では、本編をどうぞ。
■<ノズ森林>奥地 ???
『GUUUUU』
タリナイ
『GUUUUUU』
血ガタリナイ
『GUUUUUUU‼︎』
ワガ
ヤハリ、イクラザコヲ切ッテモタイシタタシニハナラヌ。モットツヨイモノヲ切ラナクテハ。
…………アノ六人ノニンゲンドモハナカナカ切リガイガアッタ。マタ、アノヨウナニンゲンドモガコナイダロウカ。
コノ剣ヲモッテカラ、ワレハ絶大ナチカラヲエタ!
…………モハヤワレハアノヨウナアノヨウナチイサナ群ヲスベルダケノワイショウナ存在デハナイ‼︎
マア、アノモノタチモサイゴハワガ剣ノカテニナレタノダカラホンモウダロウ…………
ソウ…………コノ剣ノチカラデ、ワレハコノセカイデ唯一ノソンザイ…………
◇◆◇
□<ノズ森林>奥地 【
「じゃあ、フォルテスラさんとシャルカさんはよく一緒にパーティーを組んでいるんですか?」
「ああ、最初は野良のパーティーで偶々組んだだけだったんだがシャルカとは妙に気が合ってね、それ以来よく一緒にクエストをこなしたりしているよ」
「ええ、私もフォルテスラとは何故か気が合いまして、それに私とラフムだけだと攻撃力が足りないのでアタッカーが居てくれると助かるんですよ。…………それで、レントくんはいつもミカちゃんやエルザちゃんとパーティーを組んでいるんですか?」
「いえ、ミカは実の妹なのでいつも組んでいますが、エルザちゃんはフレンドではありますがたまにしか組んでいませんね。今回のクエストでも一緒になったのは偶然ですし。お二人はどうなんですか?」
「俺とシャルカは二人揃ってギルドからクエストの依頼を受けたな。他にも、何人かよく組んでいる<マスター>は居るんだが都合がつかなくてな…………それに、このクエストを受ければティアンの被害を減らせると思ったからな」
「あと報酬も良かったですしね」
俺は<ノズ森林>の奥地を歩きながら、フォルテスラさんやシャルカさんとこのクエストを受けた訳やお互いのパーティーメンバーの事などについて話している。
やっぱり男同士だと気軽に話せていいな! …………俺がデンドロで話してきた相手って、ミカを始めとしてアイラさん・エルザちゃん・月夜さんと女性が多かったからなぁ。
えっ、ミカ? ミカならエルザちゃんやネイリングちゃん達とガールズトークしてるよ…………その姦しさに居心地が悪くなったから、こうやって男同士で話しているってのもある。
「しかし、さっきから随分と緩い空気になっているな」
「まあ、ギスギスするよりもいいのでは? 出て来るモンスターもほとんど瞬殺出来ていますし」
「俺も《生物索敵》を使って警戒していますが特に反応はありませんからね。他にも、周辺を警戒しているヴェルフやウォズがいますが特に異常は無いみたいですし」
この森の奥地に入ってから出てきたモンスターは、殆どが前衛のミカやアリアさんやフォルテスラさんにすぐに倒されてしまっていた。
たまに現れる少し強いモンスターも物理攻撃無効を持つラフムを突破出来ず、その間に他のメンバーに総攻撃されて倒されていた。
でも、流石にそろそろ注意を促しておくか…………この森の状況は
「はーい! 全員あんまり気を緩め過ぎないようにしろよ、この森に異常が起きているのは明らかだからなー」
「えっ? この森の奥地に入ってからは対して強いモンスターと遭遇してませんよ?」
「だからだよエルザちゃん、<ノズ森林>の奥地にしてはモンスターが
「成る程な……俺達がこうやって楽に行動できているのがそもそもおかしいのか……」
「そういう事です、フォルテスラさん」
俺の言葉に皆が納得したらしく、全員武器を構えて(ネイリングちゃんも剣形態になってフォルテスラさんの手に収まっていた)辺りを警戒しつつ進むようになった。
…………しばらくすると周辺を警戒していたヴェルフやウォズが声をあげ始めた…………俺の《生物索敵》にも反応があったな。
「全員構えて! 向こうから何かきます‼︎」
反応があった方向の森の中から出てきたのは、体長が五メートルぐらいあるカブトムシに似た姿のモンスターだった…………頭の上には【
「亜竜級のモンスターか! 全員気をつけろ‼︎」
『GIGIGIGI!』
こうして俺達と【亜竜突撃兜虫】との戦いが始まった。
◆◇◆
■<ノズ森林>奥地 ???
