とある兄妹のデンドロ記録(旧)   作:貴司崎

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今回は戦闘の無い日常回です、あと原作キャラも出ます。


それでは本編をどうぞ!


兄妹のアルバイト

 □王都アルテア冒険者ギルド 【司祭(プリースト)】レント

 

「「アルバイト?」」

 

 今日も冒険者ギルドに来ていた俺と(ミカ)は、とりあえず討伐系のクエストを受けようと思っていたのだが、そこでアイラさんに別のクエストの依頼を出された。

 

「はい…………実は私の母が営んでいる雑貨屋で急に欠員が出てしまって、それでアルバイトを募集したのですが人が集まらず…………どうかお願い出来ないでしょうか?」

 

 ちなみにクエストの内容はこんな感じだった。

 

 難易度:一【アルバイトーマリィの雑貨屋】

【報酬:時給300リル】

『時間は約8時間を予定しています。初心者も大歓迎! とてもフレンドリーな職場です』

『※ 働きに応じて特別報酬もあります』

 

 んー…………現実換算で時給三千円と考えれば割りのいいバイトと言えなくもないんだが…………こう…………紹介文が…………

 

「アイラさんには何時もお世話になってるしね! 私は受けても良いよ。たまにはこういうのも面白いし! お兄ちゃんは?」

「…………うん……まあゲームだし大丈夫か……わかりました、受けます」

 

 そう言うと、アイラさんは嬉しそうな表情をした。

 

「ありがとうございます。では雑貨屋への地図を出しておきますね…………どうかよろしくお願いします」

 

 こうして、今日のクエストは雑貨屋でのアルバイトになった。

 

 

 ◇◇◇

 

 

 □王都アルテア<マリィの雑貨屋> 【戦士(ファイター)】ミカ

 

 もらった地図に従って歩いていると、目の前に一軒のお店が見えてきた…………うん、看板にも“マリィの雑貨屋”って書いてあるね! 

 

「ついたみたいだよお兄ちゃん!」

「そうみたいだな…………すみません! アルバイトの依頼を受けた者ですが、誰かいませんか?」

 

 そう言うと、すぐに店の中から声がして誰かが出てきた。

 

「は〜い、今行きまーす……いらっしゃい貴方たちが依頼を受けてくれた人達ね! 何時ものバイトの子達が急に来れなくなって困ってたのよ〜助かるわ!」

 

 出てきたのは気の良さそうな女性だった……何処と無くアイラさんに似ているね、つまりこの人が…………

 

「自己紹介がまだだったわね、私はマリィ・ローラン、この店の店主をやっているわ」

「俺は<マスター>のレントです。今回はアイラさんからの紹介で来ました」

「同じく<マスター>のミカです! 今日はよろしくお願いします!」

 

 するとマリィさんは少し驚いたような表情をした。

 

「あら! 貴方たちがレントくんとミカちゃんなのね! ()()()()()()()()()話は聞いているわ! とりあえず上がってちょうだい」

「はい、失礼します」

「失礼しまーす」

 

 

 ◇

 

 

 店の中に入ると、そこにはポーションなどの消耗品や武器・鎧・服・アクセサリーなどの装備品、果ては見知らぬマジックアイテムらしき物などが綺麗に並べて置いてあった…………うーん、流石雑貨屋だけあって様々な物が置いてあるみたいだね。

 

「とりあえず二人には接客と商品の整理整頓を手伝ってもらうわ。……()()()()()()危険なアイテムとかは置いていないけど、それなりに高価なアイテムも置いているから私の指示には従ってちょうだいね?」

「「はい! わかりました!」」

「それと二人にはコレを付けてもらうわ」

 

 そう言って渡されたのは…………これは片眼鏡(モノクル)? 

 

「この【鑑定士のモノクル】には《鑑定眼》スキルのレベルを+1する効果があるわ。二人はまだ《鑑定眼》を覚えていない見たいだし、バイトの間だけ貸しておくわ」

「「わかりました、ありがとうございます!」」

「じゃあ早速仕事にかかりましょうか!」

「「はい!」」

 

 こうして私達の初めてのアルバイトが始まった。

 

 

 ◇

 

 

「レントくん、コッチの鎧を動かすのを手伝ってくれるかしら?」

「はい、わかりました」

「ミカちゃんはコッチのアクセサリーを並べて置いてくれる?」

「はーい、わかりました」

「…………よし! 大体の整理整頓は終わったわね。じゃあ二人にはこれから接客をしてもらいましょうか」

「「はい! わかりました!」」

 

 

 ◇

 

 

