしか見えなかった。

 

 *

 

 今ほど時が止まればいいのにと願ったことはない。

 

 最初は逢えただけで幸せだと思った。

 百年もの昔に過酷な運命のもと引き離されたふたりが、こうして再び巡り合い、心を通わせることができたのだから。

 例え今は破面と死神という敵対する立場にあろうとも、気持ちがひとつに重なり合えるのなら、それで十分に幸せだと思っていた。

 

 だが、欲は次第に深くなる。

 逢う回数を重ねるたび、もっと一緒にいたいと思うようになった。

 人目を忍んで逢瀬を重ねるたび、自分たちも普通の恋人同士のように堂々と町を歩きたいと思うようになった。

 そしてその念願が叶ったはずの今では、この時間が永遠に続けばいいのにと願っている自分がいる。

 

 最初は確かに想い合えるだけで幸せだったのに。

 どうしてこうも欲深くなってしまったのだろう。

 

 

「沙羅……」

 

 その声で名を呼ばれるだけで、涙があふれそうになる。

 切なげに眉根を寄せるウルキオラがたまらなく愛おしくて夢中で縋りついた。

 

 ねえ、ウルキオラ。

 今の私に恐れるものがあるとすれば、それは時間。

 この全てを満たしてくれる幸せをまるごと攫っていってしまう時間だけ。

 

 あなたが私の名を呼ぶ瞬間も、温もりを与えてくれる瞬間も、一秒として止まらずに流れて続けていくこの時間が惜しいよ。

 いっそこのままずっと重なり合って、ひとつに溶けてしまえたらいいのに。そうすれば、もう時間に怯えることもなくなるのに。

 

「どうして私たちは別々に生まれちゃったのかな……」

 

 ぽつりと喉からもれた呟きにウルキオラの動きが止まった。

 

「……答えが欲しいか?」

 

 まるで分かりきっているような口ぶりで、熱のこもった瞳が沙羅を射る。

 

「愛し合うために」

 

 瞬間、息を止めた沙羅の頬に手を伸ばしてウルキオラは続けた。

 

「もしも俺たちがひとつだったら、俺はおまえに触れられない。おまえを護ることもできない。……こうしておまえを愛せない」

 

 柔らかい頬の上で手を滑らせて、ウルキオラは表情を緩める。

 

「だから俺はこれでよかったと思っている。こうして触れていればおまえの存在を感じられるから」

 

 その言葉に、一体どれだけの想いがこめられているのか。一身に注がれる愛しさを心と肌で感じて沙羅の目には自然と涙があふれた。

 ウルキオラの指が目尻に溜まった涙をすくいとったところで、ようやく自分が泣いていることに気づく。

 

「ん……ごめん」

「いい」

 

 顔を背けて涙を拭おうとする沙羅を制して、ウルキオラはそっと瞼に口づける。

 

「今は好きなだけ泣け」

 

 どうしてそんな優しいことを言うのだろう。

 せっかくこらえているのにますます泣けてしまう。

 

「……っ」

 

 わずかな嗚咽とともに涙を流すと、ウルキオラは何度も啄ばむように甘い口づけを降らせた。

 沙羅もウルキオラの首に腕を絡めてそれに応えようとする。

 

 ウルキオラ。

 私はあなたよりもずっと欲張りみたい。

 だってこんなに傍にいるのに、足りないよ。

 

 もっと名前を呼んで。

 もっと触れて。

 そうでもしないとおかしくなりそうなの。

 

「沙羅──……」

 

 うわ言のように繰り返される自分の名は、まるで心を満たしてくれる魔法の呪文のようだと沙羅は思った。

 首に回した腕に力をこめれば、ウルキオラも一層の力をこめて抱き返してくれる。

 

 何度でも聞きたい。

 何度でも触れ合いたい。

 

 涙に濡れた瞳で見上げると、背後に月光を背負ったウルキオラが儚げに目を細めた。

 

「沙羅……おまえを心から愛してる」

 

 胸にあふれるこの想いの名を、ふたりはとうに知っていた。

 

「うん……私も。愛してる……ウルキオラ……」

 

 

 いずれ止まらぬ刻ならば、今は刹那でも長くその温もりを。

 

 心も身体も溶け合って、ただひたすらに想いの丈を吐きだして

 

 耳元で甘い睦言を紡いでは、何度も目を合わせて微笑み合った。

 

 

 その夜、窓に覗く月が最も高くまで昇りつめても、ふたりはいつまでも互いの温もりを分け合っていた。

 

 こみあげる愛しさにただ身を任せて。

 

 

 ***




《The Only in My Eyes…きみしか見えない》

 本作随一の甘く幸せな時間。


↓ウルキオラ義骸ver(カスタムキャストにて作成)

【挿絵表示】

 義骸に入った姿です。外見は紫苑そのまま。
 宿にてウルキオラが「……じゃあこれも思い出のひとつにでもしておけ」と沙羅にネックレスを渡したシーンのイメージです。
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