フム…………マダコノ森ニノコッテイタ虫ケラト、ミョウナニンゲンドモガ戦イヲハジメタカ。
アノ虫ケラモワガ剣ノカテニスルツモリダッタノダガナ。
…………マアイイ、コノ戦イニカッタモノヲワガ剣ノカテニスレバヨイダケヨ…………
◇◆◇
□<ノズ森林>奥地 【
『GIGIGIGI!』
おっといきなり【亜竜突撃兜虫】が突っ込んできたね! どうやらその名前の通り突撃が得意みたい。
…………でも、こっちには物理攻撃にはめっぽう強い壁役がいるんだよね〜。
「抑えろ! ラフム‼︎《エンチャント・ストレングス》《エンチャント・アジリティ》!」
『BO・BO・BO‼︎』
その突撃をシャルカさんの単体バフを受けたラフムが受け止めた。その際相手のツノがラフムの身体を貫通するが、身体が流動する泥で出来ているラフムにはダメージがなく、そのまま強化されたSTRとAGIを使って泥の身体を動かして相手を絡め取り動きを封じた。
やっぱり物理攻撃無効の流体って強いよね! 相手が物理攻撃しか出来ないなら大体完封出来るし!
『GIGIGIGI⁉︎』
「《テイマーズコマンド・アタック》《テイマーズコマンド・スピード》! アリア! トリム! 行って‼︎」
「はいっ! 《スラッシュエッジ》‼︎」
「わかった! 《魔蟲切り》‼︎」
「俺達も行くぞ、ネイ! 《オーヴァー・ブレード》《スラッシュエッジ》‼︎」
「じゃあ私も行こうかな! 《インパクトストライク》‼︎」
動きが止まった相手に私達アタッカーのアクティブスキルが次々突き刺さっていき、相手のHPが一気に減って身体にもいくつも傷がついた。
特に、フォルテスラさんとネイリングちゃんの攻撃は一撃で相手の足を切り飛ばしていた…………大物相手ならまかせて! とネイリングちゃんが言ってただけはあるね。
すると、相手が背中の羽根を広げて飛び立とうとしていた……まあ虫だから空も飛べるよね。
「空を飛ばせるつもりはないぞ《モンスター・ハント》“魔蟲”《ハンティングスナイプ》!」
「アーシー、お願い《ロックランス》!」
『
『GIGIGIGI⁈』
そこへ、お兄ちゃんの指定した種族のモンスターへの特効スキルが上乗せされたアクティブスキルと、アーシーちゃんの岩の槍を放つ地属性魔法が襲いかかり、相手の二枚の羽根を貫いて飛行出来なくさせた。
飛べなくなったと分かった相手はさらに激しく暴れるが、身体に絡みついたラフムを振り解くことは出来ないでいるようだ。
「今だ! 一気に畳み掛けるぞ《ハンティングアロー》‼︎」
「《トライスラッシュ》‼︎」
「《スマッシュメイス》‼︎」
「《オーヴァー・エッジ》《スラッシュ》‼︎」
そこにお兄ちゃんの矢・アリアさんの連続攻撃・私の【ギガース】による一撃・そしてトドメにフォルテスラさんの刀身を大きく伸ばしたネイリングちゃんによる一閃が相手の胴体部の甲殻の隙間に直撃し、その身体を半ばから断ち斬った。
◆◇◆
■<ノズ森林>奥地 ???