「はーい、いらっしゃいませ!」

「あっミカさん! ここで何をしているんですか?」

「エルザちゃんじゃん! 久しぶり〜。今はアルバイトしてるよ〜……ところでそっちの()()()()()()()()()()()()()はどちら様?」

「あ、彼女は私の<エンブリオ>が第二形態に進化した時に生まれた……」

「【ワルキューレ】二人目のセリカです。よろしくお願いしますね」

「へ〜もう一人増えたんだ……ところでエルザちゃん、何か買ってく?」

「…………じゃあ、MPとSPの回復ポーションをください」

「まいどあり〜」

 

 

 ◇

 

 

『お、ミカちゃんだクマ、バイトクマ?』

「あ、シュウさん‼︎久しぶり〜! うん、今バイトしてるんだ!」

「ミカ、そちらの着ぐるみの人は?」

「この人はシュウ・スターリングさん! この前ソロでやってた時に一緒にパーティーを組んだんだ〜……あっ! こっちは私のお兄ちゃんのレントです!」

「ミカの兄のレントです。先日はウチのミカがお世話になったようで…………」

『シュウ・スターリングですクマ。いやいや、ミカちゃんにはむしろこちらの方が助けて貰いましたクマ』

「もー! 二人共なんか保護者の会話みたいになってるよ!」

「いや、お前が世話になった様だしちゃんと挨拶しないと…………」

『ま、弟妹に甘いのは兄の常クマ、よくわかるクマ』

「むー…………で、シュウさんは何買いに来たの?」

『実は、少し遠出をする事になったクマ。だから消耗品を買い込んでいるところクマ、ポーションとかあるクマ?』

「ポーションは色々ありますよ。あと長時間の野外活動に便利なマジックアイテムも新品・中古と取り揃えていますよ〜」

『ふむふむクマクマ…………あっ、この水をろ過して飲める様にするマジックアイテムはいいクマね、それに中古だから安いクマ、これとポーションをいくつか買うクマ』

「は〜い、かしこまりました〜」

 

 

 ◇

 

 

「あーレントくんやん、久しぶりやねー。何しとるん? バイト?」

「ああ月夜さん、お久しぶりです。はい、今はアルバイトのクエストをこなしてます」

「ちょっとお兄ちゃん! 一体いつこんな美人と知り合ったの⁉︎」

「ああこの人は、この前ソロで司祭系のジョブクエストを受けた時に知り合った扶桑月夜さんだ。……こっちは俺の妹のミカです」

「いやー美人なんて嬉しいわー……ミカちゃんやね? ウチは扶桑月夜、よろしゅうなー……あ、後ろの二人はウチの<エンブリオ>のカグヤと秘書の影やんや」

「此は月夜の<エンブリオ>のカグヤよ」

「秘書の月影永仕郎と申します」

「はい…………それで月夜さんは何をお求めになられますか?」

「うーん、最初は冷やかしに来ただけのつもりやったんやけど……せっかくやしなんか買ってこかー……あっ、この回復魔法スキルの効果を上昇させるアクセサリーとかええやん、それに中古やから安いしー……これとMPポーションいくつか買っとくわー」

「はい、かしこまりました」

 

 

 ◇

 

 

「おー! 本当にエーリカの言ってた通り色々な物が売ってるんだね! マスター!」

「ああそうだな、ネイ……隠れた名店という彼女の言葉は本当だった様だ。……すまない、ステータスが上がるアクセサリーは何処にあるのだろうか?」

「はい、それらのアクセサリーはこちらになります。新品・中古共に取り揃えておりますよ」

「あっ! 結構いっぱいあるよマスター! 中古の安いのもあるし!」

「そうだな…………このSTRとAGIが上がる中古のアクセサリーをそれぞれ一つずつ頼めるだろうか?」

「はい、かしこまりました」

 

 

 ◇

 

 

「えーと…………特撮ヒーローの様なヘルムですか? …………普通のフルフェイスヘルムなら置いていますけど……そういうのは置いてないですね」

「そうか…………」

「うーん……そもそも特撮ヒーローという概念がこの世界にはないですから……」

「確かにその通りだな…………すまない、手間を取らせた様だ」

「いえ、大丈夫です。……専門の職人ならオーダーメイドでそういうデザインのヘルムも作れるかも知れませんけど…………」

「……そうだな、その方向で探してみることにしよう。……相談に乗ってくれて感謝する、それといくつかポーションを買っていこう」

「はい! かしこまりました!」

 

 

 ◇

 

 

