イナズマイレブン〜To the bone   作:Rêve

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ようやく2話目が書けましたー。
…幼い子供の喋り方って難しいよね。


出会いは突然に

記憶を取り戻した翌日、刃は薫を連れて街を散策していた。というのも『イナズマイレブン』の世界に転生したのは理解したので、自分がどこにいるのかを確認したいのである。

 

しかし、刃の持つ前世の知識は大まかな流れと一部の主要キャラクターしか覚えてないレベルと、正直役に立つかも微妙である。

 

だが、そんな彼の知識でも自分が原作の本筋とは関係ない場所に転生したことは分かる。

 

なぜなら、この地域のことを調べると、原作に出てきた学校の名前が一切見当たらないからである。

 

(原作には一切関わらずとも生きていけるな。……本当にそれでいいのかはわからないが)

 

転生したからといって、原作に関わる必要は一切ないのである。サッカーをせずに、のうのうと暮らすことも悪いことではないのだ。

 

「お兄ちゃん?変な顔してるけどどうかしたの?」

 

「んー?何でもないぞー?」

 

考えごとをしていたからか、変な顔をしていたと指摘される。怪訝そうな顔で自身の顔を見ている薫の頭を撫でながら、微笑む刃。それにつられたのか、薫もまた微笑む。

 

撫でられて嬉しそうに微笑む薫を見て、荒んでいた心が少し洗われたような感覚を味わう刃。……家族に愛されるということ自体が今の彼にとっては初めてなので当然なのかもしれない。

 

ひとしきり兄妹でじゃれ合うと、再び歩き出す。もう最初の目的だった確認ではなく、もはやただの散歩になっている。

 

薫と手を繋ぎながら歩き続けて、辿り着いた場所は近所にある公園だった。

 

平日の昼間、長期休暇期間でもないので閑散としている。しかし、一人だけ先客がいた。

 

目にかかるほど長い前髪を持つ白髪の自分たちと同じくらいの歳の少年が、リフティングをしていた。

 

その少年はやってきた刃たちに気がついたのか、リフティングをやめて、ボールを抱えながら走って刃たちの方へ近づく。

 

「ねぇ!君たちここら辺の子?」

 

突然話しかけられたからか、薫は刃の後ろに隠れてしまう。知らない人に話しかけられれば無理もないだろう。それに対して刃は少し警戒しながらも口を開く。

 

「そうだけど……」

 

「あはは。ならよかった。聞きたいことがあるんだ。————ここどこ?」

 

「……は?」

 

目の前の幼い少年から飛び出した大胆な迷子宣言。せいぜい1つくらいしか違わないであろう少年なのに、泣くどころか笑顔でいる彼に困惑しか隠せない刃。薫に至っては心配そうな顔でオロオロしている。

 

「…一応聞くけどどこからここに?」

 

どこからここに来たか、それはとても重要なことである。…5、6歳の少年がそれに答えられるかは別にしてだが。

 

「えーと……臨界町?だったかな?」

 

「…………隣の県の町からどうやってここに!?」

 

これには流石に転生者である刃も驚きを隠せない。幼い少年がどうやって隣の県の町からここにこれるのか、彼には理解できなかった。…迷子なら普通にありえるのでは?と考えてはいけない。

 

「いやー、電車に乗ったらこんな所まで来ちゃってさ。間違えたかなーって降りたんだよ」

 

「一人でここまで来たんだ!すごい!」

 

心配そうにしてた薫は一人でここまで来たという少年を褒める始末である。彼も「どうだーすごいだろー」と胸を張っている。ただの迷子なのに。

 

「薫?その子ただの迷子だぞ?褒めるところじゃないぞ?」

 

「そうなの…?大丈夫なのかな…?」

 

刃に諭されて再び心配そうな顔に戻る薫。しかし、それを見た白髪の少年は笑顔で告げる。

 

「いつものことだし俺も慣れちゃったんだ。この前なんか新幹線に乗ってたよ」

 

「いや、おかしいだろ!?」

 

これがいつものこと……彼の話を聞くに今回は割とマシな部類なことに、刃はつい声を荒げてツッコんでしまう。多分、誰だってそうするのではないか。

 

「交番に行こうかなーって思ってたんだけど、歩いてたら公園に着いたから遊ぼうと思ってたんだ」

 

「この状況で!?あと交番は逆方向にあるからな!?」

 

流石の刃も気付く。目の前に少年が酷い方向音痴なことに。でなきゃこんなことにはなっていないだろう。

 

「ねぇねぇ!迷子ならお母さんが迎えに来るまで遊ぼうよ!」

 

そんな中薫は前向きに少年を遊びに誘う。…警察に連絡もしてないのに母親の迎えが来るかどうかは置いておく。しかし、連絡する手段を持ってないのも事実である。

 

「いいよー!一人より三人の方が楽しいからね!」

 

「いいのか!?迷子だよな!?」

 

転生者なおかげで精神年齢が結構上な刃にとって、この二人の行動は驚くのに十分だった。そして、溜息をつく。もう諦めて流れに身を任せるらしい。

 

「……遊ぶにしても何をして遊ぶんだ?」

 

当然な疑問である。この公園は広いが遊具は少なめである。三人で遊ぼうにも遊ぶ手段が少ないのだ。

 

その質問に対し、白髪の少年は手に持っているサッカーボールに一瞬目をやり、刃たちを見据えて笑顔で答えた。

 

「サッカー…やろうか!」

 

———これが塵山刃のサッカーとの出会いである。

 

 

 

 

 




まだキャラ募集してるのでぜひ参加のほうをお願いします。
少なくとも幼少期が終わるまでは締め切らないので…
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