…………アノミョウナニンゲンドモガ勝ッタカ。
…………ナラバワガ剣ノカテニナッテモラウトシヨウ。
…………マズハアノ女カラダ…………
◇◆◇
□<ノズ森林>奥地 【大狩人】 レント
フォルテスラさんの一撃によって胴体を真っ二つにされた【亜竜突撃兜虫】は、しばらく痙攣したのちに光の塵になっていった。
「お疲れ様ですフォルテスラさん、見事な一閃でしたね」
「いや、あれはシャルカのラフムが抑えていてくれたから出来たことだ…………それに他のメンバーの攻撃によるダメージで動きが鈍っていたからな。…………それと、アイツが落とした【宝櫃】はどうする?」
「それはフォルテスラさんが持っていてください。クエストが終わった後に他のドロップアイテムと一緒に分配しましょう」
「わかった、では今は俺が持っておこう」
周りを見てみると、一戦を終えたからか弛緩した空気が流れていた…………一人を……ミカを除いて。
「どうしたミカ…………何か感じたのか?」
「うんお兄ちゃん……
「っ! 全員周囲を警戒! 何か来るぞ‼︎」
俺のその言葉に他の皆が、武器を構え直して周囲を警戒し始める。
…………これまで索敵を担当していたから俺の言葉をすぐに信じてくれたよ、ミカの直感は説明するのが難しいから助かったな。
「さて、何が来るかry「エルザちゃん‼︎」っミカ⁉︎」
すると、いきなりミカがエルザちゃんの名前を叫びながら駆け出した…………そのすぐ後に森の中から一つの影が飛び出して、エルザちゃんに襲いかかった!
「《ハンティングスナイプ》‼︎」
『
『GAU‼︎』
その影に向かって俺のアクティブスキルとウォズの風魔法が放たれ、さらにそこにヴェルフが牙を剥き襲い掛かった。
だが、その影は
『
「マスター‼︎」
しかし、稼いだ時間を使ってアーシーの地属性魔法がその影を囲むようにして大きな壁を作り出し、その隙にセリカさんがエルザちゃんを抱えてその場を離脱した。
「エルザちゃん! 大丈夫⁉︎」
「マスター! 無事ですか‼︎」
「はっはい! 私は大丈夫です……でもヴェルフが……」
『KUUUN』
「回復させます《サードヒール》!」
弾き飛ばされたヴェルフも大したダメージではないらしく、セリカさんの回復魔法で完治していた。
そして、その間に他のメンバーも集まって土壁の向こう側にいる謎の影を警戒していた。
「一体何者なんでしょうか?」
『マスター、アイツなんか凄い嫌な感じがする…………』
「ああ俺もだネイ、奴からは異様な気配を感じる…………もしやこの<ノズ森林>の異常の原因かもしれん」
「その可能性が高いでしょうね、明らかな異常ですし」
そんな話をしていると目の前の壁が向こう側から砕け散り、その中から一体のモンスターが現れた。
『GUUUU』
「…………ゴブリン?」
そのモンスターの外見は身長二メートル程のゴブリンの姿をしており、その手には禍々しい存在感を放つ一本の剣が握られ、さらに腰にも一本の剣がさげており、その目は怪しげな赤い光を湛えていた…………そして、その頭上には今まで見たことがない形式の名前が浮かんでいた。
「【魔刃悪鬼 ゴリドン】?」
「まさか…………<
以前、アイラさんから聞いた話では<UBM>とは世界で一体しか存在しない文字通りユニークなモンスターの事であり、特異な固有能力や高いステータスを持つらしい。その戦闘力は
…………なるほど、この森にモンスターが殆どいなかったのはコイツが全部切ったからかな? あの剣もなんか凄そうだ、以前マリィさんの店で見た高性能な装備以上の気配を感じる…………鑑定して見ると【ヴァルシオン】という銘の非常に高い装備補正を持つ剣で、スキルは高レベルの《破損耐性》があるだけだった。
後、腰にさげている剣も鑑定して見たがただの《スティールソード》だった。
『GUUUUAAAAAAA‼︎』
まるで俺達の言葉に“その通りだ”と答えるように、目の前の<UBM>……【魔刃悪鬼 ゴリドン】は吠えてそのまま俺達に襲いかかってきた。
…………これが俺とミカの初めての<UBM>戦だった。
あとがき・オマケ、各種オリ設定・解説
兄:そういえばデンドロ内で男の知り合いが殆どいなかった………
妹:ガールズトークは楽しいね!
《ハンティングスナイプ》:【大狩人】のスキル
・《ハンティングアロー》の上位版。
・威力・射程が上がったがクールタイムもやや長くなっている。
《モンスター・ハント》:【大狩人】のスキル
・遭遇した事のある種族一つを指定し、その種族のモンスターへのダメージを一定時間増加させる。
《スマッシュメイス》:【戦棍士】のスキル
・《スマッシュ》のメイス版。
・打撃武器全般で使えていた《スマッシュ》と違いメイスを装備していなければ使えないが、その分威力が高い。
《インパクトストライク》:【戦棍士】のスキル
・高い攻撃力を持つが、若干のチャージ時間がかかる。
エルザ:ポジションは完全に某ゲームのトレーナー
・すっかり指揮官役が板についている。
《テイマーズコマンド・アタック》《テイマーズコマンド・スピード》:【従魔師】のスキル
・それぞれ、自身の従属キャパシティ内のテイムモンスターの攻撃力とAGIを上昇させる。
・他に防御力を上昇させる《テイマーズコマンド・ディフェンス》などがある。
アリア・セリカ・トリム:三姉妹
・今回のパーティーでは連携の隙を埋める役だった。
・メイン武器はそれぞれ大剣・杖・片手剣と盾を使っている。
・スキルによる高い基礎ステータスを《魔物強化》で底上げしている。
・セリカはSTRとAGIも上げており、緊急時にはマスターを抱えて離脱する役割も担う。
《スラッシュエッジ》:【剣士】のスキル
・《スラッシュ》の上位スキルで、威力の高い単発攻撃。
ヴェルフ&ウォズ:二人とも男
・真面目にヴェルフと、鳥系の中では珍しく実直で思慮深いウォズなので仲は良く連携にも優れている。
・今回のパーティーでは周辺警戒を担当し、新たなモンスターの横入りに気をつけていた。
・ウォズの風魔法は飛行補助がメインのため、森の中でも問題なく行動可能。
アーシー:実は女の子
・様々な地属性魔法に加えて、威力拡大・射程延長・多重発動などの各種魔法拡張スキルも使いこなす。
・今回のラフムの活躍を見て、泥ゴーレムもいいなと思い始めた。
フォルテスラ&ネイリング:後の【剣王】だけあって技術は高い
・《オーヴァー・ブレード》は指定した対象の素のENDをネイリングの攻撃力に加算するスキル。
・これと他のスキルを組み合わせる事で亜竜級すら両断する。
・このスキルは拙作のオリ設定なので、原作でネイリングの詳細が出た時には変更します。
シャルカ&ラフム:今回大活躍
・デンドロでは物理無効の流体は超強い(某悪いスライムとか)
・今回のクエストはラフムがいるかどうかで難易度が大きく変わる。
《エンチャント・ストレングス》《エンチャント・アジリティ》:【付与術師】のスキル
・それぞれSTRとAGIを強化する単体バフ。
・他にも各種ステータスを強化する単体バフがある。
【
・特殊なスキルはなく、高い物理ステータスを用いた突撃を得意とする。
・その突撃からのツノの一撃は、同じ亜竜級のモンスターをも貫くほど。
・……だが、物理無効の泥ゴーレム相手では意味が無かった。
【魔刃悪鬼 ゴリドン】:……詳細は次回!
読了ありがとうございました。次回は<UBM>戦です!