「ふー、いやーようやくバイトが終わったね〜お兄ちゃん」

「ああ、思ったよりいいバイト先だったな。……なんか新しく《鑑定眼》のスキルも覚えたし」

「うん! 私も覚えたよ! …………このモノクルのおかげかな?」

 

 バイトが終わってからそんな話をしていると、マリィさんが質問に答えてくれた。

 

「ええそうよ、そのモノクルをしばらく使っていると、適正のあるジョブでなら《鑑定眼》のスキルを取得出来るわ」

「へえーそんなスゴイモノクルだったんですね〜。マリィさん! 貸してくれてありがとうございます!」

「ありがとうございます」

「別にいいわよ〜……私の方も二人が手伝ってくれたお陰で助かったわ。今日はいつもよりたくさんお客さんが来たしね。…………さてと、二人には報酬を渡さなきゃいけないわね」

 

 そういうと、マリィさんはリルが入った袋と()()()()を取り出した。

 

「こっちは二人のバイト代、そしてこっちの紙は特別報酬の【墓標迷宮探索許可証】よ。これに二人の名前を書けば、この国の神造ダンジョン<墓標迷宮>に入ることが出来る様になるわ」

「バイト代はいいんですけど…………特別報酬なんて受け取っていいんですか?」

「ええ、今日は二人のおかげで売り上げが良かったし、この【許可証】も旦那のツテでそれなりに手に入れられるし…………それに、二人のおかげでウチの旦那と娘は本当に助かったみたいだから、そのお礼も兼ねているわ」

 

 そうマリィさんが言うけれど、娘の方はアイラさんとしても旦那さんの方はいったい誰のことだろう? 

 

「あの〜旦那さんっていうのはいったい?」

「ああ、貴方たちがこの国に来た時に、門の所であった騎士がウチの旦那のリヒトよ」

 

 あっ! 門番さんのことか! 

 

「貴方たちが話してくれた<マスター>の情報のおかげで、騎士団やギルドが<マスター>の増加に対応するのが大分スムーズになったと旦那と娘が言っていたからね、これはそのお礼だから遠慮なく受け取りなさい!」

「「はい! ありがとうございます‼︎」」

 

 そうして私達は【墓標迷宮探索許可証】を受け取った。

 …………私達がやったことは結構ティアンと<マスター>の関係に影響を与えて居たんだね……

 

「じゃあこれでバイトは終わりね! 次は客として来てちょうだい、サービスするわよ」

「はい! 是非来させてもらいます‼︎」

「今日は妹共々ありがとうございました」

 

 こうして私達の初めてのアルバイトが終わった。




あとがき・オマケ、各種オリ設定・解説

兄妹:今回のバイトは色々得るものがあったので受けて良かったと思っている。

アイラさん:実は母に頼まれて二人を連れてくる様に言われていた。

マリィ・ローラン:依頼主
・実は昔魔術師として王宮に仕えていた。
・メインジョブに【賢者】、サブの上級職に【高位魔道具職人】を修めている王国でもトップクラスのマジックアイテムメイカー。
・結婚と出産をキッカケに辞職し、今は趣味のアイテム収集を活かして雑貨屋を営んでいる。
・店とは別にマジックアイテムメイカーとしての仕事は続けている。

<マリィの雑貨屋>:王都の雑貨屋
・趣味でやっているため値段は全体的に安い。
・集めたアイテムや彼女自身が作ったマジックアイテムが並ぶこともあるため隠れた名店として知られている。

【鑑定士のモノクル】:鑑定レベルを+1するアクセサリー
・《鑑定眼》の汎用性からお値段二十万リル。

エルザちゃん:今回の客その一
・<エンブリオ>が進化して数が増えた。
・今は装備を揃える為にギルドの依頼をこなしている。

セリカ:【ワルキューレ】の二人目、銀髪
・彼女たちの外見は髪の色以外は同じ。
・なので髪型をそれぞれ別にしようかと考えている。

シュウ・スターリング:今回の客その二
・彼のその後は原作ウェブ版のEpisode Superior Dance of Animaを参照
・マジックアイテムのおかげで水は手に入った。

扶桑月夜・月影永仕郎・カグヤ:今回の客その三
・今はまだクランを創っておらず、地道にデンドロをプレイ&布教活動中。

少女の<エンブリオ>を連れた<マスター>:今回の客その四
()()()()()()()()()()()()から雑貨屋のことを聞いて訪れた。

特撮ヒーローのようなヘルムを探していた<マスター>:今回の客その五
・この後お金を貯めつつヘルムを作ってくれる職人を探し始めた。


読了ありがとうございました。次も短編の予定です